狂言、歌舞伎、日本映画界のトップが集結!
野村萬斎さん(狂言師)×森下佳子さん(脚本家)
2017
06.04
映画「花戦さ」は、時の権力者・豊臣秀吉に刃ではなく"花"をもって仇討をする生け花の名手、池坊専好の生き様を描いた歴史ドラマ。狂言、歌舞伎、そして、日本映画界のトップ俳優たちの競演が実現し、池坊専好を野村萬斎さん、千利休を佐藤浩市さん、豊臣秀吉を市川猿之助さんが演じています。
舞台が戦国時代とあって、池坊専好、千利休、豊臣秀吉のほかにも人気の高い武将たちもたくさん登場しています。織田信長を中井貴一さん、前田利家を佐々木蔵之介さん、石田三成を吉田栄作さんが演じています。
■『花戦さ』
6月3日(土)全国公開
コピーライト:©2017「花戦さ」製作委員会
配給:東映
出演者:野村萬斎 市川猿之助 中井貴一 佐々木蔵之介 佐藤浩市
脚本:森下佳子
音楽:久石 譲
監督:篠原哲雄
原作:鬼塚 忠「花戦さ」(角川文庫刊)
「映画『花戦さ』オフィシャルサイト」
会話を重ねながら作り上げる
- 森下さん
- 専好さんに関しては、理屈っぽくないセリフにしたくて、彼が生ける花や行動で彼が考えているものが見えればいいな。だから最後以外は、あまりしゃべってないですかね。
- 萬斎さん
- そうですね。
- 森下さん
- 本を書いている段階で、佐藤浩市さんから、「なぜ、利休が切腹を受け入れるのだ。なんで謝らないのか納得いかない」と言われ、打ち合わせ室で話をしたんです。答えはすぐでないですよね。私もよくわからないし、佐藤さんも納得いっていないけど、話しているうちに「もう自分が腹を切る以外にもてなしようがなかったんだよ」と言いだしたんですよね。そこで、書き直しました。萬斎さんも来て言っていただければよかったのに(笑)
- 萬斎さん
- 直接は言いませんでしたが、こちらからも利休に影響することも必要だということで、一輪だけで伝えるようにしました。
- 森下さん
- 史実みたいもあったので。
- 萬斎さん
- 秀吉をもてなす時に、たくさんの朝顔を見に来たつもりが一輪になったというのがうまく繋がりましたよね。
- 森下さん
- そういうコミュニケーションから作っていけるのはすごく楽しいですね。
- 萬斎さん
- そうですね。
それぞれが自分の土俵を感じさせる芝居
舞台が戦国時代とあって、池坊専好、千利休、豊臣秀吉のほかにも人気の高い武将たちもたくさん登場しています。織田信長を中井貴一さん、前田利家を佐々木蔵之介さん、石田三成を吉田栄作さんが演じています。
- 森下さん
- 付き合うなら、前田利家がいいですね。利休さんならどう接していいのかわからないですよね。専好さんは私のこと見なくて、花しか興味なさそうですし。
- 萬斎さん
- もちろん、池坊という仏につかえる身として、あの時代、妻帯者になれなかったのかもしれないけど・・・。
- 森下さん
- 秀吉と付き合うのもなぁ、
- 萬斎さん
- でも、あそこまでやるのを見ると、パートナーとして心が痛んでくるんのではないですか。ちょっとやり過ぎじゃないと言っても、聞いてやめるような人ではないですか。そのへんの憎々しさを猿之助さんが非常におもしろくやってくださってね。
- 森下さん
- 猿之助さんがやると、ちょっとチャーミングですよね。
- 萬斎さん
- そうですよね。
- 森下さん
- 秀吉はやろうと思えば、あの時期は、どこまでもえぐぐできると思うので。
- 萬斎さん
- 一種の歌舞伎ならではの悪の華というか、そういうところをお見せになったのかなという気もしますね。
- 森下さん
- そのへんもおもしろかったです。みなさんが育った土壌で、演技の間や作り方の違いがおもしろかったです。
- 萬斎さん
- まさしく、華の個性みたいな感じですかね。
- 森下さん
- みなさん、自分の土俵を感じさせてくれる芝居を一歩も引かないでしているのがすごいおもしろかった。
- 萬斎さん
- なるほどね。
- 森下さん
- 萬斎さんが振り向くときの間とか、セリフの入りとかは、狂言の入りなんだなと感じるところもあるし、猿之助さんの目線、顔の作り方も、そこに俺こそ映画がみたいな顔をして入ってくる佐藤さんとか(笑)
- 萬斎さん
- (笑)
- 森下さん
- やっぱり、映画を背負っている感じしません?佐藤さんが入ってくると。
- 萬斎さん
- そうですね。この映画はどのキャラに合わせて見るかで見え方がまた変わるというか・・・。
- 森下さん
- そうかもしれないですね。
■『花戦さ』
6月3日(土)全国公開
コピーライト:©2017「花戦さ」製作委員会
配給:東映
出演者:野村萬斎 市川猿之助 中井貴一 佐々木蔵之介 佐藤浩市
脚本:森下佳子
音楽:久石 譲
監督:篠原哲雄
原作:鬼塚 忠「花戦さ」(角川文庫刊)
「映画『花戦さ』オフィシャルサイト」