暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
いつでも、どこでも、欲しい情報やリアルな声が得られる便利なSNS!
一方で今、SNSを使ったお金にまつわるトラブルが増えています。
今回は、「手軽が危険! 新たな手口のヤミ金融」というテーマで深掘りしました。
青木 足立さんは、ヤミ金融にどんなイメージを持っていますか。
足立 もう、とにかく悪い人というイメージです。
青木 映画、ドラマ、マンガの影響ですね。
最近は、新たな手口が広がっていて、ヤミ金融だと気付かずにお金を借りて、トラブルに巻き込まれてしまうケースが発生しています。
ここからは、スペシャリストと一緒に深掘りしていきましょう。
金融庁 リスク分析総括課 貸金業室長の多賀淳一さんです。
青木 新型コロナウイルスの影響で、収入が減っていることに便乗した悪質な貸金取引、ヤミ金融が広がりを見せているそうですね。
多賀 SNSやインターネット掲示板を利用した、新たな手口のヤミ金融が広がっています。
貸金業を行うには、金利や取立てについて規制があるため、国や都道府県に登録する必要がありますが、いわゆるヤミ金融は、この登録を行わずに、違法な高金利での貸付や悪質な取立てを行っています。
青木 一体どんな手口なのか。まずは、「#個人間融資」から伺っていきましょう。
足立 「#個人間融資」とは、どういうことですか。
多賀 これは、SNSやインターネット掲示板などを通じ、知らない人同士がお金の貸し借りをする時に、よく悪用されるものです。
青木 「#個人間融資」で検索をすると、いろいろと出てきます。
足立 先ほど、SNSの画像を見たのですが、想像していたものと違って、ポップなアイコンを使っているんですね。
これを見ると、親しみやすいし、軽い感じで捉える印象を受けます。
それに、「誰でも借りられるよ」など、甘い言葉が書いてあります。
青木 「個人対応なのでお支払日は柔軟に対応します」、「主婦、アルバイトOK」など、書かれています。
足立 こういう甘い言葉や、アイコンを見ていると、これがヤミ金融なの?と思ってしまいました。
青木 多賀さん、これが新たなヤミ金融の手口なんですよね。
多賀 まさに今、お二人の会話にあったように、これらは一見すると、親切な個人の方がお金を必要としている方に、手を差し伸べている善意のコメントのように見えます。
しかし、個人がお金を貸す場合であっても、ヤミ金融に該当する場合があります。
あなたに対しては初めての貸付けであったとしても、貸し手が複数の先に貸付けを行っていたりするなど、繰り返しお金の貸付けを行うことは、貸金業法上、「貸金業」に該当します。
「貸金業登録」をせずに、貸金業を営む者は、ヤミ金融です。
不特定多数が閲覧できるSNSなどで「お金貸します」などと書き込んで、契約を勧めることは、貸金業法で規制されている“勧誘”に該当するおそれがあります。
青木 こうした貸金業の無登録営業及び無登録業者による勧誘は、いずれも刑事罰の対象となります。
足立 でも、すぐにお金を貸してくれるなら、ヤミ金融であっても、借りてしまう人もいそうですよね。
青木 「次のお給料日まで」や、「ちょっとだけだから」という、その安易な気持ちが危険を引き寄せてしまいます。
多賀 例えば、借りたお金が10万円未満の場合、正規の貸金業者がお金を貸す時の上限金利は、年2割とされています。
しかし、ヤミ金融業者では、法外な利息を求められる可能性があります。
足立 返済するために別の業者からも借りて、気が付くと雪だるま式に膨らんで、返せなくなってしまうという話は聞いたことがあります。
多賀 また、お金を借りる際に渡した個人情報を悪用されて、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。実際、運転免許証や勤め先などの個人情報が、SNSで拡散される被害も起きています。
青木 顔写真と一緒にデマを流され、名誉を傷つけられる事例も発生しているそうです。
続いては、「後払い現金化」です。新型コロナウイルス感染症の影響が出始めた、昨年春頃から急激に増えている手口ということですが。
多賀 これは、商品を代金後払いで販売し、その商品のレビューを投稿することへの報酬名目などで、利用者に現金を融通するものです。
青木 「後払い現金化」をうたう業者のサイトには、「今すぐ現金」「レビュー投稿で現金報酬GET」「SNS拡散で商品宣伝協力金」など、お金を必要としている方を誘惑する、甘い言葉が多数確認されています。
足立 これだけでは、特に問題がなさそうな気がしますけど。
青木 普通の商品売買を装っているので、問題がないように見えるのですが、実態は、お金に困っている人へ、まず現金を交付し、後日、給料日などに高額な代金を支払わせるという取引です。
多賀さん、このような取引は、貸金業に該当するのでしょうか。
多賀 全ての場合に、貸金業に該当すると断定することは難しいのですが、形式的には商品の売買であっても、その実態が貸付けであれば、貸金業に該当するおそれがあります。
そして、貸金業登録を行わずに貸金業を営む者は、ヤミ金融業者で罰則の対象となります。
青木 この手口の場合、利用者に現金を融通することが目的なので、扱っている商品は、ほぼ無価値のものが多いようです。
商品の代金は、先に受け取った現金よりもずっと高額なので、後々の支払いが大変なことは、容易に想像がつきますよね。
かえって生活が悪化して、多重債務に陥る危険性が出てきてしまうわけです。
多賀 また、先ほどの「#個人間融資」の場合と同じように、取引で渡した個人情報がネット上でさらされるなど、トラブルや犯罪被害に、巻き込まれる危険性があります。
青木 実際に、今日ご紹介した「#個人間融資」や「後払い現金化」によるトラブル情報は、各所に寄せられているそうです。
国民生活センターに寄せられた相談内容を紹介します。
50歳代の男性は、生活費が不足し、ほかからの借入れができなかったため、個人間融資の掲示板サイトにお金を貸して欲しいと書き込み、返事をしてきた人と直接会って、合計15万円を借りた。
これまでに、50万円以上返済したが、さらに400万円を支払うように連絡がきた。相手は自分の住所を知っている。どうしたら良いか。
青木 ほかにも、100万円を借りるために、先に5万円の保証金を支払ったら、その後連絡が取れなくなっている方や、「利息が払えないなら写真を送れ」と言われて、下着姿や裸の写真を送ってしまった方からの相談もあるそうです。
足立 もしトラブルに巻き込まれてしまったら、どうしたら良いですか。
多賀 少しでも不審に思ったら、まずは金融サービス利用者相談室、又はお近くの消費生活センターへご相談ください。
詳しくは、「金融サービス相談」又は「消費生活センター」で検索し、ホームページをご確認ください。
足立 トラブルに巻き込まれたら、まずは相談ですね。
今、実際にコロナの影響でお金に困っている方も多いと思います。
そうした方々は、どこに相談すれば良いですか。
青木 現在は、公的な貸付制度がいろいろあります。
内閣官房の「新型コロナウイルス感染症対策 支援情報ナビ」というサイトで検索すると、様々な支援策の中から、その方の困りごとに対する支援策をすぐに見つけられます。無利息や低金利による融資制度もあります。
まず、公的な機関に相談してほしいですね。
多賀 「#個人間融資」や「後払い現金化」での貸付けは、「今すぐ現金」、「手軽に現金」などと、甘い言葉で誘ってきますが、危険が潜んでいます。我々も、ヤミ金融業者を確認した場合は、警告などを実施していますが、皆さんも、ヤミ金融業者は、絶対に利用しないように注意してください。
足立 今日のお話の中で、一番印象に残ったのは、「#個人間融資」が、こんなに身近に存在していたことです。
SNSをよく利用していますが、初めて知りました。やはり、知らない人は信用したらいけないですね。
「#個人間融資」はヤミ金融なんだと、皆さんに、伝えられたことは良かったです。
青木 私が印象に残ったのは、「後払い現金化」。
一見、商品取引のように見えるし、給料日前にお金が手に入ると思うけれども、これも、ヤミ金融なんだということを是非、知っていただきたいです。
【 関連リンク 】
・SNS等を利用した「個人間融資」にご注意ください!
https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/kinyu_chuui.html