役者を続ける醍醐味

片桐仁(俳優、彫刻家)×小西真奈美(女優、歌手)

2020

03.13

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お笑いタレントとしてデビューし、その後、ドラマや映画、舞台などで味のある演技をし、個性派俳優として活躍されている片桐さん。また、芸術家としての顔も持ち合わせています。同じく、マルチな活動を続けているのが、小西 真奈美さん。女優やファッションモデル、歌手など幅広いフィールドで存在感を発揮しています。

役者仲間との縁


小西
こんにちは。よろしくおねがいします。

片桐
こんにちは。よろしくおねがいします。

小西
一番最初に会ったのは映画「UDON」でしたね。

片桐
あれは2006年です。

小西
14年。早い!でも14年前に初めてお会いして、去年13年間空いて、そこから立て続けに3回の共演。

片桐
すごい縁ですね。「UDON」のこと覚えています?

小西
めちゃくちゃ覚えています。

片桐
香川県のうどんの映画だったんですけど、 

小西
オール香川ロケと海外ロケ。

片桐
真奈美ちゃん以外、男ばっかりだったんですね。

小西
そうですね。

片桐
なんか嫌だろうなって。

小西
全然、すごく楽しかった。

片桐
僕らロケバスでいろんなうどん屋さんに行ったりした時も、ずっとユースケサンタマリアを筆頭に中学生の下ネタを言っていて、前の方で真奈美ちゃんがずっと台本を読んでいて、

小西
ものすごい男子が、きゃっきゃしながら下ネタを言っているわけですよ。

片桐
中学生の修学旅行のバスみたいな。

小西
そうそう、間違えて女子が入ってきてしまったみたいな。でもくだらない話をずっとできるくらいみんないい方たちだったし

片桐
仲よかったんですよ。今もトータス松本さんとか本広監督とはガンプラを作る集まりを毎年やっているんですよ。

小西
十何年経っても?

片桐
そう。でもほぼ仕事はしていない。

小西
いいですね、ずっと友情が続いていて。

片桐
そうなんですよ。 ムロくんとかも出ていましたよね。役者をやっていると折に触れ会いますよね。それがいいですよ。

小西
長くやっている一番の楽しみかも。昔の話もできて、また会えるって良いよねって言える。


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セリフの覚え方



小西
私、役作りはいまだによくわかんないです。基本的に現場に台本を持って行かないんですよ。台本があると見てしまいそうで、見てしまうと、覚えた感じとは全く違ったら大パニックになる。

片桐
そんなことないでしょ。

小西
たまにニュアンスが違ったみたいになると、パニクっちゃうので。

片桐
僕は、ほんのちょっとだったら持っていかないですけど、がっつりだったらどうやって見てやろうと思っていますよ。この前は、システムエンジニアの役だから何言っているのかわからないことをまくしたてるんですが、ずっとすぐ近くに隠していましたからね。

小西
PCに貼ればよかったのに。

片桐
ほんのちょっとしか出番ないのに、俺だけ張るわけいかないじゃないですか。

小西
そうですよね。

片桐
貼りたかったですよ。台本はどうやって覚えています?

小西
とにかくひたすらぶつぶつずっと言います。

片桐
家でですか?

小西
ところかまわずです。家だったら机の前ではなくて、歩いてても、お風呂に入っててもご飯作りながら思い出したらぶつぶつ言ったり、お散歩しながらとか、

片桐
歩くといいっていいますよね。

小西
整理される感じがして。若干変な人に見られます。

片桐
田中哲司さんもレインボーブリッジを歩くと言ってましたよ。あそこはどんなにぶつぶつ言ってもほとんど人がいないからいいんですよね。お台場まで行って帰ってきたって言っていました。大変だと2往復するって。すごいな。以前、落語家の立川談春師匠がたまたま前を歩いて、ずっと落語をしゃべりながら帰っていました。落語家は歩きながら覚えるんですって。定番らしいです。僕もやろうと思うんですけど、そのレベルまで行く前に締め切りがきてしまうみたいな感じなんですよ。

小西
(笑)。どうやって覚えるんですか?

片桐
昔は写真みたいに覚えていたんですよ。パシャって目に撮って。でも、それが今は一切できなくなったので、どうやって覚えたんだろう。

小西
そのパワーを失ったというこですか?なんでだろう。それすごい特殊能力じゃないですか!

片桐
今は映像記憶が一切入ってこないですね。できることを自覚もしてなかったんです。失われたんです。

小西
何がおこったんだろう。大人になっちゃったのかな。


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