取材日記

TOKYO FMが誇る報道スポーツチームが総力を挙げて取材します。
ラジオならではのハートフルなスポーツ報道をお送りします。

日本最速の男を決める戦い

陸上の熱い戦いが繰り広げられました!



名古屋で行われた陸上の日本選手権での
男子100メートル決勝。
9秒台が出るかもと注目された日本最速を決める戦いは、
降りしきる雨の中、
向かい風0.3メートルでのレースとなり、
この結果で、リオ出場選手が決まりました!

印象ぶかいのは、
会場全体が
スタート前の静寂からゴール後の興奮へと
ガラッと変わったこと。

男子100メートル決勝。
スタートを待つ選手に全観客の目がいき、
会場アナウンスも、話し声も、
カメラのシャッター音も、フラッシュも止まり、
静寂のあまり雨の降る音だけが聞こえる会場。
スタートの合図があり、その10秒後、
選手がゴールすると、沸きたつスタンド。
静けさから一転の大歓声、すごかったです!!

トップでゴールしたのは、ケンブリッジ飛鳥選手!
タイムは10秒16で初優勝を果たし、
リオ代表に。
そして、わずか0秒01差の2位には
山縣亮太選手が入り、代表入りを引き寄せました。
オリンピック派遣設定記録をすでにクリアしている
桐生祥秀選手は10秒31で3位に終わり、
初めてオリンピックへの切符を手に。

大舞台に臨むことが決まった
ケンブリッジ飛鳥選手と桐生祥秀選手は、
注目の一戦を終えて、こう話しました。

「【ケンブリッジ飛鳥選手】
 いや、素直に嬉しいなと思ってます、はい。
 今回は絶対勝つというふうに自分の中で決めてたんで、
 そのとおり結果を残せてよかったなと思ってます。
 ホントは9秒台で、っていうのが一番の目標
 だったんですけど、いまの状態だと
 まだ戦うには足りないかなっていうふうに思うんで、
 またここから準備していきたいな
 というふうに思ってます。
 初めてのオリンピックなんですけど、
 しっかり楽しんで、一つでも多くのラウンドを
 走れるようにしたいと思ってます。
【桐生選手】
 悔しいですね、はい。
 小さいころからオリンピック目指して
 いろいろやってきたんですけど、
 こんなかたちでちょっと内定するとは思わなかったですね。
 ≪涙をみせる≫
 次、負けないようにしたいです。
 すんません。
 (リオでは)しっかりホントに
 勝ちにいくレースをしたいと思います」

同じオリンピックへ行けるとなった2人でも、
笑顔と悔し涙の両極端な様子が印象的でした。
ケンブリッジ飛鳥選手のときは頼もしさに
期待がふくらみ、
桐生選手のときは
その悔しさにぐっと高まるものがありました
(レース後に涙を見せるのは珍しいことです)。

桐生選手は、レース中、足にけいれんが起きたようで
本人はくわしくは語りませんでしたが、
大事にはいたらなかったようです。

今回の日本トップを決める戦いで得られたものをもって、
リオの大きな舞台で活躍してほしいです!!


■鈴木晶久
  • 19:30

選手をデータで支えます!〜浅田佳津雄さん

今回はリオデジャネイロ・オリンピックで戦う
日本選手やチームを支える人に注目!
気象情報会社「ウェザーニューズ」の
スポーツ気象チームの一人、浅田佳津雄さんです。


 写真左が浅田さん

大会期間中は、
浅田さんをはじめ5人のスタッフがリオに行き、
試合が開かれる場所や時刻の気象情報
(1時間ごとの天気、風の強さ、
 陽がどちらから差すのか、などなど)を
細かく分析して、
6競技、14の日本チームに伝えるそうです。

そもそも南半球のブラジル・リオでは、
オリンピックが開かれる8月は冬。
それでも最高気温が30度を超えることもあれば、
朝晩はそこから15度くらい下がることもあり、
寒暖差が激しいところ。
雨だと気温はさらに下がる、
選手のコンディション管理に注意が必要と、
浅田さんは話します。

リオでは、たとえば7人制ラグビーに
気象情報を提供するそうです。
ラグビーでは、特に天気そのもの、晴れか雨かなど、のほか、
風についての予報がポイントになるとのこと。
雨でも中止にならず、
全ての天候を受け入れておこなうラグビーは、
天気次第で、練習の組み方やゲームプランが変わり、
風の状況によってキックを高く蹴る、低く蹴る、
あるいは蹴る、蹴らないを決めるそう。
その際に役立つ気象データを提供したいとしています。

すでに現地・リオでの下見もすませ、
気象データを分析している浅田さん。
会期中のリオの天気について、こう話しています。

「この8月ですと、風が午前と午後でガラっと南風から
 北風に変わるっていうタイミングが
 ほぼ毎日出てくるので、
 これがどこのタイミング、11時なのか12時なのか。
 タイミングを読むのがまず一つ大きなポイントかなと
 思っているのと、
 あとは夕方にザーっとスコールのような雨が
 降ったりするケースが多いので、そのタイミングと。
 そうすると、気温が一気に5度〜10度くらい下がる
 というのも、もう傾向が出ているので、
 そのあたりをちゃんと見るということを
 特に注力してやっていきたいと思っています。
 天気は変えられませんが、
 天気をあらかじめ知っておくと対策がとれると。
 我々ができることは極力どういう天候になるか、
 ということを
 精度高く選手の皆さんにお伝えすることだと
 思っているので、
 メダルに少しでも近づけるお手伝いをしたいなと
 思っております」

また、浅田さんは、
日本と海外では気象データの蓄積が違い、
その違いが予報の精度に直結する、
とも話していました。

データをしっかり分析し、
戦う日本選手をサポートするスタッフの熱意が、
選手の活躍、メダルにつながります!!


■鈴木晶久

  • 19:30

競泳界のレジェンドに突撃!

きょうは、メダルに期待のかかる競泳界をピックアップ!
競泳界を語る上では欠かせない、
あのレジェンドにお話しを伺ってきました。

それは・・・岩崎恭子さん!!



岩崎恭子さんと言えば・・・皆さんご存知!

バルセロナ・オリンピックの女子200m平泳ぎの金メダリスト!
当時14歳!競泳史上、最年少で金メダルを獲得!
有名なセリフ「今まで生きてきた中で、一番幸せです」は
覚えている方も多いのではないでしょうか。

当時は、金メダル取るという気持ちは全くなかったそう。
ベスト記録と当時の世界記録は「6秒」も差があった!
これは距離にすると8mを超える差になるのです!

それが、五輪の予選で自己ベストを「4秒」も縮めて2位通過!!
自身も周りもビックリしたと(笑)
常識では考えられないけれど・・・それが「伸びしろ」「若さ」だと
岩崎さんは語ります。

そんな岩崎さんに、あのメダルを取った時のレースを
振り返ってもらいつつ、
今の競泳日本代表について聴いてみました!

「バルセロナの時は気持ちよく泳げたのだけど、
最後の10m位はジャンプしていく位の感覚で進んでいく。
その感覚を美化しすぎたのかな。ほんとは苦しかったのかな。
苦しながらもそれが気持ちよかったという。
集中していないってことではなく、冷静な部分はあったんだなと。
声援聞こえたり、不思議と100m折り返しの時に
タイムが目に入った。
あ、私結構早いペースで泳いでいるな、とか冷静に泳いでいた。
14歳で達成感なんて全くない。
やり遂げた感は1mmもなかった。
(今の代表は)若い選手はまだ世界のレベルに
達していないところもあるけど、私の例もあるし、
記録が伸びている時って本当にどんどん伸びていく。
勢いって凄く大事。それが出来るのが若さだし、
20歳超えてくると本当にちょっとずつの積み重ねになってくる。
タイムを上げるのが。
1秒パンっと挙がることって中々なくなってくるので、
今出来る時にどんどん出して記録を伸ばしていってもらいたいなと。
(チアアップソングは)バルセロナの1年前に
槇原のりゆきさんが「どんなときも」をだされて、
曲のテンポや歌詞が前向きになれるとう歌だったのでよく聴いていた。
海外の合宿では先輩たちがもってきたCDラジカセで音をだして。
静かな所で練習するってないかも、音は何かしら流れていた。
好きな曲は癒し。」

当時はとにかくビックリしたけど
「やり遂げた感は1mmもなかった!」そうですね。
競技人生始めたばかりで、五輪のためにこれだけ費やしてきました!
というのがなかったからで。
「わ!私の名前の後に1位って書いてある!」と
ビックリしたというのが本音だったようです。

今の日本代表については・・・
代表に10代が「男子1名・女子5名」も入りましたが、
とにかく若い選手の「伸びしろ」には、
想像を超える可能性がある!と。

特に池江梨花子選手は、ここの所、毎大会ごとに、
自己新記録を塗り替えて行っている感じ。
「勢いに乗ることこそが大事」!!

そして、メダルを狙える萩野公介、瀬戸大也・両選手!
確実にとってくれるだろう、という選手が実際にメダルを取ると
一気にチームの雰囲気も良くなって、メダルって続いていくので
お2人には特に注目だそうです!

何が起こるか分からない競泳チーム!
もちろん、実力的にみたメダル候補もいますが、
グングン記録を伸ばしている若い成長盛りの選手たちの
「伸びしろ」にも期待したい所ですね!

■柴田幸子
  • 16:55

オリンピック選手兼社長の黒木選手に注目!

きょうは、馬場馬術のオリンピック日本代表
異色の経歴を持つ黒木茜選手に注目します!


※前列左が黒木選手。

黒木選手は今回のリオがオリンピック初出場となる37歳。
オリンピック選手となると、
幼少期から馬術をはじめている選手も多い中
20歳の時に、趣味として馬術を始めました。
そこから馬場馬術の優雅さにひかれて、競技にのめりこみ
もっと深く学びたいと門をたたいた乗馬クラブのコーチと結婚。
その後、活動の場をオランダにうつして
オリンピックを目指してきました。

そして、なんと黒木選手は
オリンピック代表選手でもあり、
『会社の経営者』でもあるんです!!

経営するのは、姫路市内にある高齢者介護施設で
黒木選手は2週間は日本、2週間はオランダという形で
行き来しながら会社経営と競技を続けてきました。

日本にいる間は馬に乗る時間はほとんどなく、
労務管理や人事、会計処理など行い、
オランダにいっても、
24時間電話に出られる体制を整えているそうです。

他の選手に比べると練習量も馬と一緒に過ごす時間も
圧倒的に少なくなってしまいますが、
一方で、限られた時間の中だからこそ
切り替えがうまくいき、
仕事にも競技にも全力投球できると
黒木選手は話されていました。

そしてオリンピック出場が決まった際には
会社の従業員や入居者の方から応援のビデオメッセージをもらい
とても嬉しかったと、黒木選手は話していた。

ちなみに、ご主人の相馬小次郎選手も
リオを目指していましたが、
馬の体調不良で今回は出場を断念されています。

経営している介護施設の皆さんの応援、
そして、ご主人の夢を背負って
スーパーウーマンの黒木選手が
リオでどんな活躍を見せてくれるのか、楽しみですね!
  • 17:55

4連覇をめざして‐レスリング伊調馨選手

今回はリオデジャネイロ・オリンピックで4連覇を狙っている
レスリング女子の伊調馨選手について。



リオでは58キロ級で出場の伊調選手は、
このほど行われたポーランドでの国際大会で、
もちろん優勝!
リオ前の最後の実戦を最高のかたちで終えました。

1月末にロシアでの国際大会の決勝でモンゴル選手に敗れ、
不戦敗を除くと13年ぶりの黒星となったのは
大きなニュースでした。
(このときまでは公式戦189連勝、13年間負けなし)
 
今回の国際大会は、まさに負けたことを糧にして
つかんだ優勝! リオに向けて自信を深めました。
大会後は、
「やるべきことをやったとも思うし、
 課題が浮き彫りになった反省もある。
 リオ五輪までにやり直したい」とコメント。

伊調選手は、ここのところ、
「勝ち負けよりも強くなること、
 うまくなることの方が重要」と話すなど、
より内容面、どう勝つかを重視している感じです。

その伊調選手は、4年前のロンドン大会からの変化と、
リオでの目標をこう話してくれました。

「4年前とは違う体のガタだったりとか、
 ケガも多いですし、こんだけ長くやってきて、
 たくさんの人に支えられてここまできたので、
 その集大成としてもリオでは自分の中で
 一番いいレスリングを見せれたらなと思います。
 4連覇という偉業を達成できるかどうかということで、
 たくさんの人に期待されているので、
 その期待にこたえられるように
 達成したいなと思いますし、
 内容も自分の中ではやっぱりこだわりがあるので、
 しっかりいいレスリングをして
 4連覇したいと思います」
 
優勝を前提に、いかにして優勝するか、
と考えていることが、伝わってきました。

6月13日に、32歳の誕生日を迎えた伊調選手。
元レスリング選手のお姉さん、千春さんからは
おそろいのシルクのパジャマをプレゼントされた、
とも話していました。

伊調選手は、
北海道での代表合宿に合流して
調整を続けます。
「攻めの展開をもっと速くしたい」と話し、
技のバリエーションも増えて進化し続けている
絶対女王・伊調選手の
4連覇、メダル獲得に期待です!


■鈴木晶久

  • 19:30
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