違いを楽しもう!
有村 昆さん(映画コメンテーター)×湯山 玲子さん(著述家)
2016
04.24
映画コメンテーターの有村 昆さんと著述家の湯山 玲子さん。
多くのメディアで積極的に情報を発信されているおふたりが考える
プロの仕事術とは?
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違いを楽しもう!
- 湯山
- 有村さんが、いちばん多く、映画をインプットしたのはいつ頃ですか?
- 有村
- 子どもの時から観ていましたけど、それは趣味だったので、実際にがんばったのは25歳くらいからですかね。
仕事としてお金をいただくと見方も変わりますよね。自分の好きなジャンルだけ見るわけにはいかない。
中にはつまらない映画もあるんですよ。それをどう紹介するか、こちらの腕が問われますよね。
正直、B級映画やZ級映画はつまらないんですよ。でも、つまらないのも一回りすると面白くなる(笑)。
とことんまで追求すると、世の中は、イヤなことすら面白くする見方があるんだなと。
そうすると人生がより豊かになる。ジャンクなものこそ珍品なんじゃないですかね?
- 湯山
- そう!「まずうま」ってジャンルがあって、まずいから美味い。昔は、蕎麦屋のカレーなんか「まずうま」よ。
- 有村
- マリー・アントワネットも最終的にはキャビアなどの珍品を好んでいたので、逆にまずいものは贅沢なのではと思う。
- 湯山
- 味があるとも言えるよね。
- 有村
- まずいっていうのは簡単なので、深い味わいだねと嗜める大人になりたいですね。
- 湯山
- それ人間も言えるのよ。嫌な上司も「まずうま」だと思えばいいのよ。こんな悪いヤツみたことないと愛でられる人になりたいね。
- 有村
- それだったら戦争とか起きないですよね。「まずうま〜」が世界の共通言語になればいい!
- 湯山
- そうね!「まずうMER〜」
- 有村
- これがあれば世の中平和。人種や考え方が違ってもいいじゃないか!その違いすら面白いってなりますよね。
仕事における本物のプロとは?
- 湯山
- 私は、ここまで生きてきて自分は仕事が好きな人だと思った。
プロの現場で、金銭の授受があって、人と関わることが好きなんだと思う。
人に教えることも好きだし、バーのママでもいいし、そういうのを見つけて常に現場にいたい。
リタイアは考えられないな。70歳の時は何をやってるんだろう?この仕事してるのかもわからない。
- 有村
- この時代、仕事は形態が変わっていきますよね。
時代の流れがどんどん移っていくから、今までこれでいけると思ったことも変わりますよね。
映画もDVDよりスマホで観る時代ですし、常に変わってきている。
こちらもニーズに合わせてどんどん変えていく。逆に言うと、その変える作業が面白いんですよ。
チェンジすることを恐れちゃいけない。
- 湯山
- そこだよね。
- 有村
- つい自分を過信してしまうじゃないですか。でも、それが断捨離できるか。捨てたもん勝ちですよね。
- 湯山
- でも、捨てないでずっと太っていくこともあるのよ。
- 有村
- 太るとどうなるんですか?
- 湯山
- ホールドしながらもいろいろと走らせていくということ。
私は捨てないほうなんですよ。卒業をしないタイプ。
編集の仕事にもすぐ戻れるし。仕事の基本、結論は消費者、ユーザーとの接点で、ゴールに対して集中できるかが大事。
当たり前だけど、みなさん夢で終わっちゃうんだよね。
現実は苦いものだから。その苦さと反省を受け取る心の強さを持たないと。
- 有村
- 自分はこんなもんだったと受け取ったらどうするのですか?
- 湯山
- 実は仕事の中でパフォーマンスが悪い人は口だけで形にしないの。
その人は、やっちゃった時の失望が怖い人だと思う。それって小さい仕事でもみんなの心の中に潜んでいると思うんだよね。現実化するのがイヤという。
- 有村
- 形に出来ない。むしろ形にしない。
- 湯山
- だから、とにかく形にしよう!納品しようよ!私は、80パーセントだけど納める人がプロだと思いますね。