暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
この夏、もう一つの甲子園が新たに誕生しました。その名も「Digi田甲子園」。
地方独自のデジタル技術の活用の取組を多くの方に知ってもらい、誰もが便利で快適に暮らせる社会を実現させていきましょう!
今回は、「投票しよう! Digi田甲子園」というテーマで深掘りしました。
足立 初めて聞きましたけど、「Digi田甲子園」て何ですか?
青木 「Digi田甲子園」を説明する前に、まず足立さんに質問です。
日本は少子高齢社会であるということは、足立さんもご存知ですよね。
では、こうしたことも要因の一つとなって、地方が抱える課題にはどんなことがあると思いますか?
足立 空き家問題や農業の担い手不足ですかね。
青木 地方では人口減少、少子高齢化、過疎化により、15歳から65歳未満の生産年齢人口が減少しています。
これにより労働力不足はもちろんのこと、中小企業経営者の後継者も不足しています。
足立 中小企業の事業承継をテーマにしたときも、後継者不足の話題が出ていましたね。
青木 地方の産業が衰退すると働く場が少なくなりますから、ますます人口が流出し、地域の経済も縮小してしまいます。
そうなると税収も減り、行政サービスの低下を引き起こす要因にもつながるなど、地方が抱える課題は深刻です。
足立 子育てや医療、福祉に関わるサービスが低下して安心して暮らせないとなると人口が流出する原因の一つになりそうですよね。
青木 そこで、こうした課題をデジタル技術の活用によって解決に導いていこうと掲げられたのが「デジタル田園都市国家構想」です。
足立 「デジタル田園都市国家構想」、聞いたことはありますけど…。
青木 これは、デジタル技術の活用によって地域の個性を生かしながら地方の課題解決や魅力向上を実現し、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指す構想です。
以前、取り上げた地方創生テレワークもその取組の一つです。
足立 地方の活性化につながるテレワークの取組、確かにご紹介しましたね。
青木 この「デジタル田園都市国家構想」の実現をスピードアップさせるためには、今現在取り組まれている、各地域独自のデジタル技術活用の取組を、違う別の地域でもどんどん取り入れてもらいたいんです。ですから、各地の優れたデジタル活用を積極的に発信して広く知ってもらうことが必要です。
足立 いいものはどんどん発信して、どんどん真似していこうということですね。
青木 はい。 そこで、この夏、初めて開催されるのが「Digi田甲子園」なんです!
ここからは、スペシャリストに伺っていきましょう!
内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局の山下智也さんです。
足立 早速ですが、山下さん!「Digi田甲子園」って何ですか?
山下 「Digi田甲子園」とは、デジタル田園都市国家構想の実現に向けた地域の取組を広く募集し、国民によるインターネット投票と、有識者による審査により、特に優れたものを内閣総理大臣が表彰する新しい取組です。
この夏は「夏のDigi田甲子園」と題して、地区予選を経て選ばれた各都道府県の代表の市区町村がエントリーしています!
足立 「しています!」ということは、既にスタートしているんですか?
山下 はい。既に都道府県による選考や推薦による地区予選で選ばれた候補がエントリーしており、159の取組が勢ぞろいしています。
7月12日からインターネット上で本選が行われています。
足立 159件も! 思っていたより多い!
それだけの数で熱い闘いが繰り広げられている、正に甲子園てわけですね。
青木 熱い闘いといっても「Digi田甲子園」は、勝った負けたというものではありません。
飽くまでも地方の独自の取組を広く多くの方に知ってもらい、その取組を参考にして、それぞれの地域でも活用してもらうことが目的です。
足立 表彰されるのは、159の取組のうち一つだけですか?
山下 表彰は<実装部門>と<アイデア部門>とに分けて行います。
青木 私から説明しますと、<実装部門>の対象となるのは、一つはデジタル技術の活用により、医療、教育、子育て、物流、交通、農林水産業、中小企業、観光、防災の個別の課題を実際に解決し、住民の暮らしの利便性と豊かさの向上や地域の産業振興につながっている取組です。
もう一つは、高齢者、障害者などデジタルに不慣れな人々がデジタル機器やサービスの利用方法を学ぶことができる環境づくりを進めているなど、あらゆる人がデジタル化の恩恵を享受できる社会の実現に寄与している取組です。
この二つのうち、いずれかを満たしている取組が対象となります。
足立 既に始まっている取組の中から優れているものを表彰するんですね。
山下 はい。また<実装部門>では、人口規模などにより、表彰対象となる自治体を三つに分けています。指定都市や中核市などと、それ以外の市、そして町と村、これら三つの中からそれぞれ特に優秀と認められるものを表彰します。
青木 そして<アイデア部門>は、先ほど説明した実装部門の取組内容について、まだ実装には至っていないけれど、数年内に実装される見込みのあるアイデアとして、特に優秀と認められるものが表彰されます。
足立 表彰されれば、関わっている方々のモチベーションアップにつながりますよね。
青木 表彰されたことで、実現へのスピードアップが図られる可能性もありますよね。
足立 実際、どんな取組がエントリーされているんですか?
青木 確かに気になりますよね。でも、ここでいくつかピックアップしてご紹介してしまうと、厳正な審査の妨げになるかもしれません。
足立 確かに!
青木 そこでここからは、今回、エントリーはしていないけれども、デジタル技術を活用して地域の課題解決に役立っている事例をご紹介していきましょう!
まずは、こちら!
「中山間地でスマート農業を行った四万十町」の事例です。
山下 高知県四万十町では、担い手の減少や高齢化が進み、農業を継続できない農地が増えていました。
特に山あいにある水田はそれぞれの区画が狭く、傾斜もあることから、高収益が期待できる他の作物の栽培に転換できない水田も少なくありませんでした。
足立 なかなか解決できない課題があったんですね。
青木 そこで! スマート農機によるスマート農業です!
まず、関係団体がタッグを組み、地域の耕作放棄地を集めて農地を拡大しました。
農地が広くなったことで自動運転トラクターや直進キープ田植機、ラジコン草刈機などのスマート農機を導入し、作業に係る時間を削減。
また、経営管理アプリで作業状況をスマホなどで管理できるようにして効率化を図り、その結果、エサ用のお米である飼料用米などで26パーセントほど、大豆で40パーセントほど、農作業に係る時間を削減することができたそうです。
確かに、個人で経営している水田だと小さいじゃないですか。
耕作放棄地を集めて農地を拡大することで、可能になったということですね。
山下 一軒の農家さんではなかなか解決できない課題を、地域や関係団体が一丸となり、デジタル技術を活用して取り組んだことで解決し、しかも、作業効率もアップした好事例です。
青木 続いての事例はこちら!「南紀白浜 IOTおもてなしサービス実証」!
山下 観光で地域を活性化させるには、特定の観光スポットだけでなく、いかにその地域を周遊して楽しんでもらうかが重要になります。
この取組では、観光における周遊性向上のためにデジタル技術を活用した快適な旅行体験を提供しています。
足立 観光スポットの周りには面白いものがあったりしますが、デジタル技術を活用した旅行体験ってどういうことですか?
青木 事前に顔情報などを登録しておけば、地域の様々な場所でキャッシュレス決済などの顔認証を活用したサービスが受けられるそうです。
例えば、空港での顔認証決済ができたり、ホテルの部屋の鍵が顔認証で開けられたり、観光施設に顔認証チケットで入れたりするそうですよ。
足立 つまり、一度登録手続きをすれば、手荷物がたくさんあるときにわざわざお財布からカードを出さずにお買い物ができたり、鍵を忘れてオートロックの部屋から締め出されることもなく、正に顔パスで観光施設にも入れちゃうってことですよね。
すごく便利かもしれない。
山下 こちらのサービスではスムーズな旅が楽しめるだけでなく、観光客の好みに合った情報を受け取ることができたり、顔認証クーポンで便利でお得にエリアを周遊することもできます。
青木 また、サービスを提供している側では、観光する方の行動パターンなどをデジタルで把握することができるので、効率的にマーケティングができ、地域の観光を活性化させる新しい企画を立てるときにも役立ちます。
実際に観光客の満足度も向上しているそうです。
足立 もっともっと魅力的なサービスが生まれるかもしれないですね。
青木 今、ご紹介したのはほんの一例で、今回の「夏のDigi田甲子園」にはエントリーしていないものですが、デジタル技術が地域の課題解決にどのように活用されているのかはイメージしていただけたと思います。
山下さん、もっといろいろな事例を知りたい方は、「夏のDigi田甲子園」のサイトを観ていただければいいんですよね。
山下 はい。現在「夏のDigi田甲子園」の本選を開催中です。
見事、地区予選を突破した都道府県代表の取組事例が紹介されています。
しかも、取組を分かりやすく紹介するため一分程度の紹介動画も公開中です。
足立 文字だけでなく動画で見られるのはいいですよね。
青木 動画を見るだけでも、地域の特性や色が見えてくる部分がありますよね。
山下 リスナーの皆さんも是非、「夏のDigi田甲子園」のサイトをご覧いただき、それぞれの地域の課題解決に役立つ取組を参考にしてください。
そして、特に良いと思う取組に是非、投票をしてください!
8月15日、来週月曜日までの投票を受け付けています。
どうぞ、その一票で「夏のDigi田甲子園」を盛り上げて、誰一人取り残されない、誰もが便利で快適に暮らせる社会を実現していきましょう!
足立 いろんな地域がいろんな案を出し合っているところが素敵だなと思いましたし、その中でも、誰一人取り残されない、誰もが便利で快適に暮らせる社会を皆が考えているというのは素敵だし、私たちも手助けできたらなと思いました。
青木 私が印象に残ったのは、人口減少社会の中で、地方が抱える課題はたくさんあると思いますが、デジタル技術の活用により、課題解決に役立つということです。「Digi田甲子園」で、他の地域がやっていることを取り入れて日本全体が活性化してくれるといいですね。
【 関連リンク 】
・夏のDigi田甲子園
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/koushien.html