暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
ジビエを取り巻く環境は変化しています。
ジビエに対して苦手という方も、今回の話を聞いたら、ジビエのイメージがちょっと変わるかも!?
今回は、「食べて使って笑顔になって! ジビエの魅力」というテーマで深掘りしました。
青木 足立さん!
11月から狩猟が解禁され、この秋、本格的なジビエ・シーズンが始まっています。
ジビエとは、狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉のこと、または、その食肉を使った料理のことです。
シカ、イノシシ、クマ、カモ、キジ、ウサギなど、様々な種類があります。
足立 古くから日本の郷土料理として親しまれているイノシシ鍋はジビエですよね。
青木 はい。狩猟が盛んなフランスでは、シカやウサギ、カモなどの食肉を使った料理が文化として定着しています。
足立 ちょっとお高いフランス料理というイメージがあります。
青木 以前、お話したときに足立さんは、ジビエに少し苦手意識があると言ってましたよね。
足立 そうなんですよ。こどもの時に、よくイノシシ鍋を食べていたんですが、そのときから少し苦手意識がありましたね。
野生の動物や鳥と聞くと、「衛生面って大丈夫なのかな?」とか「独特の臭みがありそう」といったことをいろいろ考えちゃって、苦手意識が無くせないんですよね。
青木 そういう方は少なくないと思います。
でも、今は一昔前と比べて、ジビエを取り巻く環境は変わってきています。
衛生面の不安を解消できるような取組が進められていたり、ジビエを楽しむことで、様々な課題を解決に導くことができたり、さらに、健康的で豊かな食生活が送れたりと、一石二鳥どころか、三鳥、四鳥、そんな時代になっているんです!
足立 そんなにも良いことがいっぱいあるんですね!
青木 ここからはスペシャリストと一緒にジビエを深掘りしていきましょう。
農林水産省 農村振興局 農村政策部 鳥獣対策・農村環境課長の藤河正英さんです。
足立 藤河さん、ジビエを取り巻く環境が変わってきているということですが、どういったことでしょうか?
藤河 そうですね。まず、大前提として知っておいていただきたいのは、近年、地球温暖化による暖冬、そしてハンターの高齢化など、様々な要因で野生鳥獣の生息域が広がっていて、農作物に被害が発生しているということです。主にシカやイノシシに農作物が荒らされていて、その被害額は2021年度で155億円です。
足立 せっかく育てた農作物が被害に遭ってしまうと、農家の方々はやる気を失ってしまいますよね。
藤河 はい。農業を続けることが困難になり、農業をやめてしまう方もいます。
また、シカなどに森林の下草が食べ尽くされて土壌が流出してしまったり、車と衝突したり、町に迷い込んで人にケガをさせたりと、鳥獣被害は、人間社会に様々な影響を及ぼしているんです。
青木 こうした背景もあり、近年では被害防止などを目的として、シカやイノシシの捕獲を進めているんですよね。
藤河 そうなんです。捕獲頭数は年々増えていまして、2022年度に捕獲したイノシシとシカは合わせて131万頭です。でも、このうち、ハンターの方が自分で食べる分を除くと、食肉として利用されている割合はあまり高くなくて、1割程度です。それ以外は、埋めたり、焼却しなければならず、その労力や処理費用が捕獲者や自治体の負担になっています。
青木 そこで、そうした野生鳥獣を、人間に被害をもたらすケモノ、つまり「害獣」として処分するのではなく、地域の有用な資源として活用し、さらに地域活性化にもつなげようという取組が進んでいるんですよね。
藤河 はい。地元のレストランでジビエを使った新しいメニューを開発して提供したり、ソーセージやハンバーグに加工して、道の駅やネットショッピングで販売する事業者が増えています。今では、都市部の飲食店でも様々なスタイルのジビエ料理を食べられますよ。
足立 ジビエは専門のお店で食べたり、購入するものだと思っていたんですけど、手軽に食べたり、購入できるようになってきているんだと感じますね。
でも、やっぱり私は衛生面が気になります。
青木 その点は安心していいんですよね、藤河さん。
藤河 はい。ジビエの処理施設は食品衛生法の許可を受けているので、そこから出荷されたお肉であれば、加熱すれば安全に食べることができます。
さらに野生鳥獣肉の衛生管理に関しては、2014年に厚生労働省がガイドラインを設けていて、農林水産省は、このガイドラインなどを遵守しているジビエ処理施設を認証する制度「国産ジビエ認証制度」を2018年に設け、安全・安心なジビエの普及を進めています。
足立 なるほど。ジビエをもっと活用していこうという流れの中で、そういう仕組みがしっかりと作られていたということは、安心・安全ですね。ちなみに、ジビエを使ったお料理って、身近なところで食べることができるんですか?
青木 もちろんです! ここからは、多くの飲食店が参加する「全国ジビエフェア」など、身近なジビエを深掘りしていきます。
足立 藤河さん、早速「全国ジビエフェア」について教えてください。
藤河 はい。全国ジビエフェアは11月から来年2月29日までインターネット上で展開しているジビエの特設サイトです。このサイトでは、フランス料理、ファーストフード、和食など、様々なジャンルのジビエ料理が食べられる飲食店や、革製品、ペットフードが買えるお店を紹介しています。
10月26日時点で、1,000店舗以上が参加しています。
このサイトは、「全国ジビエフェア」で検索するとすぐに見付けることができます。
足立 早速、調べてみましょう。
「全国ジビエフェア」で検索すると出てきました。
ポップで可愛いですね!
「おそとでジビ活」や「おうちでジビ活」ってありますね。
青木 ジビエ料理と聞くと、ワイルドな料理を想像しますけど、結構オシャレな料理もありますね。
足立 とってもオシャレですよ!
イノシシのメンチカツもある。ハンバーガーやステーキみたいなのもありますし、焼き鳥みたいなのもありますね。
青木 Instagramもありますね。
これを見ていると、ちょっとジビエの印象やイメージが変わりますね。
足立 革製品やペットフードもあるんですね。
青木 ジビエを使ったペットフードは「いつものペットフードより食い付きが良い」という感想をお持ちの方もいるそうです。
買ったはいいけれど、愛犬が気に入らなかったドッグフードの上にふりかけると、そのドッグフードも食べてくれるそうです。
足立 ペットの食品ロスがあったら防げちゃいますよね。
青木 そうですよね。ジビエを食材として利用することや、皮革などを無駄なく活用することは、食料確保、廃棄物の削減につながり、SDGsに貢献することにもなります。あと、私のように、「筋肉おたく」にとってもジビエは理想的な食材です。
足立 そうですよね。高タンパク低カロリーなんですよね。藤河さん!
藤河 そうなんです。ジビエは食肉として、とても優秀なお肉です。
シカ肉は牛肉と比べてカロリーが半分以下なのに、タンパク質、鉄分、ビタミンが豊富ですし、イノシシ肉は豚肉と比べて鉄分が4倍、ビタミンB12は3倍も多いんです。
足立 シカ肉もイノシシ肉も鉄分が多いから、女性に多い冷え性や貧血の予防も期待できますよね。
藤河 はい。今はソーセージやハンバーグだけでなく、様々な加工品があります。
ご家庭で調理するための食肉を、ネットショッピングで手軽に購入することができますし、ふるさと納税の対象になっているジビエの食肉や加工品もあります。
是非、皆さんも、いつも使っている通販アプリやサイトで「ジビエ」を検索してみてください!
青木 そのサイトを見ているんですが、鹿肉の肉まん、レトルトカレー、イノシシのジャーキー、シカのジャーキー、シカ肉のしぐれ煮、イノシシのメンチカツ、鹿肉のハンバーグ、イノシシ鍋のセットなどなど、家で手軽に食べられる商品がたくさんありました!
ということで、足立さん、ここで「実食」と参りましょう!
今日は、スタジオに北海道のエゾシカの肉まん、エゾまんをご用意しました!
足立 見た目は、普通の肉まんですよね。
青木 思ったほどお肉が固くない! ちゃんと味が染みていておいしいです。
足立 思っていたより、臭みが全然ないです。
青木 シカの肉です!と言われなければ、気付かないで食べてますね。
足立 シカ肉って、もっとインパクトがある味なのかなと思ってましたけど、おいしいですね。
こうした加工品は手軽ですけど、食肉は家庭でどのようにして食べられているんですか?
青木 最近はジビエを使った料理を紹介している大手レシピサイトもあるので、自宅でジビエ料理を楽しんでいるジビエ上級者もいるんですよね。
ちなみに、藤河さんもジビエ料理を楽しんでいるんですよね。
藤河 先日、シカ肉を出してくれる居酒屋で食べたエゾシカがおいしかったです。
青木 どんな料理だったんですか?
藤河 ちょっとコショウと塩をきかせてソテーしただけなのですが、肉の繊維が感じられるくらい柔らかくて、直接お肉そのもののうまみが伝わってきました。
足立 ジビエ好きの方々は、ジビエのどのような点がお好きなんですか?
藤河 自然の中で育った野生鳥獣のお肉なので、味が濃くて深いと思います。
種類、それから獲れる場所や季節によっても味が違うと言われていて、そうした点がジビエ好きの方に受けているのではないでしょうか。
青木 何を食べているかによって、その地域によって同じイノシシであっても味がちょっとずつ違うということですよね。
足立さん、どうですか? ジビエについて興味が湧いてきたんじゃないですか?
足立 たしかに、前までは苦手意識があったので、遠ざけていたんですが、エゾシカ肉まんを食べて意外とおいしいと思えたので、興味が湧きましたね。
青木 そうですよね!
今日の放送を聞いて、ジビエに興味を持った方は、先ほどご紹介した「全国ジビエフェア」のサイトや、ジビエのポータルサイト「ジビエト」をご覧になっていただくと、ジビエのことをもっと分かっていただけますよね、藤河さん。
藤河 はい。「ジビエト」では、ジビエに関する基本的な情報から、ジビエを楽しむ旅など、魅力あるコンテンツを動画などでもご紹介しています。
「イベント」という項目では、全国のジビエイベントをご紹介しています。
実は、本日11月5日まで横浜赤レンガ倉庫で開催されている「全国ふるさとフェア」に、「ジビエブース」を出展していまして、ジビエのフランクフルトやコロッケなどを販売しています。お近くの方は、是非、ジビエを堪能しにいらしてください。
これから狩猟シーズンが本格化するので、全国様々な場所でジビエイベントが開催されます! 是非、検索してみてください。
青木 多くの方にジビエの魅力を知っていただきたいですね。
ゲストは農林水産省の藤河正英さんでした。
足立 今日の話を聞いて、ジビエのイメージは良いほうに変わりました!
私たちが食べる分だけじゃなくて、革製品があったり、ペット向けの商品もあるのには驚きました。ジビエは、いろんな使い方や楽しみ方があるんだなと思いました。
青木 私は、「加えて」になるんですが、高たんぱく低カロリーが印象に残りました。健康にも良いのは理想的な食材ですよね。足立さんの話していた革製品やペットフードもそうですし、こういったことを無駄なく活用することは、結果的にSDGsに貢献することになりますよね。
【 関連リンク 】
・「全国ジビエフェア」
https://www.gibier-fair.jp/
・ジビエポータルサイト「ジビエト」
https://gibierto.jp/