暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
私たち消費者は、日々の生活の中で、買い物やサービス利用の契約などを行っていますが、そうした消費生活の中で悩んでいたり、トラブルに巻き込まれたりしていませんか?
今回は、『困った時のはじめの一歩! いやや188番』というテーマで深掘りしました。
青木 足立さん、188番とは、何の番号だったか覚えていますか?
足立 もちろんです! 私たちがこの番組を担当するようになって、最初に覚えたと言ってもいい番号ですよね。
188番は、消費者ホットラインの電話番号です。
数字の語呂合わせで「いやや泣き寝入り!」と覚えると良いと教わり、番組でいつも書いているスケッチブックにも書きました!
耳に残る言葉ですよね。
青木 番組では、この番号を消費生活に関する相談窓口として何度かご案内しているので、馴染みがありますよね。
でも、非常に残念なことに、2021年に「消費者ホットライン188番」の認知状況を調査したところ、名前と窓口の相談内容の両方を知っていた人は1割ほど。名前だけは知っていたという人と合わせても、5割に満たなかったんです。
足立 こんなに覚えやすいのに!?
青木 知っていれば便利なのにという思いはありますよね。
そこで、改めて「消費者ホットライン188番」について伺っていきましょう!
消費者庁 地方協力課長の加藤 卓生さんです。
足立 加藤さん、まずは、「消費者ホットライン188番」とは、どういうものか、改めてご説明をお願いします。
加藤 はい。消費者ホットラインは、全国におよそ850か所ある消費生活センターと、全ての市区町村に設置されている消費生活相談窓口をご案内する、全国共通の電話番号です。
青木 私たちは日々、商品を購入したり、サービスを利用するために契約を交わしていますが、こうした消費生活の中で、不満や不安に思うこと、困ったときに、どこに相談すればいいのか分からないことがあります。
消費者から、消費生活に関する相談を受け付ける窓口を全国に設置しているんですが、相談窓口の存在や連絡先を知らない方も多くいると思います。
そこで、「消費者ホットライン188番」を設置していて、この番号に電話を掛けると、最寄りの消費生活センターや、消費生活相談窓口を案内してくれるんです。
足立 実際にどれくらい相談があるんですか?
加藤 2021年は85万件ほどの消費生活相談がありました。
内訳を見ると、最近、最も相談件数が多いのは、出会い系などインターネットの情報提供サイトやオンラインゲームといった、「教養・娯楽サービス」に関するご相談です。
2番目は、迷惑メールや不審な電話、覚えのない荷物や架空請求を含む「商品一般」に関するご相談。
3番目は、携帯電話サービスなどの「運輸・通信サービス」でした。
足立 最近ならではの傾向や特徴はありますか?
加藤 はい。10代から20代の若者の場合、最近は副業などのもうけ話や美容に関する相談が多く、特に、脱毛エステについての相談が多く寄せられています。性別では女性が多いものの、最近は男性からの相談も増加しています。
例えば、「広告に掲載されていた施術を希望したが、高額なプランを勧められた」「体験後に強引に契約を迫られ、契約してしまった」などのご相談です。
青木 美意識の高い男性が増えていますから、必然的にこうしたトラブルに巻き込まれる男性も増えてしまっているんですね。
その他に、昨年はSNSやマッチングアプリをきっかけにした詐欺的トラブルや、頼んでいない品物が送られてくる「送り付け商法」。
また、ウクライナ情勢に関連した、義援金や支援を口実とする詐欺やトラブルなども目立っていたそうです。
なお、「送り付け商法」に関する相談は、高齢者の割合が高かったそうです。
足立 新しいサービスが生まれたり、特徴的な出来事が起こると、それに関連したトラブルも発生してしまうだろうなと思いますし、いつ、自分が巻き込まれてしまうか分かりませんよね。
青木 だからこそ、110番や119番のように、皆が知っている番号として、188番を覚えておいてほしいんです。そして、消費者トラブルが発生したときはもちろんですが、まだトラブルにはなっていないけど、「不安だなぁ」と感じたときでも188番に相談していいんですよね。加藤さん。
加藤 はい。トラブルに巻き込まれる前に相談していただければ、最新の被害情報などを踏まえて、トラブル回避につながるアドバイスをすることができます。
青木 例えば「それは最近増えている架空請求詐欺の疑いがありますよ」とか「契約する前に、何を確認するべきか」などをアドバイスできるんですよね。
一旦、トラブルに巻き込まれてしまうと、それを解決するために時間も労力も、場合によっては費用も必要になりますから、トラブルに巻き込まれる前に、一人で悩まずに消費者ホットライン188番に電話して、相談してもらいたいですね。
足立 「消費者ホットライン188番」に電話をして最寄りの相談窓口につながったら、どんな風に相談に乗ってもらえるんですか?
加藤 はい。まず、相談窓口につながると、専門的な知識や経験のある消費生活相談員が、消費者から相談内容を聞き取って、解決に向けたアドバイスを行います。
青木 相談者は、そのアドバイスを基に、解決に向けた行動をとればいいんですよね。
加藤 はい。もし、若者や高齢者など自力で事業者と交渉することが難しい方の場合には、必要に応じて法令等を踏まえながら、事業者との交渉をお手伝いします。
また、必要に応じて、他の専門機関への橋渡しもします。
青木 私から事例をご紹介しましょう。
語学教室の契約をしていたAさんが、希望の時間に予約が取れないため、契約から1か月後に解約を申し出たら、解約手数料30万円を支払えば解約に応じると言われてしまったそうです。
足立 30万円は高額ですね。
でも、このケースだとクーリング・オフできませんか?
確か、一定の期間であれば、無条件で契約を解約できますよね?
青木 はい。クーリング・オフは一旦契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間内であれば無条件で契約を解除できる制度です。
語学教室やエステティック、訪問販売、電話勧誘販売などの契約の場合、8日間以内であれば、クーリング・オフの制度により無条件で契約を解除できます。
ところが、Aさんの場合は、契約から既に1か月が経っていたんです。
足立 なるほど、そうなると1か月経っていたので、高額でも解約手数料を払わなきゃとなりますけど、でも、30万円は高すぎますよね。どうすればいいんですかね?
青木 この話をAさんから聞いた消費生活相談員は、語学教室やエステティックのように、目的を達成するために、長期間、継続的にサービスを受ける必要があるような契約については法律の規制があり、クーリング・オフ期間を過ぎた後でも中途解約できることをアドバイスしました。
足立 良かった。さすが専門家ですね。
青木 そこで、Aさんは相談員からのアドバイスに基づいて、事業者にハガキを送り、法律に基づいた金額の解約手数料を精算することで解約できたそうです。
足立 なるほど。
解約手数料は発生するけれど、法律で定められた中途解約の制度があるから、高額ではなく、適正な額の解約手数料を支払うだけで済んだんですね。
一人で悩まずに相談して良かったですよね。
ちなみに、消費生活に関することなら相談に乗っていただけるということですが、どんな内容でもいいんですか?
加藤 受け付けているのは主に「商品やサービスの解約や取消しに関すること」
「悪質商法、訪問販売・通信販売などにおける事業者との契約トラブル」
「製品・食品やサービスによる事故」
「産地偽装、虚偽広告などの不適切な表示に伴う事業者とのトラブル」などです。
足立 主に、事業者とのトラブルなんですね。相談料は掛かりますか?
加藤 相談料は無料ですが、通話料金は電話を掛けた方の負担となります。
青木 通話料金は電話回線の種類によって異なります。
188番に掛けると、音声ガイダンスが流れるので、それに従って番号をプッシュして待っていると、例えば、「20秒ごとに、およそ10円」という料金アナウンスが流れるので、そちらで確認してください。ここまでの通話料は無料です。
その後、最寄りの相談窓口へつながったら、その時点から通話料金が発生します。
足立 受付時間は決まっているんですか?
青木 消費者ホットラインは、原則としてお住まいの地域の相談窓口を案内するため、相談できる曜日や時間帯は相談窓口により異なりますが、お住まいの地域の相談窓口が開いていないときでも補う仕組みがありますので、原則、年末年始を除いて毎日利用可能です。
加藤 近年、インターネットやSNSの普及などの社会環境の変化に伴って、消費者の行動も変化しています。
気軽に商品の購入やサービスの利用ができるようになり、皆様も思わぬ契約トラブルに遭遇するかもしれません。
最近では、霊感商法など悪質商法への対策の強化が求められ、寄附の不当な勧誘による被害の救済や再発防止が課題となる中、新たに法律が制定されて、対策の実効を上げるための取組も進んでいます。
このように、消費者の利益の擁護・増進のためのルールは、順次整備が進んでおりますので、それらを消費者の皆様に有効に活用していただくための第一歩として、消費生活相談があると思っております。
消費者の皆様には、消費者トラブルに遭ったとき、怪しいと思ったときに備えて、消費生活相談窓口があるということを、是非知っておいていただきたいと思います。
一人で悩まず、消費者ホットライン「188(いち・はち・はち)」にお電話ください。
足立 相談できる受付時間や、曜日や時間帯は相談窓口により異なるんですけど、お住まいの地域の相談窓口が開いていないときでも補う仕組みがあるということで、「原則、年末年始を除いて毎日利用可能」ということに、感動しました!
自分が困ったときに、電話するといつでも対応してくれる人がいるというだけで、すごく安心感がありますよね。
なので、何かあったときは、皆さんに活用して欲しいなと思いました。
青木 私が印象に残ったのは、トラブルに巻き込まれてしまったときはもちろんですが、「巻き込まれる前」でも、相談が可能というところです。
いろんなアドバイスをしてもらえるので、トラブルに巻き込まれる前に解決できるのが一番良いですからね。
【 関連リンク 】
・消費者ホットライン/消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/