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暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

2023.12.24

もちもちフワフワ!食べておいしい米粉の魅力



昔から私たち日本人になじみ深い米粉ですが、今、その米粉は進化し、レシピも充実しているんです。今回は、「もちもちフワフワ! 食べておいしい米粉の魅力」というテーマで深掘りしました。

(青木)
今日、深掘りするのは、クリスマスケーキや鳥のから揚げなど、クリスマス料理に是非使っていただきたい、ある食材です。昨年は「進化しているお米」を深掘りしましたね。

(足立)
ありましたね。ビタミンEが豊富なお米や、パラパラしていてカレーによく合うお米があるって聞いて、食べてみたいなと思いました。

(青木)
様々な食品の値上げが続いている中、「お米の価格は比較的安定していて、コロナ禍の家計を助ける救世主である」ということで、進化しているお米を深掘りしたんですよね。

(足立)
今日は米粉ということですよね。もしかして、米粉にも進化があったんですか?

(青木)
そうなんです!実は、米粉もお米同様に目覚ましく進化していまして、米粉を使った食品が増えているんです。足立さんは米粉と聞くと、どんなイメージがありますか?

(足立)
以前、米粉パンを作るのが難しいと聞いたことがありますけど、最近は、米粉を使ったパンやケーキが増えていますよね。

(青木)
お店でも、「米粉を使っています」といった表示がされていたりしますよね。

(足立)
ありますよね。だから、きっと米粉も進化して、おいしいんだろうな、というのは想像していました。

(青木)
でも、足立さんのように、お米が大好きだと、米粉人気に気付いているかもしれないですけど、まだ気付いていないかたも少なくないと思うんです。

(足立)
米粉を使った食品が増えてきているのは気付いていましたけど、その理由は、よく分からないです。

(青木)
そうですよね。では、ここからはスペシャリストと一緒に深掘りしていきましょう。農林水産省 農産局 穀物課の齊官英雄さんです。

(足立)
齊官さん、米粉が進化して米粉食品が増えてきましたよね。

(齊官)
はい。お米を粉にした米粉は、古くからお煎餅や和菓子などに使われてきましたが、お米を細かく粉砕するための製粉技術の進歩により、今では、小麦粉と同じようにパンやケーキ、麺類などにも使われるようになってきました。また、パンや麺の加工に適した品種も開発されてきており、原料として使われ始めているんです。

(青木)
新たな品種の開発もあるということで、実際、米粉の需要量は増えていまして、2009年度はわずか5,000トンほどだったんですが、2022年度は4万5,000トン。13年間で9倍にもなっているんです。政府の2030年の生産努力目標は、13万トンだそうで、ここからもっともっと米粉用のお米の生産を増やしたいそうです。

(足立)
それは、どうしてなんですか?

(青木)
やはり、お米の消費量を増やしたいからです。以前も話しましたけど、日本人は昔に比べてお米を食べなくなりました。日本人一人当たりの年間のお米の消費量は、60年前と比べて、半分以下になっています。

(足立)
昔に比べて、食生活も欧米化しましたしね。消費量を一人当たりに換算すると、そういう結果になっちゃうんですね。

(青木)
お米は、唯一国内で自給可能な穀物なんです。生産から流通、消費のサイクルが国内で回るので、最も安定した供給が見込めて、世界情勢の影響を受けにくい、頼れる食料です。米粉の利用を増やせば、当然、食料自給率アップにもつながります。また、お米を作っている水田は、洪水や土砂崩れを防いだり、多様な生き物を育む様々な役割を果たしていますから、米粉の利用を増やせば、水田を守ることにもつながります。つまり、米粉の利用を増やすことはSDGsの観点からも良いことづくめ。こうした背景もあって、積極的に米粉の利用を促しているんです。

(齊官)
私たちが普段食べるお米の需要は年々減少していますので、新たに、米粉の需要を拡大していく取組は、とても重要なのです。

(足立)
でもやっぱり、おいしくないと食べたくないですよね。

(青木)
それはそうです。だからパンや麺に適した米粉専用のお米の品種開発が進み、おいしい商品が登場しているんです。

(足立)
齊官さん、米粉専用のお米には、例えば、どんな品種があるんですか?

(齊官)
はい。まず、米粉パンに適したお米の品種の代表的なものには「ミズホチカラ」や「笑みたわわ」といったパン用品種があります。これらは、一般的なお米と比べて、製粉すると細かな粒子の米粉になる一方で、デンプンは傷つきにくいという特徴があります。デンプンが傷つくと、水を吸収してパン生地が重くなるのですが、パン用品種はこれを抑制できます。そのため、これらの品種の米粉を使うと、膨らみやすく、ふっくらとしたパンを作ることができるんです。

(青木)
デンプンの性質の違いでパンの膨らみが変わるんです。ここに、ほかの品種の米粉と、「ミズホチカラ」と「笑みたわわ」の米粉で作った角パンの断面図の写真があるんですが、足立さん、膨らみ方の違い、分かりますよね。

(足立)
全然違いますね!「ミズホチカラ」と「笑みたわわ」は、大きく膨らんでいますね。

(青木)
参考までに、外国産の米粉で作ったパンの断面図の写真もご覧いただきましょう!

(足立)
全然違う!日本産の米粉のほうが、めちゃめちゃ膨らんでいて、外国産の米粉で作ったパンの断面図は、その半分か、若しくは全然膨らんでないんじゃないかと思うものもありますね。こんなにも違いが出るんですね。

(青木)
お米の品種や粒の細かさの違いで、ここまで米粉パンの出来上がりに違いが出るんです。齊官さん、これは驚きですよね。

(齊官)
はい。日本には粒が細かくてデンプン損傷が少ない米粉を作る技術があるので、これまで小麦粉を原料としてきた用途にも使える米粉が出来ているんです。

(足立)
じゃあ、麺に適した米粉には、どんな特徴がありますか?

(齊官)
麺に適した米粉の品種は、アミロースの含有量が高いのが特徴です。アミロースはデンプンの一つの形なのですが、この成分がたくさん含まれていると、茹でても溶けにくく、茹で麺がくっつきにくく仕上がる一方で、もちもちとした食感の麺になります。

(青木)
このアミロースの含有量が低いと、麺がまとまらず、プチプチと切れやすい麺になってしまうそうです。

(足立)
今日のテーマは「もちもちフワフワ! 食べておいしい米粉の魅力」ですよね。でも、今日、全然、食べてないんですけども。

(青木)
そうですよね。足立さんご安心ください。今日は、米粉ベーグルをご用意しました。これ、齊官さん、おすすめだそうですね。

(齊官)
そうなんです!ベーグルというと、食べ応えがある食感をイメージされると思いますが、こちらのベーグルは生地に米粉を70%配合しており、表面はベーグルらしく、しっかりとした食感ですが、中はフワッと軽くてとてもおいしいんです。お米のほのかな甘みが、抹茶や「ごま」といった和のフレーバーとも相性が良いんです。

(青木)
では、私たち、さっそくいただきます!

(足立)
抹茶の香りがすごいします。たしかに、もちもちだ!

(青木)
もちもち感がすごいですよね。

(足立)
これ、本当に米粉で作っているんですか?すごい!お米の自然な甘みもあるから、抹茶との相性も良いし、めちゃくちゃおいしいです。

(青木)
抹茶や「ごま」といった、和のフレーバーと合いますね。今日は手元にコーヒーがあるので、米粉で作られたベーグルと優雅にお届けしています。実際に食べると、米粉に対する意識が変わりますよね。

(足立)
これまでは、小麦粉じゃないと物足りないんじゃないかというイメージが正直あったんですが、こうやって食べてみると、おいしい!米粉で良いじゃん!と思ったので、これこそ、今日のテーマである「食べておいしい米粉の魅力」の発信が出来ますね。

(青木)
そうですよね。そのほかにも米粉には様々なメリットがあるんです。

(齊官)
実は、米粉は小麦粉よりも油の吸収率が低く、天ぷらやから揚げなどは米粉を付けて揚げると、サクサク感が長く続きます。鳥のから揚げは、表面がカリッと仕上がります。

(足立)
初めて知りました。油の吸収率が低いということは、ヘルシーでもあるんですね。

(青木)
そうですよ。今日はクリスマスイブですけれども、間に合うかたは、今から米粉を買ってきてください。

(足立)
米粉って普通にスーパーなどで売ってますか?

(青木)
売ってますよ!調理の際も、米粉は取扱いが簡単で便利です。ケーキやクッキーを作る時に、小麦粉をふるってサラサラにしますよね。米粉はダマにならないので、粉をふるう必要がないんです。また、後片付けも楽チンで、ボウルやスポンジに付いた米粉はサラッと洗い流せるそうです。

(足立)
確かに、ベトッとくっつきそうなイメージがありますが、後片付けが楽チンなのはうれしいですね。色々とお話を伺っていると、私も家で米粉料理を作ってみたくなりますけど、から揚げや天ぷらはあんまり作らないんですが、ほかに米粉を使ったおすすめのお料理はありますか?

(齊官)
薄力粉を使う料理は、米粉を使いやすいです。例えば、チヂミやお好み焼き、たこ焼きなんかは、もちもちの食感が楽しめておすすめです。またホワイトソースも米粉ならダマになりにくく、グラタンやドリア、ホワイトシチューなどにもおすすめです。

(青木)
様々な料理レシピサイトでは、米粉を使ったお料理が紹介されているほか、農林水産省でも「米粉タイムズ」というホームページでレシピを紹介しています。

(足立)
「米粉タイムズ」、ちょっとスマホで調べてみたら、米粉の大根もち、米粉ニョッキのミネストローネ、米粉カレーとかもありますね。

(青木)
本格料理にも使えるということですね。齊官さんのお宅では、どのような米粉料理を楽しんでいるんですか?

(齊官)
我が家では、米粉のパンケーキをよく作って食べています。米粉と、牛乳、卵、お砂糖など、家にあるものですぐに、もちもちのパンケーキが作れますから、おすすめです。そのほか、実はいつも米粉を持参しているんです。

(青木)
齊官さんのスーツのポケットから米粉が出てきましたよ!

(足立)
えーーー!

(青木)
調味料を入れるような容器に入っていますけど、これはどういうときに使うんですか?

(齊官)
お昼ごはんは、いつもおにぎりと野菜ジュースとお湯を注ぐだけのカップスープの3品にしているんですが、中華スープや卵スープの時に、この米粉を少し入れて電子レンジで温めて「とろみ」を付けて楽しんでいます。

(足立)
そんなちょっとした一手間でおいしく変わるんですね。ちょっとやってみたくなりました。米粉はスーパーで買うことが出来るいうことですが、選ぶときに知っておくと良いことはありますか?

(齊官)
はい。米粉のパッケージには、「菓子用」「料理用」「パン用」などと用途が表示されているので、その用途に応じて使用すると、より良い仕上がりになると思います。

(足立)
クリスマスに向けて、親子でケーキやから揚げを作ろうと思っているご家庭もあると思うので、是非、米粉で作ってみてほしいですし、クリスマスだけでなく、普段から使えそうですよね。いいなあ。

(齊官)
はい。米粉は今まさに進化しているところです。「米粉タイムズ」のホームページでは、米粉に関する様々な情報を発信しています。日本発の新たな食文化として、様々なシーンで米粉を使った味を楽しんでもらえたらと思います。

(足立)
今日の話を聞いて、米粉はだいぶ進化していることが分かりました。天ぷらやから揚げにも使えるし、小麦粉よりも油の吸収率が低いのでヘルシーにもなるし、サクサク感が続くというのは意外でした!米粉を使って作ってみたいなと思いました。

(青木)
是非、皆さんの食卓に上がる機会が増えてほしいですね。私が今日の話を聞いて印象に残っているのは、米粉を使ってほしいという根本の部分で、「お米は唯一国内で自給可能な穀物であること」です。最も安定した供給が見込めて世界情勢の影響を受けにくい頼れる食料であることを意識したいと思いました。


【 関連リンク 】
・米粉タイムズ
 https://komeko-times.jp/
・広がる!米粉の世界 / 農林水産省
 https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/komeko/