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暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

2023.04.16

輸出はじめてみませんか? 新規輸出1万者支援プログラム



輸出・海外進出を考えているけど、何から始めたら良いか迷っている中小企業や個人事業者の皆さん。手厚いサポートが受けられる専門家に相談しませんか?
今回は、「輸出はじめてみませんか? 新規輸出1万者支援プログラム」というテーマで深掘りしました。


青木  足立さん、覚えていますか?
以前、この番組で、積極的に輸出を試みた結果、日本の農林水産物や食品が、海外で人気だというお話。

足立  ありましたね!
日本の干し柿がドバイで人気なんですよね。
あと、焼き芋も美味しくてヘルシーだと、シンガポールなどでも人気ってありましたよね。どちらも、私たちにとっては馴染み深いものですけど、まさか、海外で人気になるなんて思っていなかったという驚きもありましたね。

青木  そうなんですよね。それで思ったんですが、食品に限らず、私たちが気付いていないだけで、日本の製品やサービスの中には、海外で人気になる物が、まだまだたくさんあるんじゃないかと思うんです。

足立  確かに、昔からMADE IN JAPANは高性能で信頼できるイメージがあるから、海外からの評価も高いですよね。それに、良い製品ができれば、多くの人に使ってもらいたいと思うのは当然のことだし、自分の会社の製品を海外へ輸出したいと思っている方は結構多いんじゃないですか?

青木  そう思いますよね。ただ、日本におよそ358万社ある中小企業のうち、海外へ輸出をしている企業は、わずか5万社ほど、およそ1パーセント程度しかないんですよ。

足立  思ったより少なかったです。
でも、考えてみれば、輸出ってハードルが高そうですよね。
大企業はノウハウがあるかもしれないですけど、初めてだと、中小企業や個人事業者の方は手続きに手間取りそうなイメージがあります。

青木  そこで、今日の深掘りテーマ「新規輸出1万者支援プログラム」の出番です!
スペシャリストをご紹介しましょう!
独立行政法人 日本貿易振興機構、ジェトロの小林寛さんです。

足立  小林さん、「新規輸出1万者支援プログラム」って、どういうものなんですか?

小林  「新たに輸出に挑戦してみたい」そんな中小企業の事業者や個人事業者の皆様を、経済産業省、中小企業庁、ジェトロ、中小企業基盤整備機構が一体となってサポートするプログラムです。

青木  先ほど足立さんが「輸出ってなんだか難しそう〜」って言っていたじゃないですか。
実際、輸出をしてみたいと思っていても「海外との取引は全く経験がないから、何から始めれば良いか分からない」「現地バイヤーとの交渉に自信がない」「そもそも、どの国に輸出すれば良いのか見当がつかない」などなど、初めて輸出をされる方はいろんな悩みを抱えると思います。
そんな、様々な悩みを解消し、輸出の準備から輸出開始まで、様々な場面でサポートしてくれるのが、この「新規輸出1万者支援プログラム」なんです。

足立  小林さん、具体的には、どのようにサポートしてくれるんですか?

小林  まず、ジェトロが開設している「新規輸出1万者支援プログラム」のポータルサイトに登録をしていただきます。

青木  これは「新規輸出1万者支援プログラム」で検索すると、すぐにジェトロのサイトを見付けることができます。
「いちまんしゃ」の「しゃ」は会社の「社」ではなく、勇者とか医者とかの人の方の「者」です。
中小企業だけではなく、個人事業者も含まれるので人の方の「者」だそうです。
ちなみに、登録は無料です。

小林  登録が完了すると、おおむね3営業日以内にジェトロの専門家から連絡をさせていただき、個別カウンセリングを行います。このカウンセリングで、その事業者のニーズを明確にして、最適な支援策を提案させていただきます。

足立  3営業日以内! 思っていたよりも早いですね!
具体的には、どんな支援策があるんですか?

小林  例えば、カウンセリングで「輸出に挑戦するか迷っている」ということが分かれば、専門家が輸出の可能性について、じっくりと相談に乗ります。
具体的には、課題を一緒に洗い出して明確にしたり、海外市場の商品ニーズを紹介したり、事業計画の策定のお手伝いなどの伴走型支援もします。

足立  専門家が寄り添って支援してくれるのは、初心者にとって心強いですね。

青木  小林さん、資金面でのサポートもあるんですよね?

小林  はい。「輸出に向けて商品開発やブランディングをしたい」という希望があれば、輸出向け商品の生産設備導入費用や、PR動画、SNS広報の製作費用、輸出向けのサイト作成費用を補助する支援策をご提案します。

青木  補助金額は100万円から3,000万円で、中小企業への補助率は2分の1ですから、例えば、PR動画を300万円掛けて作ったら、その半分の150万円を補助してもらえるということです。

足立  そういう支援策があることを知らない方もいると思うので、専門家から提案してもらえると助かりますね。

小林  また「輸出先を相談したい」という希望がある場合は、現地の事情に詳しい専門家が相談に応じる支援策もあります。
具体的には現地の企業訪問、商談、海外出張などに同席、同行し、販路開拓を支援したり、貿易実務、法務、会計に関する疑問にもお答えします。
また、輸出のパートナーを見付けたい場合には、海外のECサイトや展示会への出展、輸出商社とのマッチング支援も行います。

足立  聞けば聞くほど、何だか至れり尽せりですね。
何で、ここまで手厚くサポートしてくれるんですか?

小林  既に皆さんご存知のように、日本は高齢化により人口が縮小していますが、世界の人口は増加しており、市場は拡大しています。そのため、日本の中小企業が今後も持続的に発展するためには、海外の需要を取り込むことが大きなメリットとなると考えています。
また、最近は円安傾向にあるため、新たに輸出を始めるには絶好の機会です。
そこで政府は、これまで輸出に積極的でなかった中小企業などが輸出を開始し、海外市場を開拓していく契機となるよう、支援に力を入れているんです。

青木  実は、これらの輸出支援策は以前からあったんですが、これまでは窓口がバラバラだったんです。そこで昨年12月に「新規輸出1万者支援プログラム」のサイトを立ち上げて、窓口を一本化。カウンセリングを行うことで、海外展開の準備から輸出開始まで、相談者のニーズにぴったり合うサポートを迅速に行えるようにしたんです。

足立  ということは、既に支援策を活用して海外進出を果たしている企業もあるということですか?

青木  はい。そこで、ここからは、具体的にどのような製品が、どんな支援を受けて海外輸出をスタートさせているのか、具体例をご紹介していきます。

足立  やっぱり食品が多いんじゃないですか?

青木  そうですね。実際、日本の農林水産物や食品は海外からの評価が高いですから、そうした事業に取り組まれている方の支援も多くされているそうです。
でも、今日は、あえて食品以外の物をご紹介します。
まずは、「クレヨン」です。

青森県の従業員数3名の会社で作っているクレヨンは、規格外で廃棄予定の野菜や、出荷時にカットされる部分の野菜などを原材料に使っていて、こどもが誤って口に入れてしまっても安全な製品です。
海外からの引き合いも多かったため、輸出を試みることにし、ジェトロの支援を受けることにしたそうです。

足立  従業員3名の会社で世界に挑戦するって、結構、勇気のいることですよね。

青木  従業員3人で世界を目指すことは、なかなかイメージができないですよね。
言葉も文化も違う国の人々を相手に商談していくのは、骨の折れる作業だと思います。
この会社の場合、初めの展開先として、アメリカを選んだそうです。アメリカは、クレヨンに馴染みが深く、サステナブル社会の実現や環境配慮への意識が高いというのが理由だったそうです。
ただ、バイヤーの見極め方や判断基準の優先順位など不明点が多く、また、独占契約を求められたり、連絡を取っていた取引先の担当者変更により、急にコンタクトが取れなくなったり、困ったことが度々あったそうなんです。
でも、その都度、ジェトロの専門家に相談して乗り越えることができたそうです。

足立  その都度、相談できるのは良いですね。
アメリカは契約社会だって言うし、法律のこととか難しそうですよね。

青木  日本と法律が違うかもしれませんし、契約書や条文はもちろん英語ですもんね。

小林  はい。支援の一環として、その国の法律に詳しい専門家に相談することもできるので、もしものときも安心です。
その他、安全などの基準や認証、税務会計などに詳しい専門家もご用意しています。
この会社は、今ではアメリカだけでなくUAE、フランス、イタリア、タイ、オーストラリアと展開先をどんどん広げているそうです。

足立  夢のあるお話ですね。
他にはどんな事例がありますか?

青木  輸出と一口に言っても、インターネットを活用すれば、日本に居ながら輸出することも可能です。
近頃は越境ECと言って、日本国内から海外へ向けて商品を販売するビジネスモデルが注目を集めています。
こうした越境ECに挑戦する際、支援策を活用した事例もたくさんあるんです。
例えば、植物原料を主体としたシャンプーの事例です。
この事業者は、東京・長野に本社を持ち、ナチュラル化粧品を製造・販売する会社です。この会社のシャンプーはコロナ禍前に中国の女性を中心に「スッキリ洗えて気持ち良い」とSNSの口コミで広がり、銀座や新宿の実店舗でも爆買いする外国人が増えてきていました。
新型コロナによりインバウンドが激減したこともあり、専門家と相談し、中国向けに越境ECでの販売を開始しました。その後、リアル店舗と組み合わせて、シンガポール、フィリピンと着実に商域が増えており、2026年度までに売り上げの5パーセントを海外向けで占めることが目標だそうです。
小林さん、越境ECは輸出の一歩として魅力的な方法ですね。

小林  はい。越境ECには、いくつか促進事業があるので、「新規輸出1万者支援プログラム」のカウンセリングでニーズを明確にできれば、適切な支援事業を提案できます。
例えば、ジェトロでは、海外の主要なECサイトに日本商品特設サイト「JAPAN MALL」を設置していますので、こちらで日本商品の販売を支援します。原則、国内納品、国内買取、円建て決済で取引が完結し、複雑な輸出手続きが不要なため、輸出が初めてでも参入しやすい仕組みです。

青木  自社の商品が海外で売れるかまったく見当がつかない場合、越境ECを活用してニーズを探ってみることもできそうですよね。
その結果を受けて海外仕様の商品を開発したり、ブランディングして、本格的に輸出に挑戦する、そんな展開も期待できます。
今日、ご紹介した支援策の事例はほんの一部です。
他にも、医療機器、化粧品、日本の伝統工芸品、さらにITの専門学校開設やフィットネス事業などの海外展開を支援した事例もあります。

足立  いろんなジャンルがあるんですね。
少しでも海外展開に興味があるのなら、相談してみても良さそうですね。

小林  日本には世界に誇れる製品やサービスがたくさんあります。
海外展開に興味があるけれど、どうしたら良いのか分からないという方、まずは、「新規輸出1万者支援プログラム」に登録して、カウンセリングを受けてみてください。専門家がニーズに応じ最適な支援策をご提案します。まずは第一歩を踏み出していただければと思います!

足立  今日の話を聞いて印象に残ったのは、インターネットを活用すれば日本に居ながら輸出することができるというのは、「今」らしいなと思いました。
それに、ニーズを探ることもできるので、インターネットを活用して輸出するのもありだなと思いました。

青木  ある意味、輸出へのハードルが下がっていますからね。
私が今日の話の中で印象に残ったのは、「伴走型支援」という言葉です。
やっぱり、その時々、ポイントによって相談したい事柄って変わるじゃないですか。
でも、相談者のニーズにピッタリ合うサポートを迅速に行えるというのは、一番のポイントなんじゃないかなと思いました。

足立  心強いですよね。


【 関連リンク 】
・新規輸出1万者支援プログラム/ジェトロ
 https://www.jetro.go.jp/ichiman-export.html