今月ご乗船いただいているのは、世界的に活躍する、能楽囃子大鼓奏者の大倉正之助さんです。

大鼓という伝統打楽器を通じて、国内外のアーティストとも次々にコラボレートを実現。
ローマ法王に招かれ、バチカン宮殿でも演奏の経験があります。

海外での演奏経験も豊富な大倉さんですが、実はオートバイにも深い思い入れをお持ちです。
「能とオートバイは、人生の両輪」とおっしゃる大倉さんに、『バイクと旅』のお話を中心におうかがいしました。


ー 船やバイクというのは、非日常をより強く浮かび上がらせてくれる ー


干場「大倉さんは、大鼓を持ってオートバイで旅をする機会も多いと伺っていますが"大鼓とオートバイ"って、あまり結びつかないですね」

大倉「オートバイは、自分にとって趣味ではなく生きる上での大切な道具として捉えている、もしくは馬であるとかね。江戸時代にかけては、武士の共通言語として、能や鼓をたしなみました。地方の人と話し合う時は、方言が強くお互いに理解が出来ないこともあったでしょう。今みたいに、標準語が無いわけですからね。「謡詞(コトバ)」で話せば、お互い通じるんです」

干場「そういう事なんですね」

大倉「だから、各大名は謡の心得があり、それがコミュニケーションツールでもあったようです。能は戦国時代の武士達のたしなみだったんです。当時の生きるか死ぬかという日々の中で、鼓を打ったり、舞台を催したり、そういう事に集中することによって、不動心を養ったり、文武両道をある意味で極めていった、当時の武士達の生き様が見えて来ると思います。現代においては、我々はこの現代生活で、そういうリアリティを味わう事も中々ないですね」

干場「そういったものを培うのは、中々難しいですよね」

大倉「私にとっては、バイクに乗る事が当時の戦国時代の武将達の胸中というか、そういうものを彷彿させてくれる様な気がします」

干場「当時の馬みたいなものなんですね。バイクに乗り始めたのはいくつくらいですか?」

大倉「バイクで旅を始めたのが18歳くらいからで、自分にとって馬の様な感覚ですね。船やバイクというのは、非日常をより強く浮かび上がらせてくれる。そういう、旅をする道具の一つとしては、バイクは欠かせないものだなというところはあります」

干場「大倉さんの言葉の中に、「芸能の原点は命がけの旅にある」と仰られていますね」

大倉「みんな命懸けで、切磋琢磨して、それぞれの分野で仕事をされていると思うんですよ。鼓というものに向き合っている時、自分はこれで命絶えるんじゃないかという様な状況まで追い込まれたりします。それを乗り越えて、人はスケールアップしていくと思います。自分は何度も声が出なくなったりとか、鼓を打つとき奥歯を噛み締めますから、奥歯を砕いてしまったりとか、そういう事がありました。私は素手で打っているのですが、今は素手で打つ人はいなくなってしまったんですよ」

干場「素手以外だと、何で打つんですか?」

大倉「硬い和紙で作った指サックを手に着けて打つんですよ。私は古式を守って素手打ちにこだわっているんです」

干場「素手だと音が出にくいという事なんですか?」

大倉「音の概念が「調べ」になるんですよ。指サックを着けることで、こだわりの音、職人技としての音を出すという意味では、これはこれで、僕はすごい技だと思っています。決めた音がいつでも出る、プロフェッショナルとしてはすごい事だと思います。私の場合は、季節や空気によって変化していく調べを楽しんでもらいたい。そういう表現もあるだろうと思うんです」

「生き物と出会える、オススメのクルーズはありますか?」

保木「船は世界中の海を巡りますけど、夏の間にオススメなのはアラスカです。
クジラを見る、野生動物のウォッチングクルーズというのも出てたりするんですよ。
陸の旅から、気軽にそういうクルーズに出かけるのもいいですね。

デッキの上を歩いていると、エンジンの音に誘われてイルカが船の横を泳いでたりするんですよ。
私もすごいイルカの群れにあったことがあります。
そういう時は、船のキャプテンが教えてくれたりします。

アラスカだと、クジラの他には熊に出会った事もあるんです。
シャケを獲りに、熊がノッソノッソと出て来てシャケを獲ってましたね(笑)。

アザラシやラッコも見れたりするので、季節と動物、寄港地をお選びになると面白い体験が出来ると思います」

クルーズ情報

「生き物と出会える、オススメのクルーズはありますか?」

保木「船は世界中の海を巡りますけど、夏の間にオススメなのはアラスカです。
クジラを見る、野生動物のウォッチングクルーズというのも出てたりするんですよ。
陸の旅から、気軽にそういうクルーズに出かけるのもいいですね。

デッキの上を歩いていると、エンジンの音に誘われてイルカが船の横を泳いでたりするんですよ。
私もすごいイルカの群れにあったことがあります。
そういう時は、船のキャプテンが教えてくれたりします。

アラスカだと、クジラの他には熊に出会った事もあるんです。
シャケを獲りに、熊がノッソノッソと出て来てシャケを獲ってましたね(笑)。

アザラシやラッコも見れたりするので、季節と動物、寄港地をお選びになると面白い体験が出来ると思います」