2021.03.06
08:25 「東日本大震災から10年被災地の歩み 気仙沼市」


防災FRONTLINEでは、
地震などの災害が起きた時に、
皆さんに役立つ情報を分かりやすくお届けしています。

来週の3月11日で東日本大震災から10年となりますね。

そこで、今日は、被災地の復興の歩み、
そして、町の現状と課題について、市長の声と共にお伝えしていきます。
きょうは、被災地の1つ、宮城県気仙沼市のお話しです。

気仙沼市は、
宮城県の北東の端に位置していて、太平洋に面している街です。

東日本大震災で大きな被害を受け
亡くなった方は、1043人、行方不明の方が214人、
震災関連死は109人に上り、
当時の人口、7万4千人のうち、1.8%の方が亡くなりました。
津波によって、市の4割の家、2万6124棟が被害を受け、
市の事業所の8割も被災し、市の誰もが津波の影響を受けました。

大きな被害を受けた気仙沼市は、震災後、津波死ゼロを掲げた防災事業や、
住宅の移転再建、港町、水産の町としての街づくりの事業などを
進めています。

気仙沼市には、漁業や魚市場、水産加工場、そして船を造る造船所など、
水産関連の産業が盛んです。
その特徴を活かして、こんな町を目指すと、
気仙沼市の菅原茂市長は語っていました。

菅原市長
世界に羽ばたく産業の街、日本で一番住みたい街というものを
将来像に掲げた所です。
津波と我々は付き合っていくと言うと恐れ多い話ですが
自然との共生がこの街としては基本になると思います。
続いて、都会の真似はしない、ミニ東京、ミニ仙台、目指さない。
一言で言うと、「世界の港町」と表現をさせていただきました。


世界とつながる豊かなローカルを目指して復興に取り組む気仙沼市ですが、
菅原市長は、「東日本大震災から10年を前に、今、伝えたいことについて」、
こう話していました。

菅原市長
よく、アンケートに「風化」していると思いますか?
という質問があります。私は、その事について、ずーとピンとこないんです。
残念ながら風化はしていくんです。
その事を、我々の口から「被災地を忘れないで」っていう姿勢は必ずしも
適切ではないと思います。
私たちが発信する事は沢山あると思っています。災害の怖さ。
例えば、震災以降伝承館が作られています。
そういった所からきちっと発信をしていく、その努力が大切だと思います。
また、復興の姿については、何について苦しんで、何について失敗し、
成功したかという事を発信していくという事が私達に求められているます。
風化がどうのという所の話ではないというお話しはこれまでもしてきました。


被災地が自ら
復興の姿を伝える努力が大事と、菅原市長は語ってました。
私達は、被災地の復興への取り組みや、被災地が伝える災害・防災について、
震災から10年を迎える今、知っていくことが大切だと感じます。

音声ファイルはこちら


2021.02.27
08:25 「2月13日の地震から“津波”について考えよう!」


来月の3月11日で東日本大震災から10年を迎えます。
そんな中、今月13日(土)には、

東日本大震災の余震とみられるマグニチュード7.3の地震が発生しました。

震災の記憶がよみがえった方もいらっしゃったのではないでしょうか?
政府の地震調査委委員会は、
長く見て“今後10年は余震に注意をして欲しい”と指摘しています。

地震が起きた時に真っ先に頭をよぎるのが
“津波が来るかどうか?”ですよね。

政府の地震調査委員会委員長で、防災科学技術研究所の平田直先生は、
今月13日の地震でも
“大きな津波”になった可能性があるといいます。

平田直先生:
浅いところで発生した地震であれば、
大きな津波が発生した可能性はあったわけです。
ギリギリの所だったっていう風に考えています。
津波がくるかどうかっていう事は、
これは、えっと気象庁がリアルタイムで
監視をしているので、かなり正確に予測できます。
地震が起きる事は予測できませんが、
地震が起きた後に
「津波が起きるのか、起きないのか」っていう事は分かります。
気象庁の情報に基づいてその情報に基づいて、
気象庁が津波が発生すると言ったらば、
これはやっぱり安全な所に避難する。
気象庁が大丈夫だと言えばまず大丈夫だと思います。

今回の地震で、宮城県石巻港では、最大20センチの海面変動を観測、
仙台市の港や福島県南相馬市では、
それぞれ10センチの海面変動を観測しています。
関東に住む私たちは、東日本大震災の余震による津波に注意すると共に、
首都直下地震と南海トラフ地震が起きた時の“津波”にも
注意しなければなりません。

東北大学・災害科学国際研究所の今村文彦教授にお話しを伺いました。

今村先生:
首都直下とか南海トラフの東京湾はですね、1時間程度でくる・・・
場合によっては、近い所で起きると、
それより短い間で沿岸部に来ると考えられます。
1時間という時間も実は長くはないんですよね。
避難の準備をしたり、移動方法を考えたり、
どこに安全な場所がるかを見ますと、実は猶予的には非常に厳しい。
あらかじめ、複数避難できるという所を確認しないと、
やはり猶予が、他の地域と比べてあると言っても厳しいですね。

その為、日頃の防災の意識が大切になってきます。
特に沿岸部にお住いの方は、津波がきた事を想定して、
複数の避難場所を頭の中に入れておく事は
命をまもる為に非常に大切な事です。

「津波ハザードマップ」をご存じですか?

津波ハザードマップとは、
津波被害が想定される区域と被害想定は地図に示されています。

この地図には避難場所や避難経路の災害情報も載っています。
また、高台や避難場所に逃げる事が難しい場合は、
「津波避難ビル」に逃げるという事も1つの方法です。

耐震性や何階建ての建物かなど一定の基準を満たしたビルやホテル、
マンションなどを国が津波避難ビルとして指定しています。

あなたの街の
「津波ハザードマップ」そして津波避難ビルがどこにあるのか?
あらかじめ、複数の避難場所を確認しておきましょう。


音声ファイルはこちら


2021.02.20
08:25 「東日本大震災の余震 今後10年間は注意!」


先週13日(土)、福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の地震が
起きました。関東でも、震度4を観測した地域があり、
都心や関東に住む私たちも身体に揺れを感じましたよね。

長く揺れた・・・怖い、
そして、東日本大震災の揺れを思い出した・・・という方も
いらっしゃるのではないでしょうか?
この地震は、
まもなく10年を向かえる、日本大震災の余震と考えられています。

政府の地震調査委員会委員長 平田直先生はこう説明します。

平田先生:
全世界でこれまでに、
観測されたマグニチュード9以上の地震は、
5回しか知られていないんですね。
東北の地震は4番目に大きい地震と言ってもいいんですが、
この様に非常に大きい地震は、非常に広い範囲に影響を及ぼします。
同時に時間的にも長い時間影響を及ぼしています。
東北の地震は非常に大きかったので、10年経っても
大きい余震を発生される能力があって、
今の状態は実は、地震直後に比べると、
余震の数は減っているんですが、まだ多いので、
ちょっと長めに言えば、
10年ぐらいは気を付けた方がいいなと思っています。

気象庁によると、
東日本大震災の余震とみられる、震度1以上の地震は
今月11日までに1万4590回にのぼることが分かっています。
余震のうち、震度5弱よりもおおきかった地震は80回。
去年の3月11日以降で最大震度5弱の余震は4回起きています。

さて、今回の地震は夜遅くに起きました。
ベッドの中にいてびっくりして起きたという方も
いたのではないしょうか?
平田先生は、地震が夜に起きた場合の行動についてこう話します.





平田先生:
特に夜は、真っ暗になりますから、
慌てて廊下に出たり、外にでるという事は非常に危険です。
最初の3分間はとにかく、じっとして、物が上から落ちて
きても大丈夫な様に身をかがめて安全を確保するという事が大事です。
しばらくすると、揺れは一旦収まります。
その時にきちんとどうするか判断しなければいけません。
もし、耐震化されていない、家に住んでいる方は、
最初の地震で倒れなくても、
次の強い揺れで倒れてしまうかもしれませんので、
それは、いち早く外に出なければ行けないんですね。
新しい家は、今回の地震は、最大で震度6強ですけれども、
そういうものがあってもすぐに倒れませんから、
むしろ、家が倒れるよりは、家具が転倒してきて、怪我をする。
慌てて、階段から
落ちてしまったという事がない様にする事が大事だなと思ってます。

夜の地震では、パニックにならないように、
落ち着いて、冷静に行動することが大切です。

平田先生のお話しの中にもありましたが、
夜、寝ている時に地震の揺れを感じたら・・・・。
布団の中で枕や布団で頭をおおって守りながら、
揺れがおさまるのを待ちましょう。

また、寝室には、大きな家具は、
できるだけ置かないようにしてください。

夜の地震は、暗い中で起きる為、
寝ているそばに、防災グッズを置いておくことがポイントになります。
用意しておきたい防災グッズは、懐中電灯、スリッパや運動靴、
ヘルメットや帽子、軍手、助けを呼ぶ笛、携帯電話などです。

夜、寝ている時に起こる地震は、昼の地震に比べて、
実際の震度より大きく感じる傾向があると言われています。
いつ大きな地震がくるか分かりません。

改めて、
家族で地震が起きた時の行動や防災グッズはそろっているか
確認してくださいね。



音声ファイルはこちら


2021.02.13
08:25 「職場で地震が起きたら?〜災害対策を考える〜」


いつ起こるかわからない、地震などの大規模災害。
あなたは「職場での災害対策」、行っていますか?

きょうは、
勤務先で被災したときの問題と対策」についてお伝えします。
防災コンサルティング会社
「サイエンスクラフト」の
代表取締役社長、竹本加良子さんにお話しを伺いました。

サイエンスクラフトは、
企業に対し、
災害時など不足な事態に備えるための「事業継続計画」を手掛けています。

まず、
勤務中に災害が起きると、どういうことが考えられるのでしょうか。

竹本さん:
建物が倒壊したり、
それ以外にも液状化の危険の高い地域では
段差ができたりマンホールが飛び出したりします。
道を歩いているとブロック塀が倒れてきたりだとか
自動販売機が転倒したりだとかそういったことが考えられます。
室内を見てみると、
オフィス家具が転倒したりとか、
オフィスビルの場合、エレベーターが停止して
閉じ込められてしまうといったことも考えられます。

一口に「勤務中」といっても、
オフィスにいたり、外だったり、
在宅勤務中、出張中など
いろいろなパターンが考えられますよね。

東京都では、
東日本大震災を機に「帰宅困難者対策条例」を定めています。
この帰宅困難者対策条例は、
事業者に対し、大規模災害が発生して、
鉄道などの公共交通機関が使えなくなった時、
社員を帰宅させるのではなく、
事業所などの施設内に留めることなどを求めています。

そのため、3日間分の水や食料、
寝泊まりさせるための毛布などの備蓄を
しておかなければいけないなどとされています。

会社の対応を把握しておくことも重要ですね。
会社だけでなく私たちが備える事も大切です。
私たちができる事について竹本さんに伺いました。

竹本さん:
あなたの職場が何かあったときに、
どれだけ浸水しますかっていうのをハザードマップを見て
確認しているかどうかを確認する事、
オフィスビルが耐震化されているかどうかを
把握しておく事は大事ですよね。
あとは、むやみに帰宅しなくてもいいように、
家族と連絡が取れるようなルールを決めておくとか。
会社に留まるときに、何が必要かっていうのも、
会社が配布してくれるわけではないので、
机の引き出しの中に入れておくだとか、
そういうような対策もいいかなと思います。

コンタクトや自分が飲んでいる薬、
場合によっては替えの下着なども必要になるかもしれません。
また、
こんなところにも、問題があると竹本さんはいいます。

竹本さん:
防災って日常の業務じゃないんですよね。
直接的に儲かる話ではなくて、なかなか進めがたいんですけど、
いざというときに、社員の命を守れるだとか、
自分たちのすごく大事な事業を
お客様に迷惑をかけないように続けていくための
対策を進める事は重要です。
それは、
経営者側がどういう意識を持つかによるかなと思いますし、
社員の皆さんから声を上げていくことも大事かなと思います。

竹本さんが講師として参加している東京都の「防災ウーマンセミナー」
無料でオンデマンドの動画を視聴でき、気軽に参加できるものです。
より詳しく、防災について学ぶことができます。
詳しくは東京都の防災HPまで。











音声ファイルはこちら


2021.02.06
08:25 女性の視点で防災を学ぼう!


東京都では、
日ごろから様々な防災に関するセミナーを実施しています。
現在参加者を募集しているのが
「防災ウーマンセミナー」です。
女性の視点から、防災知識が学べます。
オンデマンドで
動画を無料で視聴でき、気軽に参加できるものです。
来月12日まで、参加を受け付けています。
ぜひ東京都の防災HPをチェックしてみてください。

きょうはこのセミナーでも講師を務める
減災と男女共同参画研修推進センター共同代表
浅野幸子さんに
「女性が防災を学ぶ重要性」について伺いました。

浅野さん:
女性の場合には、
家族のケアやケア責任を持っているケースも多いですよね。
例えば子育てや介護などです。

大災害の場合には、
女性の負担がとても大きくなる可能性があるというのが
とても高いということです。
女性たちが、何に困っていて、
どんな支援を必要としているのか
支援する側が把握する必要があります。

ところが、
そうした女性たちの声というのが、
災害時になかなか表に出にくいという現実があります。


先週の防災FRONTLINEでも
避難所運営などではどうしても男性が中心となることが多く、
女性が声を上げにくい環境が考えられるということをお伝えしました。

普段の生活で
家族のケアをおこなっているのは女性が多いと言われています。
いざというときにどうするのか、
防災の知識を学び、
いまのうちに家族で話し合っておくことが必要です。

また浅野さんは、
災害の時は、地震などの災害そのものもそうですが、
そのあとに起こる複合的な二次災害を少なくすることが大切だといいます。

浅野さん:
女性たちの声がちゃんと表に出てこないと、
子供、高齢者、障害がある方、
病気の方のケアを受けている人にも
支援が届かないっていうことになってしまいます。
被災者全体の支援の質が落ちてしまい
そのことで心身の健康を崩してしまうのです。
最悪の場合は、
災害関連死という形で
避難生活中に健康問題で命を落としてしまうケースもあります。
阪神淡路大震災のときも900人以上の人が、
災害関連死で亡くなっています。
災害の起こった直後は生き延びたのに
避難生活で亡くなった人が900人以上いるわけです。
これは東日本大震災でも、
3700人ぐらいが災害関連死として認定されています。

こういった現実を考えると、
女性が意見を言えたり、
リーダーシップを発揮できる環境を作ることは、
女性だけではなく、被災者全員のためになるんですね。

いま新型コロナウイルスとの闘いも続いている中で、
大きな災害が起こったら、さらに厳しい環境が想定されます。

自分の身を守るため、家族を守るため、
みんなで協力して生きるために、
定期的に防災や減災について考える時間をとっていきましょう。

浅野さんが講師として参加する
「防災ウーマンセミナー」
オンデマンドで動画を無料で視聴でき、気軽に参加できるものです。
来月12日まで、参加を受け付けています。
ぜひ東京都の防災HPをチェックしてみてください。




音声ファイルはこちら


2021.01.30
08:25 「防災ウーマンセミナー〜コロナ禍での避難所〜」」


新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない今、
もし大きな地震が起こったら…。
避難所に行くことになったら…。
あなたは十分な対策や備え、行っていますか?

きょうは、
災害支援として被災者のサポートなどを行っている
ボランティア・市民活動学習支援センターいたばし・副理事長
神元幸津江さんに
「コロナ禍での防災、避難生活」についてお話を伺いました。

いま、
もし災害が起きて避難所生活を送ることになると、
どういうことが考えられるのか聞きました。

神元さん:
避難所ではこれまでにも
感染症とかっていうのはすごく懸念されていたんですけど、
さらに、コロナで
それが顕著に出ているっていう点では、
避難所に入れる人たちが少なくなってしまう。
制限が設けられるっていうところであったりとか、
いろんな人たちが、出たり入ったりっていうのを避けるので
支援できる人たちっていうのも減ってしまいます。

自分たちが取り残されてしまったり、
問題があっても、
それを解決する人が少ないっていう状況であるっていうのが
大きな違いかなと思います。

新型コロナウイルスが蔓延する中での
避難所生活は、これまで以上に
私たち一人ひとりの力が重要になってきます。
マスクやアルコール消毒液は、日ごろから多めに買っておき、
防災グッズに追加しておきましょう。

また、
神元さんは、避難所運営に関して、
こんな問題が考えられるとおっしゃっていました。

神元:
運営側は男性が多いんですね。
なので、女性の下着とかサイズとか生理用品っていうものも、
いくつ、どれだけあげればいいのかっていうのも全然わかってなくて、
運営側にも女性が入っていって、やらないとなかなか声があげにくい。
よく言われるのは洗濯物の干場であったりとか、
若い女性がいるときに、盗撮みたいなことがあったりとか、
トイレとか外に行ったときに、
暗い中をやると安全面で危ないところがあったり。
それは女性に限らず子供っていうところも出てくると思うんですけど、
そうした女性ならではの気を付ける事、
言いやすい環境をつくるっていうことが
すごく必要なんじゃないかなと思います。


避難所の中での環境づくり、なかなか難しいですが、重要なことです。
神元さんは、男性はもちろん、女性が
よりよい避難所運営のために声をあげていくことが必要だと
おっしゃっていました。

自分や家族を守るために、
そしていざというときに
困っている人を助けられるような知識を持っておくと安心ですよね。

ここでお知らせです。
東京都で、
現在参加者を募集しているのが「防災ウーマンセミナー」です。
「災害時に避難所や職場で起こることを女性の視点から学ぶ」
をテーマに、開催します。
来月19日(金)から3月19日(金)までの
オンデマンドの動画配信で、
好きな時間や場所で見ることが可能です。

3月12日(金)まで受け付けていて、受講は無料です。
神元さんもこのセミナーの講師となっています。
詳しくは、東京都の防災HPをご覧ください。

いざというときに使える知識を日々蓄えていきましょう。




音声ファイルはこちら


2021.01.23
08:25 首都直下地震による火災〜東京都の取り組み〜


今朝は
“首都直下地震による火災〜東京都の取り組み〜”
についてお伝えします。
首都直下地震が
冬の夕方、風が強い時に起きると、
全壊または焼失する建物が61万棟に上り、
このうち火災で焼失するのはおよそ41万2000棟。
死者は、
2万3000人にのぼり、
その7割にあたるおよそ、
1万6000人は火災が原因で亡くなると言われています。

首都圏で首都直下地震が起きた時に、
一番被害を受ける地域について防災科学技術研究所・参与
平田直先生に解説していただきました。
  
平田直:
都内のちょうど、
山手線の外側で環七の内側に環状2っていうか
リング状に被害が広がっているっていう所があります。
これは、けして江東区だけではなくて、渋谷だとか杉並だとか
そういうところも広がっているんですね。
何故、山手線の外側で
環七の内側に被害が広がるかと言うと、
そこには、いわゆる木造密集地域というのがあるわけです。
(首都圏の)木造住宅が密集している地域は沢山あって
一旦火災がでると、
あちこちで同時に多発するっていう風に考えられているので、
その時には現在の消防能力を超えると考えられています。
一旦火災が起きてしまうと、
だいたい延焼が2日ぐらい続くと考えられているので、
影響が一番大きいですね。

平田先生のお話の中にあった、
木造住宅が密集する“木密地域”
戦後から高度経済成長期にかけて、
道路や公園などの都市基盤が十分に
整備されないまま発展し、老朽化した家屋が軒を連ねています。
火災を最小限に抑える事が大きなカギとなっている
「首都直下地震」
平田先生は、
東京都では平成8年からこの様な計画を進めていると言います。

平田直先生:
平成28年に改定した
「防災都市作り推進計画」というのを持っていて
それによると28の地域を整備地区というのに指定しています。

そこの地域には、
木造住宅が密集している地域で、
耐震化したり不燃化したりする必要がるとう事を
都として認めて、その地域の中にある、
住宅に対しては耐震診断や耐震補強の補助金を出す、
補助金は、
実際には区から出るんですけれども、そういう地域を指定しています。
整備地区っていうのは、
23区の面積の1割人口の2割の人がここに住んでいて、
これが被害の61万棟のもっとも大きな要素になっているわけです。

そのほかにも、東京都では、
「木密地域不燃化10年プロジェクト」に力を入れています。
“燃え広がらない・燃えないまちづくり”を合言葉に、
都内の木密地域のうち、
53地区を不燃化特区に指定し取り組みを進めています。
消防や救援活動が行える幅6メートル以上の広い道路や広い公園、
火災に強い建物を増やしていく取り組みも行われています。

想定では、火災に強い街づくりや建物を耐震化して
火災対策を徹底すれば死者は10分の1の2300人に
減らせると対策の効果も示されています。

“首都直下地震による火災
〜東京都の取り組み〜”についてお伝えしました。

音声ファイルはこちら


2021.01.16
08:25 「あすで阪神淡路大震災から26年」


あすで、阪神淡路大震災が発生して26年となります。
1月17日5時46分 
兵庫県淡路島北部沖を震源とする
マグニチュード7.3の地震が発生しました。

強い揺れや火災で全半壊した住宅は、およそ25万棟。
死者は6435人、負傷者は、およそ4万4千人に達しました。
私は、当時小学生でしたが
高速道路が横倒しになっていたり
火の手が上がっている映像を見て、
衝撃で言葉も出なかった事を覚えています。

日本に住んでいる以上、
私たちは多地震と付き合って行かなければいけません。
防災科学技術研究所・参与
平田直先生にお話しを伺いました。

平田先生:
地震というのは、地下の岩石に強い力が加わって
岩石の弱い部分がずれる様に破壊されるっていうそういう自然現象です。

岩石が破壊されると、周りに強い力を加えるので、
地表が強く揺れて耐震性の低い建物が壊れたりとか、
社会に大きな影響を及ぼします。
小さい人が感じない地震を含めると
1年間に数十万回地震が起きているんですね。
気象庁は、24時間365日観測をして、
10万回とか20万回、
日本列島とその周辺で地震が起きている事を観測しているんですよ。

一年間に数十万回の地震が起きているんですね。
首都圏に住んでいる私たちも
震度7クラスの地震=首都直下地震が、
30年以内に70%の確立で起きると言われています。

この“首都圏”とはどこからどこまでの事なのでしょうか?
再び、平田先生のお話しです。


平田先生:
首都圏って言っているのはですね、
茨城県の霞ケ浦位が北で、
南が房総半島の南端で東側が千葉県の銚子、
西は小田原位の、南北150キロくらいの広い範囲で
マグニチュード7くらいの地震が起きるっていう事が評価されている。
今の地震学では、
都心とか都内とかで起きる地震の確立というのは、評価されていない。
確率がまとまっていない状況です。

私たちは首都圏のどこかで、
神戸や熊本で起きたような地震が、
100年に5回ぐらいは起きる、
それは、30年に換算すると70%の確立に
なるんですよっていう事が分かっているんですね。

都心部で地震が起きる確率はまとまってないんですね。
もし、首都直下地震が
関東南部で起きた場合の被害想定を平田先生に伺いました。

平田先生:
都心南部直下で、
熊本地震や阪神淡路大震災を起こした、
マグニチュード7クラスの地震が起きると
最大で死者は2万3000人になるという風に言われています。
このうちの7割は火災で犠牲になると言われているわけです。
もちろん建物の倒壊で
下敷きになってなくなる方も6400人と考えられていますから、
これは、
ちょうど、1995年の阪神淡路大震災の時の犠牲者の数とほぼ同じです。
建物の倒壊の死者が少ないという事はないんですけれども、
それと同時に火災による被害が大きいと言われているわけです。

地震後、
火災を発生させない為に、
揺れが収まったら、電気機器類のスイッチを切り、プラグを抜きましょう。
ガス機器を使用していた場合は、火を消してガス栓も閉めてください。
家から離れて避難する際は必ずブレーカーを切ってから外にでてください。

また、あす、TOKYO FMでは、『防災ONE DAY』と題して
サンデーナビの中で、
“地震が起きた時に役立つ防災情報”をお届けしていきます。
是非お聞きください♪

音声ファイルはこちら


2021.01.09
08:25 「ローリングストック 一工夫」


防災FRONTLINEでは、地震などの災害が起きた時に
皆さんに役立つ情報を分かりやすくお届けしていきます。

あなたは、年末年始に防災の備蓄について見直しましたか?
忘れていたら、備蓄品は足りているのか?チェックしてくださいね。
そして備蓄の方法も大切ですよね。
今朝は、今注目されている
“ローリングストック”をする際の一工夫をご紹介します。
ローリングストックとは、
普段から少し多めに食材や加工品を買って、使ったら使った分だけ
新しく買い足していく事で、
常に一定の食料を家に備蓄しておく方法の事です。

主婦の視点で防災の知識を教えている、
防災アドバイザーの岡部梨恵子さんに
ローリングストックをする際のポイントを聞きました。
ついつい買ってきて空いている場所に入れてしまいがちですが、
1箇所にまとめた方が賞味期限の管理もしやすいので上手くいきます。

次に食材についてです。
災害の際、手に入らなくなるものとして、“
果物”“野菜”“乳製品”“お肉”
などがあります。缶詰めやパウチに入った果物と野菜ジュース、
そして、常温の乳製品を購入すると便利です。
お肉については、冷蔵庫・冷凍庫を上手く活用して欲しいと話します。

冷蔵庫・冷凍庫は保冷剤を入れておけば、
クーラーボックスの役目をはたしてくれるんですね。日ごろから、
スーパーで貰った保冷剤を冷凍庫の中などに入れておくという事が大切ですね。

最後に岡部さんは、
ローリングストックをする際は、
家族の為にも“栄養”について
考えながら食材を選ぶ事が大切だと話します。





音声ファイルはこちら


2021.01.02
08:25 「お正月は、家族でパッククッキングに挑戦!」


あけましておめでとうございます。
今年も、防災FRONTLINEでは、地震などの災害が起きた時に
皆さんに役立つ情報を分かりやすくお届けしていきます。

2021年、1回目の放送は、お正月、家族で挑戦してもらいたい
“パッククッキング”についてお伝えします。

パッククッキングとは?どんな調理方法なのでしょうか?
主婦の視点で防災の知識を教えている、
防災アドバイザーの
岡部梨恵子さんに教えていただきました。


被災した時も、
カセットコンロとお鍋、お水、ポリ袋の備えがあれば
温かい料理を簡単に作る事ができます。

まずは、パッククッキングの基本、
“ごはんの炊き方”について岡部さん教えてもらいましょう。



ごはんと、おかずが同時に作れるんですね!
改めてお米の炊き方を確認しましょう!

まず、お米、0.5合とお水120ミリリットルをポリ袋に入れて、
30分ほど浸水させます。
30分経ったら、水の入ったラインを指で押さえて、空気を抜きます。
空気が抜けたら、
お鍋のお湯がポリ袋に入ってこない様にするため、袋の一番上を固く結びます。
結び終わったら、お鍋に6分目ぐらいまで張ったお水を沸騰させて、弱火にします。
そして、お鍋にポリ袋を入れて30分ほどボイルします。
30分経ったら、お鍋からポリ袋を取り出して火を止めます。
最後に、器にポリ袋を入れて結び目を切ると、ふっくらごはんの完成です!

その他にもパッククッキングは、蒸しパンや蒸し焼きそばなど、
いろいろな料理を作る事ができます。
インターネットで“ポリ袋調理”または“パッククッキング”と検索してみてください。

岡部さんは、日頃から家族で作る習慣をつけて欲しいと話します。


日頃から取り組むことが大切ですよね。
お正月を使って家族で
パッククッキングに挑戦してみてください。


音声ファイルはこちら


最近の記事
2024年06月29日 放送
熱中症に注意!
2024年06月22日 放送
アート×防災「備絵」
2024年06月15日 放送
輪島の漁港復旧・復興について
2024年06月08日 放送
家の耐震基準 知ってほしい事
2024年06月01日 放送
線状降水帯の事前予測について
■2024年 ON AIR
3月11日(月) TOKYO FM 防災FRONT LINE 1DAY~震度7・東京で起きたら、命をどう守りますか?~
過去の防災関連番組
■2023年 ON AIR
9月1日(金) TOKYO FM 防災の日スペシャル 関東大震災から100年
■2022年 ON AIR
10年ぶり首都直下地震被害想定改定 ~プロテクトマイセルフ~
■2022年 ON AIR
PROTECT MYSELF ~都市生活の自助と共助~
■2021年 ON AIR
首都圏に線状降水帯が滞留したら 水災害に備える 首都圏ノウハウ
■2020年 ON AIR
TOKYO FM 防災の日 1DAYスペシャル 大災害、その時に… 命を守る防災アクション
■2019年 ON AIR
防災とボランティアの日 特別プログラム 東京BLACKOUT 〜大停電、そのとき
■2018年 ON AIR
TOKYO FM 防災とボランティアの日 特別プログラム 防災LIFE HACK! 〜目の前の命を救うウラワザ
防災の日ワンデー企画 防災 ONE ACTION!
■2017年 ON AIR
防災の日 TOKYO FM 1DAY PROGRAM WATER DAMAGE 〜豪雨、そのとき
防災とボランティアの日 特別企画 ESCAPE FROM LEVEL X ~巨大立体都市を生き延びる~
■2016年 ON AIR
PROTECT MYSELF
■2015年 ON AIR
DIGEST
IN THE CRISIS
■2014年 ON AIR
LOVE & HOPE
防災ONE DAY
■2013年 ON AIR
防災ONE ACTION
防災ONE DAY
■2012年 ON AIR
PROTECT YOURSELF
■2011年 ON AIR
SAVE THE LIFE
■2010年 ON AIR
WALK
IN THE CHAOS
防災ONE TOPIC
■2009年 ON AIR
IN THE CHAOS
防災ONE TOPIC
■2008年 ON AIR
THE MOMENT
AGAINST THE EARTHQUAKE