暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
テレワークを活用して、地方の活性化にも貢献する新しい働き方をしてみませんか?
今回は、「転職なき移住! 地方創生テレワーク」というテーマで深掘りしました。
青木 足立さんは、地方に住んでみたいと思ったことはありますか?
足立 元々、地方に住んでいましたが、のんびりとした場所はいいなぁ〜と思いますね。
青木 最近は、東京の都心部と、地方に家を持つといった二拠点生活をする人も増えていますよね。
昔は別荘という感覚がありましたが、テレワークが浸透してくると、別荘から二拠点というように、居住地と変わってきている人もいますよね。
今日は、地方での憧れの暮らしを叶えることができる、そんな新しい働き方を深掘りします!
内閣府が行なった調査によると、昨年9月から10月の時点でテレワークを経験された方は、全国で3割ほど、東京23区に限ると5割ほどだったそうです。
足立 ウィズコロナ時代の働き方として、徐々にではありますけど、広がってきている実感はありますよね。
青木 そこで、地方創生テレワークです。
ゲストをご紹介しましょう。
内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 参事官 野村栄悟さんです。
足立 野村さん、地方創生テレワークという言葉を初めて聞いたんですけど、私が日頃しているテレワークとは違うものなんですか?
野村 地方創生テレワークを簡潔にご説明しますと、例えば地方に移住などして、東京の仕事をリモートで行うような、地方の活性化に貢献するテレワークのことをいいます。
先ほど、お二人がお話しされていたように、コロナ禍において、働く人の意識が変わってきています。
こうした流れも踏まえ、政府は、現在検討中の「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けて、単なる都市部でのテレワークにとどまらず、地方におけるサテライトオフィスでの勤務など、地方創生につながる形のテレワークを地方創生テレワークとして位置付け、推進していくこととしました。
その中で、自治体や企業、働き手などに向けた情報発信や、交付金によるサポートを行なっております。
足立 推進しているということは、当然、働く人にメリットがあるんですよね。
野村 もちろんです。
何と言っても「働く場所」に縛られることがありません。
そのため、今の仕事を続けながら“地方に移住したり”“地元に帰ったり”、あるいは“旅をしながら仕事をする”、そんな多様なライフスタイルが可能になります。
青木 これまで「勤務地」と「住む場所」は、“毎日通える範囲内にあるもの”と考えるのが一般的でしたよね。
でも、地方創生テレワークを推進する企業や団体が増えれば、自分の都合で自由に住む場所を選び、自分のライフスタイルにあった働き方をすることができます。
足立 「地元に帰る」、「移住する」と聞くと、仕事を辞めることを前提に考えがちですけど、地方創生テレワークが普及すれば、転職をしなくても、理想の暮らしを実現することができるようになるということは、やる側にとっては、メリットばかりだと思いました。
でも、これを推進する企業側に何かメリットはあるんですか?
野村 はい。企業側にもメリットはいろいろあると思います。
一つ例を挙げると、優秀な人材の確保につながるという点です。
多様な働き方が認められている企業は「働く場所」に縛られないため、全国から優秀な人材が集まりやすいと考えられます。
また、離職率の低下にもつながり、人材の流出を抑えることも期待できます。
青木 既に地方創生テレワークを推進している自治体や企業もあるんですよね。
野村 はい。例えば、企業の場合、地方にサテライトオフィスなどを設ける事例が増えています。
また、働き手がテレワークをしやすいように制度を作ったり、見直すなどして、環境を整える事例も見られます。
青木 例えば、具体的な事例では、東京に本社がある大手IT企業では、フレックスタイム制のコアタイムを撤廃して、朝5時から夜10時までをフレキシブルタイムとして、仕事の中断・再開も個人の裁量に任せることにしました。
その結果、テレワーク率はおよそ8割になりました。
これによりテレワークが特別なことではない気運が出来上がり、自ら大分県に移住した社員が11人もいるそうです。
足立 でも、なんで大分県なんですか?
青木 こちらの企業は大分県とタッグを組んで、持続可能な地域社会の構築を目指す取組を進めていることもきっかけの一つだったようです。
日頃から社内で大分県の魅力が共有されていたのかもしれないですね。
実際に体験してみると、将来のライフスタイルを思い描きやすくなりますよね。
これがきっかけになって地元で暮らす人が増えれば人口流出を防げますし、優秀な人材が地元にいることで、地域を活性化する新しいプロジェクトが生まれる、そんなことも期待できますね。
野村 実際に、地方創生テレワークを進める中で、自治体と企業がタッグを組んで地域活性化につながるプロジェクトが生まれている事例も見られます。
今、ご紹介した事例は、様々な取組がある中のほんの一部にすぎません。
地方創生テレワークは自治体、企業、働き手、それぞれのメリットが期待できる新しい働き方なので、多くの方に注目していただきたいと考えております。
青木 ここからは、東京と熱海の二拠点で生活を送り、地方創生テレワークを経験されたことがある「面白法人カヤック(おもしろほうじんカヤック) 中島みきさん」にリモートでお話を伺ってまいります。
中島さん、「面白法人カヤック」では、現在、どのようなお仕事をされていますか?
中島 面白法人カヤックで、地方創生部門の事業部長をしており、地域でのテレワークや移住マッチングサービスなどの事業をいくつか行っています。
青木 熱海で地方創生テレワーク勤務の経験があるそうですが、どのようなスタイルで働いていたんですか?
中島 現在は、子どもが小さく、会社近くの鎌倉に住んでいますが、生まれる直前まで、東京都内と熱海の二拠点で生活をしていました。
熱海では、自宅のお風呂に温泉が流れており、朝晩、温泉に浸かりながら仕事をしたり、熱海のコワーキングスペースで仕事をしていました。
足立 それは、いいですね〜!羨ましい!
青木 地方創生テレワーク勤務をされる前は、どのような働き方をされていたんですか?
中島 30年近く東京都心部に住んで勤務をしていました。
職場へのアクセスも良く、外食して帰宅したり、休日は繁華街へ行ったり、公園を散歩したりといった生活でした。
青木 いわゆる職住近接ですね。
足立 お話を伺うと、東京での生活でも問題ないように思いましたが、地方創生テレワークを始めたきっかけはなんだったんですか?
中島 新型コロナウイルスの影響で、夫婦ともに在宅勤務がベースとなり、会社に近い家でテレワークをしていましたが、都心部の家はそれほど広くないし、窓の外を見ても、目の前にビルがあったりと、都内に住んで仕事をする必要がなくなり、良い空気や景色、四季を感じられる場所で仕事をしたいと思い、知り合いのいた熱海を選択肢の一つとして探したことがきっかけでした。
熱海から都内まで、新幹線で移動でき、すごく近いので、最初のステップとしてはいいかなと思い、地方創生テレワークを始めました。
青木 地方創生テレワークを始めるに当たって、何かハードルはありましたか?
もし、ハードルがあれば、どのように解消されたのか教えてください。
中島 すごく大きなハードルというのは無かったのですが、一番のポイントは、慣れた東京でのルーティン生活があり、そこから、新しいルーティンを作ることだと思います。
また、通信環境が快適なところを探すのも大事なポイントでした。
通信環境の良いスペースを探したり、それに関する情報収集を結構しました。
足立 通信環境がいいので、今、リモートですが、すごくスムーズです!
すごく気になるのが、東京で友達やご近所付き合いがあったと思います。
地方に行くと、また一からのスタートになりますよね。
地域の方々とは、どのようにお付き合いされていたんですか?
中島 まず、全く誰も知らないところに行った訳ではなく、最初に、少し知り合いのいる地域を探して行きました。
もしくは、最初に知り合いを増やしてから行くといった方法もあります。
また、近所のお魚屋さんやお肉屋さんといった、個人商店でお昼ごはんを買いに行ったりすると顔見知りになったりもしましたし、熱海のコワーキングスペースは同じような生活をしている仲間たちがいっぱいいるので、共有できることや、その中に地元の方もいて、交流の輪が広がったりと、仕事仲間とは別の知り合いが増える良さがありました。
青木 新しいコミュニティーができたんですね。
足立 私も話を聞いて、やってみたい気持ちが芽生えました。
青木 中島さんの人間関係含め、色んな世界が広がったことを感じましたね。
今のお話を伺って、地方創生テレワークに興味を持った方も多いと思います。
野村 地方創生テレワークは地方の活性化に貢献できる新しい取組です。
地方創生テレワークに関するポータルサイトでは、自治体、企業、働き手、それぞれに向けた情報発信をしています。
自治体がサテライトオフィスなどの整備、運営を行う際に活用できる交付金制度なども用意しています。
ポータルサイト上で、自治体、企業等に向けた個別相談窓口も設けていますので、是非、ご覧いただければと思います。
足立 今日の話を聞いて、多様なライフスタイルが可能になる。
地元に帰るでもいいですし、地方に移住する、旅をしながら仕事をする。
自分の好きなライフスタイルに合わせて仕事ができるのはいいなと思いました。
青木 私が印象に残ったのは地域の活性化につながることです。
その仕事が東京だけでなく、様々な地方でできるようになると、地元に残る人が増えたり、優秀な人材が増えることで、その地域の活性化につながればいいなと思いました。
【 関連リンク 】
・地方創生テレワーク
https://www.chisou.go.jp/chitele/