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暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

2023.06.18

絶対に関わらない! 被害に遭わない! 闇バイト対策



昨今、耳にすることの多い特殊詐欺や強盗。被害に遭わない、そして加担しないために、日々の生活の中でできる対策があります。
今回は、「絶対に関わらない! 被害に遭わない! 闇バイト対策」というテーマで深掘りしました。


足立  「闇バイト」という言葉は最近になってよく聞くようになりましたね。

青木  そうですよね。「闇バイト」とは、バイトという言葉を使っていますが、オレオレ詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺や強盗などの犯罪に加担することです。
多くの場合、SNSで「高収入」「即日払い」「経験・資格不要」などの文言が使われ、あたかも魅力的なアルバイトであるかのように募集されていて、安易に誘いに乗ってしまうと犯罪者になってしまう非常に恐ろしいものです。

足立  ちょっと前に、実行犯が闇バイト募集で集められた事件がありましたよね?

青木  はい。広い区域で多発した闇バイト強盗でしたよね。
これらの事件には「被害者を拘束した上で暴行を加える」など凶悪な犯行手口が用いられ、亡くなった被害者の方も出るなど、ニュースでも大きく扱われたので覚えている方も多いと思います。

足立  衝撃的でしたね。このニュースを聞いたときに、バイト感覚で凶悪な強盗をする人がいることに驚きました。考えられないですよね。

青木  そうですよね。
政府としては、こうした事案に対し緊急対策プランを策定し、関係省庁が一体となり万全の対策を講じることとしており、既に様々な取組が進められています。今日はその中から、「闇バイトに関わらない」「特殊詐欺や強盗の被害に遭わない」ための対策を伺っていきます。
警察庁 生活安全局生活安全企画課長の山口寛峰さんです。

足立  山口さん、なぜ闇バイトをしてしまう人がいるんでしょうか?

山口  要因は様々ですが、一つは、「高収入」「即日払い」といった甘い言葉に誘われ、安易な気持ちで応募してしまうからです。
一度でも「闇バイト」を募集する犯罪者グループと接点を持ってしまうと、自分や家族の個人情報を把握されてしまい、犯罪だと気付いても脅されて抜け出せなくなってしまいます。その結果、犯罪に加担させられてしまうんです。

足立  言葉巧みに、自分でも気付かないうちに個人情報が聞き出されてしまうんでしょうね。

青木  また、自分の行為が犯罪だと気付かずに犯罪に加担させられるケースもあります。
特殊詐欺の手口は、「受け子」や「出し子」「かけ子」「運び屋」「道具屋」など細分化されているので、「自分は書類を取りに行っただけ、運んだだけ」「頼まれてお金を引き出しただけ」で、「悪いことだとは思わなかった」というケースです。

山口  そうですね。ただ、自分では犯罪に加担したつもりでないと言っても、「受け子」や「出し子」としてお金を貰ってきたり、お金を引き出したら、詐欺罪や窃盗罪に当たり、裁判で10年の懲役に科せられることもあります。

足立  アルバイトするつもりが、犯罪者になるなんて恐ろしいですよね。

青木  ですから、決して甘い誘いに乗って、怪しいバイトに応募してはいけないんです。

足立  でも、高収入のアルバイトの全てが犯罪に関係しているとも限らないですよね。
中には本当に割がいいアルバイトがあるかもしれないですよ。

青木  そこは判断が難しいところですよね、山口さん。

山口  世の中には、そんなうまい話はありません。高収入のアルバイト情報を見掛けたら、まず、何か裏があるのではないかと疑って、家族や友人など周りの人にも相談し、決して一人で判断しないことです。

足立  それは大事ですね。うまい話は絶対に疑って掛かって、まずは周りの人に相談するのが良いですよね。

山口  また、インターネット上の違法情報や有害情報については、一般の方からの通報を受けて、警察に情報提供を行ったり、SNS事業者などに削除依頼を行ったりするインターネット・ホットラインセンターを活用してほしいと思います。
「これは闇バイトかも」と思われるような募集情報の中でも、特に、「タタキ」などといった隠語が使われたりする、強盗を呼び掛けるような募集情報を見掛けたときには、インターネット・ホットラインセンターへの通報をお願いします。

青木  このインターネット・ホットラインセンターでは、今年の2月から、「殺人や強盗などの犯罪に誘う内容」の投稿や、「拳銃等の譲渡」「爆発物・銃砲等の製造」などの内容の投稿についても、通報を受け付けることとしたんです。山口さん、これはつまり、犯罪を未然に防ぐために取組を強化したということですね。

山口  はい。ですから、強盗に関連するような闇バイト募集を削除するため、皆様のご協力をお願いいたします。アルファベットの頭文字、「IHC」3文字で検索をすればホームページがすぐ見付かります。

青木  「IHC」です!
さあ、ここからは、特殊詐欺などの被害に遭わないための対策を深掘りします。

改めてですが、「闇バイト」とは、バイトという言葉を使っていますが、オレオレ詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺や強盗などの犯罪に加担することです。
昨年、警察庁で特殊詐欺の被害に遭った方が最初に犯人から連絡を受けた方法を調べたところ、メール、電話、はがきなどのうち、最も多かったのが電話で、その電話のうち、なんと97.2パーセントが固定電話であることが分かりました。
これは、つまり、どういうことだと思いますか、足立さん。

足立  固定電話ということは、つまり、家にいて自宅に設置された電話に出られる人が被害に遭っているということですから、被害者はよく家にいる高齢者であることが多いということではないですか?

青木  そうですね。
特殊詐欺の被害者は、実に86.6パーセントが65歳以上の高齢者となっています。
では、特殊詐欺に遭わないためには、どうすればいいでしょうか?

足立  最も有効な防止対策は「知らない人からの電話には出ない」
これが一番だと思います!
犯人は言葉巧みに騙してくるでしょうから、接点を持ってしまったら危険なので、そもそも接点を持たないように、留守番電話機能を活用したり、防犯機能付きの電話機を使うと良いんじゃないですか?

山口  そのとおりです。さらに、警察では特殊詐欺の被害を防ぐために、特に高齢者の方に対して、「番号非通知や番号表示圏外などの電話には出ない」「あらかじめ登録しておいた電話番号からの電話以外は出ない」といった対応をお願いしています。

青木  ただ、防犯機能付き電話機を活用するには、そもそも、そうした機能のある電話機を購入したり、機能を使用するための契約料を払うなど金銭的な負担があります。
また、そもそもそのような機能を実現するための「契約などの事務手続き」や、「電話機の設定作業」は高齢の方々にとっては、少し負担になっているかもしれないですよね。

足立  そうですよね。今から設定を変えるのも難しいと思っちゃいますし。
ただ、このままにはしておけないですよね。

青木  そうですよね。
そこで、金銭的な負担をなくすサービスがスタートしたんですよね。山口さん。

山口  はい。今年5月からNTT東日本とNTT西日本では、70歳以上の高齢者や同居のご家族の名義の電話について、ナンバー・ディスプレイ及びナンバー・リクエストの月額利用料と工事費を無料としています。

青木  ナンバー・ディスプレイは、発信者側の電話番号を表示して履歴として残すサービスで、もう一つのナンバー・リクエストは、電話番号を通知しないで掛けてきた相手に、電話番号を通知して掛け直すよう音声メッセージで応答するサービスです。

山口  こうしたサービスを利用することにより、知らない電話番号からの不審な電話に対して注意を払っていただくことや、番号を通知しない電話には通知して掛け直すように応答するといった対応が可能になります。
是非、NTTにお問い合わせいただき、こうしたサービスをできるだけ早く利用していただくようお願いします。

足立  金銭的な負担がなくなれば、そうしたサービスが利用しやすくなりますね。
あとは、利用の手続きや電話機の設定があると思いますが、ご家族や周りの人がやってあげれば良いと思うんですよね。
でも、娘さん、息子さんが言うと聞かないおじいちゃん、おばあちゃんがいるかもしれないので、孫から言うと、聞いてくれそうですよね。

青木  そうですよね。孫世代だと、そういう設定がぱぱっとできちゃいそうですしね。

足立  設定などが得意な人に任せる、そして、孫世代の人から、ひとこと言ってあげるのが大事ですよね。

青木  足立さん。つまり?

足立  孫の出番です!
孫は、できるときにおじいちゃん、おばあちゃんの身の回りの設定などいろいろやってあげた方が良いし、おじいちゃん、おばあちゃんも、孫がいるときに設定などをやってもらわないと!

青木  高齢者側も、孫側も、双方ですよね。
それから山口さん、昨年は宅配事業者を装って住宅に侵入する強盗致傷事件もありました。こうした被害を防止するための対策も進められていますよね。

山口  はい。警察庁では、佐川急便、日本郵便、ヤマト運輸との間で荷物を配達するときの受け渡し方法について協議を行いました。
今後は、インターフォンを通じて配達員に対面しない方法での受取を希望することを伝えてもらえば、配達員はその意向に沿って対応するように努めることとなっています。

足立  いわゆる「置き配」ですね!
これをお願いすれば、主な宅配事業者は無理に印鑑やサインを求めることなく、荷物を置いていってくれるということですよね。

青木  高齢の方の中には荷物が届いたら必ず玄関へ出て荷物を受け取り、書類に印鑑やサインをしなければならないと思っている方がいるようです。
しかし、今は「置き配」と言って、受け取り側が希望すれば、対面で印鑑やサインをしなくても荷物を玄関先などに置いてもらえるサービスが徐々に普及しています。ですから、こうした受取方法があることをご高齢の方へ、ご家族から教えてあげていただきたいですね。

足立  孫の出番ですね!
おばあちゃん、こういうときは「置き配にしてください。玄関の前に置いといてください」と言っていいんだよ!と教えてあげるのは大事ですよね。

青木  今日は闇バイトに関わらないための対策と、特殊詐欺や強盗の被害に遭わないための対策を深掘りしてきましたが、やはり、こうした被害を防ぐために大切なことは、悩んだとき、困ったときは家族や周りの人に相談するということですよね。

足立  そうですね。何でも一人で決めずに家族や信頼できる人に話すことも大事ですし、こういったことを、日頃から家族の間で話題にしておくことも大事ですよね。

青木  人に話すことで、自分も冷静に判断できますからね。

足立  意見や考えなども整理されるので、人と話すことは大事だなと思います。

山口  強盗や特殊詐欺の犯罪者たちは犯行の手口を一層巧妙化させています。
どうか、こうした犯罪に加担させられることがないように、また、被害に遭わないように、日頃から注意し十分な対策をお願いします。

足立  今日の話を聞いて印象に残ったのは、やっぱり、孫の出番! これが大事なんだなと思いました。高齢者もできないこと、分からないことがたくさんあると思うんです。
その中でも、ナンバー・ディスプレイとナンバー・リクエストの月額利用料と、工事費を無料としているということを孫が教えてあげる。
「置き配」というのがあるんだよ!ということを孫が教えてあげる。
こういうことによって、事件などを未然に防ぐことができるのであれば、孫の出番がきてほしいなと思いました。

青木  私が今日の話を聞いて印象に残ったのは、「IHC」、インターネット・ホットラインセンターです。インターネット上の違法情報や有害情報について、一般の方からの通報を受けるということですが、私たちも協力できることがある。社会全体として犯罪や被害者が減るような取組をしていきたいですね。


【 関連リンク 】
・IHC-インターネット・ホットラインセンター
 https://www.internethotline.jp/