モデルとスタイリストの関係
五明祐子さん(モデル)×福田麻琴さん(スタイリスト)
2019
05.10
雑誌「non-no」のモデルをきっかけに18歳でデビュー。その後、多くの雑誌やCMなどに登場し、最近ではTV出演など、活躍の場を広げている五明さん。一方、女性誌を中心に広告、CM、カタログ、タレントのスタイリストとして活動されているのが福田さんです。
いつもは、”おはようございます”
- 福田
- こんにちは。
- 五明
- こんにちは。
- 福田
- 五明さんに、”こんにちは”というのが恥ずかしいです。
- 五明
- 普段は、まこっちゃんに”こんにちは”という挨拶をしたことないから。
- 福田
- 早朝の”おはようございます”ですもんね。
- 五明
- そうそう。
- 福田
- 薄暗い中に”おはようございます”と言って会うんです。
- 五明
- はじめて会った時はいつなのか・・・。
- 福田
- 曖昧ですね。雑誌かカタログか、わたしはもちろん存じ上げていましたし、ちょっと緊張していたけど、会って緊張がすぐにほどけた気もします。ついに五明さんのスタイリングをするんだ!みたいな、そういうドキドキはあったとなんとなく覚えてます。
- 五明
- まこっちゃんはスタイリストになって何年くらい?
- 福田
- 15年ぐらいですかね。26歳の時に独立したので。
- 五明
- まこっちゃんの服はパリっぽいというかフレンチなエッセンスが入っている。あんまり攻めた感じとかではなくて洗練されているんだけど、優しさのある。
- 福田
- 嬉しい。
- 五明
- この服きつくて痛いみたいなのはなくて、ちょっとリラックス感もあってトレンド感もあって、
- 福田
- そういうのが好きだから嬉しいです。スタイリングをする時にゆるっと気持ちよかったりとか、それをちょっとキリッとしめるみたいのが、自分の好きなスタイリングだなと思っていたから。でも五明さんがうまく着てくれて、こういう風に着て欲しかったんですという形になるんです。リラックス感とか気持ち良さとか、ただ服を着るモデルさんというのではなくて、その内側と言うか、ライフスタイルが見えるような、そういう人に着てもらいたいなといつも思います。
ファッションページの舞台裏
- 福田
- 撮影で服を着てもらう時に、五明さんはいつも「これはどこを見せたい?」とか聞いてくれるんですよ。スタイリストには服のことを聞いてくれるし、それがビューティーのテーマだったらヘアのどこを伝えたいみたいなことを。「ワンピースのふんわり感を伝えたい」ですとか、「Tシャツの柔らかさを伝えたい」とか、そういうことはこちらからするとありがたくて、やはり意識されてますよね?
- 五明
- そうですね(笑)。それが仕事だからね(笑)。例えば、Tシャツ1枚をどうやってみせようかは、着た瞬間に鏡を見て、どの角度がいいのか、このTシャツの一番いいところを出す。あとは場所。例えば、室内なのか外なのかで気分が変わるじゃないですか。室内にいてお茶をしていたら表情もポーズも変わってくるし、外で元気よく歩いているのは、また変わってくるし、あとみんなの気持ちもあるし、それを全部ちゃんと理解します。あまり考えてないけど、それが癖になっていますね。
- 福田
- さすがです。ありがとうございます。
- 五明
- でも、どうしても似合わないことがたまにあるんですよ。洋服が悪いわけではなくて私が多分悪いんだけど、
- 福田
- そんなことない(笑)。
- 五明
- すごく悩んでしまうこともあったりするんだけど、それをどうにかもっていく。わたしは与えられた服に好き嫌いも、似合う似合わないも判断しちゃいけないんですよね。だから嫌いでも似合わなくてもどうにか一番いいとこにもっていかないといけないっていう。
- 福田
- すごいプロフェッショナルだと思う。
- 五明
- みんなに気づかれないように、ごまかしながら毎回、やっています(笑)。