今年は、年賀状どれくらい出しましたか?
もう、1年に一度しか連絡を取り合わなくなってしまった人とも、
年賀状を通じて近況を知らせ合う、ということもありますよね。
でも先日、この年賀状を巡る「偽装問題」が発覚しました。
年賀はがきに使う再生紙への古紙の配合率が、日本郵政グループ指定の40%を、
大きく下回っていた、という問題。
中には、たった1%しか配合されていなかったものもあったそうです。
ということで、今日はこの「紙事情」をお話してくださる方をお迎えしました。
レインフォレスト・アクション・ネットワークの川上豊幸さんです。


(紙のお話をしていただくのに、なぜタスマニア?ハチドリ高柳は興味シンシンでした。)

「まず、基本的に古紙の配合率がたった40%で、『再生紙』と言えるのか、
という問題もあるんですが、やっぱり古紙をたくさん配合すると、
紙が柔らかくなってしまったり、黒っぽくなってしまったりするんですよね。
だから、いわゆる『純正パルプ』と呼ばれる新しいパルプで作ったんでしょう。」

川上さんは、今回の事件をこんな風に検証してくださいました。
でも、その『純正パルプ』には大きな問題があるそうなんです。

「『純正パルプ』は、木材を細かくした『チップ』と呼ばれる木片から出来るんですが、
日本はそのチップを、オーストラリアのタスマニアから輸入しているんです。
タスマニアには、地球上で最も特異な太古の原生林や、巨大なユーカリ群、
世界遺産級の森林が広がっています。
でもその貴重な森を、なんと1日にサッカー場44個分も伐採してチップにし、
その90%が日本に輸入されてます。」

えーーーーーーっ?
そんなに広大な面積が、毎日伐採されているんですか?
じゃあ、私たちが使っちゃってる可能性がある、ってことですか?

「もちろん、使ってますよ。オフィスで使われているコピー用紙やティッシュ、
トイレットペーパーなんかにも入っています。」

・・・・・・・げっ。。。
一応ハチドリ高柳は、家ではティッシュを出来るだけ使わないようにしていますし、
トイレットペーパーは100%再生紙のものを選んではいますが、
コピー用紙は使ってしまいます。毎日オンエアしている『Hummingbird』の原稿も、
コピー用紙に印刷されています。

「そして、もちろん木が切られてしまうのも問題なんですが、
タスマニアの森には、タスマニアン・デビルやカモノハシ、ワラビーやウォンバットなど、
絶滅危惧種や貴重な動物たちがたくさん生息しています。
その森を、伐採した上に焼き払ってしまうので、その生物たちは住む場所を奪われ、
命を落とすことになってしまうのです。」

川上さんのお話は、とてもショックでした。
日本では普段、何気なく紙をたくさん使ってしまっていますが、
その一人ひとりの行動が、タスマニアの貴重な森林を破壊するとともに、
多くの生物の命をも奪っているのです。

私たちの行動が、海を隔てた遠い国に大きな影響を及ぼしている。
そのことをきちんと認識して生活していかなくちゃいけないな、と、
心の底から反省した、ハチドリ高柳だったのでした。