年齢と共に美しくなるために必要なこと
牧瀬里穂さん(女優)×山本浩未さん(ヘアメイクアーティスト)
2017
09.24
ちょこっと手をかけてあげる
先週のお話の中で、着物の着方について、「大人になったら若い時と同じではダメ」とおっしゃっていましたが、これは、日頃のファッションやメイク、スキンケアについても言えること。年代に合わせて変えていく、というのが大切なんだそうです。
- 牧瀬
- さじ加減とか引き算とかどういう風にすればいいのか、人それぞれだと思うけど、どうしたらいいのでしょうか。
- 山本
- 難しいね。わたしいつも思っているのが、20代まではプラスの時代、なんでも盛っていい時代、30代からはマイナスの時代だと思っているのね。メイクもファッションも全部引いていき、シンプルにしていくのが30代。40代に入って、半ばくらいからは、またプラスの時代。20代の頃のプラスと違って、30代で自分の基本が見えてきたところの魅力をアップしていくのが、40代半ばくらいから。自分の強みをどんどん強調していくのがそこから先だと思って。
- 牧瀬
- 30代の時、見つけきれなかったよ。どうしたらいいの?
- 山本
- まだ大丈夫。見つけきれているとかじゃなくて、プラスすることをちゃんとしないと、ただの地味なおばあさんになってしまうんだよね。
- 牧瀬
- 難しいね。
- 山本
- 難しいことだけど、自分のことだから。自分の何がプラスになるのか、その年代の人たちは意識したほうがいいかなと思うのと、30代になったらマイナスすることを覚えたほうがいい。そこでマイナスしておかないと、大人になってマイナスするのができなくなるというか、難しくなってくるの。30代の時に内側も外側も素の自分を見えていると、40代からのプラスができる。わたしが里穂ちゃんのいいなと思うのは、肌を大事にする点。
- 牧瀬
- 肌大事よ。
- 山本
- 肌が健やかというか。
- 牧瀬
- もともと強いんだなと思うけど。
- 山本
- やっぱり、ちょこっと手をかけてあげることなのよ。いままでと同じでは、ダメとなのは、みんなわかっていると思うのね。それをなんとなく今までと同じでキープしようなんて虫のいい話なのよね。
- 牧瀬
- どういう風に手をかければいいの?
- 山本
- しなびてきた野菜は氷水につけてしゃきっとさせるとか、調理法変えておいしくするとかしないとダメでしょ。つまり、わたしたちも扱い方を変えてあげないといけないのよ。それが何かというと、ちょこっと手をかける。いままでかけてなかった手をひと手間かける。それだけで絶対に綺麗になると思う。手のかけ方はみんないろいろでいいと思っていて。
- 牧瀬
- 全員一緒では、ないもんね。
- 山本
- できる人とできない人がいて、例えば、スキンケアで化粧水、美容液、乳液、クリームのステップをふんだほうがいいと思っていてもめんどくさいとか時間がない時は、オールイワンを一回つけて、もう一回、重ね付けする。その程度でいいんですよ。
- 牧瀬
- すごく高級のものを使うとかではなくていいんですよね。
- 山本
- そう。普通の化粧水、乳液を使っている人は、それぞれもう一回、重ねる、それでもいいわけ。ほんのちょっとしたことで違ってくるから、いつも自分がやっていることをちょっと丁寧にやってみるとかだけでいいんだよね。
丁寧なクレンジングが美肌を作る
- 山本
- 里穂ちゃんの肌が、すごくいつも綺麗だなと思うのは、肌の触り方が半端なく丁寧なんですよ。わたしは、よく桃を触るように肌を触ってくださいと言うんだけど、桃は、がっとつかむと、傷がつくから、桃を触るように優しく自分の肌を触って欲しい。でも、大概の人はじゃがいもを扱うみたいに触るの。里穂ちゃんは、本当に丁寧。
- 牧瀬
- それは仕事で時間との戦いだけど、わたしはワンステップごとに間がありますね。クリームまでに20分くらい。
- 山本
- かけすぎだけどね(笑)。里穂ちゃんはそれができるからいいけどね。
- 牧瀬
- 状況がね。いろいろあるから。
- 山本
- でも、きれいになりたいと思ったら、毎日ではなくてもそういうのを時々入れてあげるのも大事。今日は、スペシャルなパックとか美容液がなくてもいつものお手入れを10分かけてやってみようとか。今の季節だとちょうど夏疲れして、肌がごわついている。そういう時に手っ取り早く家にあるもので何ができるかというと、クレンジングかなと思っているんです。クレンジングを丁寧にやっている人は実はあまりいなくて、ちゃちゃちゃちゃちゃってやる人がすごく多いんですよ。今は肌が紫外線をあびてごわついているので、肌を柔らかくしてあげるとよくて、肌の表面のいらないものを取るためにマッサージをしながらのクレンジングをしてあげると、いいかなと思っています。ただクレンジングには界面活性剤が入っていて、それは汚れをさっと落としてくれる、いい役目もあるんだけど、肌の上に長くのっけていると、あんまりよろしくないので、もし秋冬に向けてクレンジングを新たに買ってもいいかなと思うならミルククレンジングとかバーム状のクレンジグがすごいおすすめです。それだと肌の上で3分くらい置いてもそんなにマイナスがないかなと思うので、そういったものを使ってただメイクを落とすのではなく、肌のいらない角質を取ってあげるようなマッサージをしてあげるといい。マッサージの方法は自分がこういうなったらいいなと思う方向に指を動かせばいいだけ。つまり、中央から下から上、中心から外側、目だったら下げないで持ち上げる、鼻筋は通したいからきゅきゅだし、小鼻は、すっきりさせたいから、小鼻の脇も円をかくように自分の顔がこういう位置だったらいいのになと思いながら、手を桃を触るように動かす。
- 牧瀬
- なるほど。
- 山本
- そういう風に考えると、3分なんてあっという間に経つでしょ。ほとんどの人は50秒くらいで終えているので、まずメイク落としのクレンジング剤を使って、そういう風にする。それだけで肌がまず柔らかくなります。そのあとの洗顔は、いろんなやり方があるけど、洗顔フォームを使うなら、鏡を見ながら丁寧にしてあげると、肌がさっぱりします。里穂ちゃん顔を洗う時どうしている?
- 牧瀬
- もこもこ泡で
- 山本
- 丁寧にね。
- 牧瀬
- 肌は触らず。
- 山本
- 泡でころがすように。
- 牧瀬
- はい。
- 山本
- そういう風にちゃんとやるとこういう綺麗な肌になるのよね。
- 牧瀬
- いつも何やっているんですか?って聞かれるだけど特別なことはやっていないし、特別なものは使っていない。
- 山本
- 丁寧にやっているんだよね。
- 牧瀬
- 乾燥させないとかきちんとメイクを落とすとか。
- 山本
- クレンジングと洗顔をメイクを落とすためではなくて、いらなくなった角質を落とすためにするっていうのをしばらくの間やってみると、肌の感触が違ってくるし、その時に蒸しタオルを使ってあげると、またこれがいいと思うんですけどね。