2016.02.13
08:55 耐震と不燃化のモデルルームに込める思い


今回は、住宅の耐震と不燃化についての話題です。

阪神・淡路大震災では、
古い木造家屋が密集する地域=木密地域でおきた
建物の倒壊と火災が、全体の被害を大きくしました。
そして、首都直下地震でも、
同じような問題が起きると言われています。

防ぐためのポイントは何とっても、
地震で家を壊さないこと、燃やさないこと。
そこで各自治体でも建物の耐震化・不燃化に改修する
取組を始めていますが、
一方で、木密地域では住民の高齢化も進んでいて、
なかなか進まない現実もあります。

こうした中、木密地域が多く残る墨田区の曳舟では、
耐震・不燃の改修をしたある『モデルルーム』が、
地域住民の寄り合いどころとして活用されています。
その名も、「ふじのきさん家(ち)」です。

「ふじのきさん家」は、
住民やNPOなどが墨田区や企業の協力を得て、
空き屋となっていた2階建ての古い木造家屋を改修したものです。
例えば、『燃やさない対策』としては、
外壁に耐火性のある素材を使っているだけでなく、
内側の壁に石膏ボードを張って、建物の中で起きた火災が
外に燃え広がらないように工夫をしています。
『壊さない対策』としては、既存の建物の柱に
強度を補強するための筋交い(すじかい)を入れています。
・・・と言う風に、あまりハードルが高くない改修の例を
近隣住民の方に知ってもらうことで、
実際に改修に結びついた例もあるそうです。

そして、「ふじのきさん家」が持つ大切な役割、
実はもうひとつあります。
「ふじのきさん家」では、
お茶会や食事会のほか、防災訓練につかう帽子を作ったり、
地域のお年寄りから生け花や着付けを教わる講座を開くなど
「地域のきずな」作りもここで行なっているんです。
これによって、昔から住むお年寄りと
新しいマンションに住む若い世代とのつながりが深まっています。
「ふじのきさん家」で行われているイベントは、
墨田区以外の方も参加することができます。

地域の防災と併せて、コミュニティづくりも行なう取り組み。
これから益々「共助」が大切になる中、
この取り組みがモデルケースとなって、
広がりをみせていくといいですね。

http://fujinokisanchi.com/


音声ファイルはこちら


2016.02.06
08:55 災害時のためのやさしい日本語?


21年前の阪神淡路大震災で
亡くなったり、怪我をしたりした方は、
100人あたりの割合としてみると
外国人の方が高かったという現実があります。
また、情報をなかなか手に入れられず、
炊き出しがあることも分からなくて、
寒さの中、何日も震えて過ごした外国人の方もいたそうです。
そんな状況を受けて、
大学教授や医師、日本語研究者などの有志が立ち上げたのが
「減災のためのやさしい日本語研究会」。
世界には本当に色々な言語があって
英語を喋ることが出来ない人達も沢山いますが、
日本に住んでいるのだから、片言の日本語は分かるに違いない。
だから、災害時にはやさしい日本語で
情報を伝えようと言う取り組みです。
それでは、災害時のやさしい日本語とは
具体的にどういうものなのか。
研究会のメンバーのひとり、国立国語研究所 名誉所員の
米田正人(よねだ・まさと)さんに伺いました。

 いくつか言い換えるための基準があります。
 基本的に重要度が高い情報だけに絞り込もう。
 曖昧な表現はできるだけ避けましょう。
 難しい語彙は簡単な語彙に言い換えるようにしましょう。
 その中でも、例えば『避難所』であるとか『余震』であるとか、
 情報を伝える時にどうしても必要になる、
 知っていて欲しいような言葉は
 なるべく言い換えてしまうのではなく、
 使いながらその言葉を覚えていてもらう。
 つまり、言い換えですね。
 そのような教育的な配慮も考えたりしています。
 例えば文章にすると、
 「きょう あさ ●じ●ふん、●●で
  おおきい じしんがありました。
  よしん=あとでくるじしんに ちゅういしてください。」
 このような感じです。
 ただ音声で伝えると言うだけでなく、
 災害の時はポスターで色々な情報を伝えることが多いので、
 そのポスターの使い方についても、いくつか提案しています。
 あらかじめ分かるような、例えば給水車がいつ来るかとか、
 炊き出しがいつあるかとか、そう言った情報については
 あらかじめフォーマットを決めておいて、
 場所や日時などを書き込めば分かってもらえるような準備を
 しておいて下さいと言うような提案もしています。

確かに、災害が起きたその時に
やさしい言葉でニュースで伝えるのも大事ですが、
その後の生活情報をどれだけ分かりやすく伝えるかは
地域単位での活動でとても重要になります。
どう言い換えればいいのか、詳しく一覧になったものは
弘前大学 社会言語学研究室のHPで
ダウンロードすることもできます。
地域の防災に関わる方々は是非、
お手元に用意しておくことをお勧めします。

http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/EJ1a.htm

音声ファイルはこちら


2016.01.30
08:55 災害時のやさしい日本語の大切さ?


21年前の1月17日に起きた阪神淡路大震災について、
こんなデータがあります。
亡くなった方の割合は、
日本人が100人あたり0.15人だったのに対し、
外国人は0.25人。
怪我をされた方の割合は
日本人が100人あたり0・89人だったのに対し、
外国人はなんと2.12人。
つまり、外国人の方が高い割合で被災しているんです。

そんな中、この震災後に
大学教授や医師、日本語研究者などの
有志が集まって立ち上げられたのが、
「減災のためのやさしい日本語研究会」です。
首都直下地震でも外国人が数多く被災すると考えられますが、
なぜいま「やさしい日本語」が必要なのか。
研究会のメンバーのひとり、
国立国語研究所の名誉所員 米田正人さんに伺いました。

 阪神淡路大震災が起きた時に一部の地域で、
 日本語が分からない、そして英語が分からない、
 メジャーな言語が分からないような人が、
 炊き出しがあることも知らず
 寒さの中で震えて何日も過ごしていたと言うような
 話を聞きました。
 普段、言葉を研究している我々として
 何かできることはないかと言うことで、
 何人かの有志が集まって、この研究会ができました。
 我々は日本に住んでいると、英語で話をすれば
 全てコミュニケーションができるのではないかと言う
 感覚に陥りますが、
 世界には本当に色々な言語があって、
 英語を喋ることが出来ない人達が沢山いますし、
 その方々は日本にも来ています。
 ならば災害時、それらの国々の言葉に翻訳して
 情報を伝えればいいじゃないかということになるんですが、
 必ずしも人材が確保できない、時間がないと言う問題が起きて、
 翻訳もままならない。
 であれば、日本に住んでいるのだから、
 片言の日本語は分かるに違いない。
 そういう人たちに対して、
 普段の日本人に対する日本語ではなくて
 少しやさしい言い方の日本語にしたら
 分かってもらえるかもしれないと言うのが、
 そもそもの発端です。

確かにその通りですね・・・
そして、このやさしい日本語は、
情報を伝えるメディアだけでなく、
共助の面で、自治体や学校、自治会でも
今、とても重要になっています。
では、具体的に
災害時のやさしい日本語とはどんなものなのか?
来週、詳しくお伝えします。
(弘前大学の下記HPでも一覧で確認することが出来ます)
 http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/EJ3mokuji.htm

音声ファイルはこちら


2016.01.23
08:55 次世代型避難訓練「ルドゥオス」


1月15日から21日は『防災とボランティア週間』でした。
避難訓練などを行なった学校や企業、団体も多いと思います。
その避難訓練。
いま、スマホの【位置情報ゲーム】を使った次世代型のものが
注目を集めているのをご存知でしょうか。
主催するのは、
防災をもっとお洒落で分かりやすくすることを目的に活動する
一般社団法人「防災ガール」です。
次世代型避難訓練、その名も『ルドゥオス』。
近いところでは3月13日に二子玉川で行われます。
詳しいお話を、防災ガール代表理事、田中美咲さんに伺いました、

 私たちが開発したのは、
 被災する場所=スタート地点と制限時間のみ決めて、
 避難経路や避難場所は自分達で探し出すと言うものです。
 避難経路の見つけ方や避難の仕方は
 テクノロジーを活用しようと言うところから、
 位置情報が分かるスマホのアプリを活用した
 避難訓練となっています。
 二子玉川地域にある避難場所、避難所、
 帰宅困難者受け入れ施設や帰宅困難者支援ステーションなど、
 災害時に機能する場所の50m範囲内くらいに行くと
 スマホにアラートが出て、
 「この近くにあります」と表示が出ます。
 また、災害が起きやすい場所や、
 過去に水害が起きた場所の近くに行くとアラートが出て、
 『この近くで川が氾濫した場合、
  あなたはどこに逃げればいいでしょう』と言うような
 クイズが出るので、それに答えてもらうなど
 足で稼ぐ中でアラートが出て、
 それに対して行動をすると言うものになっています。

確かにこの方法だと、実際の災害で想定外の事態が起きても、
臨機応変に対応できるようになりそうですね。
参加するためのチケットは防災ガールのWebサイトで
1月31日から発売されます。(先着およそ100名)
なお、この避難訓練はお子さん連れや高齢の方、
障害のある方でも防災ガールがサポートするので、
是非参加して下さいとのこと。
災害弱者となってしまう方こそ、
いざと言う時に何ができるか、できないのかを知って
備えるきっかけにすることもできそうです。

次世代型避難訓練「LUDUSOS(ルドゥオス)」
http://new-hinankunren.strikingly.com/


音声ファイルはこちら


2016.01.16
08:55 東京消防庁 災害時支援ボランティアとは


今週は11日に青森で、
14日には北海道と青森で
それぞれ震度5弱の地震が起きました。
大きな地震が続いて、不安に思った方も多いと思います。

そんな中、あす1月17日で
阪神・淡路大震災の発生から丸21年です。
当時、被災地に沢山のボランティアが駆けつけたことから、
地震が起きたこの1995年は
『ボランティア元年』とも呼ばれています。
ボランティア・・・今は個別に活動する人も多いですが、
きょうは「災害時支援ボランティア」という
東京消防庁が行っている制度をご紹介します。

東京消防庁が管轄する地域で
震度6弱以上の地震などが発生した時に、
自発的に地域の消防署にあつまって
消防隊の活動を支援する事前登録制の専門ボランティアが、
この「災害時支援ボランティア」です。
応急救護活動を行ったり、
消火・救助活動を支援したりするほか、
災害情報の収集も行なうなど
より専門的な知識や経験が求められます。
このため、登録には一定の要件を満たすことが必要です。

例えば、「ボランティア講習」を受けた上で、
月1回から数回程度の訓練や講習会に参加して、
初期消火の進め方や救助活動で使用する機材の取り扱い方法、
怪我をした人の搬送方法などについて詳しく学びます。

登録できるのは、東京消防庁の管内に住んでいる
もしくは通勤・通学している15歳以上で、
普通救命講習を修了していると言った
応急救護に関する知識を持っている人などです。

・・・と聞くと、ハードルが高そうに思えますが、
実際にはおよそ1万6千人が登録していて、
学生から会社員、主婦、退職された方まで
幅広いメンバーがいるそうです。
災害時支援ボランティアは、
その地域に住んでいたり、
働いているメンバーで構成されているため、
その地域の人しか分からない情報を持っていることが
強みになります。
いざと言う時にこのような存在が身近にいたら心強いですし、
あなた自身がその存在になれると言うのは、
大きな意味があるのではないでしょうか。

東京消防庁の本所防災館では現在、
パネル展も行なわれています。
災害時支援ボランティア、興味があるという方は、
お住まいまたはお勤めの地域の消防署に
ぜひ、問い合わせてみてください。

東京消防庁管内 消防署一覧
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/tfd/


音声ファイルはこちら


2016.01.09
08:55 ふるさと納税で被災地に寄付?


ふるさと納税をしている方、増えましたね。
年末に2015年分の手続きを
駆け込みで行なったという方もいるかもしれません。
ふるさと納税する時、
自治体から何がもらえるか分かるポータルサイトは
いくつかありますが、その中のひとつ。
全ての自治体のふるさと納税を掲載している
『ふるさとチョイス』と言うサイトが全国で初めて、
ふるさと納税で被災地への寄付を行なえる仕組みを作りました。
どういうことなのか?
お話を、『ふるさとチョイス』を運営する
株式会社トラストバンク 執行役員
上野雄介さんに伺いました。

 災害時に寄付をしたいと言う時、
 自治体の方でふるさとチョイス上に
 災害の寄付フォームをオープンすると、
 寄付者の方が自治体を選んで
 寄付が出来る仕組みになっています。
 昨年12月現在、
 6つの全国の自治体と災害協定を結んでいます。
 それから、災害協定を結んでいなくても、
 自治体で希望するところはいつでも
 災害寄付フォームはオープンできる
 取り扱いにさせて頂いています。


それにしても何故、
ふるさと納税の仕組みを使っての災害時の寄付なのでしょうか?
そこには、寄付をめぐる現実がありました。

 東日本大震災以降、
 災害時に寄付をしたいと言うニーズは凄く沢山ありました。
 ただ、どんな所で寄付をしたらいいかとか、
 色々な手続きがそれぞれ煩雑で、
 なかなか寄付をしたい人が寄付をしたい時に
 できないと言う状況だったんです。
 今回協定を結んだ自治体の場合、
 自治体に直接申し込みをして、
 そのままクレジット決済ができる形になっているので、
 寄付をする方にとってもワンストップで寄付が出来ますし、
 自治体にとっても非常に早いタイミングで
 資金を手にすることが出来るので、
 気軽に寄付をして頂ける環境が整ったかなと思います。


ちなみに、ふるさと納税のひとつなので、
もちろん税制上の優遇も受けられます。
ふるさと納税は本来、その地域に対しての
応援のための寄付と言うことを考えると、
災害時の寄付に充てると言うのは
あるべき姿なのかもしれませんね。

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2016.01.02
08:55 BBQと防災? 防災ピクニック!


2016年最初の防災フロントラインは
家族で参加できる防災のイベントをご紹介します。

江東区の有明にある、
東京臨海広域防災公園をご存知でしょうか?
首都直下地震などが起きた時に
医療や支援物資の拠点となる大きな公園です。
この中には『そなエリア東京』という、
最先端の体験型災害学習施設もあります。

その防災公園で1月23日(土)に行われるのが
『BBQで防災力をつけよう!防災ピクニック』
というものです。
そなエリア東京での防災体験をした後、
BBQ場で火おこしや炊飯の方法を習ったり、
災害時を想定した食材をBBQで食べたりします。
お話を、東京臨海広域防災公園 管理センター長の
山崎純一さんに伺いました。


 『防災』を難しく考えていて、
 だから準備が出来ないなんて言う人もいるのかなと
 ちょっと思ったことがありました。
 災害は、実は身近なものの延長にあります。
 そんなに肩ひじ張らなくてもいいんですよ、と言うことで
 うちの公園にあるBBQ場をうまく活用しながら
 アピール出来たらいいなと思って、今回始めてみました。
 私たちの公園が『防災公園』と言う名前が付いていて、
 『そなエリア東京』と言う防災の体験学習施設があるんですが、
 実はその施設だけでなく、
 色々な形で皆さんに防災に触れて頂きたいなと思い、
 BBQもその一環として導入しています。
 うちのBBQは炭焼きで肉を美味しく食べて頂いていますが、
 炭に火を点ける体験と言うのも
 やはり何か防災の役に立つだろう、炊き出しの訓練にも
 もしかしたらなるだろうと言うことで始めています。



確かに、炭に火を点けるコツを知っていたら、
いざと言う時、大きな力になれますね。
この防災ピクニック、事前申し込みが必要です。
詳しくは、こちらをご参照ください。
http://digiq.jp/sona/



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2015.12.26
08:55 2015年の災害を振り返る


クリスマスも終わり、一気に年の瀬という感じですね。
この番組も今年最後の放送と言うことで、
きょうは2015年の災害を振り返ります。

今年どんな災害が起きたか、あなたは覚えていますか?
自分が被災していないと、どうしても記憶は薄れがちです。
改めて、いまどんなことを心がけておかなければならないのか、
今年起きた災害の2つの特徴と併せて
防災・危機管理ジャーナリスト渡辺実さんに伺いました。

 1つは、エルニーニョに関わる現象。
 毎月台風が発生しているのは観測史上初めてだそうです。
 その中でも、9月10日の台風18号の大雨…
 これは関東東北豪雨と気象庁が名前をつけました。
 常総市が水没したこの水害に象徴されるように、
 突然の雨が全国で降り始めている。
 それから河川がもたないという、雨に関わる水害が特徴です。
 
 2つ目は、
 こんなに火山が活動を起こした年は今までありません。
 5月に口永良部島で大噴火を起こしました。
 初めてレベル5を気象庁が出して、全島避難しました。
 それから、8月には桜島がレベル4。
 箱根山の噴火はレベル3でしたが、
 8月30日に活動を起こしました。
 幸いにもこの象徴的な3つの火山活動は
 いまレベル1〜2に戻しましたが、
 火山が活性化しているということが
 象徴的に現れた年と言えます。
 東日本大震災以降、
 日本列島は天地動乱の時代に入ったと言われています。
 『防災』『減災』と言っている時代ではなく、
 『備災(びさい)』=災いに備える。
 国民一人ひとりが本当に『備災』を
 行わなければならない時代に生きていると
 認識して欲しいんです。

もはや防災・減災と言っている時代ではない・・・
かなりドキッとしますね。
ちなみに、22万人以上が亡くなったスマトラ沖地震と巨大津波は
11年前の12月26日に起きました。
災害はいつでも起きる可能性があると言うこと、
一人ひとりが『本当に』備えなければならないと言うこと、
改めて考えませんか。

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2015.12.19
08:55 長周期地震動に備える!


内閣府が今週発表した報告書で、怖い事実が明らかになりました。
南海トラフ巨大地震が起きた時、
東京などの超高層ビルの最上階では、
2mから3mも横揺れする恐れがあると言うものです。
なお、震源に近い大阪湾の埋め立て地では
横揺れが6mに達する恐れもあるとのこと。
また、長周期地震動は
震源から遠い場所でもビルを大きく揺らす特性があります。
今後30年以内に70%の確率で起きるとされる南海トラフ地震。
高層マンションや高層ビルで生活する人は
どのように備えておくべきなのでしょうか?
防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実さんに伺いました。

 水平方向に最大6mも揺れると言う被害想定が出たのですが、
 その揺れに対して、どのように自分の命を守るかに尽きます。
 家具の転倒防止と言うのがありますが、
 この長周期対応で考えると、通常の突っ張り棒や
 転倒防止金具のようなものでは耐えられないほどの揺れです。
 壁に家具を完全に括り付けなければ、
 長周期地震動には耐えられません。
 それから、移動式のキャスター付き家具は、
 凶器となって部屋の中を走り回ります。
 置いている家具も、倒れると言うレベルではなく、
 飛んできます。
 徹底的に完全に固定をしなければ、
 長周期地震動に対しては命が守れません。
 もうひとつは、揺れによってエレベーターが長時間止まります。
 ですから、最低限1週間の自立・自活が出来るような
 備蓄をして欲しいと言い続けていますが、
 その時が必ず来ると言うことを覚悟して住んで頂ければと思います。

実際、東日本大震災では東京都内でも
長周期地震動による被害が多く発生しました。
東京消防庁によると、
家具の転倒は11階以上では47%にも上ったそうです。
マンションに住む方、家具の完全な固定はマスト事項です!
大掃除のついでに、改めて見直してみてください。

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2015.12.12
08:55 鬼怒川決壊から3か月


鬼怒川の決壊から、12月10日で3か月が経ちました。
茨城県常総市では、最後に残っていた避難所が8日に閉鎖されて、
避難していた24人の方は市が用意した旅館に移りました。
8日現在で85人が常総市内のホテルや旅館で避難生活をしていて、
市は来年2月末まで避難先の提供を続ける予定だと言うことです。
一方、常総市では、11月末まででおよそ950人の方が
転居届を出しました。
防災・危機管理ジャーナリスト 渡辺実さんによると、
インフラである道路や農地は復旧が始まっているものの、
自宅の復旧が進んでいないのが現状で、
それが転居する人数に現れているとのことです。
そして、このような水害、実は私たち自身にも関わることだと
渡辺さんは話します。

 これだけ異常気象と言われるように、
 日本の天候はおかしいですよね。
 どこでこういう大雨が降ってもおかしくない。
 そして河川の整備も完ぺきではないので、
 大雨が降れば河川がもたないと言う状況が生まれます。
 そうすると、いつどこで誰が水害に遭っても
 おかしくないと言う現状にあります。
 残念ながら、国や行政の公的支援はいま、
 被災者にとって非常に冷たい制度しかない。
 水害には自分で守る・備えると言うことが原則になる。
 そのためにはやはり保険です。
 最近の保険は非常に細分化されています。
 昔は住宅総合保険と言う形で
 火災も水害もフォローする保険が多かったんですが、
 今は細分化されていますから、
 河川の近くにお住まいの方、水害の可能性がある方は
 火災保険だけではなく、ぜひ水損保険=水害の保険に
 加入をしてください。


水害に特化した保険もあると言うこと、ご存知でしたか?
鬼怒川決壊で自宅の復旧がなかなか進まない背景には
水害の保険に入っていない方も多かったという現実があるそうです。
その土地ならではの問題点をきちんと知って、
そのための備えをする。
年末調整や確定申告などで保険を見直すこともあるこの時期、
あなたも改めて、意識してみませんか。 


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