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2024.07.13
08:25 海に行く前に知ってもらいたい事


今日から3連休です。
明後日、月曜日は海の日ですね。
これから、海のレジャーを楽しむ機会も増えてくる季節です。
今朝は、『海に行く前に知ってもらいたい事』についてお伝えします。

東京海上保安部 航行安全課 
三吉大介(みよし・だいすけ)さんに伺いました。
最近の水の事故の特徴について、みよしさんはこう話します。

【20秒】

海に行く前には、
ライフセーバーや監視員がいる海水浴場であるか確認する。
天気予報をチェックして、
波の高い日や風の強い日は泳がない様にしましょう。
『海上保安庁のHP』でも風の状況などが載っているそうです。
そして、シュノーケリングや、サップをする時に、
ライフジャケットを着用する事も重要だといいます。

【40秒】

ライフジャケットのベルトはしっかり結び、
身体に密着しましょう。
車でいうところのシートベルトがライフジャケットです。
事前に、ライフジャケトを正しく着用できるか、
着用できているかも確認しておくと安心です。

海上保安庁の「緊急通報番号」=118番、(いち、いち、はち)
がある事をご存じでしょうか?
海の事故や事件が起きた時の緊急通報番号です。

みよしさんは海の事件事故が起きた時は、
118番、いち、いち、はちに連絡して欲しいと話します。
その上で相手に状況を伝えるポイントについてこう話します。
【30秒】

緊急通報番号に電話をかける時は、
まず落ち着いて
「いつ」「どこで」「なにがあった」かを伝えるという事ですね。

また、携帯電話・スマートフォンは、
防水パックに入れて
いざという時の為に連絡できるようにしましょう。

この夏も海に行く予定!というあなた。

いざという時の為に事前に確認を、
詳しくは「海の安全情報」で検索してみてください。

防災FRONTLINE 手島千尋でした。


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2024.07.06
08:25 災害ボランティアの心得


能登半島地震発生から半年が過ぎました。
仮設住宅の74%が完成し、
被災者の応急的な住まいの確保が進んでいます。
一方、甚大な被害を受けた道路やインフラの本復旧も道半ばです。
能登半島の復旧・復興について国や自治体は対応急いでいます。
では、私たちが被災地に向けてできる事。その一つが、
災害が起きた時に被災地の支援を行う『災害ボランティア』です。

今朝は、被災した方や被災地の復旧・復興を支援する為に、
「災害ボランティア」はどんな活動を行うのか。
被災地に行く前に知っておきたい心得、
さらに参加方法と参加するための準備についてご紹介します。

災害ボランティアは、
1995年の阪神淡路大震災からはじまったと言われています。
では具体的にどんな活動を行うのでしょうか?
体力のいるものから、事務的な作業、被災者の方の心のケアなど
さまざまな活動が含まれています。
また、地域の特徴や災害によって活動の内容はことなりますが、
例えば、主にこんな作業があります。
がれきの撤去や分別、泥を出す、家の室内清掃、
引っ越しのお手伝いや、物資や衣類の仕分け、炊き出し、
ボランティア運営のお手伝い。そして心のケアなどです。

被災地に行く前に知っておきたい事がいくつかあります。
まず、【被災地に負担をかけない】事です。
災害ボランティアは、
被災地の負担をかけないよう「自己完結」が原則となります。
交通手段、宿泊場所、水、食料などはすべて自分で準備する必要があります。
そして、情報収集。ネットなどでどこにどんなニーズがあるのか調べましょう。
けがに備えて、「ボランティア保険」に加入する事も大切です。

そして【被災地に行くタイミング】について。
災害が起きたら、すぐに現地に行こうと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、現地でボランティアの受け入れ態勢が整っていない状況で行くと、
逆に負担をかける事にもなりかねません。
また、救助活動や支援物資の支給の妨げになる可能性もあります。
災害が起きた後も、災害ボランティアのニーズは時間の経過と共に
変わっていきます。本当に被災地の支援を行う為には、まずは、
被災地の情報を確認していく事が大切です。

次に災害ボランティアの服装についてです。
災害や作業内容、季節によって変わってきますが、
基本的な服装をご紹介します。

洋服は、半袖ではなく、長ズボン、長袖を着ましょう。
また、帽子とマスク、ゴム手袋を身に着けましょう。
運動靴は、踏み抜き防止のインソールを使用する等、
怪我をしないよう心掛ける事も大切です。

マスクを着用する事が多いですが、
粉じんがまっている場合は
防じん(ぼうじん)マスクやという厚手のマスクや
ゴーグルをした方がよい場合もあります。

また、今の時期は気温が高く湿度もありますから
こまめな休憩と水分補給、首にまくネッククーラーなど
熱中症対策も万全におこないましょう。

能登半島地震の災害ボランティア情報は、
石川県災害対策ボランティア本部・のHPに詳細が載っています。

気になっている方は一度確認してみてはいかがでしょうか?


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2024.06.29
08:25 熱中症に注意!


先週、気象庁から
関東甲信が梅雨入りしたとみられるという発表がありました。

この時期は、
大雨災害に加えて、梅雨の晴れ間にも注意が必要です!
今週、静岡県で3日連続の猛暑日を記録。
東京でも、
33.4度まで上がるなど今シーズン一番の暑さとなりました。
気温の上昇と共に、熱中症で搬送される方も増えています。
もはや、この気温の上昇は”災害”とも言えます。

今朝は、
「熱中症に注意 これだけは気を付けて欲しい事」
と題してお届けします。

熱中症になるケースで最も多いのは、「家の中」です。
エアコンを使って部屋を涼しく保つ事が大切です。
暑くなってからではなく、エアコンを入れる基準を決めておきましょう。

「室温28度」「湿度70%」は、エアコンを入れる目安です。
また、エアコンは頻繁にONとOFFを繰り返すと、
そのたびに電力を消費してしまいます。
実は、つけっぱなしの方が省エネです。
ですから、
「身体の為にも、
電気料金の節約の為にもエアコンはつけっぱなしで使う」
という事がポイントです。

夜も25度を下回らない熱帯夜の日は、
寝ている間も熱中症になるリスクがあります。
枕元に、常温のお水を置いて、
寝る前や起きた時、目が覚めた時に水分を補給しましょう。

熱中症で搬送される方のおよそ半数は「65歳以上の高齢者」です。
高齢の方は、暑さを感じにくくなり、
基礎代謝も落ちる為若い人よりも寒がりになります。
体感に頼ってしまうと対策が遅れてしまう事にもつながります。

ご家族や周囲の方が、「室温は何度?」と確認し、
「室温が28度に下がるまでエアコンを入れ続けて」
など具体的に伝えましょう。

エアコンがない場合はどうしたら良いのか?
直射日光を防ぐために、すだれや遮光カーテン、
植物による緑のカーテンを活用してみる。
窓を開けて風通しを良くしたり、
家の周りに内水をまくなどの対策も1つです。
自治体によってはエアコンの設置費用の補助をしている所もありますから
一度確認してみる事をおすすめします。

子供も熱中症になりやすい為注意が必要です。

子供は体温調節の機能が発達していない為、
身体に熱がこもりやすくなっています。
また、身長が低く、地面の照り返しの影響を受けやすいです。

大量の汗をかいている、
顔が赤いという時は涼しい環境で休ませたり
長時間外で遊ばせないなどの対策も必要です。
その他、こんな工夫も・・・。
“外で遊ぶ時は、氷を沢山入れた水筒を持たせる”
こうしておけば、
一度飲み切っても、水道水などで足すことができます。

そして、赤ちゃんは、
「ベビーカーに乗せていて熱中症になる事もあります」

日よけカバーを使うと、熱がこもりやすくなりますから、
こまめに表情を確認する事が大切です。
その他、ベビーカーは背丈の高いものやメッシュ素材を選ぶ。
保冷剤をタオルに巻いてシートに置くなどの暑さ対策を行いましょう。

熱中症の危険性が高い時は、「外出しない」ことが重要ですが、
外出が避けられないときは直射日光を避けて、
なるべく涼しい服装で出かけましょう。

来週も気温の高い状態が続きます。
室内にいても外にいても熱中症対策をしっかりなさってください。


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2024.06.22
08:25 アート×防災「備絵」


日常に溶け込む災害時の備えるアート=絵画をご紹介します。
備蓄の「び」に絵本の「え」という漢字で「備絵=そなえ」
備える絵画です。

お部屋などに飾る絵画=絵に備蓄が備わっている?
想像できますか?
株式会社ドリームホールディングス
「sonae備絵」=プロジェクトリーダーの
藤村彩央里さんに、詳しくお話を伺いました。

30回分の災害時トイレキットが収納されているという事ですから、
1人暮らしであれば6日分のトイレの備蓄ができるという事になります。
Sonae備絵には、8人のアーティストが参加しているそうです。
その中には、災害を経験した方もいらっしゃるそうです。
そしてプロジェクトリーダーの藤村さんも熊本地震の被災者。
自分の経験から生まれた商品だといいます。
藤村さんは当時の経験を振り返りこう話します。

災害が起きた時、食事は多少我慢できても、
一般的な成人で平均5回前後行くといわれている
”トイレ”は誰にも我慢できません。

内閣府の調査によると、発災後6時間以内に
およそ7割の方がトイレに行きたくなったと話しています。

東日本大震災では、仮設トイレが被災自治体の避難所に
いきわたるまで1週間以上かかった地域はおよそ50%。
災害が起きた時の備蓄は、水・食料の備蓄と同じくらい大切です。

アートが、災害が起きた時のトイレキットにもなる。
そして、絵画自体が自宅や避難所での不安な生活の中で
心の癒しになればと、という思いも込められているそうです。

「備絵」は、公式ECサイトから購入できます。
気になった方は、備蓄のび、に絵本のえ、という漢字。
「備絵」で検索してみてください。



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2024.06.15
08:25 輪島の漁港復旧・復興について


番組では、能登半島地震の被災地の声をお届けしています。
今朝は、「輪島の漁港復旧・復興」について、
石川県防災会議震災対策部会委員で
能登半島地震の復興・復旧の助言も行っている
金沢大学 青木賢人准教授の声から考えます。

石川県には、69の漁港があり、
そのほとんどが能登半島にあります。
能登半島地震の影響で隆起してしまった港は
今の船を出せない状況が続いています。
能登の海には2つの顔があって西側を内海、東側を外海と呼んでいます。
地震の影響で隆起してしまったのは、輪島市などがある内海です。
内海は、外海よりも海が穏やかで安定してとれる漁場が広がっています。
しかし、1月1日の地震で、海の生業は止まってしまいました。
金沢大学 青木賢人准教授のお話です。

地震前に水深3〜4メートルだった輪島港は、浅い所で1メートル前後。
また、1〜2メートル近い隆起が確認されています。
現在、輪島港や他の港は、
復旧に向けて浚渫・掘削作業が進んでいて、
船が港から出入りできる様に、
水深2〜2.5メートルまで浚渫を進めています。
この作業を今月末に終えて、
7月には一部の船が漁を再開できる様にしたいとしています。
青木准教授は、石川県・輪島の「魚」についてこう話します。

石川県の文化の1つである能登の「魚」
能登の漁師の生業再開にむけて、
今も港では、工事が続いています。

今朝は、能登半島地震、
「輪島の漁港・復旧・復興」についてお届けしました。


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2024.06.08
08:25 家の耐震基準 知ってほしい事


今朝は、『家の耐震基準』についてお伝えします。

地震が多い日本では、
住宅を建築する時に建物の耐震性の高さが求められます。
耐震基準は、今まで複数回見直されています。
耐震基準は大きくわけて、3つの時期に分けられます。
防災工学が専門の九州大学 浅井光輝准教授の解説です。


『新耐震か旧耐震かっていうのは、
1981年の基準かどうかって事でよく使われます。
ただそれが、ずっと続いているわけではなくて、
1995年の阪神淡路大震災で多くの木造家屋が倒壊して、
大きな被害につながったって事もあるので、
建築基準をもう一度見直そうっていう事が2000年にもう一度行われて、
そのときに、震度6に対しての強化がされている。震度6強に対しても
壊れないような設計に対しても改定が行われたのが2000年なんですけれども、
そこのアップデートよりも1981年のアップデートの方が大きかったので、
旧耐震・新耐震という言葉で分ける事が多いのですが、
厳密にいえば、2000年にアップデートされている。
インフラ構造物に対しても、同じ様に、橋梁に対しての設計基準もかなり
強化されて、基準を満たしていないと、補修・補強をして道路で使われている。
インフラ構造物は、耐震設計がされている。今は補強されているか、
新しい設計で使われている。』

浅井先生の解説にもあった様に、耐震基準は、
1981年以前・以降、そして2000年以降と大きく
3つの時期に分けられています。
2000年の基準は新耐震基準で建築された多くの木造住宅が
1995年の阪神淡路大震災で倒壊・半壊した事をきっかけに
木造住宅をメインに制定された基準です。
家の備えとして、1981年以降に建てられた建物に住んでいるか?
という点が防災の観点から言われていますが、
この時期以降の建物に住んでいると安全といえるのでしょうか?
浅井先生はこう話を続けます。

『一言、言えるのは、
1981年以降の建築基準で建てられた基準であっても
震度6になったときに、倒壊するかどうかの保証はない。
震度5で設計されているので、それより大きな地震がきたときに
倒壊はいつおきてもおかしくない。40年以上の建物が当時の強度を
持っているかと言われると弱くなっているのは、事実なので、
震度5もつかどうかを基準で作られたもので、
それよりも強度が弱くなっていて震度6が来たら、
まったく保証がないというのは事実なのでは、
底は把握しておいた方がいいと思います。』

新耐震基準を満たしている住宅に住んでいたとしても、
維持管理を丁寧にやる事が大切です。
また。地震による災害の中で起きる、
『液状化』は、建物が傾いたりする可能性があります。
また、震度6強以上で発生する揺れの
周期が長い長周期地震動については、
今の建築基準法では想定されていません。
長周期地震動は、タワーマンションのような高い建物程
想定外の被害が出やすくなります。

新耐震基準の建物でも絶対安心とは言い切れない為、
事前にハザードマップを確認したり、耐震対策がなされているか
チェックしておきましょう。


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2024.06.01
08:25 線状降水帯の事前予測について


豪雨災害に警戒が必要な季節がやってきました。

大雨災害をもたらす気象現象の1つが「線状降水帯」です。
線状降水帯とは、発達した雨雲が線状にどんどん発生して
数時間にわたってほぼ同じ場所を通過・停滞する事で作り出される
強い雨のエリアの事です。同じ場所で大雨が続く事から甚大な災害が
発生するおそれがあります。

この線状降水帯の予測は、気象庁から発生するおそれがある
時間帯のおおむね半日前から6時間前に発表されています。

そして、本格的な雨のシーズンを前に、
今週から、今までの発表の中で変わった点があります。
いままでは、「地方単位」で発表されていましたが、
「都道府県単位」の発表に変更されました。
線状降水帯の予測情報を地域を絞って伝えるという事です。

更に、北海道、沖縄、東京、鹿児島は、さらに地域を分けて発表されます。
東京は、「23区・多摩」そして
「伊豆諸島」「小笠原諸島」の3つに分けられて発表されます。

ただ、線状降水帯による大雨の正確な予測は難しく、
この呼びかけがあっても必ずしも線状降水帯が発生するわけでは
ありませんが、発生しなくても大雨となる可能性が高い状態といえます。

線状降水帯による大雨の半日程度前から呼びかけがあったとき、
あなたがすむ街の区市町村が発令する避難情報や大雨警報、
危険度分布=キキクルなどの防災気象情報と合わせて、
避難の判断をする事が重要になってきます。


線状降水帯は2018年の西日本豪雨や2020年の7月豪雨など
これまでも豪雨災害を繰り返し起こしてきました。

一方、気象庁が200人に行ったアンケート調査によると、
見聞きした事があると回答した人は、82.7%に上りましたが、
内容まで理解していると答えたのは全体の48.1%でした。
また、自分が住んでいる地域に予測情報が発表された事があるか
という質問に対しては、26.4%の方が覚えていないと回答しています。

線状降水帯が発生しそうな時は予測情報が出る、と
比較的多くの人が認識しているものの、
自分に関わる事なのか認識されていない可能性があります。
今一度、線状降水帯の発生予測情報について頭に入れておきましょう。

また、急に発生する、線状降水帯と違って事前に準備できるのが台風です。
まず、ハザードマップの確認をしましょう。
国土交通省や自治体のHPなど、インターネットからあなたの街の
ハザードマップを見る事ができます。ハザードマップは、更新されて
いきますので定期的に確認する様にしましょう。
家の周辺の浸水の可能性のある場所、土砂災害の危険性の高い場所を
把握しましょう。また、避難場所や、避難場所までの避難経路の確認。
過去にまわりの地域で起きた災害を把握しておく事も大切です。
非常用持ち出し袋の確認や、屋内や屋外の備えなど、
台風は事前に備えられる事が多くあります。

本格的な大雨シーズン前に、一度確認を。


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2024.05.25
08:25 簡易トイレが必要な理由


地震が起きた直後は排水管や下水道がどうなったかが分からない状況です。

その時に、いつものように排泄をしてしまうと、水が流せずに便器の中に
汚物がたまったままになってしまう恐れがあります。

また、水が流れたとしても、その排水管がどうなっているのかまでは
分かりません。排水管は、戸建て住宅だと1階と2階、
集合住宅だと自分の住戸と上と下の階が繋がっています。
もしどこかで配管が壊れている場合は、汚水が漏れてしまったり、
トイレから溢れてしまったりと、何らかのトラブルが起きる可能性があります。

あなたのお家のトイレを守る為、その排水管が繋がっている先の人に
迷惑をかけない為にも大きな災害直後は
すぐに水洗トイレを使わない事が基本です。

その上で、水ジャーナリスト・橋本淳司さんは、
簡易トイレを備蓄する事の大切さをこの様に話します。

「きちんとしておかないと、不衛生な環境になってしまって
被災生活が続く中で感染症が発生する等の2次被害が発生する事が多い。
ですから、凝固剤や消臭剤がポリ袋がセットになっている簡易トイレを
なるべく多く準備しておくことが大切だと思います」

橋本さんのお話にもありましたが、
携帯トイレを選ぶポイントは3つです。
まず、住んでいる市区町村で回収できるもの
吸収量が十分で、しっかり固まるもの。
消臭対策などが備わっているものです。

橋本さん
「仮に下水道が使えるとして、水を流せるのか、流せないのか?
下水道が使えれば、トイレを自分で水を確保する事によって使う事ができますね。
その時の流す水の量は、5リットルくらい。生活用水として、
一日15リットルくらい。そううちの中から5リットルが流れていく。

流せない場合は、仮設のトイレを使う事になります。
ですから、簡易トイレを使うにしても、
水を流して使ってみるにしても、一度試してやってみると、
いざ、被災した時にこんな風に使えばいいんだなと
練習してみれば良いと思うんですね。

どこで、それを使うか、隔離された場所はあるのか?
あるいは、においを防ぐ措置はとれるのか?
そんな事も考えておく必要があると思います」

用意はしているけれど、実際に使った事がない。
という方がほとんどだと思います。

使い方や、どこで使うのが良いのか?
隔離された場所や衛生面は大丈夫だろうか?
一度、家族で話し合ってみてはいかがでしょうか?


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2024.05.18
08:25 地震で下水道が使えなくなった時に起こる事


今朝は、
「地震で下水道が使えなくなった時に起こる事」と題してお届けします。

能登半島地震では、
広い範囲で断水が続いて水洗トイレが使えない状況が続き、
改めて災害が起きた時のトイレの備え等について
考えるきっかけになった方も多かったのではないでしょうか?

地震が起きた後、下水道が復旧するまでどの位の時間がかかるのか。
水ジャーナリスト・橋本淳司さんの解説です。

「東日本大震災の被災自治体を例にとると、下水道の仮復旧までに
平均35日、最大4か月以上かかっているんですね。
長い日数がかかる、水道と下水道の差は菅の太さ、
2階建ての建物がすっぽり入る。
簡易トイレを準備する事が大切になってくると思います」

東日本大震災では、発災から3時間以内に、
3割の方がトイレに行きたくなったとう報告もあります。
また災害用トイレとして、真っ先に思いつくのが「仮設トイレ」ですが、
避難所にすぐに届くとは限りません。東日本大震災で、
避難所にいきわたるまでに3日以内と回答した自治体が3割という
データがあります。

災害時には、携帯トイレ、簡易トイレ、
マンホールトイレも使いながらトイレ環境を確保する事が大切です。
携帯トイレは、1人、最低でも15回から35回分は備蓄しておきましょう。

マンホールトイレは、避難所のマンホールの上に便器や仕切りを設置する
だけで使用できるトイレの事です。東日本大震災や熊本地震では実際に
使用されました。また、訓練の一環としてイベントで使われていたりもします。
橋本さんは、私たちに向けてこう話します。

「仮設のトイレを使うとか、簡易トイレを使用する事になる、
一度練習すると良いと思う。隔離された空間が必要。
トイレの役割は衛生を保つ為だけでなくて、
自分達の尊厳の問題でもあるんだよ。という事で準備しておくとよい」

防災訓練等に参加してどんな災害用トイレがあるのか、
どのように使うのか考えてみる事もおすすめです。


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2024.05.11
08:25 災害が起きた時の水の備え


『災害が起きた時の水の確保』について考えます。

東京都が発表している
首都直下地震の被害想定では、
上水道の断水率は、都心で34.1%
復旧までおよそ17日かかると想定されていますが、
浄水施設に被害があれば、
さらに復旧までに時間がかかる可能性があります。

また、住宅内に設置された受水槽や給水管などの設備が
被害を受けた場合も断水被害は拡大する可能性があります。
特に高架水槽を設置しているマンションは、停電によって
ポンプで水を揚げられなくなってしまいます。

私たちは、1日におよそ250リットルの水道水を使用しています。
飲み水、食事の準備や後片付け、お風呂にシャワー、洗濯やトイレなど。
17日間、蛇口から水が出てこないという事は、想像以上不便さがあります。
また、能登半島地震の様に、何か月の断水が続く事も考えられます。

水の確保として、
『水の備蓄』はもちろん『災害時給水ステーション』や
給水車から水を貰うという事が考えられますが、
その他にどういう可能性が考えられるのでしょうか?

水ジャーナリストの橋本淳司さんに聞きました。
能登半島地震の事例を元にこう解説します。

『自前の井戸を活用する人たちが現れましたね。
元々、酒造とか醸造所が多い地域であったという事も
あるんですけれども、その人達が普段使っている井戸を、
この周囲の人に開放している。こういう事がありました。
防災用の井戸が残っている公園もありますから、
公園等にいった時に、いざという時に確認しておくと良い。
あと、雨水ですね。雨水は、汚いイメージを持っている人も
多いかもしれませんが、実際に降り始めて30分くらい経った雨は
綺麗、雨をどうやって貯めるかも重要ですね』

例えば、練馬区には、『防災井戸』以外に、
各学校に学校防災井戸が置かれている他、
ミニ防災井戸という、
深さおよそ8メートルの手動ポンプ付きの
浅井戸が区内のおよそ500か所に設置されています。
各自治体のHPには防災井戸の情報が載っています。
さて先ほどのお話の中にあった『雨水』を貯めるポイントについて
橋本さんはこう話します。

『雨水を貯めるっていう事でいうと、屋根の雨水を貯めるのが一番いいんですよ。
雨を貯める場合、面積を広い所で貯めた方が、沢山の雨水が貯められる。
バケツを直接置いておくと、バケツの入り口の面積分の雨水がたまるわけです。
雨どいに切り込みを入れて、プラスチックのようなもので雨水を引き寄せる装置を入れる、
例えばポリ袋のようなものを入れておくだけで雨水はたまります』


一度、梅雨の時期に実践してみるのも良いかもしれません。
災害に備えて1人、9リットル、
生活用水として使用するお水を、
水道水の汲み置きやお風呂の残り湯なので備えましょう。
今日お伝えした、「防災井戸」や「雨水」についても覚えておいてくださいね。

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