暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
ソーシャルビジネスを行う事業者やNPOへ向けた支援制度があります!
今回は、「その熱意に役立てよう! ソーシャルビジネス支援」というテーマで深掘りしました。
青木 ソーシャルビジネスとは、地域や社会が抱えている課題の解決を目的とするビジネスのことです。
この番組でも取り上げましたが、地域や社会には、解決しなければならない課題がたくさんあることは、足立さんも知っていますよね。
足立 もちろんです。
この番組では、子供の貧困問題や海ゴミの環境問題を取り上げたのを覚えています。
青木 ソーシャルビジネスは、そうした課題を解決することを目的としていますから、その領域は多岐に渡ります。
例えば、「子育て支援」、「高齢者の介護」、「障がい者の就労支援」、「過疎地域の活性化ビジネス」、「途上国支援」、「伝統文化保全」、「自然・環境保護」。
どれも大事なことですね。
足立 一般的な企業でも、社会貢献活動の一環として、こうした課題に積極的に取り組んでいる所がありますが、ソーシャルビジネスと一般的なビジネスの一番の違いは何でしょうか?
青木 目的が違います。一般的な企業の場合は、利益の最大化が目的ですが、ソーシャルビジネスの場合は、あくまでも“地域や社会の課題を解決すること”が目的であり、利益は、目的の達成のための手段の一つです。
補助金や寄付だけに頼らず、ビジネスとしてしっかりと収益をあげることで、継続的な地域や社会支援を可能とする、これがソーシャルビジネスの特徴なんです。
足立 寄付に頼る取組は、継続させるのが難しいですよね。
特に今は、新型コロナウイルスの影響もあり、厳しい状況のところもあるので、より大変なのではないかと思います。
青木 そこで“ソーシャルビジネス支援”なんです。
ここからは、ゲストと一緒に深掘りしてまいります。
株式会社 日本政策金融公庫国民生活事業本部 創業支援部長の青野浩之さんです。
足立さんは、日本政策金融公庫、通称“日本公庫”がどのような会社か知っていますか?
足立 企業名からすると金融機関でしょうか。
青野 法律や予算で決められた範囲で、金融機能を発揮している政策金融機関です。
一般の金融機関が行う金融サービスを補い、中小企業や小規模事業者、農林漁業者の方々に向けた資金調達の支援などを行っており、各都道府県、全国152箇所に支店があります。
青木 そして、今、力を入れているのが、今回のテーマでもあるソーシャルビジネス支援なんですよね。
青野 ソーシャルビジネスを営む事業者や、NPOに向けた支援を積極的に行っています。
足立 支援とは、つまり、「お金を貸す」ということですか?
青野 事業を行うために必要となる運転資金や設備資金の融資を行っていますが、それだけではありません。
日本公庫では、「資金面」と「情報面」、その両面からソーシャルビジネスの担い手となる皆さんを支援しています。
青木 まず「資金面」での支援から具体的に伺っていきましょう。
ソーシャルビジネスに取り組む方に向けた融資制度があるんですよね。
青野 日本公庫では「ソーシャルビジネス支援資金」を始め、ソーシャルビジネスを営む事業者にご利用いただける、様々な融資制度があります。
青木 ソーシャルビジネスを営む事業者向けの融資実績は、年々増えていまして、昨年度の融資件数はおよそ1万5,000件、融資額は1,800億円を超えています。
足立 融資を受けられれば、「資金面」での心配は減りますね。
青野 「資金面」での心配が減れば、事業の運営に力を注ぐことができ、動き出しやすくなると思いますので、多くの方に、この融資制度を活用していただけたらと思います。
青木 ここからは、日本公庫が行なっているソーシャルビジネス支援の「情報面」での支援について伺っていきます。
青野 日本公庫のホームページでは、『ソーシャルビジネスお役立ち情報』を設け、ソーシャルビジネス事業者や、NPOの経営をサポートするための様々な情報を発信しています。
青木 私も事前に拝見させていただきました。
先ほど、お話しいただいた融資制度の詳細も紹介されています。
「金利のこと」、「返済期限のこと」など、こちらで確認していただけます。
ほかにも、役に立つ情報があります。
例えば、ソーシャルビジネスの事業計画策定を支援するツール「ビジネスプラン見える化BOOK」や、ソーシャルビジネスの経営ポイントを専門家が分かりやすく解説する動画、先進的な取組を紹介している「お客様インタビュー」など、経営や資金調達に役立つ、多種多様なトピックスが用意されています。
足立 ソーシャルビジネスに興味がある方が、このホームページを見れば、アイディアが得られそうですね。
青木 実は、11月から、新しいWEBコンテンツ『SB(ソーシャルビジネス)ステーション』も加わったんですよね。
青野 『SB(ソーシャルビジネス)ステーション』は、地域や社会の課題解決に取り組む仲間を探す方のための様々な情報を発信している、「連携・協働プラットフォーム」です。
課題解決に取り組む仲間を募集しているNPOなどを検索できるページがありますので、こちらをご覧いただければ、連携・協働先を探すのに役立ちます。
また、実際にNPOと企業が連携した事例を紹介していますので、そちらを参考にアイディアを練ることもできます。
青木 同じ志を持った人、企業やNPOを見つけることができますね。
事例は、すでに3例ほど掲載されていまして、その中から少しご紹介します。
帆布は、日本の伝統産品の一つで、もともとは、船の帆に使われていた丈夫な布です。
ある地域では、この帆布の伝統を守るため、NPOが地域の事業者と協働したことで、これまでになかった新市場を開拓したんです。
帆布を使った製品というと、丈夫さを生かしたテントなどが一般的ですが、地域の事業者と協働し、医療用の酸素ボンベを運ぶためのバッグを開発したんです。
このような商品は、ほかの事業者と協働したからこそ生まれたものです。
ほかにも、業種を問わず、様々な事業者と協働し、帆布とのコラボレーションが生まれています。
足立 異業種と組むことで、これまで全く思い付かなかった商品が生まれたんですね。
青木 新たなビジネスチャンスにもなりますし、伝統産品を守ることにもつながりますからね。
そのような商品が、地域の名産品となれば、地域経済を盛り上げるだけでなく、様々な商品に帆布が使われることで、より多くの人が帆布に触れて、その良さに気付くきっかけにもなりますよね。
青野 連携・協働の事例は、ほかにもあります。
働く若者のスキルアップなどを支援するNPOは、大手のIT企業と連携して、ITスキルの向上のための支援に取り組んでいます。
また、居酒屋チェーン店が事業運営と地域貢献を両立するためにNPOに声を掛けて、協働しながらソーシャルビジネスを始めたケースもあります。
足立 企業がソーシャルビジネスを始めるのに、NPOと協働したのはどうしてでしょうか?
青野 もともと、課題解決に取り組んでいるNPOは、社会課題についての知識が豊富です。
NPOにそのような強みがある一方、企業にも、これまでの経営で培った強みがあるでしょうから、それぞれが強みを発揮することで、活動がうまくいくケースがあるんです。
『SB(ソーシャルビジネス)ステーション』では、連携・協働というソーシャルビジネスの始め方を皆さまにご紹介するため、このような事例や、専門家による解説やコラムなどを公開しています。
実際にNPOと連携・協働してみたいという方のために、地域のNPOを検索できる「NPOマップ」というコンテンツもあります。
青木 来年2月下旬には、ソーシャルビジネス事業者と一般事業者、地方公共団体との連携・協働の促進をテーマとした『ソーシャルビジネスシンポジウム』もオンラインで開催される予定です。
青野 日本政策金融公庫では、ソーシャルビジネスを行っている事業者や、NPOの皆さんを資金面と情報面でサポートします。
まずは、日本公庫ホームページの『ソーシャルビジネスお役立ち情報』をご覧いただき、その熱い想いに、お役立ていただければと思います。
足立 今日の話で、企業とNPOが連携・協働することで、新たなモノやサービスが生まれるということから、是非、『SB(ソーシャルビジネス)ステーション』を使って、同じ志を持つ仲間を探してほしいなと思いました。
青木 日本政策金融公庫のホームページにある『ソーシャルビジネスお役立ち情報』が分かりやすいので、是非、チェックしていただきたいと思いました。
【 関連リンク 】
・SB(ソーシャルビジネス)ステーション(日本政策金融公庫)
https://www.jfc.go.jp/n/finance/social/sbs/