防災FRONTLINEでは、
災害が起きた時に役立つ情報をお伝えしています。

今朝は、既にご存じの方も多いと思いますが、
「南海トラフ地震臨時情報」についてお伝えします。

今月13日の夜に起きた日向灘を震源とする地震では、
南海トラフ地震の評価検討会が開かれましたが、
南海トラフ地震が発生する可能性が平常時と比べて、
相対的に高まったと考えられる現象ではなかったと判断しました。

一方、南海トラフ巨大地震が起きる確率は、
今後30年以内に80%と言われていて、
気象庁はいつ大規模地震が起きてもおかしくないことを意識して、
普段から地震への備えを進めるように私たちに呼びかけています。

南海トラフ地震臨時情報は、
普段と比べて巨大地震が発生する可能性が
相対的に高まったとされた場合に、
気象庁が、「巨大地震警戒」「巨大地震注意」といった
キーワードを付けて発表するものです。

去年8月には、「巨大地震注意」が発表されています。

南海トラフ沿いでマグニチュード6.8以上の地震が発生したり、
ひずみ計と呼ばれる観測機器で普段と違う地殻変動が観測された場合、
南海トラフ地震との関連性について調査をはじめた事を示す
「調査中」というキーワードつきの情報が発表されます。

その後、専門家で作る評価検討会で関連があるかの会議が行われ
結果について南海トラフ地震【巨大地震警戒】【巨大地震注意】
【調査終了】のいずれかが示されます。

【巨大地震警戒】は想定震源域でマグニチュード8以上の地震が
起きている可能性が高いです。取るべき行動は、
津波からの避難が間に合わない地域の住民は全員避難です。
具体的には、
「地震発生から30分以内に、津波で30センチ以上浸水する地域」です。

【巨大地震注意】は、
プレートの境目でマグニチュード7以上8未満の地震が起きる
想定震源域の周りでマグニチュード7以上の地震が起きたりして、
その後の巨大地震に注意が必要とされた時に出される情報です。
1週間は普段の生活を続けながら、避難経路の確認や
家具の固定など地震への備えを改めて確認するようにしましょう。

調査終了は、
巨大地震警戒、巨大地震注意のいずれにも当てはまらないと
評価された場合は、調査終了が発表されます。

ただ、南海トラフ地震臨時情報が発表されずに、
大きな地震が急に起きる可能性もあります。

今月13日の日向灘を震源とする地震では
専門家の検討会の後「調査終了」という結果が示されました。
ただ、このキーワードが出たからと言って大地震の可能性が
低くなったわけではありません。

南海トラフ地震臨時情報は、あくまでも
「普段と比べて、相対的に発生の可能性が高まった」
という不確実性のある情報です。

臨時情報が発表されないまま、いきなり巨大地震が発生する可能性もあります。
また、臨時情報が発表されても地震が起きないという事も考えられる他、
情報に基づく防災対応期間が終わった後で
巨大地震に襲われる事もありえます。


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