2019.08.17
08:55 「ここにいてはダメ」江戸川区のハザードマップが意味すること


今週は台風10号が西日本を中心に直撃して、
各地に被害が出ました。
これからの時期、台風や豪雨による水害には
引き続き注意が必要です。
その際の被害想定をあらかじめ知ることができるのが、
各自治体が予測し、地図に落とし込んで発表している「ハザードマップ」です。
その中でも、東京都江戸川区がことし5月に配った水害ハザードマップが
いま、話題になっているのをご存じでしょうか?

江戸川区の水害ハザードマップの表紙には
江戸川区全域の地図とともに
「ここにいてはダメです」と太字で書かれています。
江戸川区は、荒川や江戸川、東京湾に囲まれ、
区の7割が『海抜ゼロメートル地帯』。
つまり、満潮の時の水面よりも土地が低く、
洪水や高潮によって川が氾濫すると、
最悪の場合、ほとんどの地域が浸水します。
この浸水は、江戸川区だけでなく、
江東5区と呼ばれる墨田区、江東区、足立区、葛飾区の
ほとんどの地域でも発生し、
人口の9割以上に当たる250万人が被害に遭うと予測されています。
浸水は長いと2週間以上も続き、
最大で深さ10メートル以上になる恐れもあります。
つまり、すごい数の人たちが長期間、避難しなくてはならなくなるんです。

そして、浸水すると区内の避難所は当然、使うことができなくなります。
避難の条件としてもうひとつ「遠くに」と言うのも加わってきます。
たとえマンションの高い階に住んでいる人も、
水道・電気・ガス・トイレが使えないことで
生活できなくなる可能性があります。

では、巨大な台風や
経験したことがないような大雨が想定される時は、
江東5区に住む人はどうすればいいのか?
ハザードマップでは、東京の西部や千葉、埼玉、
神奈川などに避難するよう呼び掛けています。
また、それらの場所で親戚や知人、宿泊施設などの避難先を
あらかじめ自分で確保しておくよう勧めています。
江東5区に住んでいる方以外も、
いざという時に頼れる人や場所を考えておくのは大切なことですね。

江東5区のハザードマップ、
この地域で生活しているけれど
まだ見たことがないという方は、
下記から必ず1度、チェックしてくださいね。
古賀涼子でした。

★江東5区大規模水害ハザードマップ
(※区を超えて確認できるハザードマップ)
https://www.city.koto.lg.jp/057101/bosai/bosai-top/topics/documents/haza-do.pdf

★江戸川区
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e007/bosaianzen/bosai/kojo/kanrenmap/n_hazardmap.html

★江東区
https://www.city.koto.lg.jp/470601/machizukuri/kasenkoen/kasen/53578.html

★墨田区
https://www.city.sumida.lg.jp/anzen_anshin/katei_tiikinobousai/kouzui_hm1.files/2018_HM_sassi_japanese.pdf

★足立区
http://www.city.adachi.tokyo.jp/kikaku/bosai/bosai/hazard-map-k.html

★葛飾区
http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000063/1004031/1004779.html


音声ファイルはこちら


2019.08.10
08:55 愛犬の熱中症、応急処置の方法を知っていますか?


今週は首都圏でも特に暑い日が続いています。
熱中症への注意が本当に必要ですが、
日本気象協会による「熱中症ゼロへプロジェクト」の調査で、
ペットである愛犬も
4分の1が熱中症にかかった経験のあることがわかりました。
全国の犬の飼い主325人にアンケート調査したところ、
動物病院で熱中症と診断されたことがある、
あるいは熱中症の症状が出たことがある、
またそのどちらも経験があると答えた人があわせて24.3%にも上ったんです。
決して珍しいことではないんですね・・・・

なお、犬の熱中症の兆候は「普段と違う様子」と言うのがキーワード。
ハアハアと激しい呼吸やよだれ、粘膜の充血やうっ血、
脈拍が増えるなどの症状が見られるそうです。
お尻から熱を測ったとき、40℃を超える場合には熱中症の疑いが濃厚とのこと。

では飼い主さん、もし愛犬が熱中症かもと思った場合、
すぐにどんな対応をすればよいか、ご存じでしょうか?

一番は、やはり動物病院に連れて行くことですが、
応急処置としては、常温の水をかけて体を冷やすことが有効です。
また、水道水で濡らしたタオルなどで包んで、
涼しい場所で風を送り、喉から首、胸そしてお腹にわたる
広い範囲を冷やしてあげるよう努めましょう。
ただ注意していただきたいのが、氷水などで急に体を冷やさないこと!
急激に冷却すると、体の抹消の血管がぎゅっと収縮して、
温度の高い血液が内臓をかけめぐることになるそうです。
そうなると、熱が発散しにくくなって、逆効果となるため、
アイスバッグなども使わないでください。あくまで、常温の水です!

また調査では、屋内屋外、昼夜問わず
愛犬の熱中症は発生していることもわかりました。
犬の熱中症は重症化しやすく、
室内でクーラーをかけてお留守番させていても、
豪雨や地震で停電して、高温になってしまうこともあります。
二重三重にどんな対策をとるのか、応急処置は正しくできるのかなど、
大切なペットのために、是非備えてくださいね。

日本気象協会によるイヌ・ネコの熱中症予防対策マニュアルは
こちらからアクセスしてください。

音声ファイルはこちら


2019.07.27
08:55 心肺蘇生、大切な人にちゃんとできますか?


これからの時期、海や川での水難事故も増えますね。
そこで今回は、大きな災害に備えても知っておきたい
心肺蘇生についてご紹介します。

総務省消防庁のデータによると、
突然心臓が止まってしまった人に対して
119番通報をして救急隊の到着を待っているだけでは
9%ほどの人しか、命を救うことはできません。
でも、心臓マッサージをすることで救命できる割合は2倍に、
さらにAEDを併せて使うと、半数以上の人を救うことができるそうです。
だから、目の前で心停止し、呼吸が止まっている人がいたら
「あなた」が「すぐに」心肺蘇生をすることが大切なんです。
手順としては、周囲の人に119番通報と
AEDを持ってきて欲しいことを大きな声でお願いした上で、
すぐに心臓マッサージに入りましょう。

では、実際の心臓マッサージの方法です。
あなたの大切な人を思い出しながらイメージをつかんでください。

まず、倒れている人の胸の真ん中・・・
乳頭同士を結んだ真ん中あたりに、両手を重ねて置きます。
この時、手のひら全体で押すのではなく、
手のひらの付け根部分に力を集中させましょう。
ひじは曲げずに、相手の胸が5センチ沈むくらい。
1歳から中学生くらいまでのこどもの場合は
胸が3分の1沈むくらいを目安にします。
真上から1分間に100〜120回のペースで
「強く」「速く」「絶え間なく」行うのがポイントです。
赤ちゃんの場合は、手のひらではなく
人刺し指と中指の2本を使って、胸が3分の1沈むくらい、
大人と同じく1分間に100〜120回のペースで行いましょう。

なお、以前は心肺蘇生とセットになっていた人工呼吸ですが、
感染症などの危険もあるので
マウスピースなどを持っていない場合は
必ずしも、しなくて大丈夫です。
ただ、家族など身近な人で、ためらう状況でなければ
心臓マッサージ30回につき2回、
1秒かけて胸が上がるくらい息を吹き込んでください。

これを救急隊が来るまで、もしくは蘇生するまで繰り返します。
実はかなり体力を使うことなんですね。
心肺蘇生法、そしてAEDの使い方などは
消防機関などで行なっている救命講習で訓練もできます。
自分の手で大切な人の命を守るために。
一度、体験しておくことをお勧めします。

東京消防庁 心肺蘇生の方法について
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/kyuu-adv/life01-2.html

音声ファイルはこちら


2019.07.20
08:55 夏休みの自由研究に!体験型防災イベント


いよいよ夏休み。
お子さんがいるご家庭では、
早めに自由研究のテーマも決めておきたいところです。
そこで今回は、自由研究としてもぴったり、
楽しみながら災害への備えについて学べるイベントをご紹介します。
それが『夏休み!体験型防災イベント〜そなえるチカラを手に入れよう〜』。
7月20日(土)と21日(日)の2日間、
江東区の有明にある防災体験学習施設「そなエリア東京」で開催されます。

このイベントでは、色々な種類の防災プログラムが行われます。
いま大きな被害をもたらしている【雨】のプログラムでは、
降雨体験車で、1時間300ミリという
台風級の暴風雨などを実際に体験できます。
雨や風の強さって数字だけきいてもイマイチぴんとこないですが、
プログラムを体験した後では
その数字がどれくらいの意味を持つものなのか、
体で覚えることができます。

また、日本に1台しかない
「VR防災体験車」に乗るプログラムもあります!
去年、東京消防庁が導入した最新のもので、
座席に座って専用ゴーグルをつけると、8人までが同時に
地震や火災、風水害をVRで3分間体験できます。
360度の立体映像と、揺れや、風、水しぶき、熱、
においまで感じられるので、
よりリアリティをもって災害に備えられそうですね。

さらに、このイベントは東京ガス主催ということで、
災害の時でも身近にある食材とポリ袋を使って
温かい食事を用意する「お湯ポチャ調理」や、
鍋やザルなどを使ってかまどを作り、実際に火を熾す体験もあります。

そなエリア東京で行われる、この体験型防災イベント。
自由研究のテーマにするのであれば、
それぞれの体験の感想だけでなく、
それを踏まえて、本当に必要だと感じた
オリジナルの防災持ち出し袋を用意してみる、
家の周りの防災地図を作ってみる、
お湯ポチャ料理のオリジナルレシピを考えてみるなど、
親子でぜひ、工夫してみてくださいね。

https://blog2.tokyo-gas.co.jp/letter/2019/07/sona-area-tokyo2019.html

音声ファイルはこちら


2019.07.13
08:55 お勧め!東京消防庁の最新アプリ


いま、防災や災害に関するアプリは色々ありますね。
今朝は、2か月前に配信されたばかりの
とても便利なアプリをご紹介します!
・・・といっても、既にスマホにいくつも入れていて、
もう新しいものは必要ないと思う方もいるかもしれませんね。
でも、このアプリは他とはちょっと違っていて、本当にお勧めなんです。
詳しくご紹介しましょう。

これ、実は【東京消防庁の公式アプリ】です!
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/inf/app/index.html

いわゆる救急・消防に関する緊急時の情報から、
防災に関する情報、消防署への申請書の出し方や
消防イベント情報やクイズなど、
あらゆる情報が詰め込まれています。
こういうアプリでは情報が多すぎて、
逆に調べたいことになかなかたどり着けないことも多いですが、
それを解決してくれるのが、【チャットボット】です。
質問を投げかけると、まるで会話をしているように
自動で回答をしてくれるシステムのことで、
このアプリでは東京消防庁のキャラクター
「キュータくん」が答えてくれるんです!

キュータくんには、自由な文章で質問することもできますし、
最初に出てくる6つの項目・・・
「救急に関することについて」とか
「防災に関することについて」などの中から
選択して絞り込んでいくこともできます。

例えば、キュータくんにこんな質問をしてみましょう。
「心肺蘇生の方法を教えて!」
するとすぐに、
キュータくんから動画つきのメッセージが返ってきます。
この動画では、開いた直後から、
心臓マッサージをする上で重要な1分間に100〜120回のリズムが
音と映像で刻まれて、同時に、
心臓マッサージをしながらでも見たり聞いたりできるよう
分かりやすい言葉で、これから取るべき対応が呼びかけられます。

また、「家具の転倒防止方法を教えて」と聞いたところ、
こちらをクリックしてね!と、
家具転倒対策の特集ページに誘導してくれます。

アプリでは、消防や救急に関する講習や届け出を
カレンダーで管理できる機能も付いていて、
職場で関わる方にも便利です。

役に立って、かつ楽しい東京消防庁の公式アプリ、
ぜひ一度、使ってみてください!

音声ファイルはこちら


2019.07.06
08:55 市や区の全域避難・・・実際にどうすればいいのか


今週は九州を中心に大雨が続いて、
洪水や浸水、土砂災害や堤防の決壊など、
大きな被害が出ました。
今回は、国による警戒レベル5段階が導入されてから、
初めての広い範囲での豪雨で、
特に鹿児島市や霧島市など、
市の全域にわたって避難指示が出されたエリアでは
「レベル4=ただちに全員避難」が呼びかけられました。
ただ、実際に市の全員が避難ってどうすればいいのか、
疑問の声が挙がったのも現実です。

では、今後あなたが住む区や市全域でレベル4が出されたとき、
実際にどう行動すべきなのか?
災害社会学などが専門の日本大学
中森広道(なかもり・ひろみち)教授に伺いました。


 市全体が危険な状況にあるとか、
 市から外に出なきゃいけないとか、そう言う状況ではなく、
 それぞれ身の安全を守ってくださいという意味で
 受け取った方が良いです。
 自分がいる場所がもし危険なら、
 指定されている避難所に移動するとか
 安全な友人の家に避難するなどしても構いません。
 また、自分のいる場所が必ずしも危険な場所とは限りません。
 要は、自分の身の安全を守って下さいということなので、
 必ずしも「どこかに行きなさい」ということではないんです。
 各自治体で作られているハザードマップを確認して、
 避難する途中で危険な場所があるかないかを確認することが必要です。
 もうひとつは、ハザードマップは沢山出ていますが、
 地図を読むのが苦手な人もたくさんいます。
 そういった方々に、分かる人がフォローするなどして
 役立て欲しいと思います。



市や区全域がレベル4、全員ただちに避難!と言われたら
焦ってしまいますが、
避難=文字通り『難を避けるため』の最善の方法を
自分で考えて行動に移しましょうということなんですね。
そして、ハザードマップは、自宅の場所だけでなく
どこをどのように通って避難するかを確認する・・・
これは意外と盲点だと思います。
この機会にぜひ、安全な場所ってどこだろう?
そこに行くまでのルートはどこを通ればいいだろう?と
ハザードマップを広げて、考えてみてください。

音声ファイルはこちら


2019.06.29
08:55 改めて確認、雨の警戒レベル5段階とは


大雨によって大きな被害が出た西日本豪雨から、1年。
この豪雨では、気象庁や自治体から
気象情報や避難を呼びかける情報が出されましたが、
実際の住民行動にはなかなかつながらず、
逃げ遅れなどで200人を超える方が亡くなりました。

当時、出された情報の種類があまりに多く、
どの情報を受けてどう行動すればいいのか
分かりにくかったという現実があります。
その反省を踏まえて、気象庁は今年5月、
災害の危険がある時に私たちが取るべき行動を、
5段階の警戒レベルで分かりやすく発表することを始めました。
警戒レベルは、1〜5まであり、5が最も高いレベルです。

では、避難にかかわる具体的な項目をチェックしましょう。

まず、警戒レベル3。
これは、大雨・洪水警報や河川の氾濫警戒情報、
そして高齢者などを対象にした避難準備情報が出されたときです。
レベル3になったら、
高齢者や障害のある方、妊婦さんや子供連れなどで
避難に時間がかかる人たちは、速やかに避難しましょう。

警戒レベル4は、避難指示や避難勧告、
土砂災害警戒情報や河川氾濫危険情報が出されたとき。
対象となるエリアの人たち全員、
速やかに避難しなくてはなりません。
ただし、どこかに行くことだけが避難ではありません。
避難=難を避ける!
身の安全を守る行動を具体的にとるということです。
レベル4が出されたら、すぐ避難。
自分は大丈夫と思わず、必ず行動してください。

なお、レベル5は、大雨特別警報が出されたり、
河川が氾濫、土砂災害が発生など、
『災害がすでに起きている状況』です。
レベル4が出た段階で、避難することが大切ですが、
もし自分の生活する場所がレベル5になっても
まだ避難していない場合は無理をせず、
その場でできる最善の方法で命を守ってください。

この「大雨・洪水警戒レベル」はそれぞれの自治体や、
ラジオ・テレビなどのメディアを通じて伝えられ、
気象庁のホームページでも公表されます。
是非、あなたの避難につなげてくださいね。

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2019.06.22
08:55 津波に関する情報の発表基準と心得


6月18日夜に発生した新潟と山形を中心とする地震では
津波注意報や避難指示が発表され、
実際に新潟では10センチの津波が観測されました。
今回、津波での大きな被害は幸いにもありませんでしたが
この『10センチ』であっても、津波はとても怖い存在です。
そこで今回は改めて、津波について考えます。

まず、津波の注意報や警報の発表される基準をおさらいしましょう。

 ★津波注意報
 予想される津波の高さが高いところで
 20センチ以上、1m以下の場合
 かつ津波による災害のおそれがある場合

今回、実際は10センチでしたが、この津波注意報が出ました。
くるぶしより少し上くらいの高さなので
大したことないかなとも思ってしまいがちですが、
津波は海の底から海面までの海水全体が動く、
エネルギーの大きな波です。
たとえ10センチ、20センチ程度であっても
速い流れに巻き込まれるおそれがあるので、
特に海の中にいる人は、すぐに離れる必要があります。

 ★津波警報
 予想される波の高さが1m以上、3m以下の場合

標高の低いところでは浸水被害が発生するほか、
人は流れに巻き込まれてしまうので、
沿岸部や川沿いにいる人はすぐに高台や避難ビルなど、
建物の高さでいうと5階以上の安全な場所へ避難しましょう。

 ★大津波警報
 津波が3mを超えるとき

木造家屋が全壊して流されるレベルなので、
ただちに、頑丈な建物の可能な限り高いところに逃げます。
と言うのも、いま記録に残っている最も高い津波は、
東日本大震災のときに岩手県大船渡市で観測された40m。
一般的なマンションでいうと13階以上にも相当するため、
いかに高くに逃げなくてはならないか、分かると思います。

そして、何より重要なのが、
津波からは一人ひとりがそれぞれ逃げること。
迎えに行ったり、誰かを待つのではなく、
てんでばらばら=てんでんこに逃げることを
この機会に改めて、家族や大切な人と確認しておいてくださいね。

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2019.06.15
08:55 豪雨、キーワードは水深50センチ!


昨年の九州北部豪雨や西日本豪雨では大きな浸水被害が起きましたが、
都心部を流れる川、例えば杉並区の善福寺川などでも
過去に大きな被害が起きていて、決して他人ごとではありません。
そんな中で、ぜひ覚えておきたいキーワードがあります。
それは「水深50cm」。
大人のひざまで水につかるくらいのイメージですが、
実は、この「50cm」が避難をめぐって大きな意味を持ちます。

国土交通省のデータなどによると、
過去の洪水で、道路などにあふれた水の深さが
50cm以上になった場合、
ほとんどの人が自力では避難が難しい状況になりました。
だから、避難するのであれば水がひざに達する前にと言うのが
とても重要です。

なお、車に乗っている時に道路が浸水・冠水した場合、
避難のために取るべき行動は、次のようなイメージです。

水深10〜30cm→
 ブレーキ性能が低下するので、安全な場所に車を移動させる。

水深30〜50cm→
 エンジンが停止するので、車から避難する。

水深50cm以上→
 車が浮き、車に閉じ込められて、水に流されることもある。


やはり車でも、50cmという数字が鍵となります。

では、実際に避難するとき、何に気をつければいいのでしょう?
まず、はん濫した水の流れは勢いが強いので、
水の深さがひざくらいまであると、大人でも歩くのが難しくなります。
もし、避難が難しいと思ったら無理をせず、
【高くて頑丈な建物にとどまる】ことも選択肢の一つに考えて下さい。

そして、はん濫した水は茶色く濁っているので、
道路と水路の境や、ふたが開いているマンホールの穴が見えません。
棒で足下を確認しながら移動しましょう。
脱げやすく水の入りやすい長靴ではなく、
脱げにくく歩きやすいスニーカーなどを選ぶのもポイントです。

大きな河川がはん濫した場合、
水の深さがどこでどれくらいになるかの
浸水想定区域図や
こちらは東京都発表分
洪水ハザードマップも公表されています。
異常気象で雨の災害が他人ごとではない今、
事前に必ず確認しておいてくださいね。

音声ファイルはこちら


2019.06.08
08:55 何をどう備える?食料品の備蓄について


これからの時期は、地震だけでなく、
大雨による災害への備えも必要になってきます。
しばらく家から出られないことも想定されるほか、
流通がストップして、
お店にものが入って来なくなることも考えられます。
特に食べ物と水・・・
東日本大震災の時は、食料を満足に調達できたのが、
震災から3日目以降という地域もありました。

そんな中、農林水産省が、災害に備えた
「家庭用食料品備蓄ガイド」をホームページで公開しています。
ここには、備蓄する食料品のリストや、備蓄の方法、
そして、災害から1週間の献立の例なども載っています。
具体的にご紹介しましょう。

まず、災害への備えとして最低限用意するものは、
水、米、缶詰、そしてカセットコンロ。
水は、飲み水として1日ひとり1リットル、
調理用の水を含めると3リットルほどあると安心です。
お米は、2キロが1袋あると、およそ27食分に。
缶詰は、肉や魚、豆などがあると、たんぱく質を確保できます。
そして、重要なのがカセットコンロ!
災害時は、電気やガスがストップすることもあるので、
食品を温めたり、簡単な料理をする時にとても役立ちます。
予備のガスボンベも是非、用意しておきましょう。

そして、備蓄の基本として、
普段使う食料品を多めに買い置きして、使ったら買い足し、
最低3日分を確保しておくよう、アドバイスも載っています。
いわゆるローリングストックですね。

更に、是非見て欲しいのが、災害から1週間の献立例です。
例えば、1日目は、朝食が、パン・野菜ジュース・バナナ、
昼食が、ご飯・インスタントみそ汁・缶詰のイワシの煮付け、
夕食は、アルファ米の五目ご飯・缶詰の焼き鳥という献立に。
災害の時の食事をイメージする上で参考になりますね。

この農林水産省の「家庭用食料品備蓄ガイド」、
備蓄すべきもののチェックリストもありますので、
是非、活用してください!

音声ファイルはこちら


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