日本文化に魅せられて
知花くらら(モデル)×神田京子(講談師)
2019
07.26
短歌を海外の言葉で伝えたい
最近では、雑誌や新聞で短歌エッセイを連載し、先日、処女歌集を発表された知花さん。そして、講談の可能性を広げる公演を積極的に続けている神田さん。ともに日本の伝統文化に携わるおふたり。世界の人にもその良さを広めていきたいという共通の思いがあるそうです。
- 知花
- 短歌も57577なんですが七五調のリズムが心地いいですよね。
- 神田
- 心地いいのよ。日本では七五調といっているんだけど、海外でも同じようなリズムを発見しました。文化交流でいくつかの国と交流させていただいたんだけど、一番食いついてくれたのが、エジプト、イエメン、オマーンの皆さんだったの。講談のリズムがコーランのリズムに似てて、
- 知花
- この節回しも海外の言葉で可能なんですか?
- 神田
- 英語で訳したこともあるんです、短く単語を並べれば七五調もそんなに無理ではないんだけど、やっぱり英語の感覚はちょっと違うかもしれない。
- 知花
- なるほどね。この短歌も日本の詩歌の原型でもあるし、でもこれをどうにか海外の言葉に翻訳できるのかなというのは今すごい興味があって、
- 神田
- くららちゃんならできます。
- 知花
- (笑)。俳句は世界的にもブームで、三行詩としてパリでも大人気、この間、インドネシアの子と話していたら、俳句大好きっていっていて
- 神田
- 俳句の場合だと英語だと意訳になるのかな?
- 知花
- 俳句は短歌と違って情景を切り取るんですね。だからもう少し訳しやすいんだと思うんです。57555のリズムもどこまで再現できるのか、でもシェアしたいじゃないですか、国が違っても。「何やってんのって?」と言われて、「短歌というポエム作ってるんだ」「どんなの?」と言われて、どう説明しようていうことが最近多くて、
- 神田
- それこそ写真と一緒にお届けしたら?
- 知花
- いいかもしれない!フォト短歌。
- 神田
- 見た目の感情とか景色はそれでちょっと想像してもらって、くららちゃん流のができるね。
- 知花
- やってみたい。
祖父の家を建て直したい
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- 神田
- 心がけているのは何か一つ感動したいという気持ちで外を歩くとか、普段、やっぱり仕事に追われていると、感動する余白がないことが多いです。子育ても始まって2年半になるんで、子供からその余白をもらうことも多いんだけれども楽しみとかねこの生命力とか、でも本当に自分が休日の時は、予定入れないでまず外歩いてみて、美術館に行くことが一番多いかもしんない。そしたら意外とその美術館に行くまでに、例えば上野公園だったら森もうこんなに茂ってたとか、季節感で感動するとか、その感動を結局一回寝かせて、なんかに必ず舞台に取り入れてるんで、感動しないことには何も動けないタイプだから、その栄養は感動みたいなくららちゃんは?
- 知花
- 実はこの春から芸大生になったんですよ。
- 神田
- いつ受験したの?
- 知花
- 通信制なんですけど、月に1回か2回のスクーリングがあるんですけど、でも実際、学校に行って9時から5時で丸2日間やってるの。もうひたすら製図しています。建築の勉強し始めたんですけど、本当に大変すぎて、課題の多さと難しさと、今ひーひー言っています。
- 神田
- 意外すぎる。
- 知花
- もともとインテリアプランナーとかその資格の勉強してたんですけど、物足りなくなっちゃって、もともとその自分の中にあったなぜ?という問いに答えを出したくて、悩んで悩んで建築学科に入学することにしたんですよ。
- 神田
- おめでとうございます。
- 知花
- どこに向かってるの?と言われたりとかこんな忙しいときにやらなくてもいいじゃんって言われたりするけれど、
- 神田
- でも私すごく楽しみ。くららちゃんと沖縄の方でもげるまキャンプとか色々活動してるけれども、そういうこと学んだことをどっかで循環させたり落とし込んでいったり還元していこうとか、建築とかも学んだらビジョンあるのかな?
- 知花
- みんなに資格を取るのかって聞かれるんですけど、資格というよりは何か漠然とこうやってみたいっていうことがあって、沖縄のげるま島に祖父の家があるんですけど、祖父の家を改めて沖縄の伝統的な形の家屋で、建て直したいと思っていて、なんか島の景観も崩さずに、沖縄の海とか風とかその環境をちゃんと取り入れた上で呼吸できる、人がその地元の人が自由になれるって言うか、暮らしてて自由になれる空間を作ってみたいなっていうのが漠然とあるんですよね。
- 神田
- それも完全に故郷へのクロスっていうか循環と言うかね。
- 知花
- まあいろんな興味が絡まっていて私はもう古いものが大好きだから古民家とか洋館も大好きだしそういう古い日本のものをこれからどういう風に残していけるのかとか、現代の生活でどういう風に活かしていけるのかっていうところにやっぱり根本の興味があって、
- 神田
- 今の話で感動した。
- 知花
- まだ自分に何ができるかっていうのが分かってなくって漠然としてるんですけどちょっと勉強し始めたら、もう少し見えてくるかなっていうまだよちよちの段階。
- 神田
- でもくららちゃんいつもそれとも形にしてきたから叶う。
- 知花
- 京子さんにそう言われたら頑張れる気がする 。