世界のしくみを考える2週間、やっぱり今この瞬間にはずすことが出来ないのは、
チベットの問題ですよね。
今日はそんなお話をしてくださる方をお迎えしました。
映画『チベット・チベット』の監督、キム・スンヨンさんです。



滋賀県出身の在日コリアン3世でいらっしゃいます。
日本で生まれ、日本で育ち、韓国語は話せず、日本に帰化するおつもりだったのだとか。
デモ、その前に一度、自分のルーツである韓国に行ってみようと旅に出られたのが、
『チベット・チベット』が生まれるきっかけ。

「実は韓国って全然好きじゃなかったんですけど、実際韓国に行ってみたら、
自分の想像とは全然ちがって、やっぱり、見てみなきゃわからないな、と。
そこから、あてどなく中国からインドなど、旅を続けたくなったんですね。
その途中で立ち寄った北インドのダラムサラでチベット問題を知って、
持っていたビデオカメラで、チベット難民の現状を撮影し始めたのがそもそもの始まりです。」

これまでいらした国は、30カ国以上。もう途中から、数えるのを止めてしまったそうです。

「チベットでは、やっぱりこの現状を世界に伝えなければ、と思った。
でも救いだったのは、ダラムサラの子供村にいるこども達、
とてもつらい境遇にあるはずなんですけど、とても明るいんですね。それに救われました。」

私も、この『チベット・チベット』、もちろん見せていただきました。
袈裟を着て、お寺の中を逃げ回るお坊さまたちを、まるで悪しき動物でも退治するかのように、
棒や素手で殴りつける、制服を着た人々。
倒れこんだお坊さまを、なおも取り囲んで回り中からけりつける人々。
その場面だけでも、あまりのおぞましさに鳥肌が止まりませんでした。

世界で、今、何が行われているのか。
知ることは今、私たちの義務でもあるのかも知れません。