暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
“体の健康”と同じように、“こころの健康”も気にしていますか?
今回は、「こころの健康を育もう! みんなのメンタルヘルス」というテーマで深掘りしました。
青木 10月10日は、大切な記念日ですが、何の日か知っていますか?
以前、代表的だったのは、体の健康を育むことを主な目的とした「体育の日」でしたが、こころの健康に注目が集まるようになった今、10月10日の記念日と言えば、『世界メンタルヘルスデー』と覚えてほしいんです。
メンタルヘルスとは“こころの健康”を意味する言葉です。
気分が良かったり、穏やかな気持ちだったり、やる気が沸いてくるような時は、こころが健康な状態と言えます。
でも、誰でもそんな時ばかりではないですよね?
足立 気持ちが沈んで、やる気が出ないこともありますし、特に、コロナ禍の今は、気付かないだけで、ストレスを感じて気持ちが不安定な人も結構多くいると思います。
青木 厚生労働省が、昨年の9月に行った調査によると、1回目の緊急事態宣言が発令されていた昨年の4月から5月にかけて、何らかの不安を感じた方は、全体の6割に及んでいました。
足立 半数以上の方が不安を感じていたんですね。
青木 調査では「自分や家族が感染するかもしれないこと」に不安を抱えていた方が、特に多かったことが分かっています。
「生活の変化」「生活用品の不足」「仕事や収入」などがストレスになっていたという回答も多かったんです。
足立 こうした不安やストレスが、こころの健康に及ぼす影響は大きいですよね。
青木 考え方によっては、一時的に落ち込んだり、不安になったり、ストレスを抱えることは、ごく自然なこととも言えます。
ただ、こうした気分やストレスが続いてしまうと“こころの病気”になってしまう原因になるんです。
足立 こころの病気と言うと“うつ病”とかですか?
青木 多くの方がイメージするのは“うつ病”かもしれませんが、こころの病気にも様々な種類や症状があります。
“統合失調症”や“パニック障害”“拒食症や過食症”などもこころの病気です。
足立 確かに、最近は芸能人やスポーツ選手でも、こうした病気を理由に休養する方も増えていますよね。
青木 社会情勢としては、周りの方の理解も進んで、こういった事を言いやすくなっているかもしれません。
実は近年、こころの不調を経験する人は増えていて、生涯を通じて、5人に1人が経験するとも言われているんです。
足立 いつ、自分がなってもおかしくないですね。
青木 ここからはスペシャリストと一緒に深掘りします。
厚生労働省 精神・障害保健課の齋藤綾子さんです。
近年、こころの病気が増えているんですね。
齋藤 こころの病気は、特別な人がかかるものではありません。
ストレスが積み重なるなど、様々なことをきっかけに、子供も大人も、誰でも経験する可能性があります。
特に今は、コロナ禍による不安やストレスにより、こころの調子を崩す人が多くなるのではないか心配されています。
青木 厚生労働省が行った調査でも、何らかの対策をして、約5割はコロナ禍のストレスや不安を解消できていましたが、できない人も2割ほどいたことが分かっています。
齋藤 気持ちが落ち込んだり、ストレスを抱えることは特別なことではありません。
だからこそ、こころの病気は自分では気付きにくいという特徴があります。
また、自分で気付いても人には相談できず、周囲の人が気付きにくい傾向にあります。
足立 自分では気付きにくいし、病院にもあまり行かないですよね。
青木 「病院に行く」というハードルは少しあると思います。
齋藤 こころの病気と言うと、誤解や偏見があり、専門の機関に行くことをためらう方も少なくありません。
そもそも、何科を受診すれば良いのか、イメージしにくいところもあるかもしれません。
でも、こころの病気もからだの病気と同じように、早めに適切な治療や社会的なサポートを受けるほど回復しやすいことが分かっています。
こころの病気も早期発見、早期対処がとても大切なんです。
青木 世界メンタルヘルスデーが設けられているのも、こころの病気に対する誤解や偏見を減らして、正しい知識を普及するためなんですよね。
そこで、ここからは、こころの病気はからだの病気と同じように、早めに適切な治療や社会的なサポートを受けるほど回復しやすいということで、具体的に早期発見、早期対処するにはどうしたら良いのか深掘りします。
齋藤 まず、早期発見ですが、こころの不調や気になる症状が長く続く時は、専門の機関に相談してください。
足立 その症状は、どんなものがありますか?
青木 初期に現れるサインとして代表的なものをご紹介します。
“気分が沈む、ゆううつ、何をするにも元気が出ない”
“イライラする、怒りっぽい”
“理由もないのに気持ちが落ち着かない、不安な気持ちになる”
“胸がどきどきする、息苦しい”
“何度も確かめないと気がすまない”
“何も食べたくない、食欲がない”
“なかなか寝付けない、熟睡できない、夜中に何度も目が覚める”などです。
足立 “イライラする”とか“不安な気持ちになる”などは、自分の性格なのかと思って見過ごしてしまいそうですよね。
齋藤 でも、こうした症状があって、生活しづらい状況が続くのであれば、身近な人に相談したり、専門の機関に相談してください。
青木 先ほど紹介した症状が続いたり、生活や仕事に支障をきたすまでになっていたら、やはり、それは対処しなければいけません。
こころの病気は、自分では気付きにくい特徴があるということなので、逆に身近な人が気付くことも大切なんですよね。
齋藤 家族や職場の仲間、学校の友達など、身近な人の様子が「いつもと違うな」と思ったら、是非、声を掛けてください。
青木 周囲の人が気付きやすい変化としては、
“服装が乱れてきた”
“急にやせた、太った”“感情の変化が激しくなった”“表情が暗くなった”
“一人になりたがる”“不満、トラブルが増えた”
“他人の視線を気にするようになった”“遅刻や休みが増えた”
“ぼんやりしていることが多い”などです。
足立 変化に気付いた時、どんなふうに声を掛ければ良いですか?
齋藤 まず、「困っていることはある? 話を聴くよ」「心配だから話してみて」など、こちらが心配していることを伝え、話を聴く姿勢で声を掛けてください。
友達同士なら「調子はどう?」と気軽に聴いてみるのも良いと思います。
無理に聴き出そうとせず、相手が話してくれたら、自分を信頼して話してくれたことに対して、感謝の気持ちを伝えてください。
青木 話を聴いて「期待しているから頑張れ」など、むやみに励ましたり、「そんなことでは駄目だ」「誰だってそうだ」など、否定するようなことは言わないことも大切ですよね。
そうして話を聴いて、心配ならば専門の機関に相談するように促すんですよね。
足立 専門の相談機関というのは、どういったところがありますか?
齋藤 専門の相談機関として、精神保健福祉センターがあります。
ここでは、こころの健康、医療、福祉について専門的な相談ができます。
各都道府県、政令指定都市ごとに1か所、東京には3か所あります。
電話や面談で相談できます。
青木 まず、精神保健福祉センターで相談して、その後の適切な対応を教えてもらうと良いですね。
足立 素朴な疑問なんですけど、こころの病気は誰でもかかる可能性があるんですよね。
予防する方法はあるんですか?
齋藤 こころの病気の原因は、よく分かっていません。
しかし、ストレスが積み重なる状況は、こころの調子を崩すきっかけとなることがあるので、ストレスをためすぎないよう心掛けることも大切です。
青木 適度な運動や友人や家族と話をするなど、人によってストレス発散方法は違うものですが、“生活のリズムを整える”“自分の今の気持ちを書いてみる”こともストレス発散につながるそうです。
齋藤 こころの病気は、全ての人がかかる可能性があり、大変身近なことです。
まず、メンタルヘルスについて知り、こころの病気の早期発見、早期対処に役立ててください。
また、10月10日は世界メンタルヘルスデーです。
【世界メンタルヘルスデー2021】の特設サイトでは、メンタルヘルスをテーマにした、著名人の対談やビデオメッセージを見ることができます。
是非、今日をきっかけにメンタルヘルスについて考えてみてください。
足立 今日の話は、難しい問題だと思うのと共に、早めに気付ける自分でいたいと思いました。
一番印象に残ったのは、「10月10日は世界メンタルヘルスデー」です。
みんなに知ってもらって、少しでも意識してもらえる日になれば良いなと思いました。
青木 私が一番印象に残ったのは、こころの病気は誰でもかかる可能性がありますが、なかなか自分では気付きにくいというところで、「身近な人が気付くことも大切」ということです。
【 関連リンク 】
・世界メンタルヘルスデー2021
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/mental_health_day/