2020.12.26
08:25 「年末年始に考えたい防災備蓄」


今年も残すところ5日となりましたね。
新年を迎える準備は進んでいますか?

今朝は、「
年末年始に考えたい防災備蓄」についてお伝えします。
防災アドバイザーの岡部梨恵子さんに
主婦の視点で防災備蓄について教えてもらいましょう♪

岡部さんは、
家庭備蓄の基本は“掃除と整理”が大切だと話します。

岡部さん
一年間で一回も使わなかった物、
見つけて処分出来たらそこでさよならしてください。
家の中の6割くらい物が減ったりするんです。
皆さんのお宅で起きている事って使っているものを足元に出しっぱなしだったりとか・・・・。
そうすると、
やっぱり地震とかが来ました時に、足元のものとかがつまづいて転んでしまうとか
棚の上とかに使わないものを置いておくと揺れた時に落下して怪我をしてしまいます。
本当に必要なものだけしか持っていない生活っていうのは、
安全な家という事になるのでそういった所を意識していただいて
物を減らしていただきたいと思います。

使ってないと分かっていても、なかなか捨てられないんですよね。
また、物を捨てる事によって、備蓄のスペースが生まれます。
2リットルのペットボトル6本入った段ボールに備蓄品を入れてみると、
1人3日分でも4箱くらい必要です。家族4人で計算すると3日分で段ボール箱12箱。
首都直下や南海トラフ地震が起きた際の食料や水などの家庭備蓄は1週間分と
されていますから、備蓄スペースは思ったよりも必要になります。
年末のこの機会に大掃除をして備蓄スペースを生み出しましょう。

次に、備蓄食品についてです。
備蓄といっても、必ずしも非常食だけを1週間分備える必要はないという事です。
ご自宅のキッチンや冷蔵庫には、
普段の食品だけでも意外と数日分の買い置きがあるのではないでしょうか?
そういう場合は、
今のストックを少しだけ増やして、災害時に役立つ非常食や水を
付け足せば、1週間分程度の備蓄量を確保できるかもしれません。

非常食と日常食を合わせてバランスよく1週間分を備える事が大切です。

防災アドバイザーの岡部さんは、
防災グッズを再点検すると共に、
家電量販店で最新の防災グッズを見る事もおすすめだと話します。

岡部さん
電気系統のものっていうのは、やっぱり進化しますね。
特にね、すごい便利な機能がついたりする事があるので、
そういった物というのは、2、3年に1回は見ていただくとよりいい物が買えると思います。
備蓄電源もすごくいいものがありまして、
小型家電とかも扇風機あったりとかも使える様なものがあって、
1回に4台フル充電できるっていう様なポータブルの小さいタイプの電源があるます。
そういった物を買っていただくと、
やっぱり充電がない事によって不安感って増しますので、
しっかりそういった充電ができる電源として用意しておいて貰うといいと思います。


確かに、防災グッズは年々進化していますよね。
携帯電話の充電など備蓄電源は大切です。
古くなっている防災グッズは新しい製品に買い替えましょう。

新年を迎える前に、ご家庭の備蓄スペースの確保、備蓄品を見直しましょう。




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2020.12.19
08:25 「避難所で心を整えるグッズとは?」


きょうも、先週に引き続き、
国際災害レスキューナースの辻直美さんにお話を伺います。

感染症が発生しやすい被災地で長年活動されてきた辻さん。

いま新型コロナウイルス感染が拡大している中での、
「災害避難所について」いままでとどう違うのか、
そして、どういった物が必要なのかを聞きました。

辻さん:
避難所に対して、感染対策というのは、もともとコロナ以前から行っています。
しかし、
いまはコロナ対策で1番大きなポイントは、避難所の収容人数が縮小されていることです。
100人入っていたところが30人ぐらいになっている。
ということは自分が避難所に行ったからといって入れるとは限りません。
あと、物を人とやりとりはしないことが原則になったので、
自分で持ってきた持ち込みのものだけで生活することになります。
常備薬、眼鏡、コンタクト、入れ歯、
補聴器みたいな自分に合わせて必要なものはこれは救援物資では来ないです。
これだけは絶対自分で用意してください。

このコロナの状況で、避難所の中では、
ソーシャルディスタンスを保つために2m近く離して、
パーテーションを付けて生活することになります。

そうなると、
人と人との会話が生まれず心の距離も離れていきます。
心が孤独になってしまう…。
そんなときに、
避難所に持っていくものとして、
こんなものも大切だと辻さんは話しています。

辻さん:
心を癒すグッズを入れておいてほしいですね。
3秒・3分・30分で心が上がる物を用意してくださいってよく言っています。

3秒っていうのは
嗅覚、香りです。自分の好きなにおいを何か用意してください。

3分は触覚。触れるものです。
お気に入りのタオルだったり、
子供だったら、
好きなぬいぐるみとかおもちゃとかそういう触って落ち着くもの。

30分は、視覚です。
ただスマホを見るというのはバッテリー使っちゃうので、
アナログのもので見て楽しめるものを用意してください。

避難所は、自宅とは違い、気を遣ったり不安が続いたりして
どうしても心が疲れてきます。
心の健康をまもることも、避難所生活では重要です。

辻さん:
災害が起きるということは、
言葉は乱暴ですが本番ですよね発表会みたいなものです。
なのでその発表会までに、どれだけ準備して練習するかだと思うんです。
いまのうち、なにもないうちにいろんなことを練習しておくことが大事。
例えば、きょうは午後からは水は3リットルの水だけですごしてみようとか、
きょうは買い物に行かないでごはん作ってみようとか、
そういうチャレンジを
ちょっとずつ1日とか半日ずつやって、自信をつけてほしいなと思います。

災害時を想像するだけでも、立派な防災対策です。
12月に入ってから感染拡大が止まらない今、
災害が起きたらどう行動するか?備蓄は大丈夫か?
再確認してください。

そんなあなたの強い味方になってくれる本。
辻直美さんの「新型コロナ×防災マニュアル」は
新型コロナウイルス対策やコロナ禍での災害について
わかりやすくまとまっています。

是非、店頭で手に取ってみてください。

防災フロントライン、手島千尋でした。


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2020.12.12
08:25 「日常の中で出来るコロナ対策」


きょうは、
看護師・ナースの中でも、
災害を専門としたナース、
国際災害レスキューナースの辻直美さんにお話を伺います。

感染症が発生しやすい被災地で、
長年活動されてきた辻さんから、
新型コロナウイルスの感染対策方法を教わりましょう。

まず、私たちが案外注意できていないこと、
そしてすぐ変えられるポイントを教えてくれました。

辻さん:
私が一番気を付けてほしいのは、買い物をする前後です。
例えば、
買い物をするときに商品を利き手で手に取ってかごに入れてらっしゃると思うんです。
これって商品にすでにウイルスがついているかもしれません。
誰が触っているかわかりません。

お店の方はもちろん手袋をつけて
商品を触ってらっしゃいますがお客様はわからないですよね。
私は、
クロスドミナース感染法と言って、利き手と反対で物を触るようにしています。

エレベーターのボタンや、押しボタン式の自動ドアなど、
ついつい利き手で触ってしまいがちですが、
少しでもリスクを減らすため、「利き手と逆」を、意識してみてください。

また、
ゆっくり過ごしたいおうちの中だからこそ
気をつけるべきだと辻さんは話しています。

辻さん:
帰ってきて、
まずコートとかジャンパーを着たままリビングに行ってしまうこれも危険です。
玄関にハンガーを置いて帰ってきたらまず玄関で脱いで、裏表にかけるんですよ。
干しておくというよりも、リビングに、入れないということが大事なんです。
玄関は外から帰ってきてすぐの場所なので、汚れているところ「レッドゾーン」と言います。
そこで服を脱いで、洗面所に行って手洗いうがいしますよね。
できればここで着替えもしてほしいんです。
もう外で来てた服には全部付着してると思って部屋着に着替える。
そこからリビングに入ると、リビングは清潔なゾーンっていうふうにしたいんです。

制限されることや気をつけなきゃいけないことが
多い生活になっていますが、
辻さんは、あまり自分を追い込まず、
楽しんで生活することが、なによりも大切だといいます。

辻さん:
こんな常識がガラッと変わるタイミングに生きているということ自体なかなかない体験だと思う。
これ教科書に載るぐらいだと思います。
そこに生きられていることってめっちゃおもろいやんってまず思ってます。
前はこうだったのにああだったのにじゃなくて、
いまこうなったことで、
どうやったら楽にできるか楽しくできるかって言う実験をしているような感覚で毎日生きています。
対策は、いろんなやり方がある中で、
常に自分ができる範囲のことを1つだけやっていってください。
グッド、ベター、ベストの3つの中で、
いま自分ができることをこつこつやることが、感染対策になると思います。

新しい日常に疲れを感じているあなた
発想を変えてみる。
無理せず、できる事を少しづつ実践していきましょう。





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2020.12.05
08:25 「夜地震が起きた時の備えとは?」


地震は、
昼にも夜にも起きる可能性があります。

2016年4月の熊本地震は、
夜9時台に、最大震度7の揺れがあり、
その後も、夜中に地震が相次ぎました。

おととし9月の北海道胆振東部地震は、
夜中の3時台に起きました。

夜の地震は、
明るい昼間に比べて、強い恐怖心を引き起こします。
何も見えない中での揺れと物が壊れる音で、
恐怖を感じて冷静さを失いやすくなります。

そこで、今回は、夜の地震への備えについてお伝えします。

地震による強い揺れでは、停電することがあるため、
夜は、真っ暗闇の状態になるかもしれません。

そのことを踏まえて、まず、「事前にできること」です。

寝室やベッドのそばは、危険の少ないようにしておくことが大切です。
タンスなどの大きな家具は、
地震で転倒するとケガにつながりますので、
寝室には、大きな家具は、できるだけ置かないようにしましょう。
家具を置く場合は、
人が寝ている場所に“倒れてこない”“落ちてこない”
“逃げ道をふさがない”ことを確認した上で、
金具や突っ張り棒などで、固定をして置くようにしましょう。

実際に、普段寝ている場所に寝転んでみて、
揺れで、頭に物が落ちてくる危険がないか
確認してみることをおすすめします。
また、
窓の近くでは寝ないようにして、
どうしても窓が近くにある場合は、
窓にガラス飛散防止フィルムなどを貼って、対策をしておくことも大事です。

次に、「寝室に準備しておくべき物について」です。
夜の地震は、暗い中で起きるため、
寝ているそばに、防災グッズを置いておくことがポイントになります。

大きな地震では、
枕元に置いておいた防災グッズが、飛ばされてしまうこともありますので、
防災グッズを入れた、
袋やかごをベッドにくくりつけたり、枕元に固定して置くと安心です。
袋やかごに、暗闇で光るテープを貼っておけば、暗くても目印になります。

用意しておきたい防災グッズは、懐中電灯、スリッパや運動靴、
ヘルメットや帽子、軍手、助けを呼ぶ笛、携帯電話などです。
地震の後、
部屋の中を歩く時は、
床の上に飛び散った物やガラスが見えにくく足を怪我してしまいます。
そこで、厚めのスリッパや運動靴を用意しておきましょう。

余震で、頭に物が落ちてくる恐れもありますので、
ヘルメットや帽子、なければ、タオルを頭に巻いておくといいです。
また、
倒れた家具や壊れた物を動かしたり、
ゆがんだ扉を開けたりする時に軍手があると便利です。

では、「夜に地震が起きたら」どうすればいいでしょうか。
夜、寝ている時に地震の揺れを感じたら・・・・。
驚いて布団から飛び出てしまうのではなく、
布団の中で枕や布団で頭をおおって守りながら、
揺れがおさまるのを待ってください。

落ちてきたり飛んできたりする物に反応できるよう、
目はしっかりと開けて周囲の状況を見ておくことも大切です。

地震の揺れがおさまったら、
家族のいる方は声を出したり、笛を吹いたりして、
家族の安全を確認してみます。
停電していると、部屋の中は真っ暗になりますので、
懐中電灯で周囲を照らして落ち着いて状況を把握しましょう。

夜、寝ている時に起こる地震は、昼の地震に比べて、
実際の震度より大きく感じる傾向があると言われています。

夜の地震では、パニックにならないように、
落ち着いて、冷静に行動することが大切です。


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2020.11.28
08:25 「オンラインで震災の記憶を学ぼう」


来年の3月11日で東日本大震災から10年となります。

震災の記憶、あなたはどのくらい頭に残っていますか?

今朝は、関東に住んでいる私たちも聞く事ができる、
「災害語り部講話プログラム」についてお伝えします。

この講話プログラムは、
宮城県南三陸町観光協会が開催していて、
震災発生後の翌月から始まりました。

当初は、南三陸町でガイドをされていた被災者が中心でしたが
今では、若い人も語り部として参加しています。

もともとは、
語り部が町内を案内するツアーの中に
講話プログラムが盛り込まれていましたが、
新型コロナウイルスの状況下で参加できる人が限られてしまう為
オンラインの語り部講話プログラムを8月からはじめたそうです。

オンラインであれば、
全国どこでも受ける事ができますもんね。

講話プログラムの内容について、
南三陸町観光協会の内木渡さんに、お話しを伺いました。

内木さん:
オンラインとなりますと、
遠くからご覧になる方が多くなります。
まずは、
地図をもちいまして、街の位置関係から説明しています。
それ以外は、スライドを持ちいて、
震災当時どのような状況であったかとか
このような形で復興してきていますとう事を画像を見せながら解説します。
全員被災体験されていますので、
当時の体験談やそこで得た教訓をお話をしています。

地図で位置情報から説明をしてくれると想像も付きやすいですよね。

震災復興の様子は、
現地に行かないとわからないと思っていましたが、
南三陸町に行けなくても、
被災した状況や復興が進むまでの歩みを写真などで見られるので、
解説を聞きながら理解が深まりますよね。

さて、解説・説明をしてくれる語り部さんは、
みなさん東日本大震災の被災者。
これまで、
被災した経験から防災に対しての知識や教訓を教えてきました。
その中で、
被災した経験から“防災の意識として心掛けてほしい事”について
この様な事を伝えているそうです。

内木さん:
一杯の水を持っているだけでも何日間かの命を繋ぐ事ができます。
どこか移動する際には、必ずペットボトルで水を持っていく
物資の必要性について。
あと、実際に波が来たときには、
遠くに逃げても間に合わなくなってしまうので
高い所に逃げるようにという事を教訓に伝えています。

外出する際は、必ずペットボトル1本バッグにいれる!ですね。
また、こんなお話も・・・・。

内木さん:
今自分の住んでいる家の写真とか
その近所の周辺写真など
なんてことのない日常の写真なんですけれども、
そういったものは
是非撮ったほうがいいですよとお伝えています。


東日本大震災の際、
南三陸町の沿岸部地域の住宅やその他建物は
ほぼ全壊しています。

その後その地域は10数メートル盛り土され、現在は
町の面影すら残っておらず、何がどこにあったかもわかりません。

生活基盤が再建し、
ふとした時に震災前の自分の生まれ育った家や
周辺地域を思い出したくなっても、
津波で写真が流されている為、見る事ができません。
皆さん、
何気ない風景を写真に撮り残さなかったことを
後悔しているそうです。
 
こうした理由から語り部さんたちは
大きな災害が起こる前に、
携帯のデータでも構わないので
手元に見慣れた風景の写真を残すことを進めているという事ですよ。

今日ご紹介した「災害語り部講話プログラム」
所要時間は1時間。
金額は 税込み1万6500円です。
希望日の3日前までに予約が必要です。
参加人数が多い場合は事前に問い合わせをしてみてください。
詳しくは南三陸町観光協会のHP 
電話番号 0226―47−2550です。

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2020.11.21
08:25 「津波避難 〇〇にも注目!」


津波防災の日が制定されているこの
11月は“津波”について考えていきます。

津波で避難する時は、「遠く」よりも「高い」場所に避難。
これが、鉄則です。
例えば、津波避難ビルや高台、近くに高い山があれば
上って避難するなど、もし津波が来たとしたら、
避難する頑丈で高い建物は
あるか?事前に確認しておくことが大切です。
東北大学災害科学国際研究所・所長今村文彦先生は、
安全な高い場所で、
この様な場所にも注目して欲しいと話します

今村先生:
避難する場所、なんですけれども、
山に設置された建立された、神社とかお寺ですね。
こちらに移動された方も少なからずおられます。
神社はですね、建立してから、1000年とか歴史が長いんです。
でその間におそらく、過
去様々な災害を経験して、安全な所に移動しているはずなんです。
東日本大震災も1000年に1度と言われているんですけれども、
その過去のものを参考にして建てられた場所は安全な場所だったわけです。


東日本大震災の後で、神社本庁が行った調査によりますと、
被災地にある数百年以上の歴史を持つ神社、約100社のうち、
直接的な災害を受けたのは2社にとどまっています。
実際に、岩手、宮城、福島の各県で
「神社に避難して助かった」という
という声が数多く聞いたと、今村先生は話します。

また、神社やお寺だけでなく
「石碑」から避難や災害について学ぶ事も
できると話してくださいました。

今村先生:
石碑が置いてある場所っていうのはとても大切で、
多くは例えば津波から逃れた場所であったり、
もうちょっと上に置いてありますので、
そこまでいけば安全だという目安になりますよね。
そういう場所も教えてくれるという事で
大きな役割をもっていると思います。
ただ、
隠れた場所、普段確認できない場所にあるので、
ぜひ地域の皆さんで
探していただくと過去どんな災害があるかっていう事も学べます。

日本の沿岸部は過去の歴史の中で津波被害を受けてきました。
地域の氏神として住民を見守り続けてきた神社は
災害の時の避難所として機能しました。神社は地元の人に身近な
津波防災の知恵を伝えてきたのでね。
沿岸部にお住いの方は、改めて近所の神社を見直してみてくださいね。

最後に、今村先生は、この11月は津波について考えて欲しいと話します。

今村先生:
被害を及ぼす津波っていうのは、めったになくて、
当時の経験とか当時の大切な教訓は薄れがちになってしまいますよね。
11月は津波防災を考える期間だと思っていますので、
津波に備えるって事は、実は他の災害に役立つこともありますし
また、洪水などほかの災害で備えている事は一部津波にも役立つはずなんです。

地震に備える、津波に備える、水害備える、この「備えは」
災害の備えとして繋がっています。
共通する備えや準備は沢山あります。
津波防災の日が制定されている
11月に津波の時の防災について考えて、
それがどの災害の備えと繋がっているかを
考えてみるのも良いですね。







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2020.11.14
08:25 「黒い津波の脅威」


津波防災の日が制定されているこの11月は
“津波”について考えていきます。

津波と聞くと、東日本大震災の光景を思い出す方が
多いのではないでしょうか?
あなたは、
この、東日本大震災の時に確認された“黒い津波”を知っていますか?

今朝は「黒い津波の脅威」についてお伝えします。

東北大学災害科学国際研究所・所長の
今村文彦先生に“黒い津波”について伺いました。

今村先生:
津波というのは、最初の段階では海なので海水なんですね。
ブルーの綺麗な水なんです。
しかしながら、沿岸部に近づいて
特に、都市化した地域に行きますとなんと色が黒くなってしまいます!
この黒い理由が泥とかへどろという事になります。
海水に泥とか重い物質が含まれますので
波自体がとても密度が高く、重くなり粘性と言ってドロドロした形になります。
そうすると、波の力が強くなるんですね

津波のパワーは海水そのものを海底から動かすため、
長年沈殿したヘドロを巻き上げて混ぜてしまうんです。
そして細かい粒子がまざった黒い津波は、
海水よりも、1.3倍から1.5倍の威力になります。
黒い津波であれば、
1メートル位であっても家の壁を壊す力があると言われているんです。
この黒い津波、“人の体”にも影響を及ぼすと今村先生は指摘します。

今村先生:
この黒い津波によって、
引いた後ですね乾燥しますと
泥とか有害物質が
粉塵となって周りに長時間影響するんですね。
マスクであったり、その対応とうのも必要となります。
こういう津波、特に黒い津波の後は
粉塵でくもっている状況もありますので
それを吸い込まない
「津波肺」=肺炎を起こさないことも大切です。

津波が引いたあとも注意が必要なんですね。
今村先生の話の中にあった「津波肺」
この、
津波肺になってしまう原因は大きく分けて2つあると話します。

今村先生:
さきほどいった水が引いて粉塵を吸い込んでしまうと。
それで肺の中で炎症する。
もう一つは、残念ながら津波によって飲み込まれてしまう。
漂流している間にその黒い津波を飲み込んでしまって肺の中に入ってしまう。
そうすると同様に、炎症を起こしてしまう訳です。
これは、東日本大震災の際、実際に報告されているわけです。




東日本大震災の際も、
津波肺に苦しんだ人たちが多くいました。 

黒い津波が発生する恐れのある入り組んだ地形は全国に存在します。
首都直下地震や南海トラフ地震など関東でも大きな地震がおきれば
関東の都市部・港湾地帯や工業地帯などでも発生する可能性があります。

日頃の備えに加えて、知識を蓄えることも防災の備えへと繋がります。
防災フロントライン、手島千尋でした。






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2020.11.07
08:25 11月5日は津波防災の日


防災フロントライン、
TOKYO FM・手島千尋です。
この番組では、
毎週、防災や災害に関する情報をお伝えしています。
11月5日.この日がなんの日かご存じですか?

答えは・・・「津波防災の日」です。

これは、
東日本大震災での大きな津波被害を踏まえて
震災が起きた2011年に法律で制定されたもので、
「津波対策についての理解と関心を深める日」とされています。
そこで今朝は改めて、津波について考えます。

そもそも、
なぜ11月5日は「津波防災の日」となったのか・・・
それは「稲むらの火」という逸話に由来しています。
江戸時代末期
1854年11月5日、安政南海地震が起きました。

この時、
迫りくる津波に気が付いた和歌山の庄屋さんが、
収穫したばかりの自分の田んぼの稲の束に火をつけて、
村人を高台に避難させたそうです。
この話にちなんで、
11月5日が「津波防災の日」となりました。

この津波。

30年以内に70%の確立で
「首都直下地震」「南海トラフ地震」が起きるとされていて、 
関東に住む私たちも津波の脅威にさらされる可能性があります。
日本の津波は、発生から到達時間が早いというのが特徴です。
東北大学 
災害科学国際研究所 所長の 今村文彦先生はこの様に話します。

今村文彦先生:
首都直下とか南海トラフの東京湾はですね、
時間の猶予はあるんですけれども、1時間程度でくる。
場合によっては、
もう少し近い所で起きると
それより短い間で沿岸部に来ると考えられます。

1時間と聞くと、
安全な場所に逃げられる時間がるじゃないか?
と思いませんか?

今村先生はこの様に話しています。

今村文彦先生:
津波の場合は、
短いと数分 長くて1時間程度と猶予はあるんですが、
1時間という時間も長くはないんですね。
避難の準備をしたり、移動方法を考えたり、
どこに安全な場所があるかを確認したりしていると。
実は、猶予的には非常に厳しいんです。
その為、
あらかじめ複数避難できる所を確認しないと
逃げ遅れてしまったり、津波に巻き込まれる可能性があります。

東日本大震災の時も、津波到達まで1時間あった地域でも
多くの方が命を落としました。
1時間という時間は決して長くありません。

最後に、
今村先生に、津波から命を守る為のポイントを伺いました。


今村文彦先生:
,泙困蓮⇒匹譴箸、警報の情報を得る事。
△修両霾鵑鯊圓舛垢ない事。
次に大切なのは、安全な場所を確認して移動を始める。
移動をするのに、原則的は徒歩で避難するわけですが
きちんと事前に確認すれば、自動車という手段もあります。
どういう方法で移動できるのか、これも重要な項目になります
ぐ汰瓦聞眤罎鉾鯑颪垢襦2次、3次避難場所まで考えておく。

津波防災の日が制定されている11月に
地震の備えだけでなく、
津波についても家族で考えてみてくださいね。





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2020.10.31
08:25 見える化する 災害支援システム


今朝は、避難所の混雑状況を瞬時に
“見える化”する災害支援システムについてお伝えします。

このシステムは、クラウドサービスを手掛ける会社
「サイボウズ」と東京・調布市が連携して開発しました。

システムの目玉は「避難所アプリ」。避難所の受付で渡される
QRコードを家族やグループの代表者がスマートフォンで読み取り
何人で避難したかを入力します。
すると、瞬時に避難所の混雑状況が反映され、市のHPに公開されます。
そうする事で、市民は避難所の混雑状況をすぐ知る事ができるのです。
また、
QRコードを導入する事によって、
受付時間の大幅な短縮が期待されています。
このシステムの開発への思いについて、
サイボウズ
災害支援プロジェクトチーム リーダーの
柴田哲史さんはこの様に話してくださいました。

柴田:
去年の台風19号の時に、避難勧告が出てて、
その時に避難所が混雑して入れないでも行列だった。
そういう声をたくさん聞いたのでなんとか改善したいなと。
事前に市のホームページで混雑度がわかれば、
その避難所に行かないとか分散避難のヒントになると思いましたし、
それでなんとかならないかなと思って作ったのがこれです。

避難所内で新型コロナウイルスの感染者が出た場合は
避難者のメールアドレスに
濃厚接触者の可能性を通知する仕組みも加えているという事です。
もともとは、
去年の台風19号がきっかけで開発されたシステムですが、
新型コロナウイルスの収束が見通せない中、
分散避難の際にも役に立つ事が期待されています。

また、
市の対策本部向けの情報共有システムも“見える化”されているのです。

例えば、
各避難所のスタッフや多摩川の近くの消防団員が、
専用のアプリを入れたスマートフォンで本部と
会話をすると自動で音声がテキスト化されます。
また、
現場から送った写真は、対策本部のシステムと連動して
地図上に表示されるという事です。
どこで何が起きているかが瞬時にわかるという仕組みです。
去年の台風の際は、
避難所に市民が殺到している事を市が把握するのに
時間がかかってしまったという経験がありました。

その反省から
「現場で何が起きているのか」パソコン画面を開けば
直ぐにわかるというシステムを構築したそうです。

迅速に情報を共有してもらう事によって、
あなたのもとにも情報がすぐ届く・・・・。
私たちの正しい避難行動や今行動すべき事を決める上で
とても大切な事です。

柴田さんは、
このシステムを「調布モデル」として全国に普及させたい考えです。

柴田:
西日本で被害が出た時に、
東日本にいる職員さんがすぐに助けられるとか、
遠隔でサポートできるとかそういう事ができたらいいなとおもいます。
同じツールをだったり同じシステムを使っていると
遠隔からもできる、基本、お問い合わせ対応でいっぱいになって被災した
人の所に行けないなどの事が発生する。
ボランティアセンター今どうなっている?受付何時?などは、
遠隔で被災していない地域の職員の方もできるので。


すでに調布市では導入され試験的に運用されていますが、
狛江市や全国の自治体も導入を検討しているという事です。






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2020.10.24
08:25 「パパママ東京ぼうさい出前教室」


東京都では、
日ごろから様々な防災に関するセミナーを実施しています。
去年から始まったのが
「パパママ東京ぼうさい出前教室」


日ごろからお付き合いのある
パパ友ママ友グループや子育てサークルなど
0歳児から小学生の保護者の方15人以上で、
Zoomを使ったオンライン形式で実施されます。
もちろん、お子さんとの参加もOKです。

親子の防災に詳しい専門家が講師を務め、
子供がいるからこそ必要な知識や備えを学べるよう、
年齢や住んでいる地域など
グループの特徴に合わせた内容で行われます。

このセミナーでも講師を務める
NPO法人ママプラグの冨川万美さんに
「親子の防災」について、ポイントを伺いました。

富川さん:
物の備えに関しては、
インターネットのリストをうのみにするのではなくて、
我が家に必要な、“赤ちゃんの為”
“お母さんのため”のっていうものを探すのがいいかと思います。
お母さんは、基本的に
お出かけする時「ママバッグ」を持ってらっしゃると思うので、
大体そのママバッグの中に必要なアイテム
おむつだったりお着換えだったりとか
食べ物飲み物っていうのも入っていると思うので、
それが「最強の防災バッグ」だよとお伝えしています。

あなたや家族にとって
本当に必要な備えが大切だと冨川さんは話します。
日ごろから使うものを、
少し多めに買い置きしておくことも立派な防災です。

また、「子供を連れての避難」について、
冨川さんはこう話しています。

富川さん:
難所生活っていうのは、
お子さん連れだとほんとに難しいものなので、
在宅避難ができるのであれば、在宅が一番望ましいんです。
ただ、そこの場所が
倒壊の危険地域、火災、土砂災害の危険地域であったりする場合は、
そこにずっといられないっていうケースも出てきます。
自分の住んでいる地域によって判断のケースが異なるかなと思います。
ですので、事前にハザードマップを見ていただいて、
自分のご自宅の場所が
どのような危険があるのかをあらかじめ知っていただく。
危険がある場合には、
速やかに避難できる体制を取る事がすごく大事になってくると思います。

子供のことをよく見て、理解している親御さんだからこそ、
本当に自分たちに必要な備えができるはずです。

「防災」と聞くと
何から始めていいかわからない、
必要とはわかっているけどなかなか動けていないという方も、
毎日の生活の中で簡単にできることはたくさんあります。

街を歩くときに、
高台に行くにはこのルートにしよう、
ここが避難所だなど
意識をして生活することから始めてみてはいかがでしょうか。

東京都主催の「パパママぼうさい出前教室」
参加費は無料です。
予約は随時受け付けているという事です。

詳しくは、
東京都の防災HPまたは東京都防災Twitterをご覧ください。



ご家庭の防災対策を見直すきっかけづくり、
身近で簡単にできることから、始めてみましょう。




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