暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
寒くなってくると、暖房器具を使う機会が増えますが、そうなると気になるのが電力不足。
今回は、『「減らす ずらす 切替える」冬の省エネ・節電対策』というテーマで深掘りしました。
青木 足立さん、今年の3月22日に、東京電力エリアと東北電力エリアの電力需給がひっ迫したことを受けて、政府が「電力需給ひっ迫警報」を出して、家庭や企業に節電を呼びかけたというニュースを覚えていますか?
足立 確かに、そういうこともありましたね!
青木 冬の寒い時期が終わって、発電所の補修点検を始める時期に入っている中で、3月下旬としては、異例の真冬並みの寒さとなって需要が大幅に増え、更に3月16日の福島県沖での地震の影響で、発電所が一部止まっているという状況が重なったからなんです。
足立 3月の時、節電を意識してブランケットを使っていたので、ブランケットの数が増えましたね。
その時も、事前の対応で大規模停電という最悪の事態を防げたのは良かったと思ったんですが、また冬がやってくるわけですよね。
本当に大丈夫かな?って心配にはなっているんです。
急に寒くなったと感じるので。
青木 そうですよね。
この冬も、政府は12月1日から来年3月末までの節電要請を出しています。
ということで、スペシャリストに伺っていきましょう。
経済産業省・省エネルギー課長の稲邑拓馬さんです。
足立 稲邑さん、今年の冬季の電力需給の状況が気になるんですけど。
稲邑 ご心配されている方も多いと思いますが、今年の冬は3月の時のように、停電の恐れがあるような「ひっ迫」した状況になる恐れは低いと今のところ想定しています。
青木 今年の夏「電力の予備率」という言葉をニュースなどで聞いたと思います。
この、電力の予備率とは、電力の需要に対して供給できる電力の余裕がどの程度あるかを示したものです。
急な電力の増加や、発電のトラブルなどに対応するために、予備率は最低でも、3パーセント以上必要とされていまして、この冬は、3パーセントは確保できると想定しているんですよね。
稲邑 はい。ただし、厳しい状況というのはこの冬も同様です。
災害や大規模な発電所のトラブルが発生した場合、安定供給ができない可能性があります。
それに加えて、今はロシアによるウクライナ侵略などの影響により、天然ガスなどのエネルギーを調達するのにもリスクを伴っている状況です。
そのため政府では、12月1日から、来年3月末まで節電要請を出しています。
皆さんには、生活や経済活動に支障のない範囲で節電にご協力いただきたいと思っています。
青木 そもそも、日本は石油や天然ガスなど、エネルギーの多くを輸入に頼っていますし、それらは限りあるエネルギー資源ですから、エネルギーを効率よく使う省エネは、常に心掛けたいことですよね。
稲邑 はい。また、地球の温暖化を防止するためにも、CO2の削減が求められています。
政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言していますから、一人一人が省エネや節電に取り組んでいただきたいと思っています。
青木 そこで、今日のテーマにもあった「減らす ずらす 切替える」なんです。
冬の間、効率よく消費エネルギーを抑えて、お財布にも地球環境にも優しい省エネ・節電ライフを送るヒントを紐解いていきます。
では、まず「減らす」です。
足立さん、冬の時期、家電製品の中で、1日の消費電力の割合が最も多いのは何だと思いますか?
足立 やっぱり、部屋を暖めるエアコンじゃないですか?
青木 そうですよね。これは聞くまでもありませんね。
冬の家電製品別の電力消費割合は、多い順に、エアコン、冷蔵庫、給湯、照明、炊事となります。
エアコンを含む暖房器具は全体の3割以上を占めているんです。
足立 暖房器具は必要ですよね。
その中でも、大きな割合を占めるエアコンの省エネ対策は、多くの方がされているイメージがあります。
青木 そうですね。「フィルターの掃除はこまめにすること」「厚手のカーテンを使用すること。床まで届く長いカーテンだとなおよし」「扇風機を併用して暖まった空気を循環させると効率的に部屋を暖めることができる」などです。
ちなみに、フィルターを月に1回か2回掃除すると、年間でおよそ990円、暖房を使用する時間を1日1時間短縮すると、年間でおよそ1,260円の節約になるそうです。
足立 今は、色々なものが値上がりしていますから、少しの節約でも家計は助かりますよね。
稲邑 エアコンの場合、室外機の吹き出し口に物を置くと、冷暖房の効果が下がります。
是非、そんなところにも注意していただければと思います。
青木 扇風機の併用は、冷房の時も同じですよね。
足立 電気を使う暖房器具はほかにもありますけど、省エネのコツはありますか?
稲邑 床暖房は運転をストップしても、すぐに冷めることがなく暖かさが持続するので、寝る前や外出の30分前にスイッチを切るように心掛けると省エネになります。
青木 これは私も心掛けています。運転をストップしてもすぐに冷えることがなく、余熱みたいなのがありますね。
それから、床暖房の場合、上にカーペットやラグマットを敷く方がいますが、あれは暖房効率を下げてしまうんですよね。
稲邑 はい。床暖房の場合、カーペットは敷かずに使用することをお勧めします。
一方で、電気カーペットは床にじかに敷くと、熱が床に逃げて暖房効率が下がるので、断熱マットなどを床に敷いてから電気カーペットを敷くほうが省エネになります。
足立 なるほど! 同じ床を温める床暖房と電気カーペットは違うんですね。
それぞれの特徴をよく知って省エネ対策をするといいですね。
稲邑さん、続いて「ずらす」について教えてください。
稲邑 はい。「ずらす」は電気を使う時間帯をずらすことです。
冬は、夕方5時から夜9時頃に掛けて家庭での電気使用量が増えます。
暖房はもちろん、夕方から暗くなるため照明を使用し、夕食作りやテレビの視聴などにも電気を使用します。
しかも、冬は日照時間が短く、夕方の早い時間から太陽光発電の出力も少なくなります。そのため、この時間帯の電気消費量を抑えるために節電にご協力いただければと思います。
足立 この時間帯にやらなくても影響が少ないものは、いろいろありますよね。
例えば、食器洗い乾燥機は夜間に使用するとか。
青木 ところで、足立さん、炊飯器でごはんを保温する場合と、電子レンジで温め直しをする場合、どちらが省エネになると思いますか?
足立 なんとなく、保温しているほうが省エネになる気がしますが。
青木 実は、ごはんを炊飯器で保温するのは4時間までが目安。
保温のためのエネルギーより、電子レンジで温め直すエネルギーの方が少ないそうなんです。
ということは、夕方に炊飯器でごはんを炊いて保温するよりも、朝に夕食分も炊いておいて、夕食の時に電子レンジで温め直せば、ピークの時間帯に炊飯器を使うことを避けることができますし、省エネにもなります。
足立 なるほど。でも、味は大丈夫なんですか?
青木 ごはんを炊飯器で長時間保温すると、風味が悪化すると言われています。
電子レンジで温め直すほうが、風味が損なわれないと思いますよ。
足立 そのほうが、美味しくいただける可能性が高いんですね。
青木 なので、朝、ごはんを炊いて、4時間以上保温、夜も食べるという方もいると思いますが、そういった場合は、一度、出して、食べる時に電子レンジで温め直すのがいいかと思います。
足立 なるほど。
では、最後に「減らす ずらす 切替える」の「切替える」について教えてください。
稲邑 はい。「切替える」は、他の方法に切り替えることです。
「電気の消費量を減らすために、ガスや石油を使う」とか、「消費電力の小さい機器に替える」「省エネ型製品へ買い替える」などです。
家電製品を始めとする、近年のエネルギー消費機器は、効率が大幅に向上しています。
機器を購入する際に、省エネ型の製品を選択することが家庭の省エネにつながります。
青木 例えば、冷蔵庫は、10年前と比べると、およそ39パーセントから46パーセントの省エネ。
電球型LEDランプは、一般の電球と比べると、およそ86パーセント。
40V型テレビは、10年前と比べると、およそ42パーセントの省エネになります。
足立 10年前の製品に比べると、大分、省エネになっているんですね!
青木 10年前も、省エネと言っていたと思うんです。
でも、更に技術が向上しているということですよね。
足立 最新の電化製品は、省エネ対策がしっかりなされているということですね。
青木 省エネ型の家電製品の購入を考えている方は、店頭などで表示されている「統一省エネラベル」を見ると、各メーカーの製品の省エネ性能などを確認することができます。
星や評価点による省エネ性能の表示や、年間の電気料金の目安が記載されているので、参考になると思いますよ。
足立 初期投資は必要ですけど、古い製品を使っている方は、この機会に省エネ型の製品への買い替えを検討してみてもいいかもしれませんね。
青木 そうですよね。更に多くの皆様に節電や、電気の効率的な利用に取り組んでもらえるように、「節電プログラム」が実施されるんですよね、稲邑さん。
稲邑 はい。経済産業省では、少しでも多くの方や企業に電気の効率的な使用に取り組んでいただけるよう、小売電気事業者などが実施する「節電プログラム」への参加や登録を後押ししており、12月31日までに「節電プログラム」に参加を表明することで、国から、小売電気事業者などを通じて「プログラム参加特典」として、家庭に2,000円相当、企業には20万円相当の特典を付与します。
「節電プログラム」とは、小売電気事業者などが電気利用者に対して、タイムリーな節電要請を行い、電気利用者が節電した量に応じて、電気利用料金の支払いなどに利用できるポイントなどの特典を付与する取組です。
足立 つまり、12月31日までに節電することを宣言すれば、2,000円相当の特典がもらえて、実際に節電すれば、更に特典がもらえちゃうということですよね。
青木 そうですね。節電プログラムを実施している小売電気事業者と契約している人であれば参加できます。
自分が契約している小売電気事業者が「節電プログラム」を実施しているかどうか、参加表明の方法や特典、利活用の方法については各事業者のホームページなどで確認してみてください。
足立 少し手間は掛かりますけど、参加を表明すれば、より省エネを意識すると思いますし、結果的に家計の負担軽減にもつながりますね。
まず、自分が契約している小売電気事業者が「節電プログラム」を実施しているかどうか確認してみてほしいですね。
稲邑 はい。また、10月末に決定した新たな総合経済対策において、省エネ効果の高い断熱窓への改修や高効率給湯器の導入に対する支援が省エネ支援策として盛り込まれました。
詳しい情報は「省エネポータルサイト」で案内します。
「省エネポータルサイト」では、今日、ご紹介した節電対策の方法のほかにも、様々な節電や省エネに関する情報を紹介していますので、是非、ご覧ください。
今年の冬も電力の需給状況は、改善してきているものの、厳しい見通しです。
無理のない範囲で節電にご協力をお願いします。
また、日々の暮らしの中で効率よくエネルギーを使う省エネにもご協力をお願いします。
足立 今日の話で印象に残ったのは、「節電プログラム」です!
12月31日までに節電することを宣言すれば、2,000円相当の特典がもらえて、実際に節電すれば、更に特典がもらえる。何てお得なプログラムがあるんだ!と思いました。
やらないわけにはいかないですね。
青木 それだけ意識することが大事ですよね。
私が印象に残ったのは、節電・省エネ、とても大切なことですが、お財布にも地球環境にもいい!と、ダブルのメリットがあるのはいいことですよね。
地球環境にいいことはもちろんですが、自身のお財布の節約にもなることを意識してやってみてください!
【 関連リンク 】
・省エネポータルサイト
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/
・節電プログラム ディマンド・リスポンス/経済産業省 資源エネルギー庁
https://setsuden.go.jp/