昨日は、映画『地球交響曲』を製作なさった龍村仁さんをお迎えして、
「地球は大きなひとつの生命体」というお話をうかがいましたが、
今日は、地球をとても科学的に解明されている方をお迎えしました。
惑星科学者で、東京大学教授でいらっしゃいます、松井孝典さんです!

(ご自身を『宇宙人』と名乗られている松井先生、オンエアでご紹介するのには、
ちょっと勇気がいりました。。。)

東大理学部ご卒業後、NASAの研究員などを経て、今のお仕事についていらっしゃいます。
1986年、科学雑誌『ネイチャー』に、海の誕生を解明した「水惑星の理論」を発表され、
世界的に注目されました。
まさに、地球の成り立ちを語らせたら、右に出るものはいない!と言われる先生なのです。

でも、まずは易しいところから、あの、「宇宙人」って、
ちょっと微妙なご紹介の仕方でしたが、どんな意味が・・・?

「だって、地球も宇宙の一部じゃない。
宇宙には地球しか存在しないわけじゃないんだから、私たちみーんな、宇宙人でしょ?
もっと広いところから見なくっちゃ。」

な、なるほど!
「宇宙人」って聞くと、なんだか火星人とか金星人とかみたいな気がするけど、
確かに、地球だって立派な宇宙の中の惑星。私たちも、「宇宙人」なんですねー。

「人間が農耕牧畜を始めたときから、地球は新たな局面を迎えたといえるでしょう。
このような生き方を人類が選択したとき、地球システムに『人間圏』という、
新しい構成要素が加わったと考えられるのです。
それが今言われている、環境問題の発端です。そして『人間圏』が駆動力を持つことで、
地球システムのモノやエネルギーの流れを決定的に変えてしまった。要するに、
物質循環のスピードを、飛躍的に速めてしまったわけです。」

そして松井先生は、今のままではまず、100年くらいのうちに、
この『人間圏』がなくなってしまうだろう、とおっしゃっていました。
でも、「じゃあ、地球はどうなってしまうんですか?」というハチドリ高柳の問いには、
自信を持ってひと言。

「いやいや、人間圏なんてなくなったって、地球は全然平気で、
まだあと何億年も存続しますよ。これまでの地球の、50億年の歴史の中では、
何度も超氷河期や温暖期を繰り返してきているんですし、そのたびに、
何かしらの固体種が絶滅したりしているわけです。それを考えたら、
地球はへっちゃらで、ずっと生き続けますよ。人間圏はきっと絶滅しちゃいますけどね。」

それは、とっても微妙な答え。
地球が存続してくれるのはとても嬉しいけれど、人間とその文化や営みは、
もう絶滅してしまうのでしょうか。

「地球を守ってあげなくちゃ」なんて言っているのはおこがましい、とよく言われますが、
本当に守らなければいけないのは、『人間』という種族なのかもしれません。
そのために、今出来ることは何か。
また考え込んでしまった、ハチドリ高柳だったのでした。