似ているところもあるし、違うところもある

牧瀬里穂さん(女優)×山本浩未さん(ヘアメイクアーティスト)

2017

09.10

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高校在学中に芸能活動をスタートし、CM出演で注目されると、その後、映画やドラマにと次々と出演をし、一躍、トップスターの仲間入りを果たした牧瀬さん。

一方、「今すぐ実践できるメイクテクニック」を発信し、多くの女性たちから支持されている山本さん。美容に関する多数の連載を持ったり、化粧品や美容グッズの開発にも携わる“美”のスペシャリストです。

公私ともに交流のあるおふたりに、今回は、スタジオではなく、渋谷にある三井ホームのモデルハウスで語っていただきました。リラックスした雰囲気の中、付き合いの長いおふたりだからこそ、知り得る、お互いの素顔に迫っていきました。

根底の部分が一緒



山本
おはようございます。

牧瀬
おはようございます。よろしくおねがいします。今日は、素敵なおうちで収録できて嬉しいです。

山本
光が燦々として

牧瀬
気分が明るくなっていいですね。

山本
私たちが出会ったのは、里穂ちゃんがまだ10代だったの。アイドル真っ只中の時。

牧瀬
浩未さんが某化粧品会社のヘアメイクさんで、最初はお仕事で会った?

山本
お仕事だった。コマーシャルの撮影。

牧瀬
浩未さんは20代とか?

山本
26歳とか27歳の時かな。会社を辞めたのが28歳の時だったので、里穂ちゃんがアイドルとしてすごく売れている時だったと思う。全然寝ていないから、現場に来てメイクをしていてもずっと寝ているんですよ。眠り姫のように。

牧瀬
頭押さえて、メイクしてくださっていた記憶はあります。

山本
ほんとうに忙しく働いていて、でも、しゃきっとしていてアイドルってすごいなと思った思い出があります。

牧瀬
ありがとうございます。浩未さんの印象は変わらない。明るくてタレントさんを気持ち良くもっていってくれる、それが上手だなと思って。

山本
ヘアメイクの人はそういうのが慣れているし、いつも思うのは、牧瀬さんのことをこんなにかわいくメイクできるのはわたしが一番って。

牧瀬
それってヘアメイクさんはどのタレントさんにも言ってる言葉なんですか?

山本
そんなことないです。

牧瀬
ほんとですか?

山本
美意識の部分か何か、根底の部分が一緒のところがあるのかなとは思っていたんだけど、わりと今、大人になっていろんな趣味とか近寄ったところもあって、相性がいいのかなとはいつも思う。

牧瀬
たしかにそうかもね。メイクは表面だけではなく、出来上がったメイクに対して笑ったり、動いたりした時にはじめて完成するものだから、そこを計算して、メイクしてくださる。

山本
はっきり言うと、里穂ちゃんにはほとんどメイクすることがなくて

牧瀬
して!

山本
ほんとうにそうなの。里穂ちゃんは自分自身をちゃんと慈しんでいる人なんですよ。自分のメンテナンスをすごくする人で、そのへんの節制がきちんとできているので、案外年取らないみたいな。

牧瀬
そんなことない。

山本
知ってる。

牧瀬
みんな一緒に年を重ねている感じで。

山本
今は、素敵な旦那さまと暮らしているけど、ちょっと普通の人とは違う才能のある方だからその旦那さんと暮らしながら実にうまく生活しているなっていつも思う。

牧瀬
自分はいつも不器用だから、人に対しても自分に対しても、言葉が悪いけど適当に立ち回れないんだろうなって、45年、6年思ってきているけど。

山本
里穂ちゃんは情が厚い。わたしはそんな情が厚くないほうなんですけど。だから一度この人って決めた人には、ほんとうに情をつくすんですよ。それは私自身にも向けてくれるし、他の人にもそうだし。結婚してからは、一番は旦那さんだと思う。

牧瀬
ほんと?最近、そうじゃないかもと反省したりして。

山本
絶対見捨てないし。そのねばり強さ、さすがだなと思うんだよね。

牧瀬
夫がねばり強いんだと思う。心が広い。


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留学で変わった人生観


山本さんと出逢った10代の頃は、アイドルとして、とにかく忙しい日々を送っていた牧瀬さん。その後、しばらく期間を置いて再会したおふたりですが、この時期、牧瀬さんには、大きな変化があったようです。

山本
里穂ちゃんの好きなところは、ひとりでなんでもできるところ。昔は、そんな人だと思わなかったんだけど、アイドルだったからスタッフの方にがっちり守られていて、例えば電車にも乗れませんというのが多い世界で彼女はひとりで何でもできて、京都にふらっと予約しておいしいもの食べにいくとか、そういうのができる人だと知ったのは大人になってから。

牧瀬
いつも囲まれていた生活だったから一人になりたいという欲望といろんな人を演じるのに実際に切符も買えないというのは自分の中で説得力がないなと思って、ちゃんとした大人にならなくては思って。

山本
それ、いくつくらいで思った?

牧瀬
20代前半とか

山本
え!前半で!

牧瀬
OLの役をやっていても電車にも乗ったことないとか自分の中で納得できないと思ったので。

山本
20代の頃の里穂ちゃんをあまり知らないんだよね。再会したのが里穂ちゃん20代後半くらいだから。

牧瀬
ひとりで動く人がかっこいいと客観的に思っていたから、だんだん自分も大人になって、いろんなことができるようになってくると、ひとりって楽と思って、自分が思った時にそこにいける、それを食べられる、というのがすごく楽しい。

山本
そこもわたしたち気が合うのかもね。やりたいことのタイミングを逃さないという。

牧瀬
30歳の時にカナダのバンクーバーに留学したんですが、みんな自由なの。自分がやりたい時にやりたいことをやる、自分が納得すればそれでいいじゃないかという人が多くて。何をわたしは待っていたり、恥ずかしかったりしていたんだろうと思って。これからは自分が責任を負うけど自由なことやっていこうと、そうすると仕事に戻って、みなさんがいろんなことをケアしてくださる時にちゃんと感謝ができるようになった。

山本
感謝は大事よね

牧瀬
それがすごくよかったなと思って。

山本
語学だけではなくて自主性をちゃんと持って帰ってきたというのは大きかったかもね。

牧瀬
半年だったので語学は難しかったけど、いろんな精神的な面とか、日本のよさも気がついた。日本の文化についていろいろ聞かれるときに何も答えられなくて語学より日本の文化をちゃんと勉強してから海外に出るべきだったとまず思ったから、それで帰ってきて改めて日本の文化を勉強したいと思った。

山本
日本舞踊を習ったのは?

牧瀬
22歳くらいの時。

山本
だからわりと好きは好きだったのよね。だって名取までとったんだもんね。

牧瀬
いちおう、いただきました。

山本
はじめたら最後までちゃんとするよね。

牧瀬
情が深いから。浩未さんはいろんなものに手を広げる感じ。

山本
浅く広くって感じ。

牧瀬
それは、反対にうらやましい。似ているところもあるし、全然違うところもあるふたり、です。

山本
そうね。


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