風はまだ冷たい日も多いですが、
お日様の力はぐんぐん増してきて
散歩や街歩きが楽しい季節となってきましたね。
そんな中、海辺での素敵な防災のイベントが!
 
春分の日の3月21日まで、とはなってしまうんですが
東京・品川の大井競馬場近く、京浜運河で
『防災船』の展示が行なわれています。
バージ船・・・じゃりや鉄くずを運ぶ船なんですが、
実は東京湾には放置されているものを含めて
数百のバージ船があると言われています。
これを改造して、災害のときに大人数が
寝泊りできる一時避難先にする、というものなんです!
でもこれ、ただの防災用の船ではなく・・・
電気も太陽光発電や廃油燃料のディーゼル発電機で、
さらにはなんと、アーティストのアートワークを展示したり、
くつろげるソファやバーカウンターを設けたり。
床にごろ寝ではなく、ハンモックで体を休める!
と、災害のときでも楽しみや喜びを忘れないようにという
想いもこもった、人に優しく、アートでおしゃれな船なんです。
 
『L.O.B Floating Emergency Platform』と名づけられたこの取り組み。
 http://boatpeople.inter-c.org/
 
3月21日までのイベント、と上に書きましたが、
実はこれは1期間だけの展示ではなく、
活動をこれから一層広げていくそうです。
 
構想を進めるのは、一級建築士や街づくりコンサルタント、
都市環境システム専攻の大学院生などによる
『ボートピープルアソシエーション』。
都内の水辺を活用するために活動しているグループです。
このボートピープルアソシエーションの
井出玄一さんにお話を伺いました。すると、こんなお話が。

 実はそもそも、防災の為にバージ船を活用しよう!という考えで
 今回の取り組みがはじまった訳ではなかったんです。
 東京の水辺や船の活用術を考え
 カフェやアートスペースなど『人が集まる場所を作る』という
 構想を進める中で、その『人が普段から集まる場所』を
 防災の拠点にできないか、と。
 防災倉庫などもありますが、実際の場所や活用術が
 自分自身も分からないことがあります。
 だから、普段から自分たちがよく行く場所が
 いざというときにも自分を助けてくれる場所になれば
 もっと災害や防災への意識も変わってくるんではないか、と。
 
お話を伺って、私自身も目から鱗、でした。
普段活用されていないものを活用して、人の集まる場所に。
人の集まる場所を防災の拠点に。
そして、アートやカフェなどを交えて楽しく災害や防災を考える。
避難生活だっておしゃれにクールに過ごす!
防災や災害が特別なものではなく
日常に寄り添う形で存在すべき大切さを、改めて感じました。
私もこの取り組み、応援させて頂きたいと思います。
だって、大地震に遭遇して避難生活を余儀なくされる可能性・・・
これは『誰かのこと』ではなく、確実に『自分のこと』ですから、ね。