Legend Story
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21.10.16
ウルフ・アロン
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オリンピックの柔道男子100キロ級は、2000年のシドニー大会で、井上康生が頂点に立って以来、東京大会まで日本勢の金メダル獲得はなかった。

21年ぶりの金メダルを目指し、この階級で出場したのがウルフ・アロン。
アメリカ人の父親と日本人の母親を持ち、東京の下町、葛飾区新小岩で生まれ育った。
幼い頃から様々なスポーツに取り組んだアロンが、中でも夢中になったのが、柔道。
東海大学時代には、講道館杯全日本体重別選手権や全日本体重別選手権も制覇し、柔道界の新星として脚光を浴びた。

身長181センチは、100キロ級では小柄な方だが、切れ味鋭い内股と強靱なスタミナが持ち味。
そのスタミナは、中学生の頃、毎朝、荒川の土手を10キロ走ってから登校することで養われた。
体力も集中力も保てることから延長戦に強く、いつしか、「ウルフタイム」と呼ばれるほどになった。

東京オリンピックの決勝でも、アロンの驚異的なスタミナが発揮されることになる。
初戦の2回戦を1本勝ち、準々決勝と準決勝は、技ありで勝利。

そして、韓国のチョ・グハムとの決勝戦、本戦の4分間では勝負がつかず、試合は延長戦に突入。
ここからアロンが攻勢に出る。
そして、延長5分35秒の激闘の末、得意の大内刈りで一本。
スタミナでは絶対に敗けないという自信が、勝利に繋がった。
「ウルフタイム」で見事な一本。
ウルフは両手のこぶしを突き上げてガッツポーズ。
その顔は涙でゆがんでいた。

地元・東京で、ウルフ・アロンが、世界の頂点に立ち、日本に21年ぶりの金メダルをもたらした。


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