2013.07.13
08:55 地震予知の現状


今日は、【地震の予知】についてのお話です。

地震予知というのは研究段階にあって、
一般的には実用化するのは難しい・・・と言われているんですが、
東海地震だけは、唯一「予知できる可能性がある」とされてきました。

そんな中、国が5月に、
東海・南海・東南海地震が連動して起きる南海トラフ巨大地震に関して
確かな予知をするのは難しい、と発表しました。
予知を元に防災対策を組んできた自治体は、いま大きな対応を迫られています。

一方で、少しでも地震が起きる兆候を捕らえられるのであれば、
減災に役立つという意見もあります。
・・・でも、そもそもなぜ東海地震だけ、
予知できる可能性があると言われているのでしょうか?
気象庁の地震予知情報課、山本剛靖さんに伺ったところ、
こんな風に教えてくださいました。

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地震は、地震の前に発生する前に「前兆すべり」という状態が起きることが
様々な研究で明らかになっています。
前兆すべりが発生すると、周囲の岩盤に変形をもたらすので、
この変形を捉えることができれば、
地震の前に予知をすることができる可能性があります。

しかし、その観測を行う高性能な機械をつけられるのは、陸地だけ。
大きな地震をもたらす震源地は日本にもたくさんあるが、
東北地方の沖も南海トラフも全部海の中なので、
唯一機械をつけられるのが、静岡県の真下の陸地で起きる、東海地震。
ということで、前兆を捕らえられる可能性があるということです。

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なるほど、このような仕組みなんですね。
では、逆に【予知できない】のはどういうときかと言うと。

前兆すべりが急激に進んで、
その始まりから地震発生までの時間が短い場合や、
前兆すべりの規模が小さかったり、陸から離れた場所で起きたりして、
それによる岩盤のひずみが現在の技術では捉えられないほど小さい場合、だそうです。

やはり、予知できる・出来ないに関わらず、地震対策として
自宅などの耐震性の確認や家具の固定、
食料や水の備蓄、安否確認方法、避難場所や高台までの避難経路の確認など、
日頃からの十分、備えておきましょうね!



音声ファイルはこちら


2013.07.06
08:55 特別警報、どう行動すればいい? 


先週もこの番組でお伝えしましたが、
今年8月30日から気象庁は
「特別警報」を発表することになりました。
大雨や暴風、大雪などで警報の発表基準をはるかに超えていて
重大な災害がおこるおそれが著しく大きい場合に発表する、というものです。
今日は、この「特別警報」が発表されたら
どのような行動を取ればいいのか・・・
特に台風などの暴風雨の場合について、
気象庁の牛田真吾さんに伺いました。


 特別警報が出る状況になる場合、
 既にまわりが危険な状態になっているということが考えられます。
 もし特別警報がでたら、ただちに身を守る行動を取ってください。
 身を守るための行動というのは、
 ただちに家を飛び出して避難をするということでは必ずしも無くて、
 家の周りが浸水しているという状況でしたら、
 そこであわてて外に出ること事態が危険になる。
 そういう場合は自宅の2階以上に避難するなどの行動を取ってください。
 その状況において最大限自分の身を守る行動をとるということが、
 この「特別警報」のメッセージになるのです。


気象庁では、
特別警報が出るような暴風雨の状況・・・と言うのは
平成23年に発生して死者行方不明者が98人にものぼった
台風12号のようなものを想定しています。
確かにあの台風では、
自宅から避難する途中に命を落とされた方が多くいらっしゃいました。
暴風雨の場合は、自宅で避難という可能性も
考えておかなくてはならないんですね。
地震への備えと同じく、数日分の水や食料なども常備しておくと安心です。

なお、特別警報はこのほか、津波に関しては
現在の大津波警報を特別警報に位置づける予定です。
大津波警報と言うのは、
高いところで3mを超える津波が予想される場合で、
このケースではただちに高い場所に避難する必要があります。
沿岸部にいるときに津波に関する特別警報が発表されたら、
急いで、津波避難ビルなど丈夫な建物の5階以上に避難してくださいね。

音声ファイルはこちら


2013.06.29
08:55 特別警報が始まります


きょうは「特別警報」についてお伝えします。

大雨や暴風、大雪などの被害が想定される災害に関して、
気象庁は「注意報」や「警報」を発表していますが
今年8月30日からはさらに
「特別警報」が発表されることになったのは、ご存知でしょうか?

この「特別警報」ですが、
東日本大震災における津波や、
死者行方不明者が98人にものぼった平成23年の台風12号のような例が
想定されています。

 警報の発表基準をはるかに超えていて、
 重大な災害がおこるおそれが著しく大きい場合に発表

ということなんですが・・・
どうして「特別警報」がスタートすることになったのか、
そしてどのくらいの頻度で発表されると見込まれるのか、
気象庁の牛田真吾(うしだ しんご)さんにお話を伺いました。

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 まず、みなさんのお住まいの地域、都道府県レベルだと
 数十年に一度くらいのレベルだと考えてください。
 でも、日本全国で見ると、1,2年に一度くらいの頻度です。
 例えば、平成23年の台風12号。
 気象庁としても、とても危ないと思っていて、
 警報などを出し、避難をよびかけていました。
 しかし、気象庁の持つ危機感が住民の方に伝わっていなかったようで、
 迅速な避難ができなかった事例がありました。
 住民のみなさんに避難行動や身を守る行動を取ってもらいたかったために、
 この特別警報を導入しました。

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なお、特別警報の細かい発表基準ですが、
今後、各自治体と気象庁が
その地域の特性などを考慮した上で調整し、決定します。
夏から秋にかけて、日本列島は台風の通り道になりますので、
この「特別警報」が発表されたら・・・
つまり、経験したことの無いくらい激しい豪雨や暴風などが
起きそうな状況の時は、
ただちに自分の身を守る行動を取るようにしてくださいね。

来週は、具体的にどのような行動を取ればいいのかをご紹介します。

音声ファイルはこちら


2013.06.22
08:55 ジュニア防災検定、受付まもなくスタート!


きょうは、新しい防災の検定
その名も『ジュニア防災検定』についてご紹介します。
小中学生のお子さんの
夏休みの自由研究の課題としてもオススメです!

今年12月8日が第一回の検定としてはじまる、ジュニア防災検定。
これは、防災士検定をおこなっている、一般財団法人防災検定協会によるもので、
まもなく、7月1日から受付が始まります。
詳しいお話を、事務局長の濱口和久さんに伺ったところ、
こんな風にお話くださいました。

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ジュニア防災検定は小学校5年生程度までが初級、
6年生から中1までが中級、
そして中2、3年生が上級と言う3段階の級に分かれています。
検定と言うと、どうしても『暗記をする』というイメージがあるのですが、
このジュニア防災検定と言うのは
<生きる術>を子供たちに持ってもらいたいということで、
単に筆記試験だけではありません。

?筆記試験の前に事前課題として、
  家族と防災について話し合ったことをまとめてレポートとして試験日に提出。

?筆記試験

?筆記試験後、自分たちの住んでいる地域=家の周辺や学校の周辺、
  通学路などを調べてみて、危険な箇所は無いかや、
  昔この周辺ではどんな災害があったのかなどを調べ、
  自由研究方式で新聞を作るなど、夏休みの課題のような形で提出

この3つをトータルで評価して、合否を出していくと言う検定です。

いま色々な検定があって、内申書にプラスになる検定もありますが、
私達はそのような発想ではなく、
この検定を通して<生きる力>を見つけてもらって、
かつ、ここから防災に関する気付きもしっかりと持ってもらいたいと思います。
防災は大人だけの話ではない。
子供が一人でいるときも災害にあう可能性があるので、
その一人でいる時にどういう行動を取ればいいかということを、
子供なりに考える力・能力を、
この検定を通じて少しでも身につけてもらえれば、
この検定の意味があるのかなと思います。
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確かに、いざというときには
丸暗記した知識を必死で思い出すのではなく、
その場に応じて応用・活用していくことが命を救う最大の鍵となります。
未来を担う子供たちの『自分で考える』ことを重視した防災検定。
広がっていくと、心強いですね!

なお、検定料は初級が2000円、中級と上級が3000円です。

また、第一回の一般検定以降は、
受験する子供が30人以上集まれば、
全国どこでも、希望日程で出張検定を行ってくれるそうです。
学校単位や自治会単位での受験も出来るので
防災教育の一環としても活用できそうです!

ジュニア防災検定、詳しくはこちらでご確認ください。
http://www.jbk.jp.net/

音声ファイルはこちら


2013.06.15
08:55 海辺で地震・・・私たちが心がけておくべきこととは?


この番組は、災害時のさまざまなシチュエーションを想定して
知っておくと役に立つ「ワンポイント情報」をお届けしています。

梅雨明けはまだですが、
夏の計画をそろそろ立て始めている方も入ると思います。
海に出かけることも多いシーズン・・・
「地震が起きた時に、海のそばにいたらどうすればいいのか」をご紹介します。
  
防災を専門に研究されている東北大学の今村文彦教授に
沿岸部に居る時に私たちが気をつけておくべきことを伺ったところ、
こんな風に教えてくださいました。

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 沿岸部に行ったら、まずは、周りを見てください。
 一番高い場所とか、建物を確認してください。
 もし、揺れとか、津波警報などの情報が出たら、
 そこにまず避難してください。
 意外と住んでいる場所も、高さの感覚は無いものなんです。
 自分の家が標高何メートルなのか、あのビルがどのくらい高いのか。
 また、高台が何十メートルあるのか。
 これは、意識しないとわからないもの。
 初めて行った場所なんて、特にそう。
 安全なルートとか道順は看板に書いてあるわけではない。
 意識してみることが大切です。
 例えば、ホテルとかビルの中で避難経路を確認したりしますよね。
 それと同じような形で、沿岸部に行ったら
 高い場所、津波に対して安全な場所を確認していただきたいと思います。

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確かに、高さの感覚って、なかなかつかめないものです。
一般的に、ビルの1階分=5mとされていますが、
そもそも、その建物がある土地の高さまではよく分かりません。
海沿いの目的地についたら、まずは周りの建物の高さを確認して、
いざと言う時にはこの場所に逃げる!ということを想像してみるのは
とても大切です。

そして、東日本大震災の発生や南海トラフ巨大地震の被害想定を踏まえ、
いま、沿岸部の自治体では津波避難ビルの整備を進めています。
津波避難ビルに指定されている場所では
下記のような標識やステッカーが張られていることも多いので
こちらも是非、併せて確認してください。



楽しい夏の計画と思い出のために、防災への意識もどうぞお忘れなく!


音声ファイルはこちら


2013.06.08
08:55 日本初? コンビニ店舗型 非常食防災用品専門ショップ


今回は、日本初?!の非常食と防災グッズの専門店をご紹介します!

首都直下地震では3日分、南海トラフ巨大地震では1週間分の
備蓄が必要と言われていますが。
本当に必要なものは何か、どこで揃えればいいのか、実は難しいところです。
そんな中、今年5月に世田谷区 駒澤大学のそばに
その名もずばり
「非常食防災用品専門ショップ」というお店がオープンしたので、
私・古賀が伺ってみました。

お店は、東急田園都市線 駒沢大学駅から環七方面へ歩くこと4分ほど。
環七沿いにあります。



まず目に入るのが、スーパーやコンビニのような、食品陳列棚。
なんとこれ、全部 「非常食」なんです!
こんなに沢山、色々な種類の非常食が売られているのを目にするのは
私も始めて。





非常食だけで200点もあるそうです。
そして、バリエーションも豊富。
おなじみのご飯ものはもちろん、
鶏や魚の煮物やきんぴらと言ったおかず、
カレーやシチュー、
缶詰のパン、おやつなどなど・・・美味しそう!

このお店を運営する名地裕満(なち・ひろみち)さんに
イチオシの非常食を伺ったところ、
試食してみますか?と出していただいたのが、こちら。



なんと、あの有名な『信州一味噌』が作っている、非常食の味噌ラーメン!!
こちらは乾麺を使っていて、いわゆるインスタントラーメンではないんです。
つるつるしこしこの麺、そして本格的な味噌スープ。
そして、普通のインスタントラーメンは実は保存期間が短い
(1年もたないものがほとんど)のですが、
こちらは3年保存可。
1杯ぺろりと頂いてしまったくらい、とっても美味しいものでした。

そして、それとともにオススメだと言うのが、
缶入りのキティちゃんのストロベリーデニッシュ。



ふんわり柔らか、いちごが甘酸っぱくて、まるで焼き立てのようです。

非常食っていまこんなに美味しいのか・・・と、驚いてしまうようなものばかりです。
ついつい個人的にも買い込んでしまいました。

もちろん、こちらのお店では防災グッズも扱っていて、その数500点!
私・古賀、ひそかな防災グッズマニア(?)で、チェックする目も厳しいつもりなのですが、
こちらのお店の母体が『鶴間防災システム』という、
自治体や企業に防災用品の卸をしている会社だけあって、
プロの目で厳選した、無駄のないものばかり。
私は自宅の防災グッズをそろえる際、あちらこちらの通販サイトから集めてきて
送料もばかにならなかっただけに、直接手にとって買えるのは大きな魅力です。

機能性はもちろん、女性や子どもに喜ばれそうな防災グッズも。



キティちゃんの防災グッズ、こんなにあるんですね!

お店を訪れて、改めて感じたのは
『そうか、災害時にはこんなものも必要になるのか』という『気付き』が多いこと。

自分のライフスタイルで本当に必要な防災グッズとは何か、
それはどれくらいの量が必要なのか、正確に知るって実は難しいんです。
こんな風に直接、手にとって、試食して、試しに使ってみて、その上で用意できるって
とても大切なことだと感じます。
ネット通販で手軽に気軽にそろえるのも勿論いいのですが、
こんな風に、少し時間をかけることによって、
いざと言うときの安心感は更に増すかもしれませんね。

『非常食防災用品専門ショップ』

所在地 :東京都世田谷区野沢4-22-11 アトラス駒沢大学 1階
営業時間 :10:00〜18:00
TEL :03-6453-2772
FAX :03-6453-2771
URL :http://www.tsuruma.co.jp/shop


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2013.06.01
08:55 南海トラフ巨大地震、備えは1週間分!


5月28日、南海トラフ巨大地震に関して
『確度が高い予知は困難』とする、国の最終報告書がまとまりました。
分かりやすく言い換えると
『確かな予知をするのは難しい』ということなんですが・・・
詳しくチェックしましょう!

まず南海トラフとは?
以前もご紹介しましたが、
静岡県の駿河湾から九州東部の沖まで続く海の溝のことです。
海と陸のプレートがぶつかり合っているので、
地震が頻繁に起きる要因となっています。
ここを震源域として、東海地震、南海地震、東南海地震、
そしてそれらが連動した巨大地震の発生も想定されています。

これまでは、その中の東海地震が
「地殻変動を捉えやすい」として
「数日から数時間前に予知できる可能性がある」とされてきました。
これを前提に、国や自治体は防災体制を組んできた訳なんですが、
今回、それが根底から見直しを迫られる形になりました。
そもそも本当に地殻変動が観測されるかどうか分からず、
仮に観測されたとしても、地震が起きるかどうかも分からない・・・
ということなんです。

南海トラフ巨大地震の最新の被害想定では最悪の場合、
死者32万人、避難者は950万人とされています。

予知できない大地震。
私たちにいま出来ることは何でしょうか?

今回の最終報告書では、新たに色々な対策を打ち出しています。
例えば。
家庭用の備蓄を1週間以上確保すること。
ひとりあたり食料21食分と飲料水21リットル、
携帯トイレ、カセットコンロ、携帯電話の充電器などです。
これだけのものをどこに保管すればいいのか・・・
とても難しいことですが、少し考えてみなくてはならないですね。

南海トラフ地震でも首都直下地震でも、
重要なのは『自助』の心構えです。
完全ではなくても、
自分や家族の命と生活を守るための準備をしておけば
実際に災害が起きた時、気持ちに余裕も出てきます。

少し時間に余裕があるとき、まず水を多めに買い足すことや
保存のきく食べ物を選んでみるところから、はじめてみませんか?


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2013.05.25
08:55 東日本大震災の記憶を後世に伝える試み「ひなぎく」


いま、大震災に関する記録・教訓を次の世代へ伝え、
被災地の復旧・復興事業、今後の防災・減災対策に役立てるために、
東日本大震災の記録をデジタルアーカイブする事業が様々な場所で始まっています。

そのひとつが、国立国会図書館が今年、3月7日に公開した、
国立国会図書館東日本大震災アーカイブ、愛称:「ひなぎく」です。

この、「ひなぎく」は、東日本大震災に関するブログの書き込みや Twitter のつぶやき、
写真、ビデオ、新聞記事などのデジタル情報を収集・保存し、
その教訓を次世代への伝承することを目的に国立国会図書館主導で構築しているものなんですが、担当の大場さんに、このプロジェクトの目的についてお伺いしました。

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目的は大きく分けて3つあります。

一つは、これからの災害や震災に備えるということです。
次の災害に向けてどうすれば被害を抑えられるかを考える為の基礎データを提供できるようにしたいと考えています。

二つ目は、実際に被害に合った地域の復興に使って欲しいと思っています。
というのは、どのような災害が起きたかがベースにならないと、新しい街づくりに繋がっていかないと思っているからです。

三つめは、被災された方々が後世に思い出したくなったときのためです。
やはり今すぐは震災のことは思い出したくないかもしれませんが、
これから10年20年たったときにあの時何が起こったのか、
皆で共有できる材料を提供したと思っています。

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この「ひなぎく」の花言葉は、「アナタと同じ気持ちです」とのこと。
国会図書館のスタッフが、やわらかいイメージでより親しんでもらいたいというメッセージをこめて、つけたそうです。


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2013.05.18
08:55 東京都による南海トラフ地震の新被害想定


5月15日。
東京都が、南海トラフ巨大地震についての新たな被害想定を発表しました。

駿河湾から九州の沖にかけて延びる南海トラフでは
東海地震や東南海地震、南海地震などの大地震が
これまで何度も発生してきました。
それぞれが連動して巨大地震になる可能性もあるため、いま注目されています。

内閣府の中央防災会議は去年8月、
死者が最大で32万人という被害想定を発表しました。
ただ、この想定では特に東京都の伊豆諸島と小笠原諸島をめぐって
被害想定が十分ではないとして、東京都は独自に検証をしてきました。
それが、今回発表になったものです。

それによりますと、南海トラフでM9クラスの巨大地震が発生した場合、
島しょ部では最大およそ1800人近い死者が出るとのことです。
このうち、最大30メートルもの津波が地震のおよそ15分後に到達する新島では
島民の半数を超えるおよそ1300人が死亡すると想定されました。

また、世界自然遺産に登録された小笠原諸島の父島では、
最大19メートルの津波が襲ってくるとされ、
到達までのおよそ2時間に避難は出来ても、
島にある500の建物の半数が津波で全半壊すると見込まれています。

今回の想定に観光客は含まれていないので、被害はさらに大きくなる恐れもあります。

ただし、東京都の今回の死者の想定は、
地震後10分以内に避難する人が2割だったときを前提にしています。
このため、迅速に避難できれば、津波による死者は大幅に減少するとも言われています。

一方、23区における想定はどんなもので、私達はどう備えるべきなのでしょうか。
東京都防災会議・地震部会の副部会長である
中林一樹(なかばやし・いつき)明治大学 特任教授にお話を伺ったところ、
こう教えてくださいました。

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 区部の状況と言うのは、
 基本的には東日本大震災の時の区部の状況とそう変わらない。
 もう少し揺れが大きくなるかもしれないが、
 家がバタバタ倒れる・火災が多発するという状況ではない。
 ただ、家具の固定などをきちんとして、けがをしないようにすることは必要。
 それは南海トラフ地震対策と言うより、
 直下地震対策として備えていれば大丈夫というくらいの揺れです。

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今回の南海トラフの想定では区部のほとんどの地域が震度5強以下ですが
首都直下地震の想定では7割が震度6強以上。
最悪のケースを想定した上で備えをすることの重要性が、
今回改めて浮き彫りになりました。
逆に言うと、首都直下地震はそれだけ被害が甚大だと言うことです。
あなたの備えは、今のままで大丈夫ですか?

そして、物質的な備えだけでなく、
重要なのがやはり私たち一人ひとりの意識です。

島や沿岸部などで津波の危険がある地域にいるときの心得を
改めて確認すると・・・

 ★小さな揺れ、あるいは揺れを感じなくても、
  地震が起きたらすぐに高台に避難する。

 ★避難はより遠くではなく、より高くに。

 ★車は使わない。

 ★津波は繰り返し襲ってくるので、警報などが解除されてもしばらくは戻らない。


自分と大切な人の命を守るために、しっかりと確認してくださいね。


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2013.05.11
08:55 「お腹の中の赤ちゃんを守るプロジェクト」とは?


5月12日は母の日、ということで今回は
お母さん、そして赤ちゃんにまつわる
災害時の取り組みをご紹介します。
その名も・・・

『 災害時おなかの中の赤ちゃんを守るプロジェクト 』

大きな災害が起きたとき、文京区内の複数の女子大に
妊婦さんと、1歳未満の赤ちゃん、そのお母さん専用の避難所を開設するという、
全国初の取り組みです。
このプロジェクトのことは去年、すでに発表されているので
耳にした方も多いかもしれませんが、
その後もプロジェクトは広がりを見せていて、
協力する大学や団体は増え続けています。

この専用避難所では、医師や助産師による健康チェック、
オムツやミルク(アレルギー対応しているものもあります)の配布、
ストレスで母乳が出なくなってしまったお母さんへの
おっぱいのケアなどもおこなわれる予定です。
とても心強いプロジェクトですね。
大学、医師会、助産師会、メーカー、母乳育児支援団体など
様々な機関が垣根を越えて協力しています。

この画期的なプロジェクトの立ち上げ人は、
ご自身もお子さんを持つパパである、
文京区 男女協働子育て支援部 鈴木秀洋さん。
この4月に今の部署に移動されましたが、
立ち上げた当初は、文京区の危機管理セクションのトップでした。

ただ、このプロジェクトは、これまでにない取り組みなだけに
困難なことも多かったそうです。
鈴木さんは、こんな風に仰っていました。

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赤ちゃんは自分で言葉を発せないですし、
妊産婦さんというのも
『普通に子どもを生むというのであれば病気ではない』
という認識がどこでもあったので、
災害の対策の中では、例として挙げられても、
具体策としてはどこにも載っていませんでした。

でもやはり、東日本大震災では凄く苦労して、避難所にもいられなかった。
病気じゃないのになんで寝ているんだとか、
ただでさえ苦しい状況の中なのに赤ちゃんが泣いてうるさいとか、
弱者の中でも排除されてきたと言う現状を沢山見聞きしてきたので、
そこはなんとかしなくてはいけないと言うことで、
今回のプロジェクトを立ち上げました。

使命感と言うのは、実際あります。
『良いものは次の世代に残したいですし、悪いものは変えていく』
命をどう守っていくかという中で、それが最初から最後まで一貫していて、
そのためには縦割りという行政の胸を割ってと言うか、
何が必要なのかっていうところを、お互いに話し合ってきました。
そうするとやっぱり、子どもの命を守らなくてはいけないと言うところでは
みんな共通するので、その中で進めていけたのかなと思います。

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災害弱者の中でも、更に排除されてきた妊婦さんと赤ちゃんと、そのお母さん。
鈴木さんは、これをモデルケースに
是非、全国の自治体にも取り組んで欲しいと仰っていました。
確かに、文京区だけが取り組んでもこの問題は解決しませんし、
苦しい思いをするお母さんや赤ちゃんを少しでも減らしていくと言うのは、
未来を大切にするということです。
是非、広がって欲しいですね。
そして、文京区では鈴木さんを中心に、
これからもプロジェクトを拡大していく予定だそうです!

音声ファイルはこちら


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