9月1日は〈防災の日〉ですね。
今年で発生から90年になる関東大震災。
この震災を忘れないために、
そして教訓を後世に伝えていくために制定されました。

関東大震災では死者・行方不明者が10万人を超え、
その87%が火災で亡くなったといわれています。
発生時刻が午前11時58分というちょうどお昼時で、
かつ風が強い日だったことで、被害が大きくなりました。
そして、いま私たちが直面している首都直下地震でも実は、
建物の倒壊など揺れそのものより、火災による被害のほうが大きいと言われています。
キーワードは 『火災旋風』です。

火災旋風・・・聞いたことがあるでしょうか?

これは、同時多発的に起きた火災が、一箇所に集まることによって
炎をともなう竜巻が起きる現象です。
広い場所、例えば学校の校庭などで起こるケースが多いとされていて、
避難所として集まって来た人たちを
炎と一緒に空に巻き上げてしまう恐れがある、とても怖いものです。
火災旋風は空気を求めて動くので、被害がどんどん拡大します。
関東大地震のときにも火災旋風が発生したといわれていて、
墨田区のいまの横網町公園付近では当時、付近の住民およそ4万人が
迫ってくる火災から逃れようと避難してきたんですが、
そこを火災旋風が襲って、沢山の方が亡くなりました。

火災旋風が起きてしまったら、手立てとしては逃げるしかありません。
どう逃げたら確実に助かる、と言うのもありませんし、
火災旋風がどのくらいの速さで襲ってくるものかも、
風の強さや地形などによるので一概には言えません。
首都直下地震が起きた場合、季節や時間、風速などの条件によっては
亡くなる方のおよそ6割が火災が原因、との政府の試算もあります。
炎の竜巻が迫ってきたら、とにかく逃げる!ということです。

では、火災旋風を起こさないためにはどうすればいいのか。
大切なのは、一人ひとりが火災を起こさないよう心がける、ということです。
一度火が出てしまうと、木造家屋が多い地域では特にあっという間に広がります。
私達にできることは、初期消火をしっかりとすること。
消火器の使い方を知っているかなども確認してください。

そして、地震の時には通電による火災にも注意が必要です。
例えば、熱を発する電気機器の場合、
地震が起きた直後は停電するとその時はスイッチが切れたように見えます。
でも、停電が解消されて電気が点く
 =通電した瞬間にまた電源が入ることがあります。
こうなると、誰も家にいないのに火災が起きる、ということにつながります。
阪神淡路大震災では、この通電が原因とみられる火災が多く発生しました。
地震で家から離れて避難するときなどには、
必ず電気のブレーカーを落として避難をすることも重要です。

家族で、火災を起こさないための手順、この機会にぜひ確認してくださいね。

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