暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
多くの命を救うことができる「献血」ですが、なぜ、継続的な協力が必要なのか、どんなことに使われているのかご存知ですか?
今回は、「今、そしてその先の未来へ 愛の血液助け合い運動」というテーマで深掘りしました。
青木 献血は“身近なボランティア”や“命をつなぐボランティア”などと言われていて、自発的な協力を呼び掛けられていますよね。
足立 コロナの影響で、献血に協力する方が減っているのではないかと不安に思います。
青木 確かに、緊急事態宣言が発令されたこともあって、献血への協力が得にくいのではないかと心配された時期もありました。
実際、オンライン授業やテレワークが多くなったこともあり、献血バスによる高校や大学、職場などでの集団献血の機会は減ったそうです。
青木 でも、事前予約システムを取り入れるなど、お住まいの近くの献血ルームにお越しいただく工夫をしたこともあり、2020年度の献血者数は、速報値でおよそ504万人。前年度から11万人ほど増えたんです。
ただ、安心していてはいけません。
献血は、原則16歳から69歳までの方が協力できるものなのですが、この10年で、40歳から69歳までの献血者数は増加傾向なのに対して、16歳から39歳までの若年層では、およそ35パーセントも減少しています。
足立 私たちと同世代です。
青木 現在は、まだ40歳から69歳までの方々のご協力もあり、必要とする量を確保できているそうですが、厚生労働省の研究によると、2025年度、あと4年後には、最大で65万人の献血者が不足する試算も出ています。
命に関わることですから、そうした事態は、絶対に避けなければいけません。
そこで、ここからはスペシャリストにも加わっていただいて、献血を深掘りします。
厚生労働省 血液対策課長の中谷祐貴子さんです。
中谷 よろしくお願いします。
青木 まず足立さんに質問です。「1日およそ1万4千人」。何の数字だと思いますか。
足立 献血人数ですかね。
青木 これは、1日に必要な献血者の数なんです。
毎日毎日、これだけの方々のご協力が必要です。
献血というと、輸血に使用されているというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、中谷さん、輸血はどういう時に行われているんでしょうか。
中谷 輸血は、大きな怪我をした時や、妊娠・分娩などの際に行われます。
ほかには、癌や白血病といった治療にも必要です。
足立 大きな怪我の時だけではないんですね。
青木 さらに、献血で集められた血液は薬としても使われているんですよね。
中谷 実は、輸血で使われるのは、献血血液のおよそ半分で、残りの半分は、やけどや感染症などの治療薬を造るために使われています。
足立 献血で集められた血液から薬が造られるというのは、初めて知りました。
薬を造るために、血液が必要なんですね。
青木 また、間違ったイメージで、血液は、人工的に造れると思われる方もいるみたいです。
中谷 人工的に造れたらよいのですが、今の医療技術では人工的に造れません。
また、血液は生ものですので、長期保存もできません。
青木 献血で集められた血液は、使用目的により4種類に分けられますが、採血後、長いもので21日間、短いものだと、わずか4日間しか保存できないんです。
そのため継続的に血液を集める必要があります。
しかも、一人の方が1年間に献血できる回数には制限があるんですよね。
中谷 回数には、3回や4回と献血の種類によって変わりますが、上限があります。
青木 例えば、全血献血と言って、血液中の全ての成分を採血した場合、400ミリリットル採血したら、男性は12週間、女性は16週間、間隔を空けなければ、次の献血はできません。
足立 上限が決まっているとなると、協力したくてもできないんですね。
青木 しかも、若年層の献血者数が減っているという話もありましたが、少子高齢社会の日本ですから、今後、献血できる人は確実に減り続けます。
足立 今から、若年層の人たちに、継続的に協力いただけると、未来は変わるかもしれないですね。
青木 私たちも含め、若い世代に、献血の必要性を再認識していただきたいですよね。
献血は、多くの方に継続的にご協力いただくことが必要ということで、ここからは、献血にまつわる素朴な疑問にお答えいただきたいと思います。
献血について、よく分からないから、足が向かないという人も多いのではないでしょうか。
まずは、今、新型コロナワクチンの接種が進められているところですが、ワクチン接種後でも献血はできるんでしょうか。
中谷 新型コロナワクチンの場合、現在、日本で接種されているmRNAワクチンでは、接種後48時間を経過してから献血できます。
これ以外、例えば、インフルエンザなどの予防接種後でも、それぞれ規定の間隔を空けていただければ問題ありません。
足立 あと、献血は、不要不急の外出には当たらないんですよね。
中谷 もちろんです。献血で集められる血液がなければ、命をつなぐことができない人がいますので、不要不急の外出には当たりません。
足立 献血は、全国にある献血ルームや献血バスなどで行うと思うんですけど、コロナ対策はどのようになっていますか。
中谷 日本赤十字社が献血ルームなどを運営していますが、献血会場での職員の健康チェックをはじめ、お越しいただいた方に体温測定、手指の消毒、マスクの着用をお願いし、安全な献血会場の運営に取り組んでいます。
青木 今は、献血をする方が一時的に集中することを避けるために、予約をお願いしているそうです。
日本赤十字社のウェブサイトをご覧いただくと、全国の会場が検索できますし、予約方法も紹介されています。
そして、既に献血カードをお持ちの方は、献血ウェブ会員サービス「ラブラッド」からの予約が便利です。
また、コロナへの対応についても詳しく紹介されていますので、是非、ウェブサイトをご覧ください。
足立 きちんとコロナ対策がされているんですね。
若い方々の協力も増えればよいですね。
青木 今日はここで、日本赤十字社のウェブサイトで紹介されている『ありがとうの声』の中から、5歳の時に急性リンパ性白血病を発症した峰山真彩さんのお母さんの声をご紹介させていただきます。
足立さん、こちら、読んでいただけますか。
足立 ではご紹介させていただきます。
「“お母さん、自分、死ぬんやろ?”ふと5歳の真彩が口にした言葉。おしゃまな女の子なんでね...髪が命だったんですよ。だから私に切られた日は相当にショックだったみたいで、わんわん泣いていました。」
青木 抗がん剤の副作用で髪が抜け落ちることを心配して、お母さんが、事前に真彩さんの髪を切り揃えた時のことだそうです。
足立 「娘にとって献血は、いのちのリレーみたいなもの。輸血パックには採血された場所が明記されてあり、ある時、そこに「沖縄」と書かれていて、遠く沖縄からはるばる海を越えて、うちの子を助けるためにやって来てくれたんだなって。献血してくださった方々に、とにかく「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。」
青木 このように、確実に献血によって助かっている方がいるということですよね。
こういった声を聞くと、自分の献血が確実に命を救っていることにつながっている実感が湧きますよね。
この声が寄せられたのは3年前ですが、真彩さんは病気を克服されて、元気に看護の大学に通われているそうです。夢は看護師だそうです。
青木 若い人々の献血が減っていますが、どうしたら増えると思いますか。
足立 友達と一緒に行くなどでしょうか。
青木 この番組を通じて、献血に行くきっかけができればよいと思いますね。
私も、今回の放送をきっかけに、久しぶりに献血に行こうと思いました。
中谷 血液は、人工的には造ることができず、長期保存もできませんので、多くの方に、継続的に献血にご協力いただくことが必要不可欠です。
今月は「愛の血液助け合い運動」を展開しています。是非、これをきっかけに献血へのご協力をお願いいたします。
足立 献血について、知らないことだらけだったのですが、今日の話の中で一番印象に残ったのは、「献血で集められた血液が薬としても使われる」ことです。
私たちも、協力しようと思いましたね。
青木 私が一番印象に残ったのは、「継続的に血液を集める必要がある」ことです。
今の医療技術では、人工的に血液を造ることができないのに加えて、長期保存もできない。だから、常に必要としていることに改めて驚きました。
【 関連リンク 】
・献血について知りたい
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14062.html