2021.08.14
08:25 コロナ禍でのペットとの避難


突然ですが、ペットを飼っている皆さんは、
もし災害が起きたらどのようにペットと避難するか決めていますか?

災害が起きて避難する場合、環境省ではペットが飼い主とはぐれないよう
原則として一緒に避難する「同行避難」をガイドラインで示しています。

しかし、新型コロナウイルスの流行で、避難所での密集を避ける中、
避難所にペットを連れて行っていいのかという不安がありますよね。
そこできょうは、コロナ禍におけるペットとの避難について考えます。

コロナ禍でペットと一緒に避難するポイントについて
NPO法人・人と動物の共生センター理事長で獣医師の
奥田順之さんにお話を聞きました。   


奥田さん:
ペットと一緒に避難することに関しても、人も密を避けている中ですから、
ペットも必ずしも避難所に避難するということを考えない方がいいのかなと思います。
例えば、友人の家に身を寄せるとか、親戚の家に行くとかですね。
あるいは、ペットと一緒に泊まれるホテルみたいな所に避難するなど様々な選択肢があります。
そうした選択肢を広げておく、そして密にならないような
避難の方法を考えていくのが大切なことだと思います。


動物たちも私たちがコロナ禍で呼びかけられている分散避難と同じなんですね。

避難所にペットと避難する際には注意が必要です。
飼い主とペットが一緒に避難する「同行避難」が原則ですが、
すべての避難所が飼い主とペットが同じ空間で生活ができる「同伴避難」とは限りません。
避難所ごとにルールが異なるので、ペットと一緒に避難所で過ごせるのか
事前に住んでいる自治体に確認をしておきましょう。

また、もし避難所に避難する場合に備えて、ペットと一緒にできることがあります。


奥田さん:
避難所でどう過ごすかというとキャリーやクレートの中にいるのがベースになります。
だからクレートやキャリーの中に落ち着いて過ごすことができるかどうかということになってきます。
そうなると入ったことない子がそこに入って、落ち着いてられるかというと、できないわけです。
クレートやキャリーに入って中で落ち着いていられる。そういった練習は避難の前に準備をする、
しっかりと繰り返し練習をすることが何より必要ですね。


奥田さんが教えて下さったこと以外にも日ごろからできることはあります。
自治体が主催するペットと一緒に参加が可能な避難訓練に参加してみる、
避難所で他人やほかの動物を怖がったり攻撃的になったりしないように慣らしておく、
飼い主が分かるように連絡先を書いた迷子札を首輪に着ける
ということが日ごろからの備えとしてできます。


ペットの命を守れるのは飼い主のあなたです。



音声ファイルはこちら


2021.07.17
08:25 ゲリラ豪雨の時、車を運転していたら?


連日、各地で大雨に関する情報や災害発生について伝えられていますね。

この時期の大雨は雨が降る地域や雨量、
雨が強まる時間帯の予測が特に難しいくどこで降ってもおかしくありません。

そして、
この時期から夏本番にかけて注意したい気象現象の1つが、
「ゲリラ豪雨」です。

ウエザーニューズが発表した
「ゲリラ豪雨 傾向2021」によりますと、
今月から9月のゲリラ豪雨は、
全国でおよそ7500回発生する予想で、
去年よりも、1.2倍増える可能性があるという事です。

地域別では、
東京・1200回、千葉・900回、埼玉、800回、
神奈川、500回となっていて
関東南部では、平年並みの回数となる予想です。

さて、このゲリラ豪雨は、
突発的かつ局地的に激しい雨や落雷をもたらします。
この時・・
あなたが車の運転をしていたらどの様な行動を取りますか?

もうご存じのリスナーの皆さんもいらっしゃるかもしれませんが、
ここで、改めて、
「ゲリラ豪雨が発生した時の運転時の適切な行動について」
確認しましょう。

大雨の際は、急な道路の冠水や川の増水が起こりやすくなっています。

高架下や立体交差のアンダーパスなど、
周囲より低い場所には絶対に侵入せず迂回しましょう。

また、
水位が上がってからの自動車を使用しての避難は危険ですので、
絶対にさけてください。

冠水路は、見た目だけでは水深を判断する事が難しい為、
いざ進入してしまうと、思いの他深い事があります。

ただ、運転席にいる限り、
車の床面以上の水深があってもすぐに浸水してくるという事はありません

万が一、車が冠水し車内にまで浸水してしまった場合は、
すぐに車をとめて慌てずにエンジンを停止させましょう。

その上で避難経路を考える事が大切です。

避難する際には、
いきなり冠水路に出るのではなく、
足を浸け水深を確認しながら、進みたい方向に歩きましょう。
冠水路が濁っていると、
道路の状況が外からはつかみにくく、
マンホールのふたが外れていてもわからない事もあります。
一歩、一歩確かめながら歩く事が大切です。

車は水が引くまで、その場に置いておきましょう。
また、水が引いたからといって
エンジンをかけると破損や感電の危険がありますので、絶対に避けて下さい。

8月中旬から下旬はゲリラ豪雨のピークです。
車を運転する機会が多い方は、改めて注意点を確認しておきましょう。


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2021.07.10
08:25 「東京23区でも、土砂災害に注意!」


梅雨末期の7月上旬は毎年の様に大雨災害が発生します。

この時期の大雨は、
降る地域や雨量、雨が強まる時間帯の予測が特に難しく、
どこでも災害に繋がる大雨が降ってもおかしくありません。
大雨がもたらす災害は様々ですが、
今朝は、「土砂災害」についてお伝えします。

東京都では、
土砂災害の危険がある地域を
土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域に指定しています。

土砂災害特別警戒区域は、
建物が壊れ、住民などの命や身体に著しい危害が生じる恐れがあると認められている区域です。
レッドゾーンともいわれていて
大きな災害に繋がる可能性が高いとされています。

東京には、
土砂災害警戒区域が、1万5493か所 
土砂災害特別警戒区域は、1万3646か所あります。

この「土砂災害危険区域」と「土砂災害特別警戒区域」は、
自治体のハザードマップで確認する事ができます。
また、
東京都のHP「土砂災害警戒区域等マップ」では、
あなたのお住まいの地域が危険区域かどうか一目で確認する事ができます。
是非、1度アクセスしてみてください。

さて、この土砂災害、
山間部や郊外で起こりがちだと思っている方も多いかもしれませんが、
実は、東京・23区でも起こる可能性があります。

最も多いのは、港区で特別警戒区域が142か所もあるんです。

確かに、港区の街の雰囲気を思い出してみると・・・
麻布や赤坂のあたりなど、急な斜面になっているエリアもありますよね。

全国治水砂防協会相談役の岡本正男さんは、
都心部ではこの様な土砂災害に注意が必要だと話します。

岡本さん:
都心部にお住まいの方は「がけ崩れ」に注意が必要です。
東京都のHPを見ると、急傾斜、崖が1万3468か所あります。
小さな崖でも落石があったり、エネルギーが大きいので、
被害は限定的だけれど家がつぶれたり、命の危険がある場合があるんですよね。

都内では、「がけ崩れ」に特に注意が必要だという事なんですね。

一方で、山などがある八王子市は
特別警戒区域は3218か所、警戒区域が3.670か所と
東京都で一番警戒区域が多くなっています。

この地域では、
「土石流」や「地すべり」のが起きる可能性が高いという事です。

急な大雨に見舞われて、災害の危険性が高まっていると思ったら
気象情報や自治体の情報を確認すると共にはやめ早めの行動を心掛けてください。

事前にハザードマップの確認も忘れずに!


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2021.07.03
08:25 「夏の水難事故防止に向けて」


おととい1日から来週水曜日の7日までは
「河川水難事故防止週間」です。
7月に入り、川や湖のレジャーシーズンが本格化するのを前に、
今朝は「水辺の安全ハンドブック」について紹介します。

「水辺の安全ハンドブック」は
水辺での事故を防止するために河川財団が作成している冊子です。

この冊子は去年、内容をリニューアルされました。
その背景について、河川財団・主任研究員の菅原一成さんに聞きました。

菅原さん:
子どもの事故の死者不明者数は変わらず多いのですが、
最近はライフジャケットを子どもが付けるケースは多くなってきています。
一方で大人に関しては、なかなかそういった場面は見られず、
大人が子どもを助けようとして亡くなるという事故も毎年のように繰り返されております。
こういった背景を踏まえて、
特にターゲット層を保護者や親子に絞って
その保護者の方々に水辺の安全について情報を届けたいという想いで、
水辺のハンドブックをリニューアルして発刊しました。

河川や湖などで発生した
水難事故の死者・行方不明者は毎年200人以上に上り、この10年以上、横ばいで推移しています。
どういった点に注意すれば良いのでしょうか。
「水辺の安全ハンドブック」の中から「
水上・水中」、「水際」について紹介します。

まず、「水中・水上」です。
水難事故の死因で大きな割合を占めるのが、息ができないことによる溺死です。
頭を水面より上に出して、
呼吸を確保するためにもライフジャケットを着用することが重要になってきます。

「水際」は、
濡れた石・コンクリートなどで、とても滑りやすくなっています。
予期せぬアクシデントで川の中に入ってしまう可能性がありますから、
転落防止のため滑りにくい靴を履く、水際に近づくときもライフジャケットを用意するなど「もしも」の備えが大切です。

水難事故を防ぐために、
ライフジャケットの重要性について河川財団の菅原さんはこう解説します。

菅原さん:
人間は水全般に基本的には浮きません。
そして浮かなければ、1分で溺水に至ってしまうことになります。
人間の持つ弱点をカバーするというのがライフジャケットです。
ライフジャケットを着用すれば、
かなり危険度というのは大きく下げることができるという風に思っております。
ライフジャケットを着けることによって、遊びの幅が広がり、より安全に楽しく活動することに繋がります。
川というフィールド、あるいは水というところ全般では、
ライフジャケットを着用して活動することは最も望ましい形ではないかなという風に思います。


ライフジャケットなどの装備のほか、
川の流れについての知識、上流の天候などの最新情報を備えて川や湖のレジャーを安全に楽しみましょう。
きょう紹介した
「水辺の安全ハンドブック」は、河川財団のホームページから閲覧・ダウンロードすることができます。
https://www.kasen.or.jp/mizube/tabid129.html

音声ファイルはこちら


2021.06.26
08:25 「東京都水防チャンネル」


さて、梅雨入りした関東では、
先週16日(水)に東京・中野区などを流れる
妙正寺川で氾濫危険情報がでるなど、不安定な天気が続きましたね。

今朝は、河川の監視カメラ映像をリアルタイムで確認できる
「東京都水防チャンネル」をご紹介します。
東京都・建設局 河川部 防災課長の塚田さんに、
「東京都水防チャンネル」とは?どのようなものなのか伺いました。

塚田さん
YouTubeを活用して、これまで公開してきた、
静止画による河川を動画で配信していこうという取り組みです。
都民の皆さんには、是非、映像を見る事で、台風が近くになってきた時に川の近くに見に行かない。
増水時に川の近くに行くのは危険なので、
携帯電話やパソコンを通して、河川の様子を確認して、速やかな避難に繋げて欲しいと思います。

塚田さんのお話しの中にもありましが、
東京都では、これまでも5分ごとに更新される
河川カメラの静止画を東京都のホームページで公開してきました。
しかし、
おととしの台風19号であきる野市の秋川などが氾濫するなどした為、
河川の状況をよりリアルタイムで把握出来るような環境整備を進めてきたんです。
今後、河川の監視カメラ映像を増やしていく予定で、今月末までに58か所、
今年度中に、78か所まで公開数を広げていくという事です。35秒

こうした中、気象庁は、先週17日(木)から、
線状降水帯による大雨が確認された場合に
土砂災害や洪水の危険性が急激に高まった事を知らせる
「顕著な大雨に関する情報」の運用をはじめました。
ただ、線状降水帯の予測は、十分でない為あくまで、情報として私たちに知らせます。
この情報が発表された時には、すでに屋外への避難が難しい状況になっている事も予想されます。
さらに、過去の災害で検証すると、
情報が発表される条件でなくても被害が出ていたケースもあるという事です。
この為、気象庁は、
市町村からの避難情報や気象庁のホームページで確認できる危険度分布、
河川の水位情報などをもとに早めの避難を心がけて欲しいとしています。

この様な時に、東京都水防チャンネルが役に立ちそうですよね。
今後、新たに河川監視カメラの映像を公開した場合は、
随時、水防災総合情報システムのお知らせや水防Twitterでお知らせするという事です。
河川の近くにお住いの方は特にチェックしてくださいね。防災FL 


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2021.06.19
08:25 危険度マップ キキクル


今週、月曜日関東甲信も梅雨入りしましたね。
本格的な、大雨シーズンへ突入です。
今朝は、気象庁が提供している、
「危険度分布=キキクル」をご紹介します。

このキキクルとは、
大雨などによる災害の危険度を5段階に色分けして
地図上にリアルタイムで表示してくれるサービスです。
気象庁のホームページで全国各地の危険度を簡単に把握する事ができます。

危険度を確認できるのは、
土砂災害、浸水害、洪水災害、この3つの大雨による災害です。

気象レーダーで
雨量をチェックしていれば大丈夫と思っている方もいるかもしれませんが、
土砂災害、浸水害、洪水は、
雨が降っていない所でも発生する可能性があります。

例えば、
川の上流で集中豪雨があった場合、雨が降っていない下流で洪水が
起きる事もあります。

大雨警報や洪水警報が出ている時、不安になるような強い雨が降っていた時に
気象庁のHPからキキクルにアクセスすると、
お住いの地域でどれくらい危険が高まっているか確認できます。

地図上に表示される色がクリーム色だと「今後の情報に留意」
黄色は「注意」赤「警戒」うす紫「非常に危険」濃い紫「極めて危険」と色が表示されます。

今年、5月に改訂された避難情報と照らし合わせると、
黄色は、警戒レベル2に、赤は、警戒レベル3、
そして、レベル4までに全員避難とされている「避難指示」にあたるのは、うす紫色です。
キキクルと避難情報を照らし合わせて覚えておきましょう。

さてこの、キキクルはリアルタイムで危険を把握するのに役立ちますが、
それだけではいざという時に対応しきれません。
あなたに、一度確認してもらいたい事。
それは、お住いの自治体のホームページなどで、防災マップや
ハザードマップをチェックして
土砂災害や洪水が起こりやすい場所を事前に把握する事です。

また、一度、ハザードマップを片手に自宅周辺を歩いて、災害の種類ごとに
危険な場所を確認するという事も大切ですよね。

実際に歩いてみると、大雨の時に水がどこから
どこに向かって流れていくかなど想像する事もできます。
更に避難場所を考える時、行政の指定する避難場所だけでなく、
親戚の家やホテルなど選択肢を広げるきっかけになるかもしれません。

防災マップやハザードマップを使って事前に避難経路を確保
大雨警報や洪水警報が発令されたらキキクルで危険度を確認する。

この2段階の備えで、水害などの被害を最小限に抑える事ができます。
また、危険度の高かまりを通知するアプリもありますので、活用する事もおすすめです。

大事なのは「備える」とう事です。

その為に、警報が発令されたら自治体の情報と共に、
気象庁が提供している、危険度分布=キキクルをチェックする習慣を身に着けましょう。

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2021.06.12
08:25 「富士山噴火と都心の被害予想」


来月、山開きを迎える「富士山」この富士山は、活火山です。
活火山とは、
おおむね過去1万年以内に噴火した火山や、
現在も活発な噴気活動のある火山の事を言います。

現在、日本全国にある活火山は、
近畿、四国を除くほぼ全国に110あると言われています。

噴火に伴って災害を引き起こす火山現象には、
大きな噴石や融雪型火山泥流、火砕流など様々なものがあります。
そして、もうひとつ、
大きな被害をもたらすおそれのあるのが、“火山灰”です。

京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授・
鎌田浩毅名誉教授は、火山灰はただの灰ではないと指摘します。

鎌田先生:
火山の灰って書くので、普通ねタバコの灰とかね、
木の燃え殻みたいにね水に流せるように思われているんですよ。
でもね、実際火山灰ってガラスの欠片なんですよ。
ガラスのコップね。あれを砕いたら火山灰になるんですよ。
目に入っても炎症を起こすし、喉に入って気管支炎とかね、
身体にはいると、とんでもない花粉症どころじゃない、
目とか鼻とか喉を痛める。
それが火山灰の正体ですね。

火山の灰は、
たばこの灰の様なものではなく、“ガラスの欠片”なんですね。

政府の中央防災会議の作業部会は、
宝永噴火と同規模の噴火が起き、偏西風が吹いた場合、
火山灰は3時間で首都圏の広範囲を直撃すると予測。
東京・新宿区でおよそ10センチ、
三鷹市で20センチ弱、
神奈川・横浜市で2センチ程度積もるという結果を公表しています。

鎌田先生は、
都心に火山灰が降ると私たちの生活に大きな影響を与えると話します。

鎌田先生:
コンピューターに入ると、結局ライフラインを停めるんですよ。
今、都市は電気、ガス、水道、全部ライフラインですよね。
それから、交通もそうですよね。
電車もそうだし、
自動車もフィルターを火山灰が詰まらせると動かなくなる。
火力発電所、
首都圏には火力発電所が沢山ある火山灰が入ってタービンを停めてしまう。
飲み水も、
浄水場に火山灰が降ると火山灰で汚れるわけですよね。
都市に火山灰が降ると、
電気、ガス、水道、を停めてしまう。
ライフラインがストップするわけです。

例えば道路に積もるとわずか0.5mmの厚さでも
センターラインなどが見えにくくなったり、スリップしやすくなったりします。
火山灰が雨を含んで電線に付着すると、
その重さのために電線が切れたり、
導電性が高まるので漏電などを起こして送配電機器を故障させたりして、
停電を引き起こすことがあります。

鎌田浩毅先生の著書、「富士山噴火と南海トラフ」では、
富士山噴火や、今日お伝えした内容が分かりやすく解説されています。
是非、書店で手にとってみてください。


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2021.06.05
08:25 「富士山 ハザードマップ」


いよいよ山開きが来月に迫った富士山。
コロナ禍でも多くの登山客で賑わうことが予想されています。

ご存じの方も多いと思いますが、富士山は、休火山ではなく現役の活火山です。
781年以降、7回も噴火しています、
そして、最後に噴火が起きた1707年の宝永大噴火から314年が経過しています。
専門家の間では「いつ噴火してもおかしくない」とも言われているんです。

今日は、「富士山のハザードマップ」について、お伝えします。
ハザードマップは
内閣府などが2004年に富士山の下でマグマの動きと連動する低周波地震が増えたことを受けて作られました。
その、富士山のハザードマップが今年、17年ぶりに改訂されました。 
今回の改定のきっかけは、最近の調査・研究によって、
噴火可能性のある火口がこれまでの想定よりも市街地に近い場所に確認された事や、
前のハザードマップで参考にしていた、
宝永噴火よりも前の貞観噴火が2倍近い規模だっ為、
この噴火の情報をもとに、富士山ハザードマップを改定しました。

どの様な内容に変わったのでしょうか?
大きく変わったのが、噴火に伴う、溶岩流・溶岩の想定噴出量が修正されました。
従来の7億立方メートルから13億立方メートルまで増やしました。

それによって被害範囲が広がりました。
溶岩流が到達する可能性がある県は、静岡と山梨の2県でしたが、
今まで入っていなかった神奈川県が追加され、
3県の市町村に拡大されました。
次に溶岩の想定噴出量も修正されました。

溶岩が到達する時間は、
最短で、静岡県沼津市、18時間、
神奈川県相模原市緑区が9.5日、小田原市が17.2日となっています。
また、交通機関では、東海道新幹線に5時間、新東名高速道路には、1時間45分で達すると予測されています。
また、噴火を想定した火口の数も増え、改定前のおよそ5倍の252か所となりました。

想定では、さらに火山灰の量も増える見込みで、
房総半島を含む千葉県東部から埼玉県南部を覆う首都圏一帯は10センチ程度に及ぶと言われています。
自分の住んでいる所は大丈夫と思いこみすぎないようにしましょう。

最後に、いつ起きるかわからない噴火にどう私たちは備えればよいのでしょうか?

まずは、地震などの備えと同じ「1週間分の水と食料を備蓄しましょう。
そして、
火山灰は単なる灰ではなく、ガラスのような粒です。大量のガラス片が飛んでくると考えてください。
目に入れば角膜を傷つけ、口と鼻から入れば呼吸器に影響が出る恐れがあります。

また、火山灰には毒性が強い火山ガスが付着しています。
素肌に触れると皮膚炎を起こします。
すぐに自分の健康を守るため、
ヘルメット、ゴーグル、じんマスク、長袖シャツ、長ズボンを身につけて体を保護しなければいけません。
これらの装備の準備は、必須です。
関東にある、箱根山・大島も活火山です。噴火したらどうするか普段から考える事が重要です。

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2021.05.29
08:25 耳の聞こえない方の防災・避難とは?


日頃から、もし、災害が起きたらどう行動するのか?
家族で話し合っているご家庭も多いかと思います。
災害が起きた時、まず大切になるのが“自助”そして“共助”です。

地域の人と手を取り合う事が求められる、“共助”
あなたの家の近くに、障害をお持ちの方が住んでいたりしませんか?

東日本大震災では、障害のある方の中で、
死亡率が一番高かったのが視覚障害の方、続いて聴覚障害の方でした。
そこで、今日は、
「耳の見えない方の避難・防災」について考えていきます。

聴覚障害者は全国に、34万人いると言われています。
耳が聞こえない・聞こえにくい方の命を救う為
どの様なサポートが必要なのでしょうか?

全日本ろうあ連盟 聴覚障害者 災害救援中央本部 事務局所の
くらの・なおきさんに手話で“災害が起きた時困る事について”お話しいただきました。
通訳の女性の声でお聞きください。

倉野さん
2つ主なものがあると思うんですね。1つは、逃げくれるという事、
実際津波がくる音がわかりませんし、避難放送、無線も分かりません。
津波がくるとは気が付かなかったという事です。
もう1つは、避難所で情報伝達がなく支援物資などの配給が、
あっても聞こえない為にもらい損ねてしまった。なかなか上手く行かないという事です。




避難所で、人とうまくコミュニケーションがとれない。
補聴器の電池が切れてしまったり、筆談する為のペンや紙がない事もあげられます。

そして、災害時が起きた時、目で見る情報が主になってくるため、
サイレンの警報音、外の雨や雷、風の音が聞こないまたは聞こえにくく
緊急時の状況判断が難しく、避難が遅れしまう可能性があります。

また、
蔵野さんは手話通訳者を通してこんな点も指摘します。
通訳の女性の声でお聞きください。

倉野さん
聞こえない事は、見た目では分かりませんよね。
ですから、いつも言ってるのはお互いに気をつける事。
声をかけやすい、かけられる様にお互い、動いて行ければいいのかなと思うんです。
聞こえない私達は、ヘルプマークを身に着ける。そういった事も必要ですし、
聞こえる方々もやはり、普段災害が起きた時に見て反応が、違うとか何が起きているかわからない。
不安そうな顔をしているとか、
そいうった時は、身振り手振りで大丈夫?とか、
筆談などで書いて貰えるとありがたいと思います。

コミュニケーショの方法は主に4つあります。
筆談、⊆袁叩↓スマートフォンや携帯電話に文字を打ち伝える
じ話、読話で伝える。
ポイントは、口の動きを読み取るので大きく開けて、
ゆっくり話す事が大切です。

手話ができなくても、コミュニケーショをとる事は可能です。
災害時、災害がおきそうな時、まわりに障害をもった方がいたら
自分ができるコミュニケーショの方法で“危険”を知らせてください。

全日本ろうあ連盟では、
「きこえる人もきこえない人も災害から命を守る為に」という
リーフレットを出しています。
その中に、
災害時に使える簡単な手話表現がのっています。
リーフレットは、
日本ろうあ連盟のHPからダウンロードする事ができます。
困っている人に手を差し伸べられる様に1度目を通してみてください。





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2021.05.22
08:25 運用開始 熱中症警戒アラートって何?


都心や関東南部は、雨の日が増えてきましたよね。
湿度が高くなる梅雨の時期でも注意が必要なのが、“熱中症です”

今年から全国で本格的な運用が始まった
「熱中症警戒アラート」についてお伝えします。

熱中症警戒アラートは、
危険な暑さが予想されるときに
熱中症への警戒を気象庁と環境省が共同で呼び掛ける情報です。

この熱中症警戒アラートが導入された背景について
気象庁・防災気象官の土井内則夫さんはこう解説します。

土井内さん:
背景にありますのは近年の熱中症のです。
搬送者数が著しく増加してるってことがありまして、
国民生活にも大きな影響を及ぼしているという社会的な背景があります。
平成30年かなり暑かった年は、1500人を超える熱中症による死亡者を出しました。
温暖化や気候変動の影響なんかも考えると、
この変動に適用するという観点からも熱中症の対策っていうのは非常に重要です。

総務省消防庁によると、
都内の熱中症による搬送者数は、
2018年は、7.843人2019年は6.046人、去年は5.838人。
搬送される人の数が多い傾向が続いています。

ところで、
「高温注意情報」と、熱中症警戒アラートとはどう違うのでしょうか?


土井内さん:
今回の熱中症警戒アラートは、
“暑さ指数という指数を使って発表してる”ところが大きく違います。
この暑さ指数は、
人の熱のやり取りに着目した指標です。
単純にその温度だけではなく、
蒸し暑い時のですね体から熱が逃げていくという所に大きく関係する湿度。
それから輻射といったような量も入ってくるんですけども、
そういうその人の熱のやり取りに着目した指標を使ってるというところが大きく違います。
この暑さ指数っての実はその熱中症による搬送者との関係が高い指標です。

暑さ指数は、単純な気温だけでなくて、湿度や日差しの強さ、
人の身体と外気の熱のやりとりに着目した値なんですね。

この、
熱中症警戒アラートは、
危険な暑さが予想される前の日の夕方5時と、当日朝5時の2回発表されます。

では、実際に発表されたら、私たちはどのような行動を取ればいいのでしょうか?

屋外での活動があれば、
計画を見直してみる、活動をする場合は厳重な対策をする。
買い物に出る時は暑い時間帯を避けたり、なるべく日陰を通ったりするなど
普段以上に「熱中症予防」の意識を高めて、自分の行動を変えることが必要になってきます。
また、自分だけでなく、
暑さの感覚を感じる機能が低下している高齢者や、
熱を飛ばす機能が発達していない子どもなど熱中症になりやすい人への注意や声かけも大切です。

熱中症警戒アラートは、
気象庁や環境省のホームページのほか、メール配信、
環境省のLINE公式アカウントによる配信で知ることができます。
熱中症警戒アラートの情報を活用して、熱中症の予防に役立てましょう。



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IN THE CRISIS
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■2013年 ON AIR
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防災ONE DAY
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■2011年 ON AIR
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■2009年 ON AIR
IN THE CHAOS
防災ONE TOPIC
■2008年 ON AIR
THE MOMENT
AGAINST THE EARTHQUAKE