2022.01.08
08:25 火災警報器の交換の目安は10年!?


1月に入り、厳しい寒さと空気が乾燥した状態が続いています。
空気が乾燥していると火災が発生した際、
火が燃え広がりやすくなり、冬はストーブなどの暖房器具も使うため火災が多くなる傾向にあります。

もしも火災が起きてしまった時に、いち早く火災を検出して、
初期消火や早い避難につながるのが住宅用火災警報器です。
その住宅用火災警報器の交換の目安の年数が
10年という事をご存じですか?

2006年には新築住宅で、2011年までには新築住宅以外の家にも住宅用火災警報器の設置が義務化され、
設置してから10年が経った家も出てきています。
いったいなぜ交換の目安が10年なのでしょうか。
その理由について、日本火災報知機工業会の万本 敦さんに伺いました。


万本さん:
住宅用火災警報器は、電子部品を使用しているので、
電子部品の劣化により、10年を過ぎると故障する確率が高くなるということです。
電池を交換したとしても、そのあと電子部品が劣化して、本体が壊れるという可能性が高くなってきます。
ですので、10年を節目に電池を交換するのではなく、本体ごと交換をおすすめしています。


では設置してから10年という年数は、どうやって確かめれば良いのでしょうか。
火災警報器の点検とともに、設置年数の確認の仕方についても教えていただきました。
再び万本さんのお話です。


万本さん:
火災警報器の表面見ると、ボタンが付いているか、あるいは紐が付いているという二つの場合があります。
押しボタンがあるタイプは、ボタンを押す。また紐がついている場合には、紐を引くことで、点検をすることができます。
住宅用火災警報器を設置したときに、設置年と月が記録されたシールが脇に貼ってあるのが一般的です。
もしもシールがなくてわからない場合は、火災警報器を外して、裏側のシールを見ると、製造年月が記載してあるので、それを見て確認するのがいいと思います。


火災警報器のボタンを押したり、紐を引いたりして、正常を知らせる音声や警報音が鳴らず反応がない場合は、すぐに交換をしましょう。
また、設置年数も確認して10年経っているかどうかも併せて確かめてください。

なお、日本火災報知機工業会では住宅用火災警報器の点検・交換のための
チェックシートが付いた「交換診断シート」を公開しています。
ぜひホームページからダウンロードして
火災警報器の点検に活用してください。

ダウンロードはこちらから↓
https://www.torikaeru.info/common/data/check-sheet-koukan-201912.pdf


音声ファイルはこちら


2022.01.01
08:25 地震が起きたらどう行動する?電車・車編


2022年も
防災FRONTLINEでは、災害や地震が起きた時に
皆さんに役立つ情報を分かりやすくお届けしていきます。

さて、三が日、あなたはどこで過ごされていますか?
家族で過ごしていたり、お仕事だったり様々だと思いますが
久しぶりに実家に帰省してお正月を迎えている家族も
いるのではないでしょうか?

そこで、今朝は、
「電車や車に乗っている時に地震が起きたらどう行動する?」
という視点でお伝えします。

防災や危機管理に詳しい
防災システム研究所 所長 山村武彦さんは
新幹線などの電車に乗っている時に地震が発生した際、
取るべき行動についてこう話します。

山村先生 
出来る限りものにつかまって
大揺れに対して、身構える事が大切ですね。
例えば、手すりやつり革や椅子の背もたれに
しっかりつかまってですね。姿勢を低くして、
そして揺れに備える足を踏ん張る、
その行動が身を守る事になる
できればガラスから離れるのが大切ですね。
揺れが収まったあとは、係員の指示に従ってより安全な場所に
移動する事が大切ですね。

もし、
駅のホームで電車を待っている時に、地震が発生したら
ホームから離れようとするのではなく、
まずカバンなどで頭を保護しながら
近くのベンチや柱などにつかまって、
揺れが収まるのを待つ方が安全です。
また、地震発生時は、
線路側にいた場合はすぐに離れる様にしてください。
揺れが収まった後も様子が分かるまでは、
無理に移動せずに、駅にとどまりましょう。
駅は、帰宅困難者の一時滞在場所としての機能を持っています。
駅によっては
一定の乗客がその場所に留まれる様に水や毛布を備えていたり
トイレや公衆電話も解放してくれます。
焦らずに状況を見極める事が大切です。

では、車に乗っている時に、緊急地震速報が鳴ったり、
地震の揺れを感じたらどう行動すればよいのでしょうか?
山村先生のお話しです。

山村先生

車には防災グッズを積んでおきましょう。
普段、車に乗るのは、自分だけでも2〜3人分入れておくと安心です。
いつどこで地震が起きるか分かりません。
もしもに備えて
心の緊急スイッチをいつでもオンにできる状態にしておきましょう。


音声ファイルはこちら


2021.12.25
08:25 旅行先での地震の備えと心得


今年も、残す所、7日となりました。

年末に大掃除するご家庭も多いかと思います。
地震などの災害に備えて
家具がしっかり固定されているか、置いてある位置は安全課などの
確認すると共に防災グッズの点検や見直しを忘れずに行ってくださいね。

ところで、
あなたは、今年の年末年始、実家に帰省したり、
冬休みを使って旅行を計画していたりしませんか?
オミクロン株の影響が心配されている状況でもありますが、
感染状況が落ち着いているうちにと考えている方もいらっしゃると思います。

そこで、
今朝は、「旅行先で地震が起きた時の心の備え」についてお伝えします。

旅行先に出発する前に必ず確認しておいた方が良い事がいくつかあります。
まず、ハザードマップを見て、
その土地にどんな災害のリスクがあるのかを把握し、
避難場所や避難所の場所を確認しましょう。
避難所は、コロナ渦で、収容できる人数が少なくなっている可能性もありますから、
3カ所ほど見つけておくと安心です。
災害用伝言ダイヤルの使い方を改めて確認しておきましょう。
また、防災科学技術研究所が公開している、
「地震10秒診断」というサイトでは
宿泊先の住所を入れると、
大きな地震が発生する確率や発生後のライフラインの復旧期間の目安を見る事ができます。
一度、出発する前に検索してみてください。

事前にできる確認をした上で、
防災や危機管理に詳しい
防災システム研究所 所長 山村武彦さんは
旅行などに出かけた際に心掛けて欲しい事についてこう話します。

山村さん
できれば、旅行バックの中には、 
いろいろ防災袋を入れておきたいけれども、
そういうものは入らないでしょうから、
心の防災袋を持って行って欲しいんですね。
例えば、こういう場面ではこういう行動を起こした
方がいいという事をシチュエーションごとに、シュミレーションしておく。
例えば、ホテルや旅館で、地震があった場合、
原則として、緊急地震速報とか
小さな揺れを感じた時に、部屋のドアを開ける。
ドアが変形して閉じ込められる恐れがあります。
旅館や、ホテルに着いたら、非常出口、非常口を確認しておく。
2方向避難ができる様に、片方から避難からできない場合にもう片方階段から避難できないだろうか。
そういった所を事前に、ホテルに到着した時に確認しておく。
旅行前からですね。事前のシュミレーション、宿泊する施設の状況を確認する事も大事ですね。

地震の揺れが収まったら、
怪我をしないよう散乱した物に注意をして
窓やドアを開け脱出経路を確保してください。
基本的には宿泊先の誘導に従ってください。
それでは、行楽地で地震が起きたらどうすればよいのでしょうか?山村さんのお話しです。

山村先生 
心のスイッチを緊急スイッチに切り替えるという事が大事ですね。
行楽地などですね。市街地にいる時に地震が起きたら、
ガラスや、建物の看板などが降ってくる恐れがあります。建物から離れる。
倒れそうなブロック塀や瓦屋根の家から離れる。
瓦が落ちてくる可能性もありますよね。
できるだけ何もない
駐車場や広場に移動する事が大切です。

旅行に行っている時は、心の緊急スイッチを切り替えるのが
難しくなります。また土地勘がないからこそ
事前の確認からホテル滞在、観光地での避難行動を
シュミレーションしておく事が大切です。
年末年始も
心の緊急スイッチはオンにして新しい年を迎えましょう。



音声ファイルはこちら


2021.12.18
08:25 この年末に実践!100円グッズを使った家具の転倒防止


今月に入り、全国で、地震が多いなと感じている方も多いのではないでしょうか。
12月3日には山梨と和歌山で最大震度5弱の地震がありました。
さらに、9日には鹿児島県・トカラ列島を震源とする最大震度5強の地震が起きました。
そして私たちが住む関東地方でも12日に、
茨城県南部を震源とする最大震度4の地震があったばかりです。

このように地震が続いていますが、
番組を聞いている皆さんは、お家の地震対策は十分しょうか?
地震対策では、家具の転倒対策が「最優先課題」です。

阪神・淡路大震災では
8割以上の人が家具や建物の下敷きとなり亡くなりました。
その次の死因で多いのが火災からの逃げ遅れです。
家具の転倒は、「圧死」だけでなく、避難経路をふさぎ、
火災から逃げ遅れてしまうことによる
「焼死」につながってしまう恐れもあります。

家具の転倒防止用品は、
意外にも100円グッズでも揃える事ができます。
リビングにあるような本棚を例に、
100円グッズを使った地震対策をご紹介しましょう。

まず本棚の位置を確認します。
万一地震で倒れた時に避難経路をふさぐような場所にありませんか?
具体的には出入口付近に置かれていた場合、
ドアが開かなくなってしまう可能性があります。
また、ベッドの近くに置くことも危険です。
もし倒れてきて危ない場所にあったら、安全な場所に移動させましょう。
そして、100円ショップで売っている
「転倒防止プレート」と「滑り止めシート」を使います。

「転倒防止プレート」は本棚の下に挟み込みます。
家具の下に差しこむだけで、家具が後方にかたむき、転倒しにくくなります。
ただ、家具を傾けるため、
後ろに壁がないと使うことができないので注意してください。

「滑り止めシート」は本が飛び出さないようにするため、本の下に敷いておきます。
ちなみに、「滑り止めシート」は、本棚以外にもキッチンの炊飯器や電子レンジ、食器棚の食器の下に敷いたりして、落下や飛び出しの防止に役立てることもできます。

また、本棚に本を入れる際にもポイントがあります。
できるだけ重い本を下に、軽い本を上に入れることによって、
本棚の重心が低くなるので、倒れにくくなります。

今回は、100円ショップで売っているグッズでできる
地震対策についてご紹介しました。
もっと内容を詳しく知りたい方は、
「おうち避難のためのマンガ防災図鑑」をご覧ください。

この本はイラストレーターで防災士の草野かおるさんが、
マンガとイラストで「もしもの時の備え」やお家にあるもので、
防災に役立てるテクニックを分かりやすく紹介しています。
ぜひ書店で手に取ってみてください。

今回、ご紹介した本はこちら
http://www.asukashinsha.co.jp/bookinfo/9784864108546.php

音声ファイルはこちら


2021.12.11
08:25 実家で実践!防災を意識した片付け方


今年も残すところ、1か月を切りました。
新型コロナウイルスの感染状況も落ち着いて
ことしは年末年始、実家に帰省する方もいるのではないでしょうか。
そこで今朝は、実家で実践できる「防災を意識した片付け方」について紹介します。

実家片づけアドバイザーの渡部亜矢さんは
実家は都市部に住む私たちと比べて捨てるという意識が少ないと言います。


渡部さん:
郊外にある実家は、家が広いので、置けるスペースがたくさんあります。
しかも家族の人数は子どもがいなくなった分、
しまう場所が増えていることもあり、物を増やしているという傾向があります。
ですので、捨てるっていう意識がすごく少ないんですが
いざ防災っていう面で見ると物が崩れてきたりとか危険になることが多いので、
帰省したときに片付けるのがよろしいかと思います。

廊下などに物があふれていると、災害が起きた後、避難する際に
足腰の弱い高齢者の転倒の原因になってしまいます。
具体的にどういった所を片付ければいいのでしょうか。
実家ならではの片付けのポイントについて聞いてみました。


渡部さん:
例えば昔10人で泊まりに来ていた親戚が集まったような家でも、今は子どもが日帰りでしか帰省しなくて
家族が1人しか寝ていない家ですと、1人分のお布団だけでいいわけなんです。
ですが、まだ10人分の客布団が残っていたり、10人分の食器が残っていたりするお家もすごく多いので、
地震とかで、崩れてきたりして危ないケースもあります。
なので不要なお皿を処分することで、台所の安全を確保するということもできると思います。

家族と話し合って必要な人数以上の食器や布団などがないか確認をしてみましょう。
このほか、親御さんが普段使っている物についても
帰省した際にチェックするのも大切だと渡辺さんは教えてくださいました。


渡部さん:
例えば普段飲んでるお薬ですとか、眼鏡とか入れ歯、補聴器は他の人のものでは代替できないですよね。
そういったものを普段から枕元に用意しておくなど、すぐ持ち出せるようにしておく収納を心がけるとずいぶん安心感が増すと思います。
ですので帰省された場合は、ご両親のお薬が増えたものがないかなど
普段飲んでるものを見つつ収納していくっていうこともよろしいかと思います。

年末の帰省で防災を意識した実家の片付けを実践して
スッキリとした年明けを迎えましょう!

音声ファイルはこちら


2021.12.04
08:25 山梨・和歌山の地震 富士山・南海トラフとの関連は?


きのう、3日、
午前6時37分ごろ山梨県で、午前9時28分ごろ
和歌山県で最大震度5弱を観測する地震が相次いで発生しました。

山梨県や活火山の富士山がある地域、
一方和歌山県は、近い将来起きる可能性が
あると言われている南海トラフ地震の想定震源域にあたります。

防災科学技術研究所 参与で
政府の地震調査委委員長
平田直先生に解説していただきました。

まず、
山梨県の地震についてはこの様に話します。 


山梨県の東部は
地震が多い地域というお話しがありましたが
3日の午前8時までに、
周辺でこの地震を含め、有感地震が合計3回、
その他に身体に感じない程度の地震が複数回起きていました。
また、同じ震源地で2012年と1983年にも地震が起きています。

山梨、和歌山で起きた地震との関連については、
距離が離れているので関連はないのではないかと分析しています。

さて、和歌山で起きた地震の際は、
“南海トラフ”という言葉がよぎった方もいたのではないでしょうか?
平田先生のお話しです。 

南海トラフ巨大地震とは規模が異なるという事ですね。
今後1種間程度は同じ規模の揺れに注意が必要です。



そして、平田先生は、
今回の地震をきっかけに防災の意識を見直して欲しいと話します。15秒

素材03 30秒

防災の意識を見直す、
防災用品の再点検、避難行動計画を
週末家族みんなで話し合ってみてはいかがでしょうか?


音声ファイルはこちら


2021.11.27
08:25 災害時の正しい シェアサイクルの使い方


もし、平日・夜の帰宅時間帯に地震が起きて、
公共交通機関がストップしてしまったらあなたは、どう行動しますか?

移動せず、会社などに留まるとう事が第一選択肢ですが
先月7日、夜、首都圏で最大震度5強を観測した地震の際
SNSなどで発信され、注目を集めたのが“シェアサイクル”です。
今朝は、「災害時のシェアサイクル」についてお伝えします。

自転車のシェアサイクル、サービスエリア内であれば、
どのサイクルポートでも借りたり、返したりする事ができる
シェアサイクル。

都市防災に詳しい、
東京大学大学院 
工学系研究科都市工学専攻 廣井悠教授は、
平日夜の帰宅時間帯で、
大きな被害や
混乱が発生していない場合のシェアバイクの利用についてこう話します。


ドコモ・バイクシェアでは、
都内・12区に
960か所のサイクルポートがあり
9千500台の自転車を提供しています。
ドコモ・バイクシェア経営企画担当課長の大橋純子さんは、

先月7日の地震の際、
都心のポートで自転車が0台となったり
翌日の朝も交通機関の乱れが続いていた事から
住宅エリアから都心部に通勤で向かう人の移動手段として
多くの方が利用したと話します。
公共交通機関が止まってしまった場合の
移動手段の1つとして便利な一方で、
大橋さんはこう話します。


災害の状況を見つつ、
安全第一で、
あくまで移動手段の一つとして考えて欲しいという事ですね。

実は、このシェアバイクは私達の移動手段だけではなく、
自治体の初動や災害復旧の際にも役立てられています。

ドコモ・バイクシェアでは、
品川区と災害時の連携協定を結んでいて、災害が発生した時に、
区内におよそ30カ所あるサイクルポートの自転車を
区の職員限定で開放していると言います。

再び、大橋さんのお話しです。

品川区以外にも、
金沢県、大分県、大阪市北区とも災害時の連携協定を結んでいるという事です。
今後更に
サイクルポートを広げると共に自治体との連携を強めていきたいと言います。
今朝は、「災害時のシェアサイクル」についてお伝えしました。


音声ファイルはこちら


2021.11.20
08:25 関東の津波について考える


「津波防災の日」・「世界津波の日」が制定されているこの11月は、
津波について考えていきます。

東日本大震災の津波よりもはるかに被害が大きいと言われている
南海トラフ地震。30年以内に70〜80%の確立で起きるとされています。
南海トラフ地震が発生した場合、
内閣府によると高知県・黒潮町で、34メートルの津波が襲うほか、
静岡県・下田市で33メートルの津波が押し寄せるという予測が出ています。
また、3メートル以上の津波がくると予想されているのは、
四国、近畿、東海を中心に伊豆諸島や九州の71市区町村にのぼっています。
関東に住む私たちも、津波がくるという事を想定しておかなければなりません。

それでは、過去に大きな津波が関東に押し寄せた事はあるのでしょうか?
東北大学、災害科学国際研究所 所長の今村文彦先生は、こう話します。

今村先生:
実は、関東大震災には、相模湾、伊豆半島も含めて
実際に大きな津波の被害をもたらしているんですね。
こういう所では、海で発生する地震でありますので、
揺れから津波に伝わるまで早いんですよ。
沿岸部、相模湾は観光施設もあります。
利用者も多いと思うんですけど、
いち早く逃げていただく必要があると思います。

相模トラフで巨大地震が起きると、
津波が川を遡上して3メートル以上浸水すると言われています。
では、この津波、どのくらいの時間でやってくるのでしょうか?

今村先生:
相模湾で、関東大震災の様なタイプが発生しますと、
実は、津波の第一波は数分なんですよ。実際に陸上にあがるのは
もう少し時間がかかるんですけれど、
(手島)3分なのか5分なのか10分なのかによって
避難の、逃げ方は変わってきますか?
本当に時間が限られた場合には、
避難ビルとか避難タワーとか地域でも整備しているんですね。
遠くの所より近くの高い所と時間に猶予がある場合は、
もうすこし奥の高台やいろんな避難ビルなどで
これはあらかじめ、確認しておかないと
いざという時に、迷ってしまいますし
間違った行動をとりやすくなります。

今村先生のお話しの中にあった
“津波避難ビル”をご存じですか?

これは、
高台などに避難するのが
困難な場合に一時的に避難する建物の事を言います。
高さや耐震性などの条件を満たす建物を
自治体と持ち主が協定を結んで、津波避難ビルとして指定しています。

この津波避難ビルは、
どこに入っても良いというわけではありません。
施設ごとに廊下や屋上など避難場所が決められています。
それ以外の場所に入ってはいけないなどの決まり事があります。
また、入り口も建物によって異なりますよね。

沿岸の地域にお住まいの方は特に、近くの津波避難ビルはどこにあるのか?
その中の避難場所や入り口について事前に自治体のHPで確認してみてください。


音声ファイルはこちら


2021.11.13
08:25 津波防災の日〜津波の遡上高とは〜


「津波防災の日」・「世界津波の日」が制定されているこの11月は、
津波について考えていきます。
みなさんは「遡上高(そじょうだか)」という言葉を知っていますか?
けさは、津波の高さの種類の1つである遡上高についてお伝えします。

遡上高は、津波が海岸から陸上へ浸入し、
地形に沿って地面を這い上がって
行き着いた最終到達地点の標高を指します。
一方、一般的な「津波の高さ」とは、
海岸の検潮所などで観測された高さのことです。
気象庁が津波予報で予測する津波の高さは海岸での高さを指します。
この遡上高は、地形によっては、
海岸で観測された津波の高さの2倍から4倍に達することがあります。
なぜ遡上高は、海岸で観測された高さよりも高くなるのでしょうか。
遡上高のメカニズムについて、
東北大学・災害科学国際研究所の菅原大助先生に
解説していただきました。

菅原先生:
地形にもよりますが、必ずしもいつも高くなるわけでではなく、
仙台の海岸のような平野だと、津波の遡上高で一番高い所は標高2mとか3mなので、必ずしも高くなってるわけではありません。
これがもし岩手県の沿岸など三陸だと、海岸はほとんどが崖や谷で、急勾配の斜面になっています。
そういう場所だと大きな白波を立てて迫ってくるような津波だと勢い、流速があり、その勢いに乗って、海水が斜面を駆け上がるとか、逆方向に流れます。
そうして、海岸付近の津波の高さよりも、
遡上高の方が大きくなるということが起こりえます。

この遡上高を踏まえて、万一、
巨大津波が発生した場合の避難方法のポイントについても
菅原先生に伺いました。

菅原先生:
より高いところに逃げられる余地を残した形で避難場所を選ぶといいと思います。
低い高台で孤立した島みたいな場所だと、それを上回る津波が来たらどこにも逃げられなくなってしまうので、
なるべく、もしその場所からさらにに避難しなければならない状況になったら、
その次にまたより高いところに移動できるような場所に逃げる避難をするのが良いと思います。


山が多い地域に住んでいる人は、より高い山に避難できる場所を避難先に、
街中ではなるべく海や川から離れた高い建物や、
津波避難ビルに避難することを心がけましょう。


音声ファイルはこちら


2021.11.06
08:25 津波防災の日 災害の学びは被災地へ


きのう、11月5日は、「津波防災の日」。

これは、
東日本大震災での大きな津波被害を踏まえて
震災が起きた2011年に法律で制定されたもので、
「津波対策についての理解と関心を深める日」とされています。
そこで今朝は改めて、津波について考えます。

さて、この津波。30年以内に70%の確立で
「首都直下地震」「南海トラフ地震」が起きるとされていて、 
関東に住む私たちも津波の脅威にさらされる可能性があります。

地震学者で、津波に詳しい、
東北大学 災害科学国際研究所 所長の
今村文彦先生に津波のメカニズムについて伺いました。

今村先生:
津波は特に海底で、
起きた大きな地震によって発生します。
この運動が断層運動という事、海底を隆起させたりするんですね。
その上にある海域、
海水をですね変化させて、それが、波となって伝播していきます。
津波の「津」というのは、港という意味なんですが
広くいうと、
浅い海の場所という事になって、深い所では、わずかな変化しかない津波なんです。
ただ、浅い所にくると急に波の高さが大きくなって破壊力という牙をむきます。
こういう特性を踏まえて、
昔の日本の先人は、津波という言葉を残していったわけです。

震災発生から10年となり、
当時の記憶が薄れていったり、
そもそも、
知らないというお子さんもいると思います。
「津波」については、
防災アプリなどで学んで貰う事もできますが今村先生はこう話します。

今村先生:
一番は、是非、修学旅行や家族旅行で
東日本大震災の沿岸部に来ていただきたいと思います。
現場に来ていただいて、当時の津波の威力を震災遺構という事で、
壊れた建物だったり、そこに語り部さんもいますし、
今いろんな資料もご用意していますので、
一番は、気仙沼の津波伝承館でもともと高校の建物をそのまま残しているんですよ。
みなさんと是非、話し合いながら、学んでいただきたいなと思います。

現在、仙台、福島、岩手、青森の
4件に震災遺構、震災伝承施設は289カ所あります。

また、案内マップ作りや施設と施設を結ぶ
取り組みを行っている「3.11伝承ロード推進機構」では、
11月25日から被災地を回るバスツアーを開催するという事です。
施設や遺構は点在していますから、
バスで回れるというのは嬉しいですよね。

詳しくは、「3.11伝承ロード推進機構」のHPをご覧ください。
新型コロナの感染状況を見つつではありますが・・・

家族みんなで、
被災地を一度訪れて
津波・地震などについて学んでみてはいかがでしょうか?


音声ファイルはこちら


最近の記事
2024年06月29日 放送
熱中症に注意!
2024年06月22日 放送
アート×防災「備絵」
2024年06月15日 放送
輪島の漁港復旧・復興について
2024年06月08日 放送
家の耐震基準 知ってほしい事
2024年06月01日 放送
線状降水帯の事前予測について
■2024年 ON AIR
3月11日(月) TOKYO FM 防災FRONT LINE 1DAY~震度7・東京で起きたら、命をどう守りますか?~
過去の防災関連番組
■2023年 ON AIR
9月1日(金) TOKYO FM 防災の日スペシャル 関東大震災から100年
■2022年 ON AIR
10年ぶり首都直下地震被害想定改定 ~プロテクトマイセルフ~
■2022年 ON AIR
PROTECT MYSELF ~都市生活の自助と共助~
■2021年 ON AIR
首都圏に線状降水帯が滞留したら 水災害に備える 首都圏ノウハウ
■2020年 ON AIR
TOKYO FM 防災の日 1DAYスペシャル 大災害、その時に… 命を守る防災アクション
■2019年 ON AIR
防災とボランティアの日 特別プログラム 東京BLACKOUT 〜大停電、そのとき
■2018年 ON AIR
TOKYO FM 防災とボランティアの日 特別プログラム 防災LIFE HACK! 〜目の前の命を救うウラワザ
防災の日ワンデー企画 防災 ONE ACTION!
■2017年 ON AIR
防災の日 TOKYO FM 1DAY PROGRAM WATER DAMAGE 〜豪雨、そのとき
防災とボランティアの日 特別企画 ESCAPE FROM LEVEL X ~巨大立体都市を生き延びる~
■2016年 ON AIR
PROTECT MYSELF
■2015年 ON AIR
DIGEST
IN THE CRISIS
■2014年 ON AIR
LOVE & HOPE
防災ONE DAY
■2013年 ON AIR
防災ONE ACTION
防災ONE DAY
■2012年 ON AIR
PROTECT YOURSELF
■2011年 ON AIR
SAVE THE LIFE
■2010年 ON AIR
WALK
IN THE CHAOS
防災ONE TOPIC
■2009年 ON AIR
IN THE CHAOS
防災ONE TOPIC
■2008年 ON AIR
THE MOMENT
AGAINST THE EARTHQUAKE