暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
減ることのないヤミ金融。SNSを使い、若者を狙った手口や女性・主婦をターゲットとするもの、さらに、新たな手口も!?
今回は、「手軽が危険! 新たな手口のヤミ金融 パート2」というテーマで深掘りしました。
(青木)
これから年末年始にかけて、楽しいイベントが続きますね。臨時の出費も多い頃ということです。そこで、今日、深掘りするのは、お金はお金でも絶対に関わってはいけない、ヤミ金融です。この番組で取り上げるのは2回目です。以前、新型コロナウイルスの影響で、収入が減り困っている人が増えていることに便乗して、ヤミ金融が広がりを見せているため、注意喚起の目的で深掘りしたんですが、足立さん、残念ながら、未だにSNS上には、ヤミ金融の魔の手がはびこっています。
(足立)
なかなか無くならないですよね。オレオレ詐欺もそうですけど、悪い人たちは、次々に新しい手口を考えてだましてくるんですよね。
(青木)
警察庁や消費者庁、金融庁では、それぞれ注意喚起を行なっていますし、警察は検挙もしていますが、イタチごっこの状況です。特に、今、注意が必要とされているのが、18歳、19歳の若者です。足立さん、何でだと思いますか?
(足立)
これは、成年年齢が18歳になったことが関係しているんじゃないですか?
(青木)
正解です。2022年4月から成年年齢が18歳になりました。18歳になると親の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約ができるようになります。スマホやクレジットカード、こうしたものも自分で契約ができます。
(足立)
一人の大人として扱ってもらえるんですよね。
(青木)
ただし、当然、大人としての責任も求められます。自分が支払える範囲内で、スマホやクレジットカードを利用するのであれば、何の問題もありませんが、中には、限度を超えて使ってしまう若者もいて、こうした若者が、ヤミ金融のターゲットになってしまうことが心配されているんです。
(足立)
スマホゲームに高額な課金をしたり、推し活に夢中になってライブのチケットやグッズをたくさん買ってしまい、気が付いたらお金が足りない、というケースはありそうですね。
(青木)
もちろん、お金が必要になる理由はそれだけではありませんが、社会経験の少なさから、ヤミ金融に手を出してしまう若者がいるのは確かで、昨年1年間に、警察にヤミ金融に関する相談をした20歳未満の若者の割合は、前の年と比べて増えているというデータも出ています。
(足立)
ヤミ金融に手を出したらいけないことは、若者も分かっていると思うんですけど、今のヤミ金融の手口は、一見するとヤミ金融だと分からないので、様々なトラブルに巻き込まれてしまうケースが発生している感じですよね。
(青木)
そうなんです。そこで今日は改めて、ヤミ金融の手口を深掘りしていきます。
ゲストは金融庁 総合政策局 リスク分析総括課 貸金業室長の小畠 貴志さんです。
(足立)
小畠さん、まずは、改めて「ヤミ金融」とは何か教えていただけますか?
(小畠)
はい。本来、貸金業を行うには、国や都道府県に登録する必要があります。しかし、ヤミ金融はこうした登録を行わずに違法に金銭の貸付を行って、とても高い、法外な金利を請求したり、返さない場合には悪質な取立てを行うんです。
(青木)
借りたお金が10万円未満の場合、正規の貸金業者がお金を貸すときの上限金利は年2割です。ところが、ヤミ金融の場合、「トイチ」と言って、10日で1割も利息が付いてしまうケースもあるんです。例えば、5万円借りたら、10日後には5万5,000円、返さなければならないんです。利息が雪だるま式に膨らんで返せなくなるのは、こうした高い利息が原因の一つです。もちろん、これ以上の金利を請求する場合も多く、一度借りたら大変というのは、よく分かっていただけますよね。
(足立)
そうですよね。だから、普通は手を出さないんですよね。
(青木)
ところが、インターネットの掲示板やSNS上に魔の手が潜んでいるんです。その一つが「個人間融資」で、この個人間融資の中でも特に女性がターゲットになるものを「ひととき融資」などと言い、今年になって摘発されたケースもみられます。
(足立)
「ひととき融資」? 何だかすごく気になるワードですね。
(青木)
小畠さん、まずは、「個人間融資」とは、どういうものかご説明をお願いします。
(小畠)
「個人間融資」はSNSやインターネットの掲示板などを通じ、知らない人同士が金銭の貸し借りをするものです。SNSのコメント欄に「個人間融資」や「個人融資」「お金貸します」などの書き込みをして勧誘しています。またインターネットの掲示板には「お金貸します」といったタイトルで書き込みを行い、勧誘しているものもあります。
(足立)
個人がお金の貸し借りを行うことは、日常生活の中であることだと思うんですけど、SNS上で見られる「個人間融資」には多くの場合、問題があるんですよね。
(小畠)
はい。たとえ個人であっても繰り返し金銭の貸付けを行うことは法律上、「貸金業」に該当します。貸金業を行うものは貸金業登録が必要です。また不特定多数が閲覧できるSNSなどで「お金貸します」などと書き込んで契約の締結を勧めることは、貸金業法で規制されている「勧誘」に該当するおそれがあります。
(青木)
こうした貸金業の無登録営業及び無登録業者による勧誘は、いずれも刑事罰の対象となり、個人であってもヤミ金融となります。知らなかったとしても、罰則の対象となる可能性がありますから、貸す側も十分に注意してください。
(足立)
つまり、無登録で貸金業を営んではいけないし、勧誘してもいけないということですね。でも、今、SNSで「個人間融資」を検索してみたら、たくさん出てくるんですけど、相変わらずポップなアイコンのアカウントがたくさん出てきたり、可愛らしい女の子やクマやお化けのイラストを使ったアイコンで、これがヤミ金融のアカウントだとは思わないなと思いました。
(青木)
そこが巧妙な部分なんですよね。若いかたは、これが違法なことだと気付かずに、また気付いていたとしても「どうしても、今、お金が必要だから」という理由でアクセスしてしまい、トラブルに巻き込まれてしまうんです。
(足立)
トラブルと言うと、例えば、お金を借りるときに提供したマイナンバーカードや免許証の情報をネット上に晒されてしまったりするんですよね。
(青木)
それで自宅が特定されて、勝手に荷物が送り付けられたり、不審者が訪ねてきたり、いたずら電話がきたり、別の犯罪に巻き込まれたりする危険性もあります。
(足立)
「知らない人から安易な気持ちでお金を借りちゃダメ」、このことを徹底してほしいですね。
(青木)
ここまでは、前回のおさらいでしたが、後半は特に女性がターゲットになっている「ひととき融資」と、新しい手口「先払い買取現金化」を深掘りします。
(足立)
小畠さん、「ひととき融資」って何ですか? とっても気になるんですけど。
(小畠)
「ひととき融資」は「個人間融資」の中でも特に女性がターゲットになる手口で、お金を貸付ける代わりに、性的行為やわいせつな画像を要求するものです。
(青木)
「女性優先」「主婦OK」など甘い言葉で勧誘し、インターネットの掲示板やSNSのダイレクトメッセージなどを使って、融資を希望する女性に「お金をお貸ししますよ。一度会ってお話をしましょう」と接触します。そして、実際に会った際に「お金を貸してあげるから、利息の代わりに」と言って性的行為などを要求するんです。これに対し、お金欲しさから一度でも関係を持ってしまうと、その後、何度も要求されるようになり、断ったら写真をネットにばらまくと脅され、トラブルになるケースが起きています。
(足立)
最悪ですね。安易にお金を借りようとすると、「ひととき」どころか「一生」後悔することになりかねないことを、多くのかた、特に女性に知っておいてもらいたいですね。
(青木)
最後にもう一つ、最近目立っているヤミ金融の新たな手口「先払い買取現金化」を深掘りします。言葉だけ聞くと、何のことか分からない。これがどうしてヤミ金なの?と思うかたもいると思いますけれども、小畠さん、ご説明をお願いします。
(小畠)
「先払い買取現金化」は、中古のスマホやゲーム機など、商品の買取りを装って相手に代金を前払いする形で貸付け、後になって商品が届かないとして、違約金の名目で相手から法定金利をはるかに超える利子を付けて貸付金を回収する手口です。
(青木)
つまり「ヤミ金融」が「商品の買取業者」を装って貸付けを行うんです。買取業者は利用者に、「実際に商品の発送をしなくても即日現金を支払います」と言って、架空の商品の画像だけを送らせて、商品の先払い代金として金銭を支払います。そして、あらかじめ決めておいた商品発送期限が来たら、利用者に対して、先払いしていた買取り代金と、商品が届かないことに対する違約金名目の高額な金銭の支払いをさせるんです。
(足立)
とても、ややこしいですね。
(小畠)
この「先払い買取現金化」は、商品の売買を装っていても、その実態は貸付けであり、商売として行う場合は、やはり貸金業に該当するおそれがあります。そのため、貸金業登録を受けていなければ、違法なヤミ金融業者でありますし、罰則の対象となります。
(青木)
この「先払い買取現金化」の特徴は、違約金名目の金銭が非常に高額な点です。そのため、利用者は違約金が払えず、かえって生活が悪化して、また別のところからお金を借りるなど、多重債務に陥る危険性があります。また、個人情報が悪用されるなど、トラブルや犯罪に巻き込まれる危険性もあり、やはり注意が必要なんです。
(足立)
今日深掘りした、「個人間融資」「ひととき融資」「先払い買取現金化」、どれも手軽にお金を借りられるように思ってしまいがちですけど、手軽なのには理由があるわけですし、たとえお金が必要で切羽詰まっている場合であっても、絶対に利用してはいけないですね。
(青木)
特に18歳、19歳の若いかたは、こうした危険な手口がインターネットの掲示板やSNS上にあるという情報を、お友だちと共有し合ってください。
(足立)
若い頃って、大人から言われるよりも、友だちから言われるほうが身に付くと思いますしね。若いかたは是非、友だち同士で今日深掘りしたヤミ金融の手口を話題にしてほしいですね。
(青木)
友達から逆に、こういう簡単な手口でお金をゲットできるよ!という誘いがあったとしても、ちゃんと「ダメだよ!」と言ってほしいですね。
(小畠)
そうですね。おっしゃるとおりです。金融庁では、Xで、今日ご紹介したヤミ金融の手口を公開しています。「金融庁」で検索すると、金融庁の「金融トラブル注意喚起情報」のアカウントをすぐに見付けることができます。まず、どういう手口があるのかを知るためにも、ご確認いただければと思います。「個人間融資」や「ひととき融資」「先払い買取現金化」での貸付けは、誰でも手軽に借りられるからこそ、危険が潜んでいます。ヤミ金融業者は絶対に利用しないようにお願いいたします。
(青木)
また、すでにトラブルに巻き込まれてしまっている場合は、まずは、金融庁の「金融サービス利用者相談室」又は「消費生活センター」へご相談下さい。「金融サービス相談」で検索していただくと、金融庁のホームページで受付についてご案内しています。また、消費者ホットライン、局番なしの188番、「いやや」に電話をすると、お近くの消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。
(足立)
今日の話を聞いて、いろんな手口があるなと思った上で、18歳、19歳の皆さんには要注意してほしいなと思いました。成年年齢が引き下げられ、18歳になるとスマホやクレジットカードなどが、親の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約ができるようになったので、お金が必要なとき、そのタイミングが増えてくると思うので、こういうヤミ金融には皆さん絶対に引っかからないでほしいなと思いました。
(青木)
今日の話を聞いて、「個人間融資」「ひととき融資」「先払い買取現金化」が印象に残りました。この3つのワードを聞いて、何のことか分からないかたもいると思うのですが、全てヤミ金融です。目の前のお金に目がくらんだだけで、一生を棒に振ってしまうことも考えられますから、甘い言葉には注意が必要です。
【 関連リンク 】
・SNS等を利用した「個人間融資」にご注意ください! / 金融庁
https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/kinyu_chuui.html
・金融サービス利用者相談室 皆様の「声」をお寄せください! / 金融庁
https://www.fsa.go.jp/receipt/soudansitu/