メダルが確定した瞬間、2人は涙の抱擁を交わした。
東京オリンピックの新競技・スポーツクライミング女子複合。
野中生萌が銀メダル、野口啓代が銅メダル、日本代表の2人がメダルを獲得、初代メダリストとなった。
スピード、ボルダリング、リードの3種目を行い、総合的な結果で順位を競うスポーツクライミングの複合。
野中、野口、ともにボルダリングを最も得意とするが、野中はスピード、野口はリードでも上位を狙える実力を持つ。
最初の種目スピードでは、3位決定戦で2人の直接対決となり、勝った野中が3位、野口は4位。
2種目目のボルダリングは、難易度の高い課題が続き、第1、第2課題とも7人が競技を終えて完登者はゼロ。
ここでの巻き返しを図りたかったが、またもや野中が3位、野口は4位に終わった。
2種目を終えた時点で野中は3位とメダル圏内、野口は6位で、最終種目のリードに賭ける事となった。
ワールドカップ年間総合優勝4回の実績を誇り、東京オリンピックで現役引退を表明していた野口にとっては、このリードがラストクライミングとなる。
出場選手で最年長の32歳は、「一手でも多く登りたい」と限界を超えた肉体を、強い気持ちで押し上げた。
その結果、リードを4位でフィニッシュし、見事逆転での銅メダル。
野中は、リードを5位で終え、銀メダル。
日本の両エースがダブルでの表彰台となった。
長年、日本のクライミング界をけん引してきた野口は、8歳年下の後輩・野中に「私が引退しても、生萌だったらクライミング界を引っ張ってくれる。」と、そのタスキを渡した。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
過去1週間分の番組が無料でお楽しみいただけるradikoタイムフリー
番組を聴いて気に入ったら、SNSで友達にシェアしよう!
「10月30日(土)OA分の放送はこちら」