4月25日、JRA・日本中央競馬会唯一の女性騎手、藤田菜七子が女性騎手初のJRA通算100勝を達成した。

メモリアルとなったのは、無観客で行われた福島競馬場の第1レース。
藤田は、1番人気のシルバージャックに騎乗。
好スタートを決めて先頭に立つとそのままレースを進め、最後の直線へ。
後続を5馬身差と大きく引き離し、独走でゴール、静寂に包まれた福島競馬場に“菜七子スマイル”が弾けた。

藤田は、1997年生まれ、茨城県出身の22歳。
競馬とは縁のない家庭に育ち、幼い頃は、空手や剣道を習っていたが、小学6年の時に見た競馬中継に感動し、中学卒業後、競馬学校に進んだ。

卒業した2016年、16年ぶりに誕生したJRAの女性騎手としてデビュー。
その可愛らしいルックスもあいまって一躍脚光を浴びた。
デビューから1か月後、51戦目でJRA初勝利。
その後も勝利を重ね、2018年8月には、通算35勝目を挙げ、女性騎手のJRA最多勝利記録を更新した。
そして、去年12月には、重賞レース「カペラステークス」で、JRA女性騎手史上初の重賞を制覇。

次々と記録を打ち立ていく藤田だが、今年2月、アクシデントに襲われる。
レース中に落馬し鎖骨を骨折、デビュー以来初めて、戦線離脱を余儀なくされた。

それでも、一日も早い復帰を目指し、手術を受けた翌日にはリハビリを開始、驚異の回復力で1か月後、レースへと復帰した。
復帰から4週目で久々の勝利をあげると、そこから3週連続勝利でJRA通算100勝に王手。
そして、JRA初勝利を飾った思い出の福島競馬場で、快挙を成し遂げた。

デビューから4年、怪我を乗り越えて掴んだ節目の勝利。
しかし、藤田菜七子にとってはあくまで通過点に過ぎない。



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