暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
オレオレ詐欺などの特殊詐欺を他人事と捉えていませんか?
被害に遭う高齢者が後を絶ちません。
高齢者ご自身だけでなく、周りにいる若い世代の協力でも防ぐことができます。
今回は、「家族の絆で勝つ! ストップ、オレオレ詐欺」というテーマで深掘りしました。
足立 オレオレ詐欺っていう言葉、よく聞きますけど、いつ、自分のおじいちゃん、おばあちゃんや親が被害に遭うか分からないですよね。
青木 これまで、いろいろと言われているのに無くならないのは、手口が巧妙化しているというのもあると思います。
犯人が、家族を想う気持ちに付け込むのであれば、家族の絆で犯罪を防ごうじゃないか。
今日はそういうお話をしていきます。
オレオレ詐欺をはじめ、電話を掛けるなどして相手を信頼させて、不特定多数の人から、現金をだまし取る詐欺のことを特殊詐欺と言います。
足立さん、2020年における特殊詐欺の被害額はどれくらいだと思いますか。
足立 どれくらいだろう。2億円とかですか。
青木 その100倍以上です。
この1年間で、およそ285億円。
1日当たりに換算すると、およそ7800万円。
1件当たりでは、平均220万円も犯人にだまし取られています。
しかも、これは警察が認知している件数で、実際の被害件数、被害額はもっと多い可能性があります。
足立 警察に相談していない方もいるかもしれないですよね。
知らない間に、お金をだまし取られていたら、嫌だな。
青木 そうですよね。しかも、おじいちゃん、おばあちゃんが子供や孫を想う気持ちを悪用されてしまう。
では、どうしたら被害を防げるのか、具体的に伺っていきましょう。
警察庁長官官房参事官の中村 彰宏さんです。
特殊詐欺の被害に遭わないためには、まず、“どんな手口があるのか”を知ることが大切です。
中村さん、最近はどんな手口が多いのでしょうか。
中村 最近は、直接、現金を狙うのではなく、キャッシュカードを狙う手口が目立っています。
青木 キャッシュカードを狙う手口というのは、警察官や銀行関係者になりすまして電話を掛け、「キャッシュカードが不正に利用されている」などと嘘の説明をして、キャッシュカードを盗み取ったり、だまし取ったりするものです。
犯人は「手続に暗証番号が必要だ」と言って、暗証番号を聞き出します。
あるいは、警察官などに扮して、家にやってきて、被害者に封筒を渡し、暗証番号を紙に書いてキャッシュカードと一緒に入れるよう指示をすることもあります。
そして、被害者の目を盗んで、適当なカードが入った別の封筒とすり替え、その封筒を大事に保管するように言い残して、本物の封筒を持ち帰るんです。
足立 そしたら、勝手にお金が引き出されてしまいますよね。
中村 昨年は、このようなキャッシュカードを狙った手口が特殊詐欺被害件数のおよそ半分を占めていました。
また、今年に入り還付金詐欺やオレオレ詐欺も多くなっています。
青木 還付金詐欺は、医療費や保険料の過払金、または年金の未払い金など、「ATMでお金が受け取れますよ」という犯人からの電話を信じ、電話で犯人の指示を受けながらATMを操作すると、実際には、犯人側の口座にお金が振り込まれてしまうという手口です。
電話を掛けてくる犯人は、自治体や税務署、年金事務所の職員など、もっともらしい職業を名乗ります。
足立 電話で市役所の職員や、警察官と言われると、信じてしまう方が多いですかね。
中村 はい。でも、ATMでお金が返ってくることは絶対にありませんので、電話の相手から公的機関の名前が出ても信用してはいけません。
青木 オレオレ詐欺は、説明するまでもありませんが、子供や孫などになりすまして電話を掛け、事件や事故の示談金が必要などと嘘を付いて、お金をだまし取る手口です。
中村 最近のオレオレ詐欺では、電話を2度、3度掛け、段階を踏んで信じ込ませる手の込んだものが目立ちます。
青木 声が違うことを不自然に思われないように、1度目の電話で「風邪を引いて、喉の調子が悪い」と伝え、さらに「携帯を失くした」と言って、電話番号が変わったと信じ込ませたり、確認の電話を掛けてこられても対応できるようにしたりしているんです。
中村 被害に遭わないためには、電話の相手から「還付金」「キャッシュカード」「暗証番号」「急にお金が必要」といった言葉が出たら、すぐに電話を切って、家族や警察に相談してください。
足立 おじいちゃん、おばあちゃん、そして親世代には、このことを心掛けてほしいし、私たちも伝えるようにしたいです。
青木 さあ、ここからは、特殊詐欺の被害に遭わないために、電話にまつわる具体的な防止対策を伺います。
中村さん、具体策を教えてください。
中村 最も有効な防止対策は、犯人からの電話に出ないことです。
足立 分かっているけど、難しいですよね。
中村 そのため、留守番電話機能を活用したり、防犯機能付き電話機の導入を検討したりしていただければと思います。
青木 犯人は、声を録音されることを嫌いますから、録音されるならば電話を切ります。
本当に用事がある相手ならば、メッセージを残してくれるはずなので、こちらから掛け直せば良いのです。
電話は、常に留守番設定にしておくことをお勧めします。
足立 防犯機能付き電話機とは、どういうものなんですか。
青木 防犯機能付き電話機は、こちらの着信音が鳴る前に、「この通話は防犯のために録音されます」などのメッセージが相手側に流れる機能が付いています。
足立 録音を嫌う犯人が、着信音が鳴る前に、電話を切るんですね。
とても便利ですけど、初期費用が掛かりますよね。
青木 防犯機能付き電話機は、およそ1万〜2万円前後で販売されているそうです。
これで被害を避けられると思えば、有益な初期投資だと思いますよ。
今日は、この防犯機能付き電話機をご自身のお祖母様が実際に使っている乃木坂46の山崎怜奈さんにお話を伺っています。
山崎さんは警察庁の【「ストップ・オレオレ詐欺47〜家族の絆作戦〜」プロジェクトチーム】、略称SOS47のメンバーで、特別防犯支援官として2018年から活動されています。
山崎 特別防犯支援官 乃木坂46の山崎怜奈です。
実際に、私の祖母も防犯機能付き電話機を使用しているのですが、孫としては安心感しかないです。
誰か分からない電話番号から着信があった時に、私の祖母側、ユーザー側に聞こえないところで、警戒メッセージを自動で流してくれます。
また、録音機能が備わっているので、後で、孫や家族がチェックできるという点も、私も、祖母もそれぞれが安心して関わっていけるツールではないかなと思います。
こういう機能があるからこそ、孫として、私も電話しやすくなりました。
「あ、孫からの電話だ」と祖母側もすぐに電話を取ることができるので、双方にとってメリットがたくさんある、防犯機能付き電話、これは導入するほかないのではないかなと思います。
青木 やはり、離れて暮らしている子供や孫にとっても、安心できる材料になりますよね。
中村 特殊詐欺の被害を高齢者だけで防ぐのは非常に難しいことです。
山崎さんのように、若い世代の方々が積極的に関わって、具体的に行動に移していただければ、特殊詐欺被害を減らすことにつながります。
青木 防犯機能付き電話機を購入する以外でも、日頃から積極的にコミュニケーションを取って、電話で本人確認できるように、家族間で合言葉を決めておくのも良いですよね。
足立 山崎さんは合言葉を決めているんでしょうか。
青木 その辺りのことも伺っています。山崎さん、家族の合言葉、決めていますか?
教えてください。
山崎 家族の合言葉。
公共の電波で言ったら、それは合言葉ではなくなってしまうので言えませんが、実際に決めていて、それこそ東京だけでなく日本全体として天災が多いので、いつ、どういった形で連絡を取ることになるか分からないので、そういう時に、家族の合言葉があった方が安心できるのではないかなと思います。
あとは今、コロナ禍で遠く離れて暮らす家族、親戚と直接顔を合わせてコミュニケーションを取ることが難しい世の中なので、そういった意味で、電話で想いを伝えたり、連絡を取ったり、コミュニケーションの一環として、「私はあなたの味方ですよ。家族ですよ。」というのを伝えられるのは、とても必要なところなのではないかなと思います。
そういった事を決めることで、家族の絆がグッと深まるんじゃないでしょうか。
皆さんも、家族の絆で特殊詐欺を撃退しましょう。
以上、特別防犯支援官 乃木坂46の山崎怜奈でした。
足立 確かに、コミュニケーションの一環として、家族の合言葉を決めて、「あなたの味方ですよ」と伝えられる想いは、すごく素敵だなと思ったので、私も家族の合言葉を決めてみようかな。
青木 皆さんも是非、しっかりとコミュニケーションを取って対策をしてください。
中村 特殊詐欺の被害はまだまだ深刻な状況です。
高齢者だけに任せるのではなく、若い世代の方々が具体的に行動に移して、大切な家族を守ってください。
足立 今日の話で、うちの祖父や祖母が気になったので、是非、防犯機能付き電話機をプレゼントしたいなと思いました。
そして、こんな便利な電話機があることを初めて知りました。
今の電話機はこんなに進化しているんだなと。
これだったら安心できるなと思ったことがたくさんあったので、勉強になりました。
青木 私が印象に残ったのは、2020年の特殊詐欺の被害額が、年間285億円ということです。ずっと言われていることですけど、2020年もこれだけ被害があったという事に改めて驚きました。
【 関連リンク 】
・警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/