暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
「安いから」「簡単に手に入るから」と、コピー商品を買っていませんか。
コピー商品を購入することは、あなただけでなく、世界にも影響が出ている、大きな問題なんです。
今回は、「買わない 売らない 買わせない! コピー商品」というテーマで深掘りしました。
青木 家で過ごす時間が増えて、ネットショッピングをする方が増えているようですが、足立さんは最近、ショッピングサイトやフリーマーケットのアプリなどで買い物をしましたか?
足立 食品、飲物、洋服や化粧品などは、基本的にショッピングサイトで購入しています。
青木 ネットショッピングが普及して、私たちの暮らしは便利になりましたが、一方で、ネットショッピングでコピー商品を買わされてしまうリスクもあります。
コピー商品は、すぐに壊れてしまうなど粗悪品というだけでなく、私たち、そして、社会にも様々な悪影響をもたらします。
コピー商品とは、形やデザイン、ブランドマークなどを意図的にまねて、本物の商品の特許権や商標権などを侵害する違法品のことです。
バッグや時計などのファッションアイテムや化粧品など、正規品をまねた、いわゆる偽ブランドのほか、違法に複製されたDVDやCDなどがあります。
足立 化粧品やサプリメントのコピー商品は、直接肌に塗ったり飲んだりするから、危ないし心配ですよね。
青木 犯罪組織が関わっている場合もあり、コピー商品を買うことは、犯罪に加担してしまうことにもなりかねないんです。
足立 そういうことまで考えたことはなかったです。
青木 犯罪組織がネットで販売しているケースでは、購入時に教えたクレジットカード番号や住所などの個人情報が、悪用される可能性もあります。
また、売っても駄目です。
フリーマーケットアプリなどで、コピー商品を出品した場合、それがコピー商品だと知らなかったとしても、メーカーに被害届を出されたら起訴されることもあります。
足立 絶対にコピー商品には関わりたくないですね。
青木 ところが、近年、見ただけではコピー商品だと判別しにくいものがあって、気付かずに買ってしまうリスクが高まっているそうです。
そこで、ここからはスペシャリストにも加わっていただいて、近年のコピー商品の特徴や、偽物を買わないために注意したい点について、深掘りしていきます。
特許庁 国際協力課 模倣品対策室長の新田稔さんです。
近年、非常に精巧なコピー商品が出回っているそうですね。
新田 はい。作りが雑で、よく見ればコピー商品だと分かるものもありますが、中には、本物と見比べても、一目ではコピー商品だと分からないものがあります。
青木 今日は、デジタルカメラのバッテリーパックを持ってきていただきました。
足立さん、この二つのうち、どちらが本物か、分かりますか。
足立 どちらが本物か分からないですね。
パッケージや表記も、ほとんど一緒ですね。
新田 近年、3Dプリンタの登場や、印刷技術の向上などで、発売後数か月でコピー商品が出回ることもあります。
最近では、昨年大ヒットしたあのアニメのコピー商品が出回っていて、実際に、商標法違反で逮捕される事件も起きています。
青木 コピー商品は、外見はそっくりですが、中身は粗悪品です。
こちらのバッテリーパックのコピー商品は、デジタルカメラの異常動作、異常な発熱や液漏れ、発火の原因となることがあるそうです。
足立 怖いですね。コピー商品は安いかもしれないですが、カメラが壊れたら大損ですよ。
青木 損をするのは、ユーザーだけではありません。
粗悪なコピー商品のせいで、正規品の信頼が低下すると、メーカーにも売上げが減るなどの損害が発生します。
新田 しかも、コピー商品の中には、海外の貧しい地域の人々を低賃金で雇い、製造されているものがあります。こうした製造に関わる人々は、低賃金労働から抜け出すことができず、コピー商品は世界の貧困問題ともつながっているんです。
足立 そこまで想像したことはなかったです。
青木 ここからは、ショッピングサイトやフリーマーケットアプリで商品を購入する時に、コピー商品を買ってしまわないために注意するポイントを深掘りします。
足立さんは日頃、どんなことに注意して購入していますか?
足立 ショップや出品者の評価やプロフィール、コメント欄を見て、買っていますね。
青木 そうですよね。
あと、明らかに相場より安い場合は、注意した方がよいですよね。
新田さん、ほかにもチェックポイントはありますか。
新田 お二人の“事前にチェックする”という意識が素晴らしいと思います。
まずは疑ってください。
例えば、シリアルナンバーや刻印があったとしても、それ自体が巧妙なコピーである可能性もありますので、シリアルナンバーや刻印があるから大丈夫と思わないでください。
足立 コピー商品を作る側も、本物と同じようにするために、巧妙に作っているんですね。
写真では正規品だったのに、届いたらコピー商品だった、というケースもありますよね。
新田 そうしたリスクを避けるためには、「ノークレーム・ノーリターン」(「苦情と返品は受け付けません」)など、購入者に不利な条件が書かれているサイトやアプリでは、買わないことをお勧めします。
青木 出品側からすると、クレームが来たら面倒だから「ノークレーム・ノーリターン」と書いている人もいますよね。
しかし、そういう方は怪しいと思った方がよいのですね。
ほかには、どんなものがありますか。
新田 「複数の支払い方法に対応しているか」を確認してください。
特に、銀行振込だけ、という場合は注意が必要です。
代金を持ち逃げできるよう、クレジットカード払いなどを、あえて避けている可能性があります。
痕跡を残さないためということが考えられます。
青木 ただ、注意していてもコピー商品を買ってしまう人もいるでしょうし、社会に悪い影響があると分かっていても、残念ながら買ってしまう人もいます。
足立 安いからという理由で、コピー商品を買っちゃう人もいるでしょうね。
買う人がいなくならない限り、コピー商品は無くなりませんよね。
青木 どうしたらコピー商品を減らせると思いますか?
ちなみに、足立さんはコピー商品を持っている人を見掛けたら注意できますか?
足立 心の中で「この人は、偽物を持っているんだな」と思うだけかもしれないです。
青木 コピー商品と隠さずに使っている方もいて、罪悪感や後ろめたさがない方も中にはいますよね。
特許庁の調べによると、「コピー商品を入手した友達に注意・忠告しない人の割合」は、61.8パーセントという結果が出ています。
足立 ほとんどの方が注意していないということですね。
青木 今日の放送をきっかけに、コピー商品を入手した友達に、注意・忠告していきましょう。社会に対する悪影響が大きいということが、今回、分かりましたよね。
新田 コピー商品は百害有って一利無しです。多くの方が本物と偽物を見分ける“違いの分かるオトナ”になることが、コピー商品撲滅につながります。
コピー商品を“買わない 売らない 買わせない”を、常に意識してください。
足立 今日の話の中で、コピー商品が世界の貧困問題ともつながっていることが意外でした。そのことも考えて、やはりコピー商品は買ってはいけないと思いました。
青木 私が今日、印象的だったのは、買う時に、個人情報を取られて悪用される可能性があることです。
そういった事を頭に入れておくだけでも、コピー商品に手を出さないことにつながるのではと思いました。
【 関連リンク 】
・特許庁:コピー商品撲滅キャンペーン(令和2年度)
https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/mohohin/campaign/2020/