宇宙飛行士とロケットマンが初対面!
山崎直子さん(宇宙飛行士)×ふかわりょうさん(タレント)
2018
04.06
2010年、スペースシャトル「ディスカバリー号」に搭乗。日本人2人目の女性宇宙飛行士として任務を果たされた山崎直子さん。そして、タレントやMCとして、独自の存在感でお茶の間に笑いを届けるふかわりょうさん。この場が初対面となるおふたり。あまり接点がないように思いますが、まずは出会いの経緯からお話いただきました。
2010年、 NASAケネディ宇宙センターから打ち上げられたスペースシャトル「ディスカバリー号」にミッションスペシャリストとして搭乗。15日間、宇宙に滞在した山崎直子さん。そこまでの道のりは決して順調ではなく、宇宙飛行士試験を受けるも書類審査で不合格。その後も、社会人として経験を積みながら思いを温め続け、見事、宇宙飛行士候補者として認定されます。実際に宇宙に飛び立ったのはそれから11 年後。ついに、夢が叶う瞬間が訪れました。
デュエット相手とご対面!
- 山崎
- ふかわさん、初めまして。
- ふかわりょう
- よろしくお願いします。
- 山崎
- 今回お忙しい中、本当にありがとうございます。こちらから対談の相手にリクエストさせていただきました。
- ふかわりょう
- そうなんですか?
- 山崎
- 無理だとは思うんですが、ふかわさんと対談できますかね?とお願いしたんです。
- ふかわりょう
- それ鵜呑みにして大丈夫ですか?第8希望くらいじゃないんですか?
- 山崎
- とんでもないです。
- ふかわりょう
- 本当ですか?なかなかドラフト1位指名はないので光栄です。でもなんでですか?
- 山崎
- わたし、2010年にスペースシャトル「ディスカバリー号」に乗りまして、国際宇宙ステーションに行ってきたんですけど、
- ふかわりょう
- 拝見しておりました。
- 山崎
- その時に宇宙ステーションと地上とでいろいろ交信しました。その交信のボイスとふかわさんのロケットマンさんが作られているダンスミュージュックの曲とを合わせていただいた動画があるんですよね。ご存知でした?
- ふかわりょう
- 知ってはいるんですが・・・。
- 山崎
- それを知人からたまたま教えてもらったんです。
- ふかわりょう
- えー!
- 山崎
- こんな素敵な動画があるんだとびっくりして!
- ふかわりょう
- よかった。叱られるのかと思っていました。それをご覧になって・・・
- 山崎
- 地球に戻ってきた後なんですけど、その動画の存在を知ったんです。
- ふかわりょう
- えー!そうなんですか。
- 山崎
- そんなご縁を勝手に感じまして、いつか、お会いできたらと思っていました。
- ふかわりょう
- わたしもその動画は何度か拝見していまして、曲と交信のボイスの相性がいいなと思っていたんですが、ただひとつ、お伝えしないといけないんですけど、あれ、わたしが作ったわけではないというのはご存知でした?
- 山崎
- はい。どなたかが掛け合わせたというのは存じあげています。
- ふかわりょう
- よかった。当時、ラジオ番組を持っていた時にリスナーの方が掛け合わせたらよかったので、これアップしてもいいですか?とわたしに確認してきたんですね。
- 山崎
- リスナーの方だったんですね。
- ふかわりょう
- ただ山崎さんサイドには確認は難しいと思うので、勢いでそのまま承認してしまったんですけど、まさか、山崎さんご本人のところに届いていたとは!
- 山崎
- そうなんです。巡り巡ってその存在を知りまして。
- ふかわりょう
- 気に入っていただけたんですよね?
- 山崎
- すごい感動しました。
- ふかわりょう
- ジャンルとしてはダンスミュージックではあるんですけど、それと山崎さんの宇宙の交信の音がこんなにもマッチするのかと。
- 山崎
- 曲の中でデュエットをさせていただいたというと語弊がありますが。
- ふかわりょう
- TVのバラエティーでのわたしが、山崎さんの活動に潤いを与えているのかと思ったのですが、まさか音楽のほう!
- 山崎
- そうですね。
- ふかわりょう
- やっていてよかったです。でも、思えば、ロケットマンって!
- 山崎
- そうなんです。お名前からしてロケットじゃないですか。
- ふかわりょう
- 必然性ありますね。
- 山崎
- どうしてそのお名前にしたんですか?
- ふかわりょう
- ロケットマンの由来ですか?これは弱りましたね(笑)。正直、宇宙にものすごい興味があってとか、ロケット関連にすごく精通していて、造詣が深くてと言いたいところなんですけど、全くもってそうではなくて、ロゴにしたらかわいいなっていうだけなんですよ(笑)。
- 山崎
- えー!視覚的な?
- ふかわりょう
- いちおうバラエテイータレントとしてやっているので、へんにかっこつけた感じもいやだし、でもTシャツやトレーナーを作りたくて。もともと、ピチカートファイブの小西康陽さんとのふたりのユニットで、ただ言い訳するわけではないですけど、宇宙に関する関心は人と同じくらいはあるんです(笑)。
- 山崎
- うれしいです。
- ふかわりょう
- わたしなりの角度で宇宙に対する捉え方はあるので、むしろ、今日お会いできるとあっていろいろ質問したいと思っていたんですけど、縁ですね。繋がったんですね。ここで。
- 山崎
- うれしいです。
夢ではない宇宙旅行
2010年、 NASAケネディ宇宙センターから打ち上げられたスペースシャトル「ディスカバリー号」にミッションスペシャリストとして搭乗。15日間、宇宙に滞在した山崎直子さん。そこまでの道のりは決して順調ではなく、宇宙飛行士試験を受けるも書類審査で不合格。その後も、社会人として経験を積みながら思いを温め続け、見事、宇宙飛行士候補者として認定されます。実際に宇宙に飛び立ったのはそれから11 年後。ついに、夢が叶う瞬間が訪れました。
- ふかわりょう
- いつ宇宙に対する興味を抱いたのですか?
- 山崎
- 子供の頃ですね。幼稚園から小学校2年生までは北海道に住んでいたこともあって星が綺麗だったんです。一番記憶に残っているのが、冬、寒い時、近所の子供たちと一緒に雪だるまやかまくらを作って、見上げた星が綺麗だったというのが残っています。ちょうどその頃、「銀河鉄道999」とか「宇宙戦艦ヤマト」とかもう少し経って「スターウォーズ」とか宇宙、SFが流行っていたんですよ。
- ふかわりょう
- 確かに。多かったですね。
- 山崎
- それを見て感化されましたね。
- ふかわりょう
- それでどのような行動に移すんですか?
- 山崎
- その時は、宇宙はおもしろそうだなぁ、好きだなぁくらいで、まだ日本では宇宙飛行士は誰もいなかったので、大人になったらみんな宇宙に行くんだろうなと思っていました。車が空を飛んでいたりする未来予想図がある中で、人は宇宙で生活すると思っていました。
- ふかわりょう
- プラネタリウムに行ったり、望遠鏡を買ってもらったりしました?
- 山崎
- プラネタリウムにはよく行きました。近所で星を見る会があるとよく参加していました。
- ふかわりょう
- ここ何年か、民間の宇宙旅行事業もありますよね?
- 山崎
- 今、実は国際宇宙ステーションにも7名ほど宇宙旅行者が滞在しているんです。ただまだ金額が高くて億単位なので、7名しか行けていないです。でもそれをもう少し身近にしようということで飛行機型のようなものとか、再利用型の宇宙船があって、まだ運行は開始されていないんですけど、そろそろ開始するということです。
- ふかわりょう
- でもどうなんでしょう。われわれが、旅行感覚で、宇宙に旅に出られる時代はいつか来るんでしょうか?
- 山崎
- もちろん来ると思います。宇宙船自体ももうすぐ認可されようとしていますし、またその宇宙船が飛立つスペースポートという離発着上もアメリカでは10個も整備されて待っているんです。そういうのができてくると宇宙旅行が身近になってくるんじゃないかなぁ。最初はまだ費用も高いんですけど、飛行機も昔は高かったので、だんだん人が乗るようになると、下がってくるのではないかと思います。
- ふかわりょう
- そうなんですね。いろんな画像や映像を見てしまって、もう自分は地球を外から眺めたような気がするんですよ。経験済みのような誤解をしているんですけど、本当に外側から地球を眺める、それを経験できるかどうかは大きいと思っていて。
- 山崎
- 確かに私も宇宙に行く前にいろいろ写真は見ていたので、地球は丸いとか青いとかはもちろんわかるんですね。それでも実際に行くと理屈ではなくて、こういうことかと、ストンと、体で分かる感じがします。400キロの高さに国際宇宙ステーションがあるんですけど、400キロまで行ったらどのくらいの高さなのかと最初思っていたんですけど、いざ行ってみると無重力なので地球の方が真上に見えたんですね。自分のほうが低く沈んでみえるんです。400キロまで行ったのに逆転してしまっているような感じがして、これが無重力かと。
- ふかわりょう
- そうか。
- 山崎
- 頭ではわかってはいるけど、やっぱり、ストンとはいってくる感じがあるんじゃないかな。
- ふかわりょう
- 可能なら死ぬまでに一度、外から地球を眺めるのは経験したいなと思います。想像では得られないものを感じると思うので。
- 山崎
- それをぜひ音楽やいろいろな表現にいかしていただきたいです。
- ふかわりょう
- そうですね。
- 山崎
- 楽しみにしています。