JFN
  • x
  • Facebook

暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

2022.02.13

プラスチックは えらんで 減らして リサイクル



プラスチックに関する新たな法律が施行されます!
これにより、私たちの暮らしの中でどんな変化が起きるのか。
今回は、「プラスチックは えらんで 減らして リサイクル」というテーマで深掘りしました。


青木  2020年7月から全国でレジ袋の有料化がスタートしました。
これによりスーパーマーケットなどでレジ袋の受取を辞退する人の割合がおよそ8割にのぼっているそうです。
足立さんはレジ袋を使用する頻度に変化はありましたか?

足立  できる限りエコバックを持ち歩くようにはなりました。
そもそもレジ袋の有料化が開始されたのは、環境問題が背景にあるんですよね。

青木  そうですね。以前番組でも深掘りしました。
レジ袋などプラスチックを原料とする製品は、私たちの暮らしを支える便利なものですが、一方で、適切に処理されないと、海ごみとなり、海の生態系だけでなく漁業や観光業など様々な方面に悪影響をもたらします。

足立  ウミガメなどにビニール袋が巻きついてしまったり、海岸に流れついたプラスチックごみが溜まってしまったり、このプラスチックごみは、どこからくるの?と思うくらいありますよね。

青木  また、ごみとして焼却されると温室効果ガスを排出し、気候変動の要因になるという問題もあります。
こうした背景もあり、新たに誕生したのが「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」、プラ新法です。
プラスチックに関する新たな法律で今年4月に施行されます。

ここからは、スペシャリストと一緒に深掘りしていきましょう!
環境省 リサイクル推進室長 平尾禎秀さんです。

平尾さん、プラ新法がいよいよ施行されますね。

足立  どんな法律なんですか?

平尾  プラ新法は、「設計・製造」、「販売・提供」、「排出・回収・リサイクル」といった、プラスチック製品のライフサイクルに関わる事業者・自治体・消費者に対して、プラスチックの資源を循環させる取組を促すための法律です。

青木  足立さん、3R(スリーアール)はご存知ですよね。
Reduce(リデュース)は「ごみの発生を減らすこと」
Reuse(リユース)は「繰り返し使うこと」
Recycle(リサイクル)は「資源として再利用すること」です。
この3R(スリーアール)に加えて、Renewable(リニューアブル)、「再生可能な資源に置き換えること」、プラ新法にはプラスチックに関して、こうした取組をより一層推進していくための措置が盛り込まれているんです。

足立  プラ新法が施行されると、私たちの暮らしが変わるんですか?

平尾  もちろんです。
プラスチック製品は非常に身近なので、様々なシーンで変化が生まれます。

青木  では、どんな変化があるのか、具体的に深掘りしていきましょう!

変化その1
【環境に配慮した製品設計を国が認定し、消費者が選択できる社会になります!】

平尾  環境に配慮した製品設計を国が認定します。
この4月から認定制度をスタートさせますので、近い将来、消費者の皆さんが製品を購入する時、環境に配慮されている認定製品を“えらんで”購入することができるようになります。

青木  プラ新法では製造事業者などに向けて、環境配慮設計に関する指針を策定しています。
つまり、プラスチックを扱う事業者は、この指針に沿った製品の設計や製造が求められます。
これに伴い、同じ種類の製品と比較して、特に環境に配慮した優れた製品設計については国が認定し、消費者にも手にとっていただけることになるそうです。

足立  環境に配慮している製品とは、どういうものがあるんでしょうか?

平尾  例えば、“ペットボトル”はこれまで環境に配慮した製品設計を行ってきています。
元々ペットボトルは、PETという単一素材で、透明に統一されてリサイクルしやすくなっています。
また、すごく軽量化が進んできていましたが、最近はさらに100パーセントリサイクル素材のものがでてきました。
ほかには、シャンプーの“付け替え用ボトル”なども、プラスチックの使用量が削減された環境に配慮した製品と言えます。

青木  “付け替え用ボトル”とは、中身をプラスチックボトルに“詰め替える”のではなく、中身が入っている付け替え用ボトルに、直接ノズルを差し込んで、使うことができる製品です。
中身を詰め替えるのが面倒で毎回新たに製品を買っていた方も、このタイプの製品なら面倒でないかもしれません。

足立  環境に配慮した製品にも色々な種類があれば、自分の好みや、自分のスタイルに合った製品を調べて選んでいくことが、これまで以上にプラスチックごみを“減らせる”かもしれないですね。

青木  プラ新法が施行されれば、今後ますます、環境に配慮した製品のバリエーションが増えていきそうです。

続いて、プラ新法により私たちの暮らしがどのように変わるのか
変化その2
【使い捨てプラスチック製品の使用が合理化され、ライフスタイルが変わります!】

平尾  プラ新法では、ストローやスプーンなど無償で提供される使い捨てのプラスチック製品、いわゆるワンウェイプラスチックを削減するために、小売店やサービス事業者に向けて取り組むべき基準を策定しています。
例えば、ワンウェイプラスチックを提供する際には消費者に必要か不要か、意思を確認することや、ポイント還元、有料化、ほかの素材への転換に取り組むことなどがあります。

足立  これにより、私たちのライフスタイルも変わるということですか?

青木  そうですね。
例えば、宿泊施設で提供されるアメニティについて、歯ブラシにバイオマスプラスチックが使われていたり、かみそりが紙製になったりするかもしれません。
また、コンビニで「スプーンはご利用ですか?」と聞かれることがあると思いますが、今後は、宿泊施設でもチェックインの際に「歯ブラシはご利用ですか?」「ヘアブラシは?」と聞かれることがあるかもしれません。

足立  これは、いいことですよね。

青木  レジ袋が有料化した時、最初は、不便じゃないかな?と思った方もいると思いますが、人間、慣れてくるものですよね。

足立  今じゃ、レジ袋も当たり前ですからね。

青木  ほかにも、色んなサービスが変わってきていますよね。

平尾  クリーニング店では、プラスチックハンガーを繰り返し使えるように回収して、リサイクル素材の物を使うといった取組も行われております。

ポイントを還元するサービスなどが既にあるのですが、取組の拡大が期待されています。
実はクリーニングカバー自体も昔に比べると薄くなっていて、素材段階からプラスチックの削減が進められているんです。

青木  消費者の私たちが気づかないうちに、製造や販売段階で様々な取組が進められているんですね。

では、プラ新法による暮らしの変化その3
【プラスチックごみの効率的な回収とリサイクル促進により、ごみの捨て方が変わります!】

足立  どんなふうに変わるんですか?

平尾  プラ新法により、自治体や店頭などで、より効率的に不要となったプラスチックが回収・リサイクルされていきます。
これまでリサイクルできるか分かりづらかったプラスチックごみの分別が分かりやすくなります。

青木  プラスチック製品の分別は自治体によって異なりますが、その大半は同じプラスチック素材なのに、プラスチック製の容器包装は「資源ごみ」、そのほかのプラスチック製品は「燃えるごみ」で回収されていることがあります。

しかし、プラ新法の施行に伴い、それぞれの自治体で準備が整えば、今後は容器包装のみならず、プラスチック製品も資源として回収・リサイクルされていくようになるそうですよ。

足立  「資源ごみ」の分別ルールが分かりやすくなれば適切な分別収集が行われてリサイクルも進みますね。

平尾  今後は製造事業者や販売事業者などによるプラスチック製品の自主回収も進み、別の資材や原材料などへのリサイクルも促進されます。

青木  例えば、スーパーなどの小売店の店頭に製造事業者が回収ボックスを置き、歯ブラシや詰め替えパック、化粧品容器、おもちゃなどを自主回収するようにもなっていくそうです。

足立  新しい法律が誕生したことで色々な変化が起こるんですね。
この変化に私たちも積極的に行動を変えていく必要がありますね。

平尾  そうですね。
プラスチックは、私たちの生活に非常に身近なものです。
「プラスチックは、えらんで、減らして、リサイクル」
一つひとつの行動は小さくても、その積み重ねが、2050年脱炭素社会の実現や、同じく2050年までに新たな海洋汚染ゼロを目指す、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実現にもつながっていきます。

足立  今日の話を聞いて、一番印象的だったのは、プラごみの捨て方。これまでと捨て方が変わる方もいると思うので、そこは、きちんと確認する必要があると思いました。

青木  私は、3R(スリーアール)という言葉は知っていたのですが、Renewable(リニューアブル)、「再生可能な資源に置き換えること」が加わったことが印象に残りました。
時代や社会情勢に合わせて変わっていきますが、私たちも行動を変えていかないといけないですね。


【 関連リンク 】
・プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラ新法)
 https://plastic-circulation.env.go.jp/