成長するオフの過ごし方
武井壮さん(百獣の王)×藤田晋さん(サイバーエージェント代表取締役社長)
2016
09.11
「百獣の王」のキャッチコピーで知られる武井壮さんとサイバーエージェントの代表取締役社長を務める藤田晋さんのオフにフォーカス。さらには、同じ歳43歳であるおふたりが思い描くヴィジョンにも迫っていきました。
オンオフの切り替え
- 武井
- 毎日忙しいと思いますが、お休みあるんですか?
- 藤田
- 自由自在ですね。今は「AbemaTV 」の立ち上げで忙しくハードな時期ですけど。
- 武井
- 藤田さんのオフってどんな感じですか?
- 藤田
- オンとオフの境目がないんですよ。例えば、武井さんとごはん食べに行って、仕事の話をしたら、その時は、もうオンもオフもよくわからないじゃないですか。
- 武井
- 僕らの仕事はオンの時にオフ力が大事で、仕事の時に知らない人ばかりだと話がはずまなかったり、広がりができないので、なるべくオフの時間はオンだと思って、たくさんの人と食事をしたり、必ず誰かと食事をすると決めていたり、そういう過ごし方をするので、藤田さんと似た様な感じですね。オンとオフが混在していますね。
- 藤田
- そうですね。でも、家には奥さんと3歳の子どもとトイプードル2匹いるので、かなり癒されるんですね。「AbemaTV」観ているのんですけど。
- 武井
- ご自身でも観ているんですね。
- 藤田
- もちろん!そうとう観ていますよ。だからずっとそれで頭が動いちゃう。
- 武井
- どのチャンネルが好きなんですか。
- 藤田
- やはり、どうしても麻雀チャンネルですかね。自分も出演しているので。自社で制作しているニュースやバラエティは観ていないと、口出しした時に観てないじゃんと言われてしまうので。
知られざる努力
- 武井
- 藤田さんの人生を見返してみて、ご自身に何点つけられますか?
- 藤田
- 何点かは難しいですけど、僕、武井さんと同じ歳ですけど、今が一番楽しいですよ。20代の頃は、僕らの先輩が40代、50代が一番楽しいっていうのが信じられなかった。若い方が楽しいに決まっていると思っていて。でも20代の頃は理想と現実のギャプに苛まれて必死にがんばっていたけど心の余裕がなかった。30歳になったら楽になって、40歳になったらもっと楽になって家庭と仕事のバランスの取り方も自由自在になっているし、仕事では使えるお金や人といったリソースは昔と違い大きなこともできるようになっているし、一気に気が楽になった。20代、歯をくいしばって苦しんでいた時と今の視界が開けた感は全然違いますよね。
- 武井
- 僕も20代でスポーツをやっている時、自分のしょぼさ、理想との乖離に悩んでいた時があったんで、30代もそうだった。自分の持っている能力がどこにも必要とされてないと感じていたので。今は開けたと感じますね。ここから何を作っていこうかなというのを楽しく眺めているので。今、最高なんですよ。
- 藤田
- 歳を重ねるごとに今が一番いいと思う人は、多いんじゃないかな。50歳になっても自分のライフスタイルを固められて、昔のように苦労することはなくなったみたいな。
- 武井
- 20代30代、なかなか思ったようにならない人にアドバイスをするとしたら?何が足りないと思いますか?
- 藤田
- 厳しいですけど、理想を落としてはいけないと思うんですよね。理想と現実のギャップを歯をくいしばって埋めるしかない。
- 武井
- 僕、最近、そういうのをtwitterでつぶやいたりして、夢は叶うとかではないんですけど、理想と現実のギャプが100あるとしたら100積んだら埋まるわけじゃないですか。 でも、「そんな簡単じゃない」とみんな言うんですよ。「働いていて、しんどいんだよ」とか「大変だ」とかすごい言われるだけどけ、僕、今、人生で一番働いていると思うんですよ。 一日何十時間も仕事して、その後トレーニングを1時間と知らないことの勉強1時間と新しい趣味の能力を開発する1時間とこの3時間を仕事の後に必ず作っているんですけど、それを小出しにすると反発がきたりするんですよ。
- 藤田
- 僕が社会に出る時は、バブルがはじけて10年経ち、日本経済も停滞していて、上昇志向とか大きな夢とか理想を口にする人がバカにされる風潮だったんですけど、そこから20年経って今、意識高い系という言葉が流行っていて、大きなこというとバカにされるのは、自分の状況がたいしかことない人がそういう状況に引きずろうとしているだけで、そういうのに負けてはいけないということですね。
- 武井
- 藤田さんの周りにいた、堀江さんや三木谷さんたちは、社会で大きな役割を担っていますよね。みなさんに共通してあるものって何ですか?
- 藤田
- もともと視点が高かったし、ネットバブルの時に渋谷近辺をピットバレーといってお祭り騒ぎみたいな感じがあったんですけど、その会合にぼくも堀江さんも三木谷さんもほとんど出たことがなくて、僕も10分講演しに行っただけで、つるんでないんですよ。 今でも経営者仲間でつるもうということもなく、孤独に耐えて理想を高く掲げてがんばっているということですね。
- 武井
- 今持っているビジョンは、どういうところを目指しているのですか?
- 藤田
- 21世紀を代表する会社を作るというのがビジョンなので、世界的にも成功しないといけないし、もっと社会的な影響力のある会社にならないといけない、という目標設定はしています。