いきなり冬に逆戻りしてしまったような今日のスタジオにお迎えしたのは、
バラ研究家の梶みゆきさん!
お召し物も紫がかった赤い花柄、本当に、バラのエキスの香り漂う、とても素敵な女性でした。
(タイトルの『紫のバラの人』、どれくらいの人がわかるかしらん♪)

そんな梶さん、実は日本での「無農薬バラ栽培」の第一人者でいらっしゃり、
「バラ界」で梶さんを知らない人はいない、というくらい、有名な方♪
まずは、その「無農薬バラ栽培」についておうかがいしました。
お父様がお花好きで、常にお花に囲まれて生活していらっしゃった梶さん、
バラに興味を持ち始めたのも、自然の成り行きでした。
でも、バラというのはそもそも虫にとても弱く、農薬をかけるのは当たり前だったそうです。
お庭での栽培に農薬を使っていた梶さんは、当時常に頭痛と恐怖にさいなまれていたのだとか。
でも、そんなある日「オールドローズ」というバラに出会います。
この品種は、今私たちがお花屋さんで見かける、しゃきんっとまっすぐなタイプのバラと違い、
小さな花がたくさん咲く、ツルバラのようなタイプ。
そして名前のとおり、何百年も前からある古式ゆかしい品種なのだそうです。
「何百年も前なら、農薬はなかったはず!」ということに思い至った梶さん、
それからその「オールドローズ」の無農薬での栽培にチャレンジします。
そして5年の歳月を経て、ついに農薬を使わなくても大丈夫な、
強い「オールドローズ」を作り上げたのです!
そんな梶さんが使うのは、農薬ではなく、生薬。
それでも十分、虫をよける効果にはなるそうです。

もちろん、農薬を使わないので、全く虫がつかないわけではありません。
でも、バラにつくアブラムシを食べに、てんとう虫がやってくることや、
虫を食べるために様々な鳥たちがやってくる様子を見ていると、
「地球の生き物たちの、きちんとしたサイクルを感じる」のだとか。
そして、それが何よりも嬉しいのだそうです。
「もうね、今はウグイスが来て、朝起こしてくれるんですよ」と、嬉しそうに話してくださいました。そんな自然の営みを、ご自分のお宅のお庭で感じられるって、なんて素敵!
しかも、それが東京だというから、また驚きです。
でもきっと、昔むかしのその昔から、木々や花たちは農薬なんか全くないのに、
虫に食い尽くされることなく、脈々と命をつないできたはず。
それを考えれば、農薬をたくさんまいて虫をよけるなんて、必要ないはずなのです。
虫食いの穴があってしまったら売れないから。
そんな理由で、農薬の散布を促進してしまう私たちのココロモチが、
大切な生態系を崩しているのかもしれません。
ちょっとくらいの虫の穴は、その植物が健康であるアカシ。
虫ものびのびと羽を伸ばす、豊かな環境で育ってきた証拠です。
お花屋さんを覗いてみたとき、もしそんなお花を見つけても、
「あ、地球って豊かなんだな」なんて思える、心のゆとりを大切にしたい、と願った、
ホワイトデーのハチドリ高柳だったのでした。