暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。
番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、
印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていく番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。番組パーソナリティの青木源太と足立梨花が、毎回、専門家をゲストに招きトークを繰り広げ、印象に残った“推し”をコレクションしていきます。
自分の車だから、自分好みにカスタマイズしても大丈夫と思っていませんか。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
今回は、「その車、違法かも。不正改造は犯罪です!!」というテーマで深掘りしました。
青木 足立さんは「不正改造車」と聞くと、どのような車を思い浮かべますか。
足立 不正かどうかは分かりませんが、「改造しているんだろうなぁ」と思う車や、いわゆる「痛車」や、音のうるさい車は見掛けます。
青木 そもそも車は、道路運送車両法で定められた保安基準に適合していなければ、公道を走行してはならない、とされています。
保安基準とは、車の構造や装置について、安全確保や環境保全上、求められる技術基準のことです。
足立 しっかりとした基準が設けられているんですね。
青木 この基準に沿って、メーカー側も車の製造を行っているわけですね。
不正改造車とは、車を改造したり、パーツなどを取付け・取外しすることで、この保安基準に適合しなくなった車を指します。
足立 保安基準に適合していれば、カスタマイズしてもよいということですか。
青木 そうなんです。
でも中には、「かっこいい」「目立ちたい」「スピードを出したい」などの身勝手な理由で、違法と知りながら不正改造を行うユーザーや、違法と認識のないまま不正改造しているユーザーがいて、問題になっているんです。
足立 違法と気付いていない方もいるんですね。具体的に何が問題なんですか。
青木 例えば、大気汚染や、騒音といった生活環境の悪化があります。
あと、暴走行為を目的とした不正改造は、周囲の車や歩行者などの安全を脅かすこともあります。
不正改造車を無くすことは大切ですが、不正改造を行っているユーザーの中には、違法と気付いていないケースもあるということなので、ここからは、国土交通省自動車局整備課の藤墳泰司さんにも加わっていただき、車の不正改造について深掘りしていきます。
ここでは、どのような改造が不正改造に当たるのか、具体的に伺っていきましょう。
まず、違法と気付かずに行ってしまいがちな不正改造について、教えていただけますか。
藤墳 代表的なのは、窓ガラスへの着色フィルムなどの貼付けです。
フロントガラスはもちろん、運転者席と助手席の窓ガラスに着色フィルムなどを貼り付けてはいけません。
青木 着色フィルムは、運転者の視野の妨げになり、歩行者を含むほかの交通状況を確認できない危険があります。特に夜間は危険です。
足立 着色フィルムなどの“など”が気になるんですけど…。
これは、ほかにもあるのですか?
藤墳 はい。車検の有効期間を示すステッカーや、点検整備済ステッカーなど、指定されたものを除き、基本的にフロントガラスや、運転者席と助手席の窓ガラスにステッカーを貼ることは、不正改造に当たります。
足立 ちなみにですが、いわゆる「痛車」は違法になるんですか?
藤墳 車のボディーにステッカーを貼ることだけでは、不正改造になりません。
青木 トラックなどはいかがでしょうか。
藤墳 フロントガラスなどに装飾板と呼ばれるものを装着することは違法です。
青木 装飾板は、フロントガラスの下側などに装着されることが多いものです。
これを装着すると、ダッシュボード部分が外側から見えないようになるのですが、同時に運転者の死角が増えるため、大変危険です。
これは、法律違反、犯罪ということになるんでしょうか。
藤墳 はい。車の不正改造は犯罪です。不正改造車のユーザーだけでなく、不正改造を行った人にも、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科されます。
青木 不正改造を頼まれて行った業者や個人も罰せられるのですね。
足立 安易に手伝うと、危険ですね。
青木 続いて、特に騒音を引き起こす不正改造、代表的なのはマフラーですよね。
藤墳 保安基準に適合していないマフラーを装着したり、音を抑えるために内蔵している消音器を取り外すことは、不正改造に当たります。
また、マフラーの内部には、排気ガスに含まれる有害成分を、化学反応によって無害化する役割を果たす、触媒という部品が取り付けられていますが、エンジンのパワーを上げるために、その触媒を取り外してしまうユーザーがいます。
環境に悪影響を与えることになるため、これも不正改造です。
青木 この触媒の技術は、近年、自動車メーカーが環境を良くするために、力を入れている部分でもあるんです。取り外してしまうと、地球のためにやっていた努力も無駄になってしまいますし、音もうるさくなってしまいます。
ほかにも、「目立ちたい」「スピードを出したい」「かっこいい」などの理由から、様々な不正改造が行われています。
足立 やめて欲しいですね。
こうした不正改造を行うユーザーは、どのくらいいるんでしょうか。
藤墳 昨年6月に行った街頭検査では、1か月間に125台の不正改造車が確認されました。
青木 主に、着色フィルムの貼付け、タイヤの車体からのはみ出し、不適切なランプ類の使用、基準不適合なマフラーの装着などが、確認されています。
足立 もし、友達が不正改造車に乗っていたらどうしますか?
青木 その方が不正改造車に乗ることで周りに迷惑を掛けるので、しっかりと注意したいですよね。
足立 知らずに不正改造を行っていたという方も一部にはいると思うので、本当は駄目なんだよ、違法なんだよと伝えて、相手がそれに対応してくれたらよいですね。
青木 こうした不正改造車を無くすために、国土交通省では、自動車関係機関と協力して、年間を通じて「不正改造車を排除する運動」を実施しています。
啓発活動や街頭検査などに取り組んでいるそうですね。
藤墳 はい。ポスターやSNSなど各種メディアを使った啓発活動に加え、全国の公道上で行う街頭検査では、不正改造車のユーザーに対し、整備命令を発令しています。
また、特に6月は「不正改造車を排除する運動」の強化月間として、全国各地で、不正改造車の撲滅に向けて重点的に取り組んでいます。
青木 整備命令を受けると、フロントガラスに違反していることを示すステッカーが貼られます。その場合、15日以内に改善した上で、運輸支局の確認を受けなければいけません。
これに従わなかった場合は、50万円以下の罰金が科せられるほか、一定の期間、自動車の使用ができなくなります。
その際、車検証とナンバープレートは、一時的に没収されてしまいます。
足立 「目立ちたい」「かっこつけたい」という安易な気持ちでやったことで重い罪を背負うことになりますし、車に乗れなくなってしまうんですね。
青木 国土交通省では、不正改造車の排除を進めるために、全国の運輸支局などに情報提供窓口を設けています。
不正改造車を見かけた方から、寄せていただいた情報を基に、不正改造車のユーザーへ改善を求めるハガキを送付するとともに、必要に応じて、不正改造を行った業者へ立入検査などを行うとのことです。
匿名でも可能ですので、一人でも多くの方に情報を提供してほしいですね。
藤墳 車の不正改造は犯罪です。「絶対にしない」「させない」ことが大切です。
不正改造車が存在しない、快適で安全・安心な車社会の実現にご協力をお願いします。
足立 今日の話を聞いて、一番ほっとしたのが、いわゆる「痛車」は、車体にステッカーを貼るだけでは不正改造ではない、ということです。
青木 フロントガラスや助手席、運転席のガラスに何かを貼るのではなく、ボディーにペイントはOKなんですね。
足立 保安基準の適合範囲内で、楽しみましょう、ということだと思いました。
青木 私は、不正改造車の情報提供窓口があることが一番印象に残りました。
今日の話を聞いて初めて知りました。
環境にも良くないことですから、不正改造はやめてほしいですね。
【 関連リンク 】
・国土交通省 自動車の不正改造
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/huseikaizou/