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暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。

2022.01.30

変わる? 変わらない? 空港での保安検査



飛行機に乗る時、手荷物や身につけている物を検査する“保安検査”。
この度、保安検査を受けることが明確に法律に規定されます。
これにより、私たちが検査場を通過する際、注意することとは?
今回は、「変わる? 変わらない? 空港での保安検査」というテーマで深掘りしました。


青木  保安検査というのは、飛行機に持ち込めないものを持っていないか確認する検査のことです。
飛行機に乗る際の手荷物には、大きく分けると、航空会社のチェックインカウンターで“搭乗前に預ける手荷物”と、それから“機内に持ち込む手荷物”の2種類があります。
手荷物は保安検査の際にX線検査装置に通し、私たち自身も金属探知機を通ります。

この保安検査で手間取る人がいて、行列ができていることを目にすることもありますが、足立さん、保安検査はなんのために行われているのでしょうか?

足立  ハイジャックやテロを未然に防ぐためですよね。

青木  そうですよね。2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件は、足立さんも覚えていると思います。
アメリカの旅客機がハイジャックされ、ニューヨークの世界貿易センタービルなどが破壊された自爆テロです。

ハイジャックやテロの脅威は依然として存在しています。
保安検査はこうした危険を防ぐため、私たちの手荷物や身に着けているものなどに凶器となるような物や、爆発する恐れのある危険な物がないかをあらかじめ確認するために行われているんです。

足立  私たちが安全に、そして安心して飛行機を利用できるように行われている大切な検査というわけですね。

青木  そうなんです。実は、その保安検査に関する法律の一部が改正され、今年の3月からは、保安検査を受けることが航空法で規定され、罰則も設けられることになりました。

足立  保安検査はこれまでも受けていましたけど、「法律で規定された」とは、どういうことですか?

青木  疑問が生まれてきましたよね。
ここからはスペシャリストと一緒に深掘りしていきましょう。

国土交通省航空局 航空保安対策室長の湊孝一さんです。

足立  さっそくですが、湊さん、これまで私たちは、飛行機に乗る時に必ず保安検査を受けていましたけど、これまでは法律で規定されていなかったんですか?

   実は、そうなんです。
飛行機内に凶器や爆発物を持ち込むことは、これまでも航空法で禁止されていましたが、保安検査については明確には規定されていませんでした。

青木  つまり凶器や爆発物を飛行機内に持ち込んだら航空法違反になるけれど、保安検査を受けなくても航空法違反にはならなかったということです。

足立  でも、保安検査を受けなければ飛行機には乗れませんよね?

   はい。これまではそれぞれの航空会社が飛行機内に凶器や爆発物を持ち込ませないよう、航空会社と利用者との間の契約、いわゆる運送約款に基づいて利用者に保安検査を受けていただいておりました。
そのため、保安検査について、利用者の協力が得にくい場合や、検査員が利用者に対して毅然とした姿勢で臨みにくいといった課題がありました。

足立  検査員もクレームなど言われると大変でしょうね。

青木  実際に保安検査員の方の離職率は高いと言われていまして、利用者からのクレーム対応の厳しさもその一因としてあるそうです。

   そうですね。
今回の航空法改正では、保安関係の職員が利用者などに指示を出すことができる権限の規定も盛り込んでいます。
また、今回の法改正のほか、保安検査の現場の方々と一緒になって、検査員の人材確保や育成のための取組も進めているところです。

足立  航空法の改正によって、検査員の方へのクレームなどが減ってくれるといいですね。
3月からは罰則も設けられるとのことですが、どんな罰則なんですか?

   これまでは飛行機内に危険物を持ち込んだ場合、50万円以下の罰金でしたが、これを2年以下の懲役、または、100万円以下の罰金に引き上げるとともに、今後は保安検査を受けずに保安検査場の先のエリア、危険物等所持制限区域と言うんですが、そこに立ち入った場合にも、1年以下の懲役、または、50万円以下の罰金の対象となります。

青木  つまり、今回の航空法改正により保安検査を受けない場合も含め、罰則が強化されたということです。

足立  では、保安検査そのものは法律が改正されたことで変わりますか?

   保安検査の内容は基本的に従来と同じです。
今までどおり飛行機内に持ち込めない物などが、うっかりカバンなどに入っていないか、事前に確認し、保安検査を受けていただければと思います。

青木  ただ、“機内に持ち込む手荷物”として持ち込めない物の中には、普段の生活で何気なく使っている物もありますよね。

そこで、ここからは改めて保安検査をスムーズに通過するために覚えておいたほうがいいことを深掘りします。
新型コロナウイルスの影響で飛行機を利用する機会も減っていると思います。
久しぶりに利用する時に慌てないように、ここで改めて確認しておきましょう。

それではここで、足立さんに問題です。
次のうち、“機内に持ち込む手荷物”として持ち込めないものはどれでしょうか?

1)カッター(いわゆるカッターナイフ)
2)工具のドライバー
3)冬山の登山などで、滑り止めのために、靴の底に付ける「アイゼン」

足立  1)カッターと、2)工具のドライバーじゃないでしょうか?

青木  では、湊さん、正解をお願いします。

   はい。どれも持ち込むことはできないんです。
保安検査はハイジャックやテロを防ぐための検査なので、銃や刀、爆発物などが持ち込めないのは当然ですが、そのほか、“凶器となる恐れのある物”も原則、持ち込めません。

青木  つまり、文房具のカッターやハサミなども凶器になるおそれがあるので持ち込めないんです。
しかし、カッターやハサミなどは文房具として日頃使っているので、特に危ないという認識がなく、手荷物に入れている方が多く見受けられるそうです。

また、アウトドア用具としても使われるツールナイフ、いわゆる多機能折りたたみ型のナイフも同様です。

足立  工具や登山用品もダメなんですね。

   そうですね。ドライバーやアイゼンのように「先端が尖っていて凶器となり得る」ものは持ち込めません。
アイススケートの靴なども同じです。

足立  これらのものを持って行きたい場合はどうすればいいですか?

   「預け入れ手荷物」として、これは受託手荷物とも呼ばれますが、航空会社のチェックインカウンターで預けることで輸送することができます。

青木  ただし「預け入れ手荷物」と「機内持ち込み手荷物」、どちらについても航空会社によって制限される内容が違う場合があるので、持込み制限品に該当するかどうか分からない場合は、利用する航空会社へ事前に確認したほうがいいです。

   はい。特に海外の航空会社は国内の航空会社と違う場合がありますので、ご注意いただければと思います。

青木  そして、保安検査をスムーズに通過するコツですが、実は2019年9月から保安検査が強化されているそうですね。

   はい。上着の検査や靴の検査などが強化されており、上着は全ての方に脱いでいただくことになっています。

青木  パーカーも検査の対象となりますよ。

足立  コート、ジャケットはわかりますが、パーカーも脱がないといけないのは意外でした。

   そうですね。
その中に、飛行機の中に持ち込めない物や検査の対象となる物がないか、検査をさせていただくことになりますので、あらかじめ脱いで、トレーに入れて、検査場を通過していただいた方が、再度、検査を受ける必要がなくなりスムーズに通過することができます。

青木  靴にも基準があるのでしょうか。

   靴の場合、くるぶしを覆うブーツ、底の厚い靴などが検査の対象となっています。
保安検査場では脱いで専用トレーなどに入れて検査させていただきます。

青木  以前からランダムに行っていたものが、今は全て対象となっているということです。

足立  2019年の9月から強化されたということは、コロナの影響で飛行機利用が減っていて知らない方も多いと思うので、保安検査場が混み合わないように知っておいてほしいですね。

   はい。また基本となりますが、ポケットの中の小銭や鍵、スマートフォンなどの金属類は事前に取り出して、トレーに乗せていただくと保安検査をスムーズに通過することができます。

青木  基本ですが、その基本が大切ですよね。
保安検査場を通過する締め切り時刻は実際の出発時刻よりも早く設定されています。
これも基本となりますが、空港には余裕を持って行き、早めに保安検査を受けるように心がけてほしいですね。

   飛行機を利用する全ての方に安全に、そして安心していただくための保安検査です。
飛行機に持ち込めないものの具体例などは国土交通省のホームページにも掲載しておりますので、この機会にご確認いただければと思います。
引き続き、保安検査へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

足立  今日の話は、知らないことがたくさん知れて良かったのですが、その中でも、飛行機内に危険物を持ち込んだ場合の罰則、そして、保安検査を受けずに保安検査場の先のエリア、危険物等所持制限区域に立ち入った場合も罰則、罰金の対象になること、これは皆さんに知っておいてほしいと思いました。

青木  2019年9月からの保安検査の強化で、コート、ジャケット、パーカーといった上着は全ての方に脱いでもらうことが印象に残りました。


【 関連リンク 】
・航空機搭乗前の保安検査を受けるにあたっての注意事項について
 https://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000007.html