2012.10.06
08:55 「南海トラフの被害想定をどうとらえるか」


防災フロントライン。
さまざまなシチュエーションを想定して、
大地震の際に、あなたの身を守るために大切な情報をお届けします。

さて、先日、内閣府が南海トラフを震源とした巨大地震の被害想定を発表しましたね。
   
マグニチュード9.1の地震で、最大34メートルの津波が太平洋岸を襲い、
震度7の強い揺れなどで最大238万棟が全壊・焼失し、
死者数も最大32万人あまりになると想定されました。
   
あまりの被害の大きさに、驚いたという方も多いと思います。
   
この数字、私たちはどのように捉えればいいのでしょうか。
   
地震災害の専門家、明治大学の中林一樹さんにお伺いしました。



「今回被害想定は建物の被害と人間の被害をふたつ公表しているんです。
建物の被害は230万あまりの建物が崩壊・焼失するという被害。

阪神11万棟、東日本大震災でも13万棟でしたので、とんでもなく大きな被害なんですね。
20倍もの被害、なぜこんなに家が壊れるのか。実は、津波で壊れるのは14万棟くらいしか
ないんです。残り160万棟が揺れによって倒れるということなんです。

75万棟が火災によって壊れる、そういう想定になっているんです。

阪神大震災は11万の大部分が揺れによって被害を受けました。
ですから南海トラフでは、陸上で最初に起きるのが揺れによる被害。
そのあとにおこる津波による被害なんです。

最初の揺れで壊れた家に閉じ込められちゃう、
例えば、32万人のケースというのは
深夜なんです。みんなが寝ている時間帯に地震が起きて、とつぜん閉じ込められちゃう、
その直後に津波が来る。逃げられなくて津波に巻き込まれて死んでしまうという
最悪の場合32万人が亡くなってしまうことになると、想定されたんです。」


深夜に起こる大きな揺れ。
まずは、家の倒壊を防ぐ対応を行う。

そして、津波が来ると想定されるエリアにおすまいの方は、
いち早く避難をする。

そうすれば、被害は減らせそうですね。



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2012.09.29
08:55 「帰宅困難者対策条例を知っておこう!」


三和シヤッター防災フロントライン。
この番組は、災害時のさまざまなシチュエーションを想定して
知っておくと役に立つ「ワンポイント情報」をお届けしています。

東京都が出した「帰宅困難者対策条例」という条例、ご存知でしょうか。

企業や学校は従業員や生徒の水や食料を3日分備蓄しておく必要がある、
と定めた条例です。

もちろん、帰宅困難者の二次被害を防ぐという意味もありますが、
帰宅困難者の人たちが帰宅行動を取ることで、
例えば、救急車や消防車が優先して通らなくてはいけない道に、
人が溢れてしまうことも考えられるので、
帰宅困難者の人が被害者にも、間接的な加害者にもならないためにも、
なるべく企業や学校に留まるように、という内容のものなのです。
社会全体で帰宅困難者問題を解決しましょうと、
帰宅困難民が留まる場所になる学校や企業には、
水や食料を少なくとも3日分備蓄して置くようにと定めた条例なんです。

また、企業で働いている人意外にも、行楽客、例えば、
銀座や渋谷などに行楽に出かけている人も多いのが東京都の特徴なのですが、
そういう買い物客の方々を、どのような場所に留まってもらうか、
過ごしてもらうか、ということも、
各企業に考えて欲しい、という意味もあるんですって。

都心での災害は、
「自助」、「共助」、「公助」のほかに、産業の力も借りる、
「産助」という考え方も必要なんですね。


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2012.09.22
08:55 「帰宅困難民を出さない為の企業の取組み」


三和シヤッター防災フロントライン。
この番組は、災害時のさまざまなシチュエーションを想定して
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首都直下地震の被害想定では、517万人もの帰宅困難者が出ると想定されています。
帰宅困難者を減らすにはどのようにすればいいのか、
帰宅させないための企業が取り組みには、どのようなものがあるのでしょうか。
都市防災の専門家廣井悠さんにお話を伺いました。

「そもそも、なぜ急いで帰宅してはいけないかというと、
首都直下地震では多くの火災が発生するとされていて、
その火災などに巻き込まれないようにするため。
その火災などが落ち着くまで帰宅は控えましょうというのが大きな理由です。
企業も、従業員の安全を確保する為に、3日分くらいの備蓄を用意が必要です。」

また、職場にも滞留する場所を考えておく。
家具の固定や、ここだけは安全な場所としておく。
などのオフィスの防災対策も必要だということです。

企業の防災担当者は、是非ご参考になさってくださいね。


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2012.09.15
08:55 「家族安否確認方法多重化のススメ」


三和シヤッター防災フロントライン。
この番組は、災害時のさまざまなシチュエーションを想定して
知っておくと役に立つ「ワンポイント情報」をお届けしています。

東日本大震災の後、帰宅困難者になったという首都圏の人2000名にアンケートを行った、
都市防災の専門家廣井悠さんにお話を伺いました。

廣井さんが行ったアンケートによると、
帰宅行動を開始した人の8割が、家族の安否が心配、家族の住んでいる地域が心配で帰宅したということです。
それを踏まえ、どのような準備をしておけばいいかとお伺いしたところ、

「首都直下地震との大きな地震になると、東日本大震災のときより、
もっと多くの人が家族との安否を確認するという行動を取るだろうと。
災害時にどのような情報ツールが使えるかは、
災害が起きてみないとわからないところがあるので、安否確認の多重化をオススメします。」

とのこと。

具体的に言えば、災害用伝言ダイヤル、メール、電話、スマートフォン上のアプリ、
ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアなども考えられます。
いざという時に使い慣れていないツールを使えるかということも肝心。
普段から、あらゆるツールを使って連絡を取れるよう、家族と準備をしておくといいでしょう。
家族でのコミュニケーションも深まるし、一石二鳥になるかもしれませんよ!


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2012.09.08
08:55 「オフィスで仕事中に震災が・・・帰宅する?しない?」


8月29日、南海トラフ沿いで起きるとされる被害想定が発表されましたね。

2003年に発表された想定の13倍にも及ぶ、
32万人もの死者の想定に驚かれた方も多いのではないでしょうか。

さて、4月に発表された首都直下地震の被害想定には、
515万人もの帰宅難民の想定がなされましたが、
実際にオフィスで働いているときに大震災に遭遇したらどうすればいいのでしょうか。

名古屋大学減災連携研究センターの廣井悠さんにお話をお伺いしたところ、
「なるべく、オフィスに留まるように」とのこと。

それは、帰宅困難になった人々が一斉に帰宅を開始すると、
道路が人で埋まり、本当に必要な人のところに
救急車や消防車が間に合わなくなるかもしれないからだそうです。

また、首都直下地震の被害を大きくするのは火災です。

火事が一度起きると、周囲を焼き尽くすまで火を止めることは困難だと言われており、
帰宅途中の人が火に巻き込まれるなどの二次災害も懸念されています。

首都直下地震の被害想定で火災の被害が大きくなると言われているのは、
環状7号線、8号線の周辺などの木造住宅密集地域。
それらの道を横断して帰宅しなければならない場所に住んでいる方は、
急いで帰宅しなくてもいいように、
日ごろから家族の安否を確認する方法などを確認しておきましょう。





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2012.09.01
08:55 震度6強以上の揺れ・・・車両通行止めになるのはどこ?


9月1日は防災の日。
各地で防災訓練が行われます。

2012年の9月1日は、
首都直下地震の発生を想定した大規模な訓練のため、
午前9時から、およそ10分間
都内118ヶ所で交通規制を実施するそうです。

ちなみに、
東京都内で震度6弱以上の大きな地震が発生したら、
都心を囲むように走る「環状7号線」の外側から内側への
一般車両の通行が禁止になるのを知っていましたか?

首都直下地震の際は、都心部で火災が多く発生するという被害想定が
公表されました。いち早く消防車や救急車などの緊急車両が
現場に駆けつけられるように、交通規制が敷かれるのです。

大地震の際は、環状7号線から放射状に
『緊急自動車専用路』が指定され、一般車両は通行できなくなります。
消防や警察、自衛隊などの緊急自動車を優先的に走らせるための道路で、
高速道路全線および国道4号、17号、20号、246号、
そして目白通りと外堀通りが指定されます。

環状7号線から外側への車の通行は認められていますが
あくまで、地震発生時に車に乗っている人に限っていて、
新たに車を乗り出し、都心から出ようとしないで欲しいと、
警視庁は呼びかけています。

覚えておいて下さいね!

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2012.08.25
08:55 「防災自由研究〜防災キャンドル作り」


防災フロントライン。

この番組は、災害時のさまざまなシチュエーションを想定して
知っておくと役に立つ「ワンポイント情報」をお届けします。

夏休みもそろそろ終わり。
小学生のお子さんをお持ちの方、夏休みの自由研究に困っている・・・
なんてことありませんか?
今回ご紹介するのは、「防災自由研究」、蝋燭作りです。
    
番組では、手作りのジェル・キャンドルを作ってみました。
    
?底が平らなガラスのコップに、いろんな色の砂を重ねて入れていきます。
    
例えば青や白、エメラルドグリーンの砂を重ねていけば、海のイメージに。
親指1本分くらいの太さまで砂を重ねてゆき・・・
    
?その上に、ガラスパーツの植物や動物などを置いたり
ビー玉、貝殻などをつかって自分の好きなように世界を作ります。
    
?芯が中央になるようにしながら、上から溶かしたジェル状のワックスを
注ぎます。30分ほど冷ましたら・・・出来上がりです。
    
見た目も涼やかで夏らしく、普段はインテリアとして家に飾っておいて
いざ、震災のときは防災グッズとして使えるのではないでしょうか。

このほかにも、廃油を使ってキャンドルを作ったり、
フラワーキャンドルなど華やかなものも作ったら楽しいですよね。

ただ、蝋燭に関しては、気をつけて欲しいことがあります。

それは、火事などの二次災害の発生に気をつけることです。

懐中電灯の用意とともに、
災害時にちょっと心が和むような手作りキャンドルを常備しておく・・・

オススメです!


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2012.08.18
08:55 「夏の防災対策4つのポイント」


防災フロントライン。

この番組は、災害時のさまざまなシチュエーションを想定して
知っておくと役に立つ「ワンポイント情報」をお届けしています。

夏も真っ盛り。
まだまだ暑い日が続きます。

今回のテーマは、
「夏の震災を乗り越える4つのポイント」です。

最近夏に起きた震災といえば、
2007年の7月に起こった「新潟中越沖地震」ですが、
被災地にボランティアで行った、
防災危機管理ジャーナリストの渡辺実さんは、
「とにかく、暑かった。暑くて暑くて、夜も眠れなかった」
と、振り返ります。

渡辺さんによると、
暑い夏の震災を乗り越える4つのポイントは、

1)暑さからどうやって自分の身を守るかを考える

2)水分を取り、脱水症状に気をつける

3)風通しのいい日陰を作る

そして、最後に
4)虫対策!!

とのこと。

特に「虫対策」は夏ならではのとても必要な大事な備え。

2007年中越沖地震のときの新潟の避難所でもそうでしたが、
夏でも戸を閉められないので、蚊が入って来放題。

また、ゴミや瓦礫が腐って、たくさんの虫が湧いてくるそう。

蚊取り線香や、虫取りスプレーを用意しておくなど、
夏ならではの防災対策を意識してください。

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2012.08.11
15:55  「テーマパークに居る時に大地震に遭遇したら・・・」


災害時の様々なシチュエーションを想定して,
知っておくと役にたつ「ワンポイント情報」をお届けしている,
防災フロントライン。

今回のテーマは、「テーマパークに居る時に大地震に遭遇したら・・・」

家族でテーマパークに遊びに来ていて、
いきなり強い揺れに遭遇したら・・・
テーマパークといえば、東京ディズニーリゾート!
来場しているゲストへの対応で一番気をつけていることは何かを聞きに取材に伺いました。

「地震が発生したときは、頭を守ってしゃがんでください!
ということを繰り返し大きな声とジェスチャーで行うように、
防災訓練を年に4回、施設ごとの訓練を年間180回以上行っています」

と言うのは、オリエンタルランドセキュリティ部の木村さん。

東日本大震災の時は、パーク内のゲストに頭を保護してもらう為、
キャラクターのぬいぐるみを配ったそうです。

安全を確保する為にはどのようなことをすればいいのか、
日ごろから考え、訓練しているので、その結果が震災時の対応に現れたのではないかとのことです。

いざ震災に遭遇した時は、
日ごろ訓練を重ねているスタッフの指示に従って行動することが大切ですね。








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2012.08.04
15:55 「水辺に居る時に地震に遭遇したら・・・」


災害時の様々なシチュエーションを想定して
知っておくと役にたつ「ワンポイント情報」をお届けしている防災フロントライン。

今回のテーマは「水辺に居る時に地震に遭遇したら・・・」です。

海や川など水辺に居るときに大地震に遭遇したら、
真っ先に高いところに避難するのは鉄則ですが、
車で避難している最中に、車の足元まで水が迫ってきたらどうすればいいのでしょうか。

「いざ車が水没してしまった場合、自動ドアなのでドアや窓は動かなくなります。
車の中に窓を割るツールを常備しておくといいのではないでしょうか」

というのは、災害社会学を研究している、関谷直也准教授です。

車が少しでも水の中に入ってしまうと、
電気系統が壊れて、車のドアや窓は動かなくなってしまいます。

完全に水没してしまい、中と外の水圧が同じになればドアを開けることができるものの、
それまではどんどん水が入ってくる車の中に閉じ込められることに。
完全に水没を待つのは、心理的にも怖いもの。
その前に、なんとか窓から外に脱出したい!

そんなときに備えて、車の中に窓を割るハンマーなどを入れておくのはどうでしょうか。

大震災で水の被害に合うという以外にも、洪水や大雨の際、
水溜りに車が落ちてしまうかもしれません。

いざという時にパニックにならない為にも、
車の中に窓を割るツールなどを常備しておく。
是非、覚えておいてください。


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