暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
スマートフォン1台で世界とつながり、何でもできる今の時代。
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今回は、「世界にはばたけ!ジャパンコンテンツ」というテーマで深掘りしました。
青木 足立さんは、ジャパンコンテンツというと、どんなものを思いつきますか。
足立 私は、アニメやマンガを思いつきます。
青木 そうですよね。やはりジャパンコンテンツというと、マンガ、アニメ、ゲームが思いつきますが、映画や音楽、テレビ、ラジオの番組も、最近はコンテンツという言い方をするようになってきています。
足立 確かに、そうですね。意識していなかったけど使っていますね。
どうしてコンテンツという言い方が浸透しているんですか。
青木 今日は、その辺りからスペシャリストと一緒に深掘りしていきましょう。
経済産業省 コンテンツ産業課長の高木美香さんです。
足立 早速、コンテンツというキーワードが出てきましたが、コンテンツ産業課って、どんなことをするところですか。
高木 コンテンツ産業課は、マンガやアニメを含め、ゲームや、音楽、映画、出版物など、コンテンツ産業の振興、海外でのお手伝いや、日本でどのようにビジネスとして行っていけるかといったお手伝いを行っています。
青木 様々なエンタメ作品をまとめてコンテンツ産業という捉え方をされているのは、今の時代ならではですね。
高木 今や、世界中の方がスマートフォンを持っていて、スマートフォン1台で、いつでも、どこでも、どんなジャンルのコンテンツでも視聴したり、プレイできる時代です。
以前は、テレビ番組はテレビで、映画は映画館で、音楽はCDプレイヤーで視聴するように、メディアやデバイスに依存をして、いろんなジャンルのコンテンツが流通していましたが、それが今ではスマートフォンで可能になったということで、コンテンツ産業となっています。
足立 ラジオの番組も、以前はラジカセでチューニングして聴いていましたけど、今は、スマートフォンがあれば聴けるようになりました。変わりましたね。
高木 スマートフォンで何でもできるので、ある映画会社のライバルは、ほかの映画会社ではなく、ゲーム会社かもしれない、そんな時代になってきています。
青木 最近は、新しい手法のコンテンツが次々と登場していますが、こうした新しい動きを牽引しているのは、やはり、若者ですよね。
高木 Z世代という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、2000年以降に生まれた世代が、これからの消費の中心を担っていきます。
彼らがインターネットメディアの中心でもあります。
ハリウッドのスーパースターよりも、身近なYouTuberが好きだというような世代で、SNS上にいくつもアカウントを持っていて、コミュニティごとに使い分けているという特徴があります。
足立 私の弟はZ世代なんですが、YouTubeをよく見ています。
テレビに出演している芸能人より、YouTuberの方に詳しく、話についていけなくて、その時に、年代の差があるんだと思いました。
今後のラジオ業界はどうですか。
高木 ラジオをオールドメディアと捉えるかどうかだと思いますが、音声コンテンツ自体は、本の読み聞かせといったことも含め、どんどん伸びています。
radikoといった、デバイスや場所を選ばずに、視聴できるコンテンツとしては、これからいろんなチャンスがあると思っています。
青木 コンテンツ産業は、日本の経済に与える影響もありますよね。
高木 日本のコンテンツをきっかけに、世界中で、日本ブームが生まれ、現地で日本のコンテンツだけでなく、日本の商品が売れ、また、日本に興味を持つ方が増え、日本に来てくれる。
日本に来ると、東京と京都だけではなかった!と、日本の様々な魅力に気付き、友人や家族に、日本の良さを広めてくれる好循環が生まれるのではと思っています。
足立 確かに、アニメ好きな方は、アニメで日本語を覚えてくれますし、海外でアニメソングを歌うと、みんな日本語で歌ってくれます。
アニメの聖地巡礼をしてくれれば、地方にも行ってくれます。
それって、有り難いですよね。
青木 経済的にも良い影響になりますし、単純に、海外の方が日本のコンテンツが好きと話しているのを見ると、日本人としてうれしいですよね。
是非、ジャパンコンテンツを世界にはばたかせたいですね。
ここで気になるのが、世界のコンテンツ市場です。
そもそも、需要がなければ海外展開しても無駄になってしまいます。
その辺りはいかがですか。
高木 世界のコンテンツ市場は、どんどん伸びていますが、その中で日本発祥のコンテンツが売上に占めている割合は、全体のわずか4パーセントです。
ただ、コンテンツごとに見ると、マンガが40パーセント、ゲームは20パーセント、アニメは10パーセントということで、やはり、マンガ、アニメに関連するものは、好きな人もたくさんいるので、チャンスもあると思います。
青木 海外展開が進んでいない理由はどうしてでしょうか。
高木 例えば、映画では、日本は、アメリカに次ぐ世界第二位の市場でしたし、音楽も同じくらいの規模がありました。
国内市場で満足をしていたので、本気で海外展開をしてこなかったというケースがあります。
青木 マンガに関してはいかがですか。
高木 マンガは、権利問題があります。海賊版が問題になったこともあり、なかなか海外展開できていなかったという面があります。
青木 ただ、市場は広ければ広いほど良いですよね。
高木 特に、国内市場は、高齢化もありますし、どうしても大きくならないということで、アジアや海外に打って出るというのが大事だと思います。
青木 経済産業省では様々な支援を行っているんですよね。
高木 経済産業省では「J-LOD」という、コンテンツ業界向けの補助金事業を展開しています。
海外展開を促すため、字幕制作や、現地でプロモーションをするための費用を補助したり、あるいは、コンテンツはどんどんデジタル化しているため、制作、流通におけるデジタル化が必要ですが、そのためのシステム開発の費用を補助するなどを行っています。
青木 例えば、どんなものがありますか。
高木 企画の段階で、配信をしてくれる会社へ売り込むことが必要なんですが、その時に必要なピッチ映像と言われる企画の映像を、クリエイターの方が作るための制作費の補助などを行っております。
青木 短いパイロット版、そういったものが必要なんですね。
スポンサー探しに苦労されている作り手も多いでしょうから、海外展開を想定しているコンテンツには、制作前の段階でも補助金制度が適用される。これはうれしい制度ですね。
足立 すでに支援を受けて、海外展開している作品はあるんですか。
高木 先日のカンヌ映画祭で新作映画『ドライブ・マイ・カー』で脚本賞を受賞された濱口竜介さん。その濱口さんの前作で、今年のベルリン国際映画祭で最高賞に次ぐ銀熊賞を受賞した『偶然と想像』は、「J-LOD」の支援を受けて制作されたものです。
青木 まさに、コンテンツを国が後押しして、それが世界で評価されたんですね。
高木 この「J-LOD」は、コンテンツの海外展開を促進するため、パイロット版の制作費の支援以外にも、様々なケースに対応した支援を行っている補助金事業です。コンテンツ関係事業者の方々は、是非、こうした支援策も活用して、海外展開を考えていただきたいと思っています。
青木 若い世代から優秀なクリエイターが出て来てほしいですし、どんどん制作してほしいですね。日本のコンテンツが世界で評価されれば、私たちもうれしいですし、日本全体が元気になりますからね。
足立 私の中で、ジャパンコンテンツは、もっと世界に浸透していると思っていたんですが、今日の話を聞いて、意外と違うことに驚きました。まだまだ、日本のコンテンツには伸びしろがあるので、Z世代が海外へ持っていってくれるように、Z世代を意識したコンテンツ作りをしないといけないんだなと改めて感じました。
青木 私が今日の話を聞いて、印象に残ったのは「J-LOD」です。
補助金制度があることを知らない方も多いと思いますし、資金面で国が後押ししているということは大切なことですよね。
【 関連リンク 】
・コンテンツグローバル需要創出促進・基盤強化事業費補助金(J-LOD)
https://j-lodr2.jp/