暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
あなたのお金や個人情報が狙われているかもしれません。
もしものときに焦らないためにも! 詐欺被害に遭わないためにも!
まずは、サイバー犯罪の手口を知っておくことが大切です。
今回は、「安心スマホ・ライフ! サイバー犯罪からお金や個人情報を守る方法」というテーマで深掘りしました。
青木 スマートフォンはインターネットにアクセスできるので、辞書にも地図にもなるし、お財布にもなる。
日常生活に欠かせない便利なものとして利用している方も多いと思います。
でも、便利だからこそ、インターネットを悪用した犯罪に巻き込まれてしまう危険性があります。
特に、今、とても懸念されているのは、これから数年の間に高齢者の詐欺被害が増加するのではないかということです。
足立 どうして、そのように心配されているんですか?
青木 それは第3世代、いわゆる3G携帯電話サービスが終了するからなんです!
既にKDDIは今年の3月末にサービスを終了。
SoftBankは2024年1月下旬、docomoは2026年3月末に終了する予定です。
そのため、3Gを使う従来型携帯電話、いわゆるガラケーを利用している多くの方がスマホに持ち替えることが予想されます。
足立さん、ガラケーを利用している人というと、どのような人を想像しますか?
足立 やはり、ご高齢の方が多いイメージがあります。
青木 そうですよね。そのため、スマホの操作に不慣れなご高齢の方が、インターネットを介した犯罪、いわゆるサイバー犯罪に巻き込まれるのではないかと心配されているんです。
もちろん、サイバー犯罪はご高齢の方だけでなく、どの世代の方も被害に遭われていますので、今日は、誰もが安心してスマホ・ライフを送れるように、サイバー犯罪の手口をスペシャリストに紹介いただきます。
警察庁サイバー警察局 サイバー企画課長 大橋一夫さんです。
青木 早速ですが、パソコン、そしてスマホを利用しているリスナーの皆さん、もしも、インターネットを利用中に、突然、こうした音声が流れてきたら、どうしますか? 考えながらよく聞いてください。では、音声です。
ピーピーピー。(※ピー)セキュリティアラーム。エラーナンバーbw6vd36
あなたのpcは第2バンクトロイヤーに感染しています。
このウイルスは、クレジットカード情報、(※ピー)のパスワード、その他の個人情報をリモートIPアドレスを通してハッカーに送信します。
フリーダイヤルで当社に今すぐお電話ください。我々の(※ピー)サポートエンジニアがお電話でウイルスの削除方法をお教えします。
足立 私は、これを聞いて何かおかしいなと思いました。
でも、急にこれが流れたら怖いですね。
青木 今、お聴きいただいたのは、『サポート詐欺』がどのように行われるのか知っていただくため、サポート詐欺サイトに遭遇したときに流れる実際の音声を、一般財団法人日本サイバー犯罪対策センターが注意喚起のために録音した音声です。
足立 冷静に考えたら怪しいなと思いますが、急にこのような音声が流れてきたら、慌てて電話する方もいそうだなと思いました。
電話してはいけないんですよね、大橋さん。
大橋 はい。パソコンやスマホでインターネットを使用中に突然、先ほどのような「ウイルスに感染している」などの音声が流れてきたり、警告する文章が記載されたポップアップ画面が現れ、どこかに連絡するように促されたら、それはサポート詐欺と言われる詐欺の可能性があります。
青木 『サポート詐欺』は、このように不安をあおり、電話を掛けさせて、遠隔操作や有償サポート、セキュリティソフトなどの契約を結ばせたり、ウイルスを削除するための費用として金銭をだまし取る手口です。
近年、こうした詐欺に関する相談が警察や消費生活センターなどに多く寄せられているんです。
足立 ウイルスに感染しているというのはうそなんですよね?
ということは、サポートしてもらう必要も、セキュリティソフトを買う必要もないのに、お金を支払わされてしまうというわけですね。
大橋 そのとおりです。ウイルスに感染しているというのはうそなので、お金を支払わないようにしてください。
青木 独立行政法人国民生活センターによりますと、2019年、2020年の「サポート詐欺」に関する相談件数は、共に年間5,500件ほどでした。
ところが、支払ってしまった金額の総額は、2019年は7,000万円ほどだったのに対して、2020年では2億円ほどと大幅に増加していて、1件当たりの金額も年々高額化しているんです。
足立 相談件数は変わらないのに、こんなにも支払う金額が変わっているんですね!
青木 このサポート詐欺の被害相談件数は、パソコン利用中のケースが多いのですが、スマホでも被害が発生しているので警戒が必要です。
足立 被害に遭わないためには、どうしたらいいですか?
大橋 まず、警告音や警告画面が出たら偽物ではないか疑ってください。
慌てずに自分でパソコンやスマホの状態を確認して、自分で判断できない場合は、周りの人や警察に相談するか、契約している携帯電話会社の相談窓口に問い合わせてください。
警告画面に記載されている連絡先には、絶対に連絡をしないようにお願いします。
また、アプリをインストールするように促されることもありますが、こちらも絶対にしないようにしてください。
青木 警告画面や警告音を消すためには、ブラウザを消したり、電源を切って再起動してみてください。それでも消えない場合は、インターネットの履歴データを削除すると消える場合がほとんどだそうです。
履歴データの消し方が分からない方は、先ほどお伝えしたとおり、周りの人などに相談してください。
足立 こうした手口があることや、その対策方法を知っておけば慌てずに済みますから、是非、今のお話を周りの人に教えてあげてほしいです!
青木 足立さん、サイバー犯罪の手口はまだまだあります。
被害が多発している『フィッシング詐欺』『偽ショップ詐欺』の手口も深掘りしていきます。
まず『フィッシング詐欺』から深掘りしてまいりましょう。
足立 『フィッシング詐欺』はよく聞く手口ですよね。
大橋 はい。フィッシング詐欺とは、実際に存在する企業を装って、不安をあおるメールを送り付け、偽のサイトにアクセスするように誘導し、ID・パスワードやクレジットカード番号などを入力させて、これらの情報を不正に入手する手口です。フィッシング対策協議会によりますと、昨年2021年には、53万件ほど報告されています。
青木 不安をあおるメールの内容は、例えば「不審なお支払いが検出されました」「アカウントは強制停止されています」「お荷物の宛先が不明です」「会員情報が失われる可能性があります」などです。
こうした文言の後には「確認が必要です。こちらのURLからログインしてください。」などの記載があり、URLやバナーをクリックするよう指示されています。
しかも、クリックして表示される偽のサイトは、本当に本物そっくりなんです。
実は、先日、私のところに国税庁からメールが来ました。
「納税漏れがあり、支払期限は今日です。さもなくば、差し押さえとなります。」といった内容だったのですが、URLをクリックする前に、納税漏れがあるのかどうか調べてもらったところ、納税漏れはありませんでした。
その時に、税務署の方から、納税に関する催促や督促といったことは、『郵送』で連絡しますと言われ、安心しました。
メールなど、インターネット経由で来ること自体が違うんだという知識があれば、自分を守れますよね。
よくよく考えれば、「支払い期限が今日」、「差し押さえ」というのはおかしいのですが、メールが来たときはやっぱり不安になるので、自分は引っ掛からないよ! と思っている方もいると思いますが、いざ、そうなると、焦りがでてしまうので、本当に気を付けた方がいいと思いました。
大橋さん、こういった類いの手口、増えているんですよね?
大橋 はい。他にも、銀行などをかたるメールの被害相談は後を絶ちません。
フィッシング詐欺は「インターネットバンキングの不正送金」の手口として悪用されており、特に注意が必要です。
先ほど、青木さんがおっしゃったとおり、偽のメールやサイトは本物に似せて巧妙に作られているため、見抜くことは難しいです。
そのため、不審なメールが届いたら、URLを絶対にクリックしないようにし、メールは削除してください。
それでもメールの内容が心配な方は、改めてその企業の公式サイトや公式アプリからアクセスしてください。
よく利用する企業やサービスのサイトは、あらかじめお気に入りに登録しておいたり、公式アプリをダウンロードしておけば便利ですし、安心です。
青木 複数のウェブサイトで同じIDやパスワードを利用していると、情報を盗まれた場合、いくつものサイトにアクセスされてしまい、不正利用の被害に遭うリスクが高くなるそうです。
被害を抑えるためにもIDやパスワードは使い回しせず、自分自身でどのような情報がサイトに登録されているのかしっかりと把握しておく必要がありますね。
大橋 はい。パスワードは、イニシャルや生年月日のような他人に推測されやすいものを避けて設定してください。
指紋認証や顔認証など、生体認証の利用も有効な対策です。
足立 スマホは便利だから有効活用していきたいですが、スマホ利用者の方は、まずは、詐欺に遭う可能性があると思って、IDやパスワードの管理を徹底するように心掛けないといけないですね。
青木 そして、『偽ショッピングサイト詐欺』もスマホ利用者の方は注意しなければいけません。
大橋 そうですね。『偽ショッピングサイト詐欺』は偽物のショッピングサイトを作成して、消費者に購入手続をさせておきながら、粗悪品を送り付ける、商品を送らないなど、金銭やクレジットカード番号などをだまし取る手口です。
足立 昨年、コピー商品撲滅をテーマにした回で、偽のショッピングサイトについても深掘りしましたよね。
商品の価格が一般に流通している価格よりも、明らかに安過ぎたりだとか、不自然な日本語が使用されている場合は、偽ショッピングサイトの可能性があるんですよね。
青木 時々、見掛けますよね。不自然な日本語。
例えば「カードOK、現金のみ」とか「世界中の無料税」などです。
足立 このような不自然なところを見逃さないようにしたいですよね。
大橋 また、タイムセールなど、購入を急がせるような場合も十分に注意が必要です。
青木 偽のショッピングサイトは、正規のショッピングサイトの外観を真似して、商品画像を無断転用している場合もあって、見分けるのが困難ですよね。
大橋 はい。そのため、初めて利用するショッピングサイトの場合は、十分に注意してください。
注意するポイントとしては、先ほどもお話のあった、「商品の価格が大幅に安い」「不自然な日本語が使われている」のほか、「住所がカタカナ表記や存在しない住所が記載されている」「支払い方法が銀行振込のみ」といったことなどを確認してください。
クレジットカードを利用できるように表示されていても、最終的に銀行振込を選ぶように誘導されるサイトもあるので、注意する必要があります。
足立 今日は『サポート詐欺』『フィッシング詐欺』『偽ショッピングサイト詐欺』の手口を伺いましたが、こうした詐欺被害に遭わないためにも、事前の対策が必要ですよね。
大橋 はい。本日紹介したIDやパスワードの管理のほか、パソコン、スマホのソフトやアプリは常に最新の状態に更新することや、セキュリティソフトをインストールしておくことも重要です。
足立 なるほど。スマホに不慣れな方がそのような設定するときは、家族や知り合いなど、皆さんが手伝ってあげられるといいかもしれないですね。
大橋 はい。インターネットを介したサイバー犯罪が多発しています。
被害に遭わないためにも、本日お話ししたような事前の対策をお願いします。
分からないことがあるときは家族や周りの方、携帯電話会社などの正規の窓口に相談してください。
もし、不安な場合や被害に遭ってしまったときは、警察、消費生活センターなどに相談してください。
足立 今日の話を聞いて、分かっていても、焦ることはたくさんあることが分かったので、何か気になることがあった場合、買い物するときもそうですが、全て公式サイト、公式アプリからアクセスするようにしなきゃなと改めて思いました。
青木 私は、『フィッシング詐欺』はこの先も無くならないと思っています。
だからこそ、誰もが騙されてしまう可能性があると思うので、不審なメールが届いたら、URLは絶対にクリックしない、そして、メールは削除! これを徹底しましょう!
【 関連リンク 】
・サイバー警察局|警察庁Webサイト
https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/